株価
ベステラとは

株式会社ベステラは、東京都江東区に本社を置くプラント解体の専門企業です。1974年2月20日に設立され、代表取締役社長は本田豊氏です。2015年9月に東京証券取引所に上場しており、現在はプライム市場に属しています。決算期は1月末日です。
同社の主な事業内容は、製鉄所、発電所、石油精製所、石油化学プラントなどの大型プラント設備の解体工事です。タンクや配管、ボイラー、反応炉などの撤去作業を中心に、解体計画の立案から施工管理、廃棄物の処理、行政対応まで一貫して行っています。
また、独自の特許工法や3Dレーザースキャン技術を活用し、正確な計測・図面化・設計支援サービスを提供しています。さらに、アスベスト除去などの環境対策工事、PCBを含む設備の安全な解体、人材派遣・技能者育成事業なども展開しており、プラント解体分野における総合的なソリューションを提供する企業です。
直近3年間の業績・指標
決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) |
---|---|---|---|---|
2023年1月期 | 5,458 | -215 | -94 | -64 |
2024年1月期 | 9,394 | 246 | 407 | 231 |
2025年1月期 | 10,897 | 373 | 592 | 409 |
バリュエーション
決算期 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
---|---|---|---|---|---|
2023年1月期 | -3.95 | —(赤字) | —(赤字) | — | — |
2024年1月期 | 2.63 | 5.65 | 2.12 | — | — |
2025年1月期 | 3.43 | 8.46 | 3.71 | 23.82(2025年10月時点) | 1.87(2025年10月時点) |
出典元
投資判断
株式会社ベステラは、プラント解体工事を中心に事業を展開している企業です。製鉄所や発電所、石油化学プラントなどの大型設備の解体を手がけ、最近では3DレーザースキャンやAI解析を用いた新しい施工管理技術の導入にも力を入れています。
2025年1月期の決算では、売上高が約108億円、営業利益が約3億7千万円、経常利益が約5億9千万円、純利益が約4億円と、前期に比べて堅調に増収増益となりました。営業利益率は約3.4%、ROEは約8.5%、ROAは約3.7%と、全体的に利益率・効率性が改善しています。特に2023年1月期は赤字だったため、この2年間で業績を黒字に立て直した点は評価できます。
現在の株価指標を見ると、PERはおよそ17〜24倍、PBRは1.8倍前後です。株価水準としてはやや高めですが、過去の赤字を脱し、利益率が安定して上昇している点を考慮すれば、成長期待を織り込んだ妥当な評価といえます。
2026年1月期の会社予想では、売上高120億円、営業利益7億円、純利益5.5億円と、さらなる増益を見込んでいます。プラント解体需要の堅調さや、環境規制強化による老朽設備の更新需要などが追い風になっており、業績拡大の余地はあります。
一方で、プラント解体業は原材料費や人件費、受注環境の影響を受けやすく、景気の変動によって利益が圧迫されるリスクがあります。また、第2四半期の進捗率がやや鈍化しているため、通期目標の達成には後半の受注確保が鍵となります。
総合的に見ると、ベステラは過去の赤字期を乗り越えて財務体質を改善し、利益率を高めている企業です。ROEや営業利益率が右肩上がりで推移している点は好材料であり、中長期の成長を見据える投資家には魅力的な銘柄です。一方で、短期的には業績の波が大きく、株価も業績予想の修正に敏感に反応するため、慎重に押し目を拾うスタンスが望ましいと考えられます。
今後の値動き予想!!(5年間)
株式会社ベステラの現在の株価は1,070円です。
今後5年間の値動きを予想すると、まず業績が順調に推移し、プラント解体需要が引き続き堅調な場合、年平均15%程度の上昇を想定して、5年後の株価はおよそ2,160円前後まで上昇する可能性があります。これは、利益率の改善やROEの上昇が続く強気シナリオに基づく予想です。
一方で、業績が安定的に推移する中立的なシナリオでは、年平均7%程度の成長を想定し、5年後の株価はおよそ1,500円前後になると考えられます。この場合、業界全体の解体需要が堅調である一方、資材コストや人件費の上昇によって利益率の伸びがやや抑えられる可能性があります。
反対に、景気減速やプラント投資の減少、またはコスト増などによって業績が伸び悩む場合には、年平均マイナス5%程度の下落を想定し、5年後の株価はおよそ830円前後まで下がる可能性もあります。
総合的に見ると、ベステラは赤字期を脱して財務体質を改善し、営業利益率・ROEともに上昇傾向にあります。PERやPBRを見ても極端な割高感はなく、長期的には上昇余地のある企業といえます。ただし、業績の波が大きく、外部環境(資材価格、景気動向)の影響を受けやすいため、短期的な株価の変動には注意が必要です。
したがって、5年スパンで見れば成長ポテンシャルのある銘柄ですが、購入タイミングとしては業績の安定と株価調整の局面を見極めながら中長期で保有するのが望ましいと考えられます。
この記事の最終更新日:2025年10月24日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。
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