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ホクトとは

株式会社ホクトは長野県に本社を置くきのこ総合企業で、ブナシメジ、エリンギ、マイタケなどの栽培・販売を中心に事業を行っています。国内に複数の生産工場を持ち、安定した品質と供給体制を強みとしています。近年は椎茸の栽培にも力を入れており、国内だけでなくアメリカなど海外でも事業を展開しています。
会社はきのこの生産販売のほか、きのこ由来の成分を活用した健康食品や化粧品などの研究開発も行っており、「きのこのホクト」というブランドで全国的に知られています。スーパーなどで見かけるホクトのロゴマーク入りのパックきのこは、この会社の商品です。
設立は1964年で、東京証券取引所プライム市場に上場しています。発行済株式数は約3300万株、決算期は3月です。主要株主には創業家関連会社の株式会社北斗、日本マスタートラスト信託銀行、八十二銀行などが名を連ねています。
簡単にまとめると、ホクトは日本国内でトップシェアを誇るきのこメーカーで、健康志向の高まりとともに業績を伸ばしている企業です。
ホクト 公式サイトはこちら直近3年間の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
当期純利益 (百万円) |
一株益(EPS) (円) |
一株配当(DPS) (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 72,980 | -2,948 | -1,854 | -2,037 | -64.4 | 40 |
| 2024年3月期 | 79,426 | 3,180 | 4,715 | 3,525 | 111.2 | 50(記念配含む) |
| 2025年3月期 | 83,104 | 6,628 | 6,953 | 4,441 | 140.6 | 50 |
| 2026年3月期(予想) | 83,000 | 5,500 | 5,900 | 5,400 | 172.6 | 50〜60 |
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 4,675 | -4,147 | 888 |
| 2024年3月期 | 8,375 | 1,046 | -8,789 |
| 2025年3月期 | 12,222 | -9,012 | -1,721 |
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 (%) |
ROE (%) |
ROA (%) |
PER(高値平均) (倍) |
PER(安値平均) (倍) |
PBR (倍) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | -4.1 | -4.0 | -2.0 | ― | ― | ― |
| 2024年3月期 | 4.0 | 6.4 | 3.4 | ― | ― | ― |
| 2025年3月期 | 7.9 | 7.8 | 4.1 | 15.7 | 13.7 | 0.98 |
投資判断
ホクトは、ここ3年間の業績推移を見ると、赤字から黒字へと回復し、業績が着実に改善している再成長局面の企業といえます。
まず、2023年3月期は営業利益がマイナス2,948百万円と赤字でしたが、翌2024年には3,180百万円、2025年には6,628百万円と黒字化に転じています。経常利益・純利益も同様に回復しており、明確にV字回復の流れが確認できます。
営業利益率は2023年に-4.1%と低迷していましたが、2024年に4.0%、2025年には7.9%まで改善しています。これは、コスト削減や生産効率の向上が進んだ結果であり、本業の収益力がしっかり戻りつつあることを示しています。
ROE(自己資本利益率)は2023年-4.0%から2025年には7.8%まで上昇し、ROA(総資産利益率)も-2.0%から4.1%に改善しています。資本効率も正常化しており、財務体質は良好な方向に向かっています。
株価指標を見ても、2025年のPERは高値平均で15.7倍、安値平均で13.7倍、PBRは0.98倍と、株価はおおむね適正水準かやや割安水準にあります。PBRが1倍を下回っている点は、依然として企業価値に対して株価が過小評価されている可能性を示します。
総合的に見ると、ホクトは赤字期を脱して収益が安定してきた点を評価できます。営業利益率・ROE・ROAの改善が続けば、今後の配当維持や増配の期待も十分にあります。
したがって、現時点では「業績回復型の安定成長株」として中長期投資に向いています。短期で大きく値上がりするタイプではありませんが、安定的な業績と割安な株価を評価するなら、堅実な買い候補と言えます。
配当目的とかどうなの?
ホクトは、配当目的の投資としては十分に魅力のある銘柄です。
2026年3月期の予想配当は「1株あたり50〜60円」とされており、予想配当利回りは約2.74%です。
これは、日本株全体の平均(およそ2%前後)を上回る水準であり、安定配当株として評価できる利回りです。
ホクトは過去に業績悪化で一時的に利益が落ちた年もありましたが、それでも配当を維持し、減配を避ける堅実な配当方針を取ってきました。2023年の赤字期でも40円を維持しており、経営陣の「株主還元重視」の姿勢が明確です。
2025年以降は営業利益・純利益ともに安定した黒字が見込まれており、キャッシュフローも堅調です。そのため、配当の安定性・継続性の高さは非常に信頼できる水準といえます。
まとめると、ホクトは
- 配当利回り:2.7%前後で平均以上
- 減配リスク:低い(過去も維持)
- 業績回復基調:続いており、今後の増配も期待可能
したがって、「安定配当を受け取りながら中長期で保有する配当目的の投資」に向いている銘柄です。
特に、景気変動に強い食品関連株として、リスクを抑えた配当投資先としてバランスが取れています。
今後の値動き予想!!
ホクトの現在値は1,824円です。ここから5年間の株価を想定すると、次のような3つのシナリオが考えられます。
良い場合は、きのこ事業を中心に業績が順調に拡大し、営業利益率やROEがさらに改善していくケースです。国内需要の安定と海外展開の拡大、加えて生産効率の向上が進めば、利益成長が続く可能性があります。配当も増配傾向を維持できれば、投資家からの評価が高まり、株価は5年後に3,200円から3,600円程度まで上昇する可能性があります。
中間の場合は、業績が堅調に推移するものの、成長ペースが落ち着くケースです。営業利益率は現在水準を維持し、配当も据え置きまたは微増となります。市場からの評価は安定し、株価は5年後に2,400円から2,700円前後で推移する可能性が高いです。
悪い場合は、原材料費の上昇や気候要因による生産コストの増加などで収益が圧迫されるケースです。利益率が低下し、増配どころか配当維持が難しくなる可能性もあります。この場合、株価は1,300円から1,400円程度まで下落するリスクがあります。
まとめると、ホクトは食関連の中でも安定した需要を持ち、業績も回復基調にある堅実な企業です。短期的な急騰は見込みにくいものの、長期で見れば安定した配当と堅調な成長が期待できるため、中長期の安定投資や配当目的の保有に向いた銘柄です。
この記事の最終更新日:2025年11月2日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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