株価
ニッスイとは

ニッスイは、水産大手で加工・商事のほか日本・南米で養殖事業を展開し、国内外で食品事業を行う総合食品会社です。本社は東京都港区西新橋に所在し、2022年12月1日に日本水産株式会社から現在の社名へ変更されています。春光会および芙蓉懇談会に属し、日経平均株価およびJPX日経インデックス400の構成銘柄でもあります。
事業は水産事業、食品事業、物流事業、ファインケミカル(医薬)事業などで構成されています。水産事業では、漁業・養殖・調達・加工・販売までを一貫して手がけ、日本および南米を中心に養殖事業も展開しています。かつては遠洋漁業を主力としていましたが、1990年代以降は撤退し、より付加価値の高い分野へシフトしています。
食品事業では、冷凍食品や水産加工食品を中心に家庭用・業務用の両分野で展開しており、水産フライ分野では世界トップクラスのシェアを持っています。海外展開も積極的に進めており、海外売上比率は約40%に達しています。物流事業ではグループ内外の低温物流を担い、安定した供給体制を支えています。
ファインケミカル事業では、EPA(エイコサペンタエン酸)などの機能性脂質を活用した医薬品原料や健康食品素材を展開しており、水産由来の高付加価値ビジネスとして収益性の高い分野となっています。医薬品分野では高純度EPA原料の供給を行っており、水産会社の中では比較的高い収益性を持つ要因となっています。
1911年に山口県下関で創業し、漁業を起点に発展。戦後は冷凍食品や加工食品へ事業を拡大し、海外拠点の整備やM&Aを通じてグローバル企業へと成長しています。近年はブランドスローガン「まだ見ぬ、食の力を。」のもと、食品と健康領域の融合を進めています。
主な関連会社には、黒瀬水産、日水物流、ニッスイマリン工業、ホウスイ、ニッスイ・フード・システムなどがあり、水産・食品・物流・エンジニアリングなど多岐にわたる事業をグループで展開しています。このようにニッスイは、水産資源を起点に食品・医薬・物流まで多角化した事業構造を持ち、国内外で展開する総合食品企業となっています。
ニッスイ公式サイトはこちら直近3年間の業績・指標
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 1株益(円) | 1株配(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 656,491 | 18,079 | 22,750 | 14,452 | 46.5 | 9.5 |
| 連22.3 | 693,682 | 27,076 | 32,372 | 17,275 | 55.5 | 14 |
| 連23.3 | 768,181 | 24,488 | 27,776 | 21,233 | 68.2 | 18 |
| 連24.3 | 831,375 | 29,663 | 31,963 | 23,850 | 76.7 | 24 |
| 連25.3 | 886,126 | 31,779 | 35,301 | 25,381 | 81.7 | 28 |
| 連26.3予 | 900,000 | 34,500 | 35,500 | 25,000 | 82.4 | 28 |
| 連27.3予 | 930,000 | 37,000 | 38,000 | 26,000 | 85.7 | 28〜32 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 3,396 | -22,571 | 17,413 |
| 2024 | 54,486 | -37,722 | -12,393 |
| 2025 | 40,379 | -30,393 | -11,452 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 3.1% | 3.8% | 9.7% | – | – |
| 2024 | 3.5% | 3.9% | 9.5% | – | – |
| 2025 | 3.5% | 3.9% | 9.1% | 7.8〜11.3倍 | 1.65倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は8313億→8861億→9000億予想と緩やかに増加しており、事業規模は拡大基調にある。営業利益は296億→317億→345億予想、経常利益は319億→353億→355億予想と増益傾向が続いており、純利益も238億→253億→250億予想と大きな崩れはなく、全体として安定した利益推移になっている。
営業利益率は3.1%→3.5%→3.5%と低水準ながら改善後に横ばいで推移しており、食品・水産業特有の薄利構造の中では一定の採算ラインを維持している。ROEは9.7%→9.5%→9.1%とやや低下しているが依然として10%前後の水準にあり、資本効率は中程度を維持している。ROAも3.8%→3.9%→3.9%と安定しており、資産を使った収益創出力に大きな変化は見られない。
利益の伸びはあるものの、売上成長に対して利益率の改善幅は限定的であり、構造的に大きく利益率が上がるビジネスではない点が読み取れる。そのため業績は安定している一方で、利益の伸びが株価評価に直結しにくい特徴を持つ。
評価面ではPERは7.8倍〜11.3倍、PBRは1.6倍と、割安寄りではあるが極端な低評価ではなく、安定企業として妥当なレンジに収まっている。高成長を織り込む水準ではなく、あくまで既存事業の安定性と継続的な利益を前提とした評価になっている。
全体としては、売上・利益ともに緩やかに積み上がる安定型の企業であり、景気や市況の影響は受けつつも大きな業績ブレは出にくい構造となっている。高収益企業ではないが、事業基盤の広さと利益の安定性から、ディフェンシブ寄りの位置付けで見られる銘柄と言える。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは26,27年度ともに2.06%と、市場平均並みであり高配当株ではない。インカムゲイン目的としてはやや弱く、配当だけで投資妙味を感じる水準ではない。
一方で、純利益は238億→253億→250億予想と安定しており、営業利益・経常利益も増加基調にあるため、配当の継続性という点では一定の安心感がある。実際に業績のブレが比較的小さい食品・水産セクターであることから、減配リスクは極端に高いとは言いにくい。
ただし営業利益率は3%台、ROEも9%前後と収益性は中程度にとどまっており、利益余力から見ても大幅な増配を継続していく構造ではない。利回りも2%前後で横ばい推移となっていることから、配当成長を期待する銘柄というよりは、現状維持型の配当政策と見る方が自然。
またPBR1.6倍という水準からも、資産バリュー株のように「高配当+割安」で拾われるタイプではなく、あくまで事業の安定性と規模を評価された価格帯にある。つまり配当はあくまで補助的なリターンであり、主役ではない。
まとめると、配当は「高くないが安定している」という性格が強い。高配当狙いには不向きだが、業績の安定性を前提に中程度の配当を継続的に受け取りたい場合には一定の適性がある銘柄と整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は1,549円で、ニッスイは売上6564億円から8861億円、9000億円予想へと着実に拡大しており、事業規模は継続的に成長している。一方で営業利益は296億から317億、345億予想と増益基調ではあるが、利益率は3%台にとどまっており、大きく収益性が高まっているわけではない。
営業利益率は3.1%から3.5%へ改善した後横ばい、ROEも9%台前後で推移しており、高収益企業というより安定収益型の水準にある。水産・食品という特性上、原材料価格や市況の影響を受けやすく、景気や需給に応じて緩やかに変動する循環的な収益構造となっている。
良い場合は、水産市況の改善や養殖・海外事業の収益拡大により営業利益率が4%前後まで上昇し、ROEが10%台を維持するシナリオである。評価がPER10倍台前半から後半、PBR1.8倍前後まで見直されると、5年後の株価は1,800円から2,300円程度まで上昇する可能性がある。急騰ではなく、利益成長に合わせて緩やかに上昇する推移になりやすい。
中間の場合は、売上は拡大するものの利益率は3%台で横ばい、ROEも9%前後で安定するシナリオである。評価はPER8倍から11倍、PBR1.4倍から1.7倍の範囲に収まり、5年後の株価は1,400円から1,800円程度のレンジで推移しやすい。配当利回りと安定性が意識されるボックス相場になりやすい。
悪い場合は、水産価格の下落やコスト上昇により営業利益率が2%台まで低下し、ROEも8%前後へ低下するシナリオである。評価がPER7倍前後、PBR1.2倍付近まで縮小すると、5年後の株価は1,100円から1,400円程度まで下落する可能性がある。赤字転落の可能性は低いが、低収益構造のため評価縮小によるじわじわとした下落になりやすい。
総合すると現在値1,549円は成長期待よりも安定性を織り込んだ水準に近い。上昇余地は利益率の改善と海外事業の伸びに依存し、大幅な上昇よりもレンジ内での推移になりやすい一方、事業基盤の広さと安定した利益により下値も一定程度支えられやすい。株価は短期材料よりも中長期の業績推移に連動しやすく、長期では緩やかな上下を繰り返す循環型の値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月28日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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