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光フードサービス(138A)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

光フードサービスとは

光フードサービスは、愛知県名古屋市に本社を置く飲食チェーン運営会社で、中部エリアを中心に「焼きとん大黒」や「魚椿」といった大衆系居酒屋ブランドを展開している企業だ。最大の特徴は、駅前の人通りが多い場所に比較的小さな店舗を構え、少人数スタッフで回せる“狭小×高回転型”のビジネスモデルを採用している点にある。大きな店構えで大量の従業員を抱えるタイプではなく、固定費を極力抑えた軽量型の店舗運営を得意としており、飲食業の中では利益率を比較的確保しやすい構造になっている。

同社は「直営店」「業務委託店」「フランチャイズ」の3形態で店舗網を広げており、特に業務委託方式は人材確保と店舗運営効率を両立する手段として機能している。直営店だけに頼らないことで固定費負担を減らし、運営上の柔軟性も確保できるため、繁忙期と閑散期の差が激しい飲食業界において安定的な利益構造を目指す戦略だと言える。また、ブランドのメインとなる「焼きとん大黒」は低価格帯の串焼きメニューと活気ある雰囲気が特徴で、20〜40代を中心とした“仕事帰りのちょい飲み層”をしっかり取り込んでいる。

飲食業界は新規出店時の設備投資と人件費が重く、拡大のスピードによって利益が圧迫されることが多いが、光フードサービスは小規模店舗・効率運営を軸にしており、店舗1つあたりの必要資本が少ない。さらに、立地戦略にも独自性があり、駅前や人の動線が集中するエリアに絞って出店することで、集客リスクを最小化している。特に名古屋を中心とした中部圏では知名度も高まり、リピーターを確保しやすいブランドへ育っている。

2024年2月には東証グロース市場と名証ネクストへ同時上場し、資金調達を通じた出店攻勢やブランド強化が期待されている。飲食業界は競争が激しく外部環境の影響を受けやすい一方で、光フードサービスは“高回転・低コスト・効率重視”という一貫した戦略により、極端に景気の波を受けにくい構造を持っている点も評価できる。今後は店舗拡大、既存ブランドの強化、新規ブランド展開など複数の成長シナリオがあるだけでなく、業務委託方式やFC展開の強化によって固定費を抑えながら規模を拡大できるという点で、飲食企業としては比較的リスクの低い成長モデルを描いている。

総じて光フードサービスは、華やかさよりも堅実な運営能力に強みがある飲食企業で、店舗効率と立地戦略に支えられた安定性が光る会社と言える。今後の出店ペースやブランド育成によっては、利益成長が加速する可能性もあり、上場後の動向に注目される新興企業の一つだ。

光フードサービス 公式サイトはこちら

直近3年間の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(EPS) 一株配当(DPS)
単22.11* 1,684 49 133 62 93.6 0
単23.11 2,225 262 255 201 299.2 0
単24.11 2,566 217 191 100 109.6 40(記念)
単25.11予 2,900 240 230 110 110.9 40
単26.11予 3,300 300 290 200 201.6 40〜50

キャッシュフロー

年度 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2022 389 -327 -55
2023 373 -83 -362
2024 209 -306 526

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績/予想) PBR(実績)
2023 11.7% 55.3% 11.3%
2024 8.4% 8.0% 4.1% PER 高値平均:62.5倍
PER 安値平均:18.9倍
2.10倍
2025 8.2% 8.8% 4.5% 予想PER:25.33倍

投資判断

光フードサービスの数字を見ると、この会社は「売上の拡大に合わせて着実に利益を出しつつあるが、まだ成長途上で波の大きさも残る新興飲食企業」という印象が強い。まず単23.11では営業利益2.6億円、経常利益2.5億円、純利益2.0億円と、売上22億円規模に対して十分な利益を確保しており、営業利益率も11%台と飲食業としては高めの水準にある。EPSも299円と非常に高く、当時の利益効率がかなり良かったことがわかる。

一方で単24.11になると、売上は25億円台へ伸びたものの、営業利益は2.1億円、純利益は1.0億円へ半減し、利益率も8%台まで低下している。これは人件費・原材料費の増加、物価上昇によるコスト圧力など、飲食セクター全体に共通した逆風の影響を受けた結果とみられる。とはいえ、売上はしっかり伸びており、事業構造が崩れているわけではない。記念配当として40円を実施した点も、上場後の株主還元姿勢を示している。

さらに単25.11予では売上29億円、営業利益2.4億円、純利益1.1億円と、前期よりわずかながら利益改善の方向にある。利益率は8%前後と単23.11のピーク時ほどではないが、飲食業としては十分魅力的な水準で、効率の良い店舗運営モデルが引き続き機能していることがうかがえる。EPSも110円程度で推移し、安定した収益基盤を維持している。

指標面では、単24.11での実績PERが高値平均62倍・安値平均18倍とばらつきが大きいものの、これは上場直後の需給要因や利益の変動が影響している。PBR2.1倍という水準は新興飲食企業としては自然な範囲で、成長期待と実績のバランスが取れている印象だ。ROE・ROAも2023年の異常に高い数値(ROE55%)から8〜9%に落ちたものの、これは利益が平常化しただけで、企業基盤としては安定した数字に見える。

総じて光フードサービスは、「既存店の安定+新規出店の伸びしろ」が組み合わさった中期的な成長ポテンシャルを持つ一方、コスト環境の変化や飲食市況によって利益が揺れやすい点には注意が必要な銘柄だ。利益率が高い小型飲食株は市場で評価されやすい傾向があり、同社もそのタイプだが、業績の安定と継続的な出店戦略がどこまで実現するかが今後の株価に直結する。

短期のボラティリティは残るものの、中長期では「売上成長が続く限り、利益も追随して伸びていく」構造のため、成長株としてポテンシャルは高い。ただし、過度な楽観よりも、決算ごとの利益推移とコスト動向を丁寧に確認しながら投資判断するのが適した銘柄と言える。

配当目的とかどうなの?

光フードサービスを配当目的で考える場合、結論としては「配当株としての魅力はそこまで強くないが、将来的に増配余地は残されている」という評価になる。現在の予想配当利回りは単25.11・単26.11ともに1.42%で、これは東証グロース市場の新興企業としては標準的だが、配当収入を重視する投資家が積極的に選ぶほどの利回りではない。

まず現状の配当水準を見ると、上場後に初配当(記念配当として40円)を実施し、その後も40円前後を維持している段階で、いわば「配当スタート期」にある企業だと言える。利益の大部分を内部留保として成長投資に振り向けたいフェーズでもあるため、当面は高配当化よりも出店・設備投資・ブランド強化が優先されるだろう。これは新興飲食企業としては自然な姿で、無理して高配当化を狙うタイプではない。

一方、業績面に目を向けると、売上は22億円 → 25億円 → 29億円と順調に伸びており、利益も安定的に黒字を維持している。EPSも100〜110円台を維持しているため、今後、事業がさらに拡大し利益が積み上がってくれば、累進的な増配を行う可能性は十分にある。すでに記念配当後も40円配を維持している点を見ると、株主還元の意識は比較的高い企業と言える。

ただし配当利回りだけで比較すると、銀行株や商社、食品大手、インフラ系など2〜4%を超える高配当株と比べて物足りないのは確かで、現段階で「配当目的のメイン銘柄」として選ぶのはやや弱い。どちらかと言えば、成長性を評価しつつ、ついでに少し配当ももらえるくらいの感覚で保有するのが適した銘柄だろう。

総合的に見ると、光フードサービスは「今は成長優先、配当は控えめだが、今後の利益成長次第では増配も期待できる企業」であり、配当目的の投資先としては“やや弱めだが悪くはない”という位置づけになる。強力な配当利回りを求める投資家より、中長期の成長と株価上昇を狙う投資家向けの銘柄と言える。

今後の値動き予想!!

光フードサービスの現在値は 2,810円だが、この会社はまだ上場して間もない新興飲食企業でありながら、売上が順調に伸び、営業利益率も8%前後を確保するなど効率型のビジネスモデルが機能している。一方で、飲食業界特有のコスト増リスクや人件費・原価の揺らぎは常に抱えており、今後5年間の株価は「出店速度」と「コスト環境」の2つで大きく変わる。ここでは良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで株価の方向性を整理する。

【良い場合】
出店ペースが順調に進み、既存店も安定成長、さらに業務委託方式やFCの展開がうまく広がっていくケース。売上は毎年増収を続け、EPSも110円台から150〜200円台へ伸びていく可能性がある。飲食企業として営業利益率8〜10%を維持できれば市場の評価は高まり、PERが15〜20倍程度まで評価される展開も想定される。そうなれば株価は5年間で3,500〜4,800円程度のレンジに乗る可能性があり“新興ながら優等生ポジション”として見られるシナリオだ。立地戦略と低コスト運営がはまれば、長期的にはさらに上振れする余地もある。

【中間の場合】
新規出店は続くが、コスト増(原材料費、人件費、光熱費)が重しとなり、業績は緩やかな成長にとどまるパターン。EPSは100〜130円程度を維持し、安定はしているものの大きな成長ストーリーは出てこない。飲食業としては十分評価されるが、株価は急上昇しづらく、2,500〜3,300円のボックス相場に入りやすい。今の株価水準に近い価格帯で長く横ばいになるケースだが、下値が極端に崩れにくいのがこの会社の強みでもある。

【悪い場合】
原材料価格の高止まりや人件費高騰が続き、利益率が低下するケース。新規出店で設備投資負担が膨らんだ場合、営業利益が圧迫されるリスクもある。また、景気後退局面では“ちょい飲み需要”が鈍る可能性もゼロではない。EPSが80〜100円を割り込むような展開になると市場の評価は厳しくなり、PERは低位の10倍前後、PBR1.0〜1.4倍ほどまで圧縮され、株価は2,000〜2,400円あたりまで下落する可能性がある。ただし店舗モデル自体が軽量で倒れにくいため、長期的に事業が傾くリスクは低い。

総じて見ると、光フードサービスは「大きく跳ねる可能性もあるが、まだ実績・規模が小さいため値動きが荒くなりやすい新興株」という位置づけだ。店舗効率の高さと成長余地は魅力だが、飲食業という性質上コスト環境に振られやすい側面もある。長期視点では、出店戦略と既存店の安定度さえ保てれば堅実に伸びる可能性があり、株価は業績に素直に連動しやすい銘柄と言えるだろう。

この記事の最終更新日:2025年11月23日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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