株ウォッチング

すべての株の情報を表示し管理人のアドバイスも一言


マルハニチロの株価動向まとめ 最新決算と今後の株価予想【証券コード1333】

,

株価

マルハニチロとは

マルハニチロ(証券コード1333)は、日本を代表する総合食品企業の一つで、水産事業を中心に幅広い分野で事業を展開しています。もともとは「マルハ」と「ニチロ」という2つの会社が合併してできた会社で、長い歴史と実績があります。

主な事業は大きく分けて、水産事業、加工食品事業、食材流通・物流事業の3つです。

まず、水産事業では、自社の漁船による漁業や、海外の漁業会社と連携した水産資源の確保を行っています。魚の養殖や買い付けも行い、原料となる魚介類を世界中から安定的に調達するのが特徴です。サケ・マグロ・イカなど、多様な魚種を扱っています。

次に、加工食品事業では、調達した魚介類や農産物を使って、冷凍食品、缶詰、レトルト食品、デザートなどを製造・販売しています。スーパーやコンビニ、外食産業などに商品を供給しており、家庭向けの商品も多く展開しています。

さらに、食材流通・物流事業では、国内外の食材を卸売・販売するネットワークを持っており、飲食店やメーカーへの原料供給も手がけています。自社の物流網を活かして、全国に効率的に食材を届ける体制を整えています。

このように、マルハニチロは「水産資源の確保 → 加工 → 流通・販売」という一連の流れを自社グループ内で完結できるのが大きな強みです。単なる漁業会社ではなく、川上から川下までを一体で行う総合食品企業として、日本の食を支える存在になっています。

直近3年間の業績・指標

マルハニチロ(1333) 業績推移(3期)

※単位:百万円

項目 2025年3月期 2024年3月期 2023年3月期
売上高 1,078,630 1,030,670 1,020,460
営業利益 30,400 26,530 29,580
経常利益 32,250 31,110 33,500
当期純利益 23,260 20,850 18,600

出典:マルハニチロ 決算短信・決算説明資料(2023~2025年3月期)

バリュエーション

マルハニチロ(1333) 指標推移(3期)

※PER・PBRは期末株価ベース、営業利益率=営業利益÷売上高

指標 2025年3月期 2024年3月期 2023年3月期
PER(倍) 9.8 10.3 11.1
PBR(倍) 0.8 0.7 0.7
営業利益率(%) 2.8 2.6 2.9

出典:マルハニチロ 決算短信、株価データ(期末)、各種指標算出

投資判断

マルハニチロ(1333)は、水産・食品・流通など幅広い事業を展開する総合食品企業です。直近3年間の業績を見ると、売上高は毎年1兆円を超えており、安定した事業基盤を持っています。営業利益や経常利益も大きなブレはなく、2025年3月期は過去3年で最も高い売上を記録しました。一方で、営業利益率はおおよそ2.6〜2.9%と低水準で、食品業界らしい薄利多売の構造が続いています。

指標面では、PERが約10倍前後、PBRは0.7〜0.8倍と市場平均と比べても割安な水準にあります。特にPBRが1倍を下回っていることは、株価が純資産に対して低く評価されていることを示しており、バリュー株として注目される余地があります。利益が安定しているため、過度な割安さではなく、着実な配当や安定性を求める投資家に向いた銘柄といえます。

ただし、営業利益率が低いことから、急成長や大幅な株価上昇を期待する銘柄ではありません。また、水産資源や原材料コストの変動、燃料価格、為替など外部要因の影響も受けやすいため、短期的な収益変動には注意が必要です。

総合的に見ると、マルハニチロは「安定した売上と利益を維持しながら、株価は割安圏にあるディフェンシブ銘柄」といえます。大きな成長を狙うよりも、中長期で堅実に配当と株価の底堅さを重視する投資スタンスに適した企業です。特に食品セクターの中でもPBRの低さは際立っており、バリュー投資の観点からは検討に値する銘柄といえます。

今後の値動き予想!!

マルハニチロは業績が安定していて、株価指標もPER10倍前後、PBR0.7〜0.8倍と割安な水準にあります。そのため、企業価値に対して株価が過小評価されているという見方があり、中期的には見直し買いが入って上昇する可能性があります。アナリスト予想や一部の株価評価サイトでも、現在の株価から15〜20%程度の上昇余地があるという見立てもあります。

一方で、今期は利益がやや減少する予想になっていることや、水産・食品という事業の性質上、原材料価格、燃料費、為替、漁獲量など外部要因の影響を受けやすい点には注意が必要です。こうしたコスト要因が悪化すると、株価が下押しされる可能性もあります。

シナリオとしては、①コストや資源環境が改善すれば株価が4,000円近くまで上昇する強気パターン、②今と同じような水準で3,300〜3,500円のレンジで推移する中立パターン、③業績が予想を下回れば10〜20%程度下落する弱気パターンが考えられます。

総合的には、現在は「中立〜やや強気寄り」の局面といえます。株価が割安であることは支えになりますが、急激な上昇を期待するよりも、中長期的にじっくり配当と株価の底堅さを狙う投資スタンスが合っている銘柄です。短期売買よりも、1〜3年単位で保有することでリターンが見込める可能性があります。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP