株価
ユキグニファクトリーとは

ユキグニファクトリー株式会社(旧:雪国まいたけ)は新潟県南魚沼市に本社、東京都中央区に東京本社を置く、きのこ類の栽培および加工食品の展開を行う健康食品メーカーであり、神明ホールディングス傘下の連結子会社で東証プライム市場に上場している。まいたけを軸にきのこ類を量産する事業構造を持ち、素材を活かした加工食品の育成にも取り組んでいる。
1983年に創業し、まいたけの生産販売から事業を開始。設備投資と工場型生産の拡大により生産能力を高め、えのき、しめじ、エリンギなどへ品目を拡張してきた。1990年代以降は加工食品や健康食品にも進出し、きのこ由来成分を活用した商品開発を進めている。
2015年にベインキャピタルのTOBにより非上場化、その後経営再編を経て神明ホールディングスが資本参加。2020年に再上場し、現在は同グループの食品事業の一翼を担っている。2025年にはユキグニファクトリーへ社名変更し、製造業としての位置付けを明確にしている。
事業の中核はきのこ事業で、主力のまいたけを中心に、えりんぎ、ぶなしめじ、本しめじ、マッシュルームなどを展開。温度・湿度・衛生管理を徹底した工場内での人工栽培により、天候に左右されない安定供給と品質均一化を実現している。菌床の内製化や栽培工程の自動化を進めることで、生産効率の向上とコスト管理を両立している点が特徴。
近年は海外展開にも注力しており、オランダに現地統括会社を設立し、マッシュルーム専業企業を買収。欧州市場での生産・販売体制を確立し、国内中心だった事業からグローバル展開へとシフトしている。一方で中国や米国事業からは撤退しており、収益性や戦略に応じた選択と集中も進めている。
加工食品分野では、きのこを素材とした付加価値商品の開発に取り組んでいる。「キノコのお肉」シリーズのような植物性食品や、青汁などの健康食品を展開し、単なる生鮮食品メーカーから食品メーカーへの転換を図っている。きのこの機能性成分を活用した健康志向商品の強化が今後の柱と位置付けられている。
また、生産から販売まで一貫した体制を持ち、量販店や外食、業務用など多様な販路に対応している。ブランド力の高い「雪国まいたけ極」を中心に、安定供給と品質を武器に市場でのポジションを確立している。
全体としては、まいたけを核としたきのこの大量生産モデルを基盤に、海外展開と加工食品事業を組み合わせた構造となっており、素材ビジネスから付加価値ビジネスへの転換を進めている企業。収益構造は依然としてきのこ事業への依存度が高いが、加工品や海外事業の拡大によって事業の多角化を進めている段階にある。
ユキグニファクトリー 公式サイトはこちら直近3年間の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 税前利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ◇21.3 | 51,380 | 7,823 | 7,125 | 4,744 | 119.0 | 42 |
| ◇22.3 | 47,081 | 4,975 | 4,564 | 2,989 | 74.9 | 30 |
| ◇23.3 | 42,204 | 2,191 | 1,794 | 1,181 | 29.6 | 20 |
| ◇24.3 | 47,476 | 2,811 | 2,240 | 1,358 | 34.1 | 11 |
| ◇25.3 | 53,139 | 2,419 | 2,175 | 1,502 | 37.7 | 15 |
| ◇26.3予 | 51,000 | 3,000 | 2,800 | 1,820 | 45.6 | 16 |
| ◇27.3予 | 52,000 | 3,200 | 3,000 | 1,950 | 48.9 | 16〜17 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 3,101 | -2,996 | -2,767 |
| 2024年 | 5,322 | -3,361 | -227 |
| 2025年 | 5,519 | -2,252 | -2,159 |
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROA(%) | ROE(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 5.1 | 3.5 | 11.3 | – | – |
| 2024年 | 5.9 | 3.5 | 11.8 | – | – |
| 2025年 | 4.5 | 3.9 | 12.1 | 25.6〜36.2 | 3.02 |
投資判断
売上は474億円から531億円へ拡大した後、510億円予想とやや減収見込みになっており、直線的な成長ではなく需要や市況の影響を受ける推移になっている。営業利益は28億円から24億円へ減少した後、30億円予想と回復見込み、経常利益は22億円から21億円、28億円予想、純利益は13億円から15億円、18億円予想と、利益は一度落ち込んだ後に回復する形になっている。
営業利益率は5.1%から5.9%、4.5%と上下しており、収益性は一定水準はあるものの安定して高いとは言い切れない。特に直近は利益率が低下しており、コストや販売環境の影響を受けやすい構造が見て取れる。
一方でROEは11.3%から11.8%、12.1%と2桁を維持しながら上昇しており、資本効率は比較的良好な水準にある。ROAも3.5%から3.5%、3.9%と安定しており、資産を使った収益力は一定の水準を維持している。
キャッシュフローを見ると、営業CFは31億円→53億円→55億円と安定してプラスで推移しており、本業からの資金創出力はしっかりしている。一方で投資CFは継続的にマイナスで、生産設備や事業拡張への投資が続いている。財務CFもマイナス基調で、借入依存を強めるというよりは内部資金を使って事業を回している構造になっている。
バリュエーション面では、PERは25.6〜36.2倍と高水準、PBRも3.0倍と高く、すでに成長性やブランド力を前提とした評価が付いている状態にある。利益規模が30億円前後であることを考えると、現時点の株価は将来の成長や収益維持をかなり織り込んだ水準といえる。
全体としては、営業利益率はやや低下しているものの、ROEは2桁を維持し、営業CFも安定しているため、事業としての基盤は比較的しっかりしている。一方で評価はすでに高く、今後は利益30億円規模を安定的に維持しつつ、さらに成長できるかが重要なポイントになる。成長が鈍化した場合には評価の見直しが入りやすく、逆に利益の拡大が継続すれば現在の高評価を正当化する構造になっている。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは◇26.3で1.4%、◇27.3で1.5%と低水準で、インカム目的としては明確に弱い位置にある。一般的な高配当株の3〜4%と比較すると半分程度であり、配当収入を主目的に保有する銘柄ではない。
配当は42円→30円→20円→11円→15円→16円と減配後に回復しているものの、過去に大きく引き下げられている点からも、安定配当というより業績に連動して変動する傾向が強い。純利益は13億円→15億円→18億円予想と回復しているが、利益規模に対して配当余力が大きいとは言いにくい。
一方で営業CFは50億円前後と安定しており、資金創出力自体はあるが、その資金は投資CFのマイナスに見られるように設備投資や事業拡大に回されている構造になっている。つまり株主還元よりも成長投資を優先している段階にある。
またPER25.6〜36.2倍、PBR3.0倍と評価は高く、株価はすでに成長期待を織り込んでいる状態。その中で配当利回りが低いということは、投資家はインカムではなくキャピタルゲインを前提にこの銘柄を見ている構造になっている。
総合すると、配当目的としては不向きであり、利回りを取りにいく銘柄ではない。どちらかというと「成長前提で評価されている銘柄」であり、配当はあくまで補助的な位置付け。インカム重視の投資には適さず、業績拡大による評価維持・成長を前提に考えるタイプの銘柄と整理できる。
今後の値動き予想!!
現在の株価1,102円を基準に、今後5年間の値動きを考える。この会社はROE12%前後と資本効率は高く、営業CFも安定している一方で、営業利益率は4〜5%台とややブレがあり、利益はコストや需給の影響を受けやすい構造にある。またPER25倍〜36倍、PBR3倍とすでに高い評価が付いており、「成長が続く前提」で価格が形成されている点が出発点になる。
良い場合は、営業利益が30億円→32億円→35億円規模へと段階的に拡大し、加工食品や海外(欧州マッシュルーム事業など)が安定して利益寄与するシナリオ。営業利益率も5%台後半〜6%台に回復し、ROEも12%以上を維持できれば、高評価が正当化される。この場合、評価の維持または上振れが起こり、株価は1,400円〜1,800円程度まで上昇する可能性がある。途中で押し目は入るが、基本は業績確認に合わせた右肩上がりになりやすい。
中間の場合は、営業利益が28億円〜30億円前後で横ばい推移し、営業利益率も4〜5%台で安定するシナリオ。ROEも10〜12%程度を維持するが、成長性は加速せず、現在の評価を維持するのが精一杯になる。この場合、株価は900円〜1,200円程度のレンジで上下しやすく、決算ごとに上げ下げを繰り返す展開になりやすい。営業CFは安定しているため大崩れはしにくいが、上値も重い状態が続く。
悪い場合は、原材料費やエネルギーコスト上昇、需要鈍化により営業利益が25億円前後、あるいはそれ以下に低下するシナリオ。営業利益率は4%を割り込み、ROEも10%を下回ると高評価の前提が崩れる。この場合、PER・PBRともに縮小し、株価は700円〜900円程度まで下落する可能性がある。現在は高バリュエーションである分、悪化時の調整は比較的大きくなりやすい。
この銘柄の特徴は「収益力はそこそこ高いが、すでに評価が高い」という点にあり、株価は利益水準そのものよりも「成長の継続性」に強く連動する。営業利益30億円規模を安定して超え続けられるか、さらに上積みできるかが分岐点であり、ここが維持できれば評価維持、伸びれば上振れ、崩れれば評価修正というシンプルな構造になっている。また配当利回りが低いため、株価はインカムではなく業績期待で動きやすく、決算ごとの振れも比較的大きくなりやすい。
この記事の最終更新日:2026年2月28日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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