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ジンジブの株価動向まとめ 最新決算と今後の株価予想【証券コード142A】

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株価

ジンジブとは

株式会社ジンジブは、大阪市中央区南本町に本社を置く人材サービス企業です。1998年に創業し、2015年に株式会社として設立されました。2024年3月に東京証券取引所グロース市場へ上場しています。資本金は約30億円で、従業員数は200名を超えています。代表取締役社長は佐々木満秀氏です。

ジンジブは、「これからを生きる人の夢を増やす」という理念のもと、高校生や高卒者を中心にした人材支援・教育事業を展開しています。主な事業は、高校生の就職活動をサポートする「ジョブドラフトNavi」や、企業と高校生をマッチングする合同説明会「ジョブドラフトFes」の運営です。

これらは高校生が地元や希望する業種に就職できるよう支援するサービスで、全国の高校や企業と連携しています。

また、社会人になった高卒者向けの転職支援サイト「ジョブドラフトNext」も運営しており、高卒で就職した後のキャリア形成支援にも力を入れています。さらに、企業向けには人材の採用支援から育成・定着までをサポートする「人事部パック」や、教育・研修プログラムの提供も行っています。

このようにジンジブは、「採用」「教育」「定着」という人事の一連の流れをワンストップで支援する体制を構築しており、特に高校新卒市場ではトップクラスのシェアを誇ります。人材不足が続く中で、若年層の採用や定着を重視する企業が増えていることから、ジンジブの需要は今後も拡大する見込みです。

総合的に見ると、ジンジブは「高校生・高卒者に特化した就職支援と教育サービスを展開する新しいタイプの人材企業」であり、教育と雇用をつなぐ役割を果たしている成長企業です。

直近3年間の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 当期純利益(百万円)
2023/03期 1,517 73 64 41
2024/03期 2,082 272 253 141
2025/03期 2,400 62 58 -184

バリュエーション

年度 PER(倍) PBR(倍) 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%)
2023/03期 25.7 7.5 4.86 186.18 2.54
2024/03期 29.2 14.4 13.08 29.17 6.51
2025/03期 12.8 2.60 -9.40 -2.80

出典元: IRBANK 株探 みんかぶ

投資判断

ジンジブは、高校生や高卒者向けの就職・教育支援サービスを展開する企業で、上場からまだ間もない新興市場の銘柄です。近年は「ジョブドラフトNavi」などを中心に急速な成長を遂げてきましたが、収益面ではまだ安定段階にある企業といえます。

数値面を見ると、2023年度の営業利益は73百万円、経常利益64百万円、純利益41百万円で、初期の成長軌道に乗り始めた段階でした。営業利益率は4.86%と控えめながらも黒字化を維持し、ROE(186%)は非常に高い値を示しています。

もっとも、このROEは自己資本が少ない上場初期特有の構造による一時的な数値で、実際の経営効率が極端に高いという意味ではありません。

2024年度は売上が拡大し、営業利益272百万円、経常利益253百万円、純利益141百万円と大幅な増益を達成しました。営業利益率は13%まで改善し、ROEも約29%と高水準を維持しています。収益性の指標としては非常に良好で、事業モデルが安定化しつつあることを示しました。

一方で、PBR(14倍前後)はかなり高く、市場がすでに大きな成長期待を織り込んでいることがうかがえます。

しかし2025年度は一転して純利益がマイナスに転じ、営業利益も62百万円まで減少しました。営業利益率は2.6%まで低下し、ROE・ROAともにマイナスに転落しています。この赤字転落は、広告・採用強化、システム開発費などの先行投資が利益を圧迫した結果とみられ、事業モデル自体の崩壊というよりは「拡大期におけるコスト先行」が主因と考えられます。

投資判断としては、短期的には慎重な姿勢が必要です。2025年に赤字を出しているため、株価の割高感(高PBR)を考慮すると、当面の株価上昇余地は限定的です。PERも算出不能となり、成長企業としての信頼を取り戻すには、2026年以降に再び黒字基調へ回復できるかが重要なポイントになります。

中長期的には、ジンジブが属する「高校生採用・教育支援」という分野は競合が少なく、今後も需要の拡大が見込まれます。政府が「高卒採用の推進」「職業教育の拡充」を政策的に進めていることも追い風です。したがって、業績が安定して再び利益成長に戻るなら、再評価される可能性があります。

まとめると、ジンジブは成長性のあるテーマを持つものの、現状では投資タイミングとしてはまだ早いと判断します。短期的にはリスクが高く、株価の調整が続く可能性があります。ただし、黒字転換や営業利益率の回復が確認できた段階であれば、再び注目すべき成長株となるでしょう。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在、ジンジブの株価は829円です。ここから今後5年間の動きを予想すると、全体的には「事業の成長が続けば上昇余地はあるが、利益の安定性次第では下落リスクもある」と考えられます。

ジンジブは高校生や高卒者を対象とした就職・教育支援事業を展開しており、今後の成長テーマとしては魅力的な分野です。国の方針としても若年層の就職支援や職業教育が重視されており、社会的な追い風があります。一方で、2025年3月期は純利益が赤字に転じており、利益率の低下や先行投資の負担が重くなっている点は注意が必要です。

仮に、2026年以降に黒字へ回復し、営業利益率が10%前後まで戻れば、株価は5年以内に1,200円〜1,600円ほどまで上昇する可能性があります。業績が安定して市場からの信頼を取り戻せば、再評価される余地が十分にあります。

ただし、成長が鈍化したり、赤字が長引くようであれば株価が下落するリスクもあります。最悪の場合、600円前後まで下がる可能性もあります。とくに、営業利益率が低下したまま人件費や広告費が増えるような状況になると、短期的に投資家の評価が下がりやすいでしょう。

総合的に見ると、ジンジブはテーマ性が強く将来性のある企業ですが、現時点では利益構造が安定しておらず、投資リスクは中程度から高めです。今後5年での株価は、黒字化と収益回復が確認できれば上昇、そうでなければ停滞または下落という「二極化した展開」になると考えられます。

したがって、今は焦って買うよりも、業績の回復や営業利益率・ROEの改善が見えてから中長期で投資するのが安全です。

この記事の最終更新日:2025年10月23日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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