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エムビーエス(1401)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

エムビーエスとは

株式会社エムビーエスは、山口県宇部市を拠点に、建物やインフラの「補修・保全」に特化した工事サービスを行う企業で、特に独自のコーティング技術を武器にしている会社だ。一般的なリフォーム企業とは違い、古くなった建物を単に塗り替えるだけでなく、外壁の劣化やコンクリートのはく落を防ぎ、建物の寿命を延ばす専門性の高い工法を提供するのが大きな特徴となっている。

同社の主力となるのが「ホームメイキャップ工法」と呼ばれる独自技術で、これは外壁に専用コーティングを施すことで、美観の回復だけでなく耐候性・耐久性を大幅に高めるもの。通常の塗装工事よりも長寿命で、補修周期を伸ばせる点が評価されており、マンションや商業ビルだけでなく、公共施設や大規模建物にも採用が増えている。近年は大規模修繕の需要が高いこともあり、安定的な需要が見込める分野だ。

もう一つの柱が、コンクリートのはく落を防ぐ「スケルトン防災コーティング」だ。老朽化した橋梁やトンネル、地下構造物では、コンクリート片の落下が深刻な安全問題となっている。エムビーエスの工法は、既存の表面にコーティング層を形成してはく落を防ぐもので、施工期間が比較的短く済み、コストも抑えられる点が強みだ。公共工事での採用も広がり、国や自治体のインフラ老朽化対策が進む中で、同社への追い風も続いている。

また、同社は建設業界の中でも“軽量なビジネスモデル”を取っており、自社で大規模な施工人員を抱えるのではなく、技術提供・工法開発を主軸にしながら、協力業者とのネットワークで施工を進めるスタイルを確立している。これにより設備投資や固定費を抑え、利益率の高さを確保している点は、小型株らしからぬ経営の上手さが光る。

さらに、改修・補修という分野は“景気に左右されにくい”というメリットも大きい。不景気でも「壊れた建物は直さなければいけない」ため、一定の需要が存在し続ける。新築需要が波がある業界に対し、補修需要は安定的な市場基盤があり、そこに独自技術で確固たるポジションを築いているのがエムビーエスの強みと言える。

総じて、エムビーエスは、建物の寿命を延ばす特殊技術を軸に、建設・インフラ補修の分野で堅実に成長してきた企業であり、景気の波を受けにくく収益の安定性が高いのが特徴だ。国のインフラ老朽化問題が深刻化するなかで、同社技術のニーズは今後さらに高まる可能性があり、独自工法を武器にしたニッチトップ企業として注目される存在となっている。

エムビーエス 公式サイトはこちら

直近3年間の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(EPS) 一株配当(DPS)
単22.5 4,030 440 475 325 42.4 5
単23.5 4,004 432 468 322 42.6 6
単24.5 4,356 495 527 403 54.1 8
単25.5 4,713 626 672 472 65.0 13(記念)
単26.5予 5,200 700 740 500 71.1 13〜15
単27.5予 5,700 770 810 550 78.2 13〜15

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 54 -24 -90
2024 547 -277 -155
2025 571 -47 -233

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 10.7% 9.9% 7.7%
2024 11.3% 11.6% 9.1%
2025 13.2% 12.7% 9.6% PER 高値平均:14.0倍
PER 安値平均:9.4倍
2.45倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

エムビーエスの業績推移を見ると、この会社は「売上・利益が毎年しっかり積み上がっており、収益構造が着実に強化されている安定成長型の建設・補修企業」という印象が非常に強い。まず単23.5では売上40億円、営業利益4.3億円、純利益3.2億円と十分な利益を確保しており、営業利益率も10%台と建設関連企業としてはかなり高い水準だ。EPSも42円台を維持しており、この時点ですでに収益基盤の良さがうかがえる。

単24.5では売上43億円、営業利益4.9億円、純利益4.0億円と順調に増益を達成。営業利益率は11%台まで改善し、収益体質がさらに強くなった。インフラ保全関連は景気に左右されにくく、道路・橋梁など公共系案件の需要も安定しているため、事業の底堅さが数字にも如実に表れている。EPSも54円まで伸び、株主への還元力も増している。

単25.5になると売上47億円へとしっかり増え、営業利益6.2億円、純利益4.7億円と過去最高レベルの利益を記録。営業利益率はついに13%近くまで上昇し、独自工法による高採算モデルが完全に定着しつつあることを示している。記念配当(13円)を実施している点からも、会社側の強い業績自信が読み取れる。EPSも65円まで伸びており、利益の積み上がりとともに企業価値が順調に成長している。

さらに単26.5予では売上52億円、営業利益7.0億円、純利益5.0億円と、増収増益が続く見通し。ROE・ROAなどの指標も改善しており、高収益企業としての位置付けがより明確になっている。インフラ老朽化問題は日本全体の構造的課題であり、地方自治体や政府の施工予算は今後も一定規模で維持される可能性が高いことから、同社の仕事量も長期的に途切れにくい。PERは14〜9倍の範囲で推移しており、成長率と利益率を考慮するとむしろ割安と判断できる領域にある。

総じてエムビーエスは「高採算・低ボラティリティ・長期需要のあるインフラ保全ビジネス」を展開する、非常にバランスの良い中小型成長企業と言える。営業利益率10〜13%という強い収益性、安定した増収増益トレンド、ROE・ROA改善、そして適度に割安なバリュエーションが揃っており、同業他社と比較しても定性的・定量的に魅力は大きい。景気敏感株ではないため、急落リスクが低く、長期でじっくり利益を積み上げるタイプの投資家には向いている銘柄だと感じられる。

配当目的とかどうなの?

エムビーエスを配当目的で見る場合、結論としては「配当利回りそのものは低いが、安定成長と決算の強さを考えると“将来の増配期待が十分あるタイプ”の銘柄」という立ち位置になる。現在の予想配当利回りは単26.5・単27.5ともに1.04%とかなり控えめで、高配当株を探している投資家にとっては物足りない水準だと言える。

ただ、同社の事業内容を踏まえると、単純に利回りだけでは評価しづらい面がある。エムビーエスはインフラ補修・保全という“景気に左右されにくい需要”を扱っており、売上も利益も毎年安定して成長している。営業利益率も10〜13%という高採算モデルで、EPSは42円 → 54円 → 65円 → 71円(予想)と綺麗に積み上がっている。企業規模が大きくないため配当性向を無理に引き上げるのではなく、事業拡大と財務安定を優先しているフェーズと言える。

実際、過去の配当履歴を見ると、5円 → 6円 → 8円 → 13円(記念)と確実に増配してきており、上場から時間が経つにつれて株主還元の姿勢が強まっている点も見逃せない。特に13円の記念配当は業績への自信の表れであり、今後も利益が積み上がる限り、無理のない範囲での継続増配が期待できる。

配当利回り1%は決して高いとは言えないが、業績の安定性・成長性・高利益率・割安評価という特徴を考えると、長期で保有する中で配当も“おまけ”として期待できるタイプの銘柄だ。短期で配当を狙うよりも、企業成長とともに配当が伸びていく「成長+控えめ配当」の組み合わせで資産を積み上げたい投資家に向いている。

総じて、エムビーエスは“現時点では配当利回りは低いが、長期保有で増配期待があり、企業価値の積み上がりとともにトータルリターンを狙うタイプの銘柄”という評価になる。高配当銘柄とは性質が異なるが、安全性と成長のバランスを取りたい投資家には適した選択肢だ。

今後の値動き予想!!(5年間)

エムビーエスの現在値は 1,246円だが、この会社はインフラ補修・建物保全という景気に左右されにくい安定需要を扱い、営業利益率も10〜13%と建設関連としてはかなり高水準にある。さらに売上は毎年増加し、EPSも着実に伸びているため、株価も業績に素直に追随しやすいタイプの銘柄だ。ただし小型株で流動性が高くなく、需給や地合いの影響を受けやすい面もある。ここでは5年間の株価を「良い場合」「中間」「悪い場合」に分けて整理する。

【良い場合】
インフラ補修需要が継続的に増え、国や自治体の老朽化対策予算も維持され、同社が得意とするコーティング工法の案件受注が安定して積み上がるケース。売上は年率4〜6%のペースで伸び、EPSは71円 → 80〜90円台に到達する可能性がある。営業利益率も10〜13%台を保ち、ROEも12〜14%の強い水準を維持できれば、市場の評価は高まり、PERが12〜15倍で評価される展開もあり得る。すると株価は5年後に1,600〜2,000円程度へと上昇するシナリオが見える。強い決算が続けば2,200円を超えてくる場面も考えられる“安定成長株としての上値追いパターン”だ。

【中間の場合】
売上は増えるが、材料費や人件費の上昇がじわじわ効いて利益の伸びは緩やか、というもっとも現実的なケース。EPSは70円前後で横ばい〜微増を続け、業績は安定しているものの爆発的な伸びは出ない。この場合、株価は現在の1,200円前後を中心に、1,050〜1,350円のレンジで推移しやすい。値動きは小さいが、下値が強く崩れにくいのが特徴で、長期保有には安心感がある。いわゆる“じっくり育つタイプ”で、決して派手ではないが底堅いシナリオとなる。

【悪い場合】
公共工事の発注タイミングのズレや、材料費の一段の上昇、人件費の上振れが重なり、利益率が10%を割り込むケース。EPSが60円台へ戻ると市場の評価は厳しくなり、PERは10倍を割る水準まで下落する可能性もある。その場合株価は900〜1,050円ほどのゾーンまで調整するシナリオが想定される。ただし、同社は安定需要のインフラ補修事業を行っているため“業績が大幅に悪化して株価が崩壊する”というリスクは低く、下がっても一定のところで必ず買いが入るタイプの銘柄である点が救いとなる。

総じて、エムビーエスは「大きく跳ねる株ではないが、業績がきれいに積み上がるにつれてじわじわ評価される安定成長株」であり、5年というスパンで見ればプラス方向に進む可能性が高い。生活インフラを支える補修ビジネスは今後も需要が尽きず、企業としての安定性は非常に強い。株価は派手さよりも堅実さを重視する投資家と相性が良く、長期保有向きの銘柄といえるだろう。

この記事の最終更新日:2025年11月23日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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