株ウォッチング

すべての株の情報を表示し管理人のアドバイスも一言


秋川牧園の株価動向まとめ 最新決算と今後(5年間)の株価予想【証券コード1380】

,

株価

秋川牧園とは

株式会社秋川牧園は山口県山口市にあり、1979年に設立された食品メーカーです。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、資本金は約7億円、従業員数はおよそ490人です。代表取締役は秋川正氏です。

秋川牧園は「口に入るものは間違ってはいけない」という理念を掲げ、無農薬・無投薬にこだわった安全で安心な食材の生産・販売を行っています。主な事業は、鶏肉や鶏卵、牛乳、野菜などの生産と販売で、化学肥料や抗生物質を使わない自然志向の生産体制が特徴です。

事業は大きく分けて2つあり、1つは生協などへの卸売を中心とした「生産卸売事業」、もう1つは自社宅配やオンライン販売などを行う「直販事業」です。売上の約8割が卸売、2割が直販となっています。また、冷凍食品や加工食品の製造にも力を入れており、食材を使った惣菜や冷凍弁当なども手がけています。

さらに、グループ会社を通じて国内外に自社農場を展開しており、飼育から加工、販売までを一貫して行う体制を築いています。中国にも関連会社を設け、海外での生産や販売も進めています。

秋川牧園は、いわゆる“安全・安心志向”の食品ブランドとして認知度が高く、健康志向や無添加食品への関心が高まる中で注目を集めています。価格競争よりも品質や信頼性を重視し、食の安全を追求する企業として知られています。

直近3年間の業績・指標

決算期(3月期)(単位百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2023年3月期 7,070 19 242 156
2024年3月期 7,392 11 153 98
2025年3月期 7,957 −3 51 28

バリュエーション

指標 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 根拠・出典
営業利益率 0.27% 0.15% −0.04% 売上高に対して営業利益を割り算で算出
ROE(自己資本利益率) 約3.0% 約1.2% 約1.3% 四季報2025新春号(2025年ROE1.3%確認済)+有価証券報告書計算値
ROA(総資産利益率) 約2.1% 約0.8% 約0.6% 決算短信「連結財務諸表」から算出(純利益 ÷ 総資産)
PBR 1.24倍 1.58倍 1.96倍 IRBANK「株式情報」ページ
PER 13.9倍 62.5倍 約148倍 IRBANK(実績PER表示値)および株探掲載値

投資判断

秋川牧園は、数字をもとに見ると、売上は着実に増えている一方で利益率が著しく低下している会社です。
2023年から2025年にかけて売上高は約70億円から79億円へ増加していますが、営業利益は19百万円から11百万円、そして2025年には赤字(−3百万円)まで落ち込みました。営業利益率は0.27%から0.15%、そして−0.04%とほぼ利益が出ていない状態です。

ROE(自己資本利益率)は3.0%から1.2%、そして2025年は1.3%とわずかに持ち直しましたが、依然として低水準です。ROA(総資産利益率)も2%を切っており、資産をうまく活かせていません。PBRは約2倍近くまで上昇していますが、これは市場が“財務の健全性とブランド力”を一定評価していることを意味します。一方でPERは約150倍と非常に高く、利益が小さすぎるため株価が割高に見えてしまう構造になっています。

全体的に見ると、秋川牧園は「無投薬・無農薬」「安全で安心な食材」をモットーとした堅実な企業です。財務体質は良好で倒産リスクは小さいですが、原材料や人件費の高騰を価格に十分転嫁できず、利益面で苦戦しています。

投資判断としては、安定性はあるが成長性に乏しく、短期での値上がりは期待しにくい銘柄です。社会的には健康志向の追い風がありますが、利益体質の改善が見えないうちは株価上昇の勢いは弱いでしょう。
したがって、投資判断としては「中立からやや弱気」。新規で買うよりも、利益率やROEが改善した段階での参入が望ましいと考えられます。

今後の値動き予想!!

秋川牧園は現在値 約 1,002円で、今後5年間の値動きについて予想を平文でまとめます。

あくまで仮説であり、投資判断を保証するものではありません。

現在この会社は、オーガニック肉・鶏卵・乳製品など添加物・化学合成飼料をできる限り使わない生産体制を掲げる食品加工・流通企業です。
生活必需的な食品を扱っており、安定性のあるビジネスではありますが、原料/飼料コスト、物流コスト、販売チャネルの拡大など成長面ではハードルがある企業でもあります。

今後5年間(2030年付近まで)における株価レンジの予想を、3つのシナリオで示します。

楽観的シナリオ
もしオーガニック食品市場の成長が加速し、秋川牧園がブランド化・販路拡大・効率生産化に成功すれば、現在値1,002円から 2,000円〜3,000円 程度まで上昇する可能性があります。このケースでは、付加価値商品の販売拡大、国内外市場の拡大、コスト管理の改善がキーとなります。

中立的シナリオ
オーガニック食品需要は穏やかに推移するものの、飼料・物流・人件費などのコスト上昇が成長を抑える場合。秋川牧園も堅実に運営するが大躍進とはいかず、株価は 1,300円〜1,800円 程度で推移する可能性があります。

悲観的シナリオ
市場の伸び鈍化、コスト高止まり、ブランド拡大の遅れなどが重なる場合。収益が伸び悩むと、株価は 500円〜1,000円 程度に下落する可能性もあります。
この場合、食品業界ならではの原料・飼料コスト急騰、競争激化、販路確保の難航などが要因となります。

総じて言えば、秋川牧園は「オーガニック/付加価値食品」というトレンド性と、生活必需食品という安定性を併せ持つ企業ですが、飛躍的な株価上昇を実現するには複数の好条件(販路拡大・効率改善・ブランド定着)が揃う必要があります。
現在の株価1,002円は、それほど高くない位置であり、成長余地はありますが、リスクも明確です。今後5年間で株価を上方に動かすためには、上記の好条件の実現状況を注視することが重要です。

この記事の最終更新日:2025年10月23日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP