株価
ベルグアースとは

ベルグアースは、愛媛県宇和島市に本社を置く農業関連の企業です。主に「野菜苗(やさいなえ)」の研究・生産・販売を行っており、日本の農業を支える苗供給会社として知られています。
会社は2001年に設立され、2011年に東証スタンダード市場に上場しました。資本金は約7億円で、従業員はおよそ300人ほど在籍しています。代表取締役は山口一彦氏です。
ベルグアースの中心事業は、トマトやナス、キュウリ、ピーマンなどの接ぎ木苗の生産と販売です。接ぎ木苗というのは、病気に強く、育ちやすい植物に改良するために、異なる品種を組み合わせて作る苗のことです。この技術を使うことで農家は安定した収穫を得やすくなり、農業の効率を高めることができます。ベルグアースはこの分野で国内トップクラスの技術を持っています。
また、苗だけでなく、農業資材や園芸用の種子、肥料などの販売も行っています。さらに、一般消費者向けに家庭菜園やガーデニング商品を販売する小売事業も展開しています。
会社の特徴として、最新の設備を使った育苗ハウスを全国各地に持っており、温度や湿度を自動管理して高品質な苗を安定的に供給できる体制を整えています。さらに、海外市場への展開も進めており、中国や韓国などへの販売拡大も視野に入れています。
ただし、農業関連のビジネスであるため、気候変動や病害虫の発生、原材料価格の上昇といった外的要因に左右されやすい点がリスクです。
まとめると、ベルグアースは「苗の技術と安定供給力で農業を支える企業」であり、堅実な事業を行いながらも今後の成長は新技術と海外展開にかかっているといえます。
直近3年間の業績・指標
決算期(10月期) | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) |
---|---|---|---|---|
2023年10月期 | 7,061 | 76 | 106 | 78 |
2024年10月期 | 7,095 | 22 | -16 | 39 |
2025年10月期(予想) | 7,200 | – | – | – |
バリュエーション
指標 | 2023年 | 2024年 | 2025年(予想) | 備考・出典 |
---|---|---|---|---|
PER(株価収益率) | 15.8倍 | 28.5倍 | 17.2倍 | 株探・IRBANK・Yahooファイナンスより |
PBR(株価純資産倍率) | 0.95倍 | 1.02倍 | 1.08倍 | IRBANK・株探 |
営業利益率 | 1.1% | 0.3% | 0.9% | (営業利益÷売上高)決算短信より算出 |
ROE(自己資本利益率) | 3.2% | 1.4% | 2.8% | Yahooファイナンス・有価証券報告書 |
ROA(総資産利益率) | 2.1% | 0.9% | 1.7% | 決算短信「連結財務諸表」から算出 |
投資判断
ベルグアースは、数字から見て堅実ではあるが成長力が鈍く、やや慎重に見た方がいい銘柄です。
まず売上高を見ると、2023年が約70億円、2024年が約71億円、2025年も74億円前後の見込みと、売上は安定していますが大きな成長はありません。農業関連事業の性質上、急激に業績が伸びることは少なく、横ばい傾向が続いています。
営業利益は2023年が76百万円、2024年が22百万円と減少し、2025年の予想でも70百万円程度とまだ不安定です。営業利益率で見ると1%前後しかなく、利益を出す力は決して強くありません。事業自体は安定していますが、原材料費やエネルギーコストの上昇、天候不順などが利益を圧迫しています。
ROE(自己資本利益率)も3%前後、ROA(総資産利益率)も1〜2%台と低く、資本を効率的に使えているとは言いにくいです。投資家から見れば、効率の悪い経営体質に映るでしょう。
PERは2024年で約28倍とやや高く、2025年でも17倍程度と、現時点の利益水準に比べるとやや割高です。PBRは1倍前後で、企業価値としては「標準的」な評価を受けています。つまり、株価が特別に安いという印象はなく、むしろ今の利益水準では少し高めに感じられます。
総合的に見ると、ベルグアースは「安定した農業関連株」ではありますが、収益力の弱さと成長の鈍さが課題です。短期的に大きく値上がりする材料は乏しく、現状では株価上昇の勢いは期待しにくい状況です。
したがって、投資判断としては「中立からやや弱気」。
業績が安定しており倒産リスクは低いものの、利益成長や配当利回りを重視する投資には向きません。もし投資するなら、株価が割安に下がった局面での長期保有が現実的です。
今後の値動き予想!!
ベルグアースの現在株価を約 2,944円 として、今後5年間の値動きを平文で予想します。
あくまで仮説であり、実際の結果を保証するものではありません。
現在この会社は、野菜や花・家庭園芸向けの「接木苗」生産・販売を国内で手掛ける企業で、農業・園芸分野に特化しています。
比較的ニッチな分野ではありますが、「植物育成」「園芸需要」などのテーマ性もあり、安定性と成長余地の両面を持っています。
今後5年間(2030年頃まで)における株価予想を、以下の3つのシナリオで示します:
楽観的なシナリオ
もし園芸・家庭菜園・農業用植物育成の需要が国内外で拡大し、ベルグアースが技術力強化・販路拡大・コスト効率化に成功すれば、株価は現在の2,944円から 5,500円〜8,000円 程度まで上昇する可能性があります。
この場合、年平均でおおよそ +15〜25% 程度の成長が想定されます。
具体的には、海外展開や新規品種の投入、家庭園芸市場向けのブランド化が鍵となります。
中立的なシナリオ
園芸市場自体は横ばいまたは緩やかな成長、同社も堅実な運営を継続するが、大きなブレイクスルーはない場合。
このとき、株価は 3,500円〜4,500円 程度で推移すると考えられます。年平均で +5〜10% 程度の上昇です。
成長の鈍化・原材料費の上昇・競合の激化などが成長のリミッターになる可能性があります。
悲観的なシナリオ
もし、園芸・農業向け市場が縮小もしくは停滞、あるいは同社がコスト上昇(人件費・物流・原材料)に苦しむ場合。さらに、需要低迷や代替品・輸入苗の台頭があれば、株価は 1,500円〜2,800円 程度まで下落する可能性もあります。
この場合、年平均で -5〜+2% 程度、あるいは横ばいの推移となるでしょう。
特に、小規模市場・ニッチ品目という性格上、市場環境の変化には敏感です。
まとめると、ベルグアースは「園芸・苗生産」という柱を持ち、安定性とテーマ性を兼ね備えていますが、急成長を実現するには新規市場拡大・技術革新・効率化といった複数の条件が揃う必要があります。
現在の株価2,944円という水準は、安定成長をある程度織り込んだものと考えられます。
今後5年間で株価を大きく上げるためには、海外販路の拡大やブランド強化、コスト構造の見直しがカギとなるでしょう。逆に、これらの条件が満たされない場合には、株価の下振れリスクも無視できません。
この記事の最終更新日:2025年10月23日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。
コメントを残す