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ファーストコーポレーションとは

ファーストコーポレーション株式会社は、東京都杉並区に本社を置く建設会社であり、分譲マンションの企画・設計・施工を中心に事業を展開している企業です。首都圏を主な事業エリアとしてマンション建設事業を行っており、用地の取得段階から建築までを一貫して行う「造注方式」を強みとしています。近年は福岡にも進出し、首都圏に加えて九州エリアでの事業展開も進めています。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、マンション建設を中心とした総合建設事業を展開しています。
同社は2011年6月、東京都西東京市において建設工事の設計・施工を目的とした総合建設業として設立されました。設立当初の資本金は4,000万円で、マンション建設事業を中心に事業を開始しています。2011年8月には特定建設業許可を取得し、同年10月には第一号施工物件となる「プレシス千歳船橋」の建設に着手しました。その後事業の拡大とともに営業開発部門を設置し、マンション開発案件の獲得を強化しています。
事業の中心となるのはマンション建設事業であり、分譲マンションの企画、設計、施工を一体的に行っています。同社の特徴である「造注方式」とは、建設会社が用地情報の収集や用地取得の段階から関与し、マンションの企画や事業計画を立案した上でデベロッパーに提案するビジネスモデルです。一般的な建設会社がデベロッパーから施工だけを受注するのに対し、同社は土地の仕入れ段階から関与することで案件の創出を行い、安定した受注につなげています。
事業開発では、用地情報の収集や用地の仕入れ・購入、マンションの企画・設計、見積作成、事業計画の立案などを行い、デベロッパーや事業主に対してマンション開発案件を提案します。その後、基本設計や実施設計、着工準備、施工管理、完成検査、アフターサービスまでを一貫して行う体制を整えています。こうした一体型の事業モデルにより、マンション開発から建設まで効率的にプロジェクトを進めることが可能となっています。
品質管理にも力を入れており、施工現場の巡回による品質管理や、工程ごとの段階的な品質チェックを行っています。また建築施工マニュアルを整備し、第三者機関による施工監査を導入することで建設品質の維持・向上を図っています。マンションは長期にわたり居住する建物であるため、安全性や品質の確保は重要な要素となっており、同社は品質管理体制の強化に取り組んでいます。
2015年3月には東京証券取引所マザーズ市場に上場し、2016年12月には東京証券取引所市場第一部へ市場変更を行いました。その後2023年10月には市場再編に伴い東京証券取引所スタンダード市場へ移行しています。また2018年には福岡県福岡市に九州支店を開設し、首都圏中心だった事業を九州地域にも広げています。
このようにファーストコーポレーションは、首都圏を中心に分譲マンションの企画・設計・施工を行う建設会社であり、用地取得から建設までを一体で行う造注方式を強みとしています。マンション開発の初期段階から関与することで案件を創出し、企画・設計・施工・品質管理までを一貫して行う体制を整え、首都圏および九州エリアでマンション建設事業を展開している企業です。
ファーストコーポレーション 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.5 | 25,543 | 1,983 | 1,979 | 1,364 | 114.8 | 35 |
| 連24.5 | 28,485 | 1,453 | 1,422 | 944 | 79.2 | 31 |
| 連25.5 | 43,194 | 2,579 | 2,478 | 1,669 | 139.7 | 42 |
| 連26.5予 | 40,000 | 2,800 | 2,530 | 1,750 | 146.5 | 44 |
| 連27.5予 | 41,500 | 3,000 | 2,730 | 1,890 | 158.2 | 44〜48 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | -302 | -128 | 498 |
| 2024 | -1,573 | -92 | 720 |
| 2025 | 2,094 | -49 | -762 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 7.7% | 6.3% | 17.2% | – | – |
| 2024 | 5.1% | 3.9% | 11.1% | – | – |
| 2025 | 5.9% | 6.7% | 17.1% | 6.4〜9.0倍 | 1.29倍 |
投資判断
まず利益規模の推移を見ると、売上は284億円から431億円へ大きく拡大しており、直近では事業規模が急成長している。営業利益は14億円から25億円へ増加、経常利益は14億円から24億円、純利益は9億円から16億円へ拡大しており、利益面でも大きく成長している。2026年予想では売上400億円、営業利益28億円、経常利益25億円、純利益17億円となっており、売上はやや調整するものの利益はさらに伸びる見込みとなっている。
収益性を見ると営業利益率は2023年7.7%から2024年5.1%へ一度低下したものの、2025年は5.9%まで回復している。建設業としては比較的良い水準であり、事業拡大による利益率低下はあるが依然として一定の収益力を維持している。
ROEは17.2%から11.1%へ低下した後、2025年は17.1%まで回復しており、資本効率は高い水準にある。ROAも6.3%から3.9%へ低下した後、2025年は6.7%まで回復しており、資産効率も改善している。
株価評価の面ではPERが6.4倍から9.0倍程度とかなり低い水準にあり、利益水準に対して市場評価は割安圏にあると考えられる。PBRも1.2倍前後と資産価値に近い水準であり、成長企業として高く評価されているわけではない。利益が拡大しているにもかかわらずPERが1桁台に留まっていることから、市場は建設業特有の景気循環リスクや不動産市況の影響を織り込んで慎重な評価をしている可能性が高い。
総合的に見ると、この会社は売上と利益が大きく伸びている成長局面の建設会社であり、ROE17.1%、営業利益率5.9%と収益性も比較的高い。一方でPER6.4倍から9.0倍、PBR1.2倍前後と評価は低めに抑えられており、利益水準に対して株価は割安と考えられる。
ただし建設業は市況の影響を受けやすく業績の変動も大きくなりやすいため、安定成長株というより景気循環型の要素を持つ企業と見るのが自然である。現状の数値だけで判断すると、収益力は高く株価評価は割安寄りで、業績が維持されれば株価上昇余地はあるが、業界特性として景気や不動産市場の動向によって評価が変動しやすい銘柄といえる。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見ると、この会社は比較的魅力のある高配当株に近い位置の銘柄と考えられる。予想配当利回りは2026年5月期4.11%、2027年5月期4.11%となっており、日本株の平均利回りである2%前後と比べるとかなり高い水準にある。4%を超える利回りは高配当株の水準に入るため、配当収入を目的とした投資でも一定の魅力はある。
業績とのバランスを見ると、純利益は9億円から16億円へ拡大し、2026年は17億円予想となっており利益は増加傾向にある。それに合わせて配当も31円から42円へ増配され、さらに44円予想となっている。利益の拡大に合わせて配当も引き上げている形であり、無理な高配当というよりは業績に連動した株主還元といえる。
株価評価を見るとPERは6.4倍から9.0倍程度、PBRは1.2倍前後と低めの水準にあり、利益規模に対して株価は割安な位置にある。このため配当利回りが高く見える構造になっており、配当を受け取りながら株価上昇の余地も期待できる可能性がある。
ただし注意点として、この会社は分譲マンション建設を中心とした建設会社であり、不動産市況や建設需要の影響を受けやすい業種である。建設業は景気や不動産市場の影響を受けて業績が上下しやすく、利益が落ちる局面では配当が減る可能性もある。そのため電力会社や通信会社のような安定配当株と比べると配当の安定性はやや劣る。
総合的に見ると、この会社は配当利回り4%台と日本株の中では高配当水準であり、利益も拡大傾向にあることから配当目的の投資として一定の魅力はある。ただし業種的には景気循環の影響を受けやすいため、完全なディフェンシブ高配当株というよりは、業績の成長や不動産市況の影響を受けながら配当を得るタイプの銘柄と考えられる。
今後の値動き予想!!
現在の株価は1,069円で、売上は284億円から431億円へと大きく拡大しており、マンション建設事業の拡大によって事業規模は急成長している。営業利益も14億円から25億円へ増加しており、さらに28億円予想と利益水準も拡大している。
建設会社の中では営業利益率は5%前後と比較的高く、ROEも17%前後と資本効率も高い水準にある。一方で株価評価はPER6.4倍から9.0倍、PBR1.2倍前後と低く、利益水準に対して市場評価は割安に抑えられている状態にある。加えて配当利回りも4%前後と高く、配当と成長の両面を持つ銘柄といえる。
良い場合は、マンション建設需要が堅調に続き売上が500億円前後まで拡大するケースである。利益も30億円台まで伸び、営業利益率が6%前後で安定すれば企業の収益力に対する評価が高まり、PERが10倍から12倍程度まで見直される可能性がある。その場合、株価は1,800円から2,200円程度まで上昇するシナリオが考えられる。配当も増配が続けば高配当成長株として評価される可能性がある。
中間の場合は、売上が400億円前後で安定し、営業利益も25億円から30億円程度で推移するケースである。建設業は景気や不動産市況の影響を受けやすいため、業績は拡大と調整を繰り返しながら横ばいに近い推移になる可能性もある。PERも現在と近い7倍から9倍程度で推移すると考えられ、この場合株価は900円から1,400円程度のレンジで上下する可能性がある。
悪い場合は、不動産市況の悪化やマンション建設需要の減少によって売上が350億円前後まで縮小し、営業利益も15億円から20億円程度まで低下するケースである。利益率も4%前後まで低下しROEも10%以下に下がる可能性がある。その場合市場の評価も低くなりPERが5倍から6倍程度まで下がる可能性があり、株価は600円から800円程度まで下落するシナリオも考えられる。
まとめると、この会社はマンション建設を中心に事業規模が拡大している建設会社であり、PER1桁台で配当利回りも4%前後と比較的割安感のある銘柄である。5年間の株価イメージとしては、良い場合1,800円から2,200円、中間の場合900円から1,400円、悪い場合600円から800円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当を受け取りながら景気や不動産市況に応じて株価が動きやすいタイプの銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月8日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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