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サカタのタネとは

株式会社サカタのタネは、神奈川県横浜市都筑区に本社を置く種苗会社で、野菜および花きの種子・苗の開発、生産、販売を主力事業とする企業である。東京証券取引所プライム市場に上場しており、野菜・花きの種苗分野で世界上位に位置するグローバル企業である。
同社は1913年に創業者・坂田武雄によって設立され、当初は苗木の輸出入から事業を開始した。その後、第一次世界大戦を契機に種子事業へ転換し、品種改良と種子販売を中心とした事業を展開してきた。戦前には世界初の八重咲きペチュニアを開発し欧米へ輸出、戦後にはプリンスメロンやアンデスメロンを育種・販売するなど、園芸・農業分野で新しい品種を生み出してきた実績を持つ。
主力事業は種苗事業であり、キャベツ、ブロッコリー、トマト、レタスなどの野菜種子や、パンジー、ペチュニアなどの花き種子を取り扱っている。研究開発から生産、販売まで一貫して行う体制を構築しており、高品質・高収量・耐病性などの特性を持つ品種を世界各国に提供している。
事業は「種苗事業」を中核に、「園芸用品・資材事業」「造園緑化事業」などで構成される。国内では農業資材や園芸用品の販売、施設の造園緑化事業や指定管理事業なども展開し、農業分野だけでなく緑化・環境分野にも事業領域を広げている。
海外展開も積極的に行っており、米州、欧州、アジアなどに拠点を持つ。特に米州やインドなどの成長市場に対しては投資を進めており、グローバルでの売上拡大を図っている。海外売上比率も高く、世界市場での競争力を持つ点が特徴となる。
研究開発体制にも強みがあり、世界各地に研究拠点を設置して新品種の開発を進めている。気候変動や病害への対応、収量向上などを目的とした品種改良に加え、土壌診断用バイオセンサー「Soil Dock」などの技術開発も行っており、農業の高度化にも取り組んでいる。
また、パンジー「虹色スミレ」などの商品開発や、他企業とのコラボレーション商品も展開しており、一般消費者向けの園芸市場にも対応している。過去には園芸店の運営や通信販売事業も展開しており、幅広い販売チャネルを持っている。
同社のビジネスは種子という農業の基盤を扱うため安定性がある一方で、天候、農業市況、為替の影響を受けやすい側面もある。今後は成長市場への投資拡大と品種開発力を軸に、グローバル展開をさらに進めていく方針となっている。
サカタのタネ 公式サイトはこちら直近3年間の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.5 | 77,263 | 10,918 | 12,304 | 9,489 | 214.0 | 55 |
| 連24.5 | 88,677 | 10,495 | 11,124 | 16,162 | 365.2 | 65 |
| 連25.5 | 92,920 | 12,257 | 12,311 | 9,711 | 222.6 | 75 |
| 連26.5予 | 97,000 | 12,900 | 13,300 | 10,800 | 255.6 | 75〜80 |
| 連27.5予 | 100,000 | 13,300 | 13,700 | 10,600 | 250.8 | 75〜80 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 8,351 | -8,107 | -2,828 |
| 2024 | 6,966 | -4,248 | -4,218 |
| 2025 | 5,100 | 4,066 | -6,669 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 14.1% | 6.8% | 5.9% | ― | ― |
| 2024 | 11.8% | 10.0% | 8.3% | ― | ― |
| 2025 | 13.1% | 6.0% | 5.0% | 15.6~20.7倍 | 1.12倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は886億から929億、970億予想へと増加しており、事業規模は着実に拡大している。営業利益は104億から122億、129億予想、経常利益は111億から123億、133億予想と緩やかな増益基調にある。一方で純利益は161億から97億、108億予想と大きく減少した後に回復見込みとなっています。
営業利益率は14.1%から11.8%、13.1%とやや低下後に持ち直しており、高水準ではあるが安定的に上昇しているわけではない。ROEは6.8%から10.0%、6.0%と変動が大きく、資本効率は年によってブレがある。ROAも5.9%から8.3%、5.0%と同様に変動しており、収益性は一定水準を保ちながらも安定性にはやや欠ける。
利益構造を見ると、営業利益と経常利益は安定している一方、純利益の振れが大きく、最終利益は一時的な要因の影響を受けやすい構造となっている。2024年は純利益161億と高水準だが、2025年は97億へ大きく減少しており、継続的な利益水準としては100億前後が基準となる。
PERは15.6倍から20.7倍のレンジで推移しており、成長株ほどの評価は受けていないが、一定の成長期待は織り込まれている水準となっている。PBRは1.1倍と純資産に近い水準であり、過度な割高感はないが、明確な割安感も強くはない。
これらの数値から見ると、売上と営業利益は安定成長している一方で、純利益や資本効率にはブレがあり、安定成長企業と評価するにはやや不安定な側面がある。収益力自体は営業利益率13%前後と高めだが、ROE6.0%という水準は資本効率としては中程度にとどまる。
総合すると、安定した売上基盤と一定の収益力を持つ中堅成長企業だが、高成長株でも高収益株でもなく、安定と成長の中間に位置する銘柄となる。株価もPER・PBRともに中間的な評価に収まっており、大きな上昇には成長率の加速が必要であり、現状では緩やかな成長を前提に評価される銘柄と整理できる。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見ると、この銘柄はあまり向いているとは言えない水準です。予想配当利回りは連26.5、連27.5ともに1.8%で、市場平均(2%前後)をやや下回る水準にある。インカムゲインを重視する投資としては物足りない位置にある。
業績面では営業利益は104億から122億、129億予想と安定的に伸びており、配当の原資自体は問題ない。一方で純利益は161億から97億、108億予想と大きくブレており、配当余力はあるものの利益の安定性にはやや欠ける側面がある。
配当自体は55円から65円、75円と増配しており、株主還元の姿勢は見られるが、利回りとしては低めに抑えられている。これは利益を配当に大きく回すというより、成長投資や内部留保とのバランスを取っている配分と考えられる。
また営業利益率は13.1%、ROEは6.0%と収益性は中程度であり、高配当株に見られるような安定した高キャッシュ創出型の企業ではない。実際に営業CFも83億から69億、51億と減少傾向にあり、キャッシュフローの余裕はやや縮小している。PERは15.6倍から20.7倍と中間的な評価であり、市場も配当銘柄としてではなく、成長と安定のバランス型として評価している状態にある。
整理すると、この銘柄は配当利回りを目的に保有する銘柄ではなく、あくまで事業成長と安定性の中間を狙うタイプの銘柄となる。配当は補助的なリターンとしては機能するが、インカム目的で選ぶ場合は他により利回りの高い銘柄の方が適している。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価4,410円を前提に5年間の値動きを考える。この銘柄は売上886億→929億→970億予想と拡大し、営業利益も104億→122億→129億予想と安定的に成長している。一方でROEは6.0%とやや低めで、PERはおおよそ18倍前後、PBR1.1倍と評価は中間水準にある。株価はすでに4,000円台まで上昇しております。
良い場合は、海外市場(米州・インドなど)の成長投資が成功し、売上成長が年5〜8%程度で継続、営業利益も150億規模まで拡大するシナリオ。この場合、ROEも8〜10%程度まで改善し、評価も見直されてPERは18倍〜22倍程度に上昇する可能性がある。アナリスト目標株価も6,200円水準が示されており、5年後は5,500円〜7,000円程度まで上昇する可能性がある。
中間の場合は、売上は緩やかに成長するものの、利益は120億〜130億程度で安定し、現在の収益構造が維持されるシナリオ。この場合、PERは15倍〜18倍で安定し、株価も評価の変化は限定的となる。株価は4,000円〜5,000円程度のレンジでの推移となり、配当を含めた緩やかなリターンにとどまる可能性が高い。
悪い場合は、為替や農業市況の悪化、海外投資の収益化遅れにより利益が伸びず、営業利益が100億前後まで低下するシナリオ。この場合、ROEも5%前後に低下し、評価はディフェンシブ株としてPER12倍〜14倍程度まで縮小する。株価は3,000円〜3,800円程度まで下落する可能性がある。
この銘柄は高成長株ではなく、グローバル展開を背景にした中期成長株であり、株価は業績の伸びと評価の安定性に依存する構造となっている。急騰するタイプではないが、下値も比較的限定されやすく、5年間では「緩やかな上昇か横ばいレンジ」が基本シナリオとなる。配当利回り1.7%前後を受け取りながら、成長と安定のバランスで保有するタイプの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月28日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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