株価
株式会社Veritas In Silicoとは

Veritas In Silicoは、mRNA(メッセンジャーRNA)を標的にした創薬技術を持つ日本のバイオベンチャー企業です。従来のタンパク質を標的とする創薬とは異なり、RNAの構造を解析して新しい薬をつくるという、まだ競合も少ない先端分野に取り組んでいます。独自の技術プラットフォームを持ち、複数の製薬企業や化学企業と共同研究も進めており、2024年に東証グロース市場へ上場しました。
この会社の魅力は、技術が成功すれば大きな成長が期待できる点です。RNAを標的とした創薬は、従来の治療法が効きにくい病気にも対応できる可能性があり、医療の新しい領域として注目されています。また、独自技術を持っているため、一つの薬だけではなく複数の開発パイプラインを展開できる余地があります。
一方で、バイオベンチャー特有のリスクもあります。創薬は時間がかかる上、研究開発が必ず成功するとは限りません。臨床試験や安全性のハードルも高く、失敗すれば大きな株価下落につながることもあります。また、まだ本格的な収益はこれからで、資金調達に依存する面もあるため、業績が安定している企業とは言えません。
総合的に見ると、Veritas In Silicoは「ハイリスク・ハイリターン」の典型的なバイオ株です。短期的な値動きを狙うより、長期的な技術の成長と実用化を見込んで投資するスタイルが合っています。リスクを許容できる投資家にとっては、将来大きな伸びしろがある一方で、失敗リスクも高いという点を理解しておく必要があります。
直近3年間の業績・指標
決算期 | 事業収益(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 当期純利益(百万円) | 備考・補足 |
---|---|---|---|---|---|
2022年12月期 | — | — | — | — | データ未確認 |
2023年12月期 | 360 百万円 | 37 百万円 | 35 百万円 | 33 百万円 | IFIS社予報データより :contentReference[oaicite:1]{index=1} |
2024年12月期 | 194 百万円 | −212 百万円 | −233 百万円 | −236 百万円 | 赤字転落(前期は黒字) :contentReference[oaicite:2]{index=2} |
バリュエーション(2025年3月期)
指標 | 数値・備考 |
---|---|
PER(調整後) | —(赤字企業のため算出不能/“–”表示) |
PBR | 約 2.36 倍(連結/単独ベース) |
営業利益(2024年12月期) | −212 百万円(赤字) |
投資判断
Veritas In Silicoは、RNAを標的とする創薬という先端分野を手がける企業ですが、数字の面だけを見ると、現時点では「業績で評価する段階」には達していないのが正直なところです。
2023年までは小規模ながら黒字を確保していましたが、2024年12月期は事業収益が約194百万円に落ち込み、営業損失が約212百万円と赤字に転落しました。つまり、売上が縮小し、利益もマイナスに転じた状態です。今は利益を出すフェーズではなく、研究開発に資金を投じている初期〜成長前期にあたるといえます。
PER(株価収益率)は赤字のため算出不能となっており、PBR(株価純資産倍率)は約2.3倍と、資産に対しては市場がそれなりの成長期待を織り込んでいます。つまり、現在の株価は「実績ではなく将来性への期待」で評価されているということです。
財務面では有利子負債がほとんどなく、自己資本比率も高い点は安心材料です。一方で、売上規模が小さいため、研究開発や人材投資を続けるには今後も資金調達が必要になる可能性があります。また、バイオベンチャーという性質上、業績が一気に伸びる可能性もあれば、研究が進まず長期間赤字が続くリスクもあります。
総合的に見ると、Veritas In Silicoは利益や安定した業績を重視するバリュー投資の観点では魅力は乏しいですが、技術の成功や提携による飛躍を見込んでリスクを取る成長投資(グロース投資)対象としては一定の可能性を持っています。数字上は現時点で割安ではなく、むしろ成長期待を先に織り込んでいる印象です。
今後の値動き予想!!
Veritas In Silico(130A)の株価は、今後の業績次第で大きく変動する可能性があります。現在は赤字状態で、2024年12月期の営業損失は約2億円と厳しい状況ですが、2025年には黒字化を目指す業績予想が出ています。技術分野としてはmRNAを標的とする創薬という成長性の高いテーマに取り組んでおり、共同研究の拡大や自社パイプラインの進展が実現すれば、将来的には株価上昇のきっかけになる可能性があります。
上昇シナリオとしては、黒字転換が順調に進み、提携や契約が増えて実績が伴えば、期待が現実となって株価が上昇していくパターンです。バイオ株は実績改善と市場のテーマ性が重なると、一気に資金が流入することもあります。
一方で、業績の改善が遅れたり、開発が思うように進まなければ、株価は大きく動かず横ばいの期間が続く可能性もあります。バイオ株は材料が出るまでは株価が停滞するケースが多く、投資家の期待が先行しているだけに、進展が見えなければレンジ相場になりやすいです。
さらに、黒字化の失敗や開発上のトラブル、資金調達の悪化などが起きれば、株価は大きく下落するリスクもあります。特に成長期待で買われている銘柄は、期待が裏切られたときの下げ幅が大きいので注意が必要です。
全体的に見ると、今後しばらくは株価が横ばいで推移し、実績の改善が確認できれば上昇に転じるという展開が現実的です。ただし、これは企業の成長が順調に進むことを前提としたシナリオであり、失敗した場合は下落する可能性も十分あります。リスクとリターンをしっかり理解したうえで、長期目線での投資判断が必要な銘柄といえるでしょう。
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