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ニッソウとは

株式会社ニッソウは、首都圏を中心に賃貸住宅や事務所などの原状回復工事を手掛ける建設会社である。主に中小の不動産会社や不動産管理会社から工事を受注する施工業者で、賃貸物件の退去時に発生する修繕やリフォーム、空室対策リノベーションなどを主力事業としている。また中古不動産の再生工事なども行っており、不動産の資産価値向上を目的とした施工サービスを提供している。
同社は1988年9月1日に設立された企業で、リフォーム工事を中心とする建設事業を展開してきた。2018年2月26日に東京証券取引所TOKYO PRO Marketへ上場し、その後2020年3月30日に名古屋証券取引所セントレックス(現在のネクスト市場)へ市場変更を行った。さらに2022年7月25日には東京証券取引所グロース市場にも上場し、現在は名証ネクスト市場との重複上場となっている。
東京都世田谷区に本社を置き、東京都内を中心に神奈川・埼玉・千葉などの首都圏のほか、仙台などにも拠点を展開している。年間1万件以上の工事を受注し、売上高は50億円を超える規模となっている。社名の「ニッソウ」は「日本一の業績を誇る改装会社を目指す」という理念に由来している。
創業は1987年、東京都目黒区で「クリエイティブリフォームオフィス マエダ」としてスタートした。その後1988年に株式会社ニッソウとして法人化し、1990年には世田谷区へ本社を移転した。同社は工事の見積もりから施工、引き渡しまでを効率化する「直接職人制度」を構築し、中間マージンを削減した施工体制を整備したことが特徴である。
1998年には営業活動をBtoBに特化し、不動産会社向けの原状回復工事を主軸とするビジネスモデルへ転換した。以降は拠点拡大を進め、神奈川・埼玉・千葉など首都圏各地に営業拠点を設置している。
近年は事業拡大とグループ化を進めており、2023年にはリフォーム会社の安江工務店の株式を取得し関連会社化したほか、リゾート不動産を扱う日本リゾートバンクを設立した。また国内外の企業との資本業務提携も進めており、香港のリフォーム会社との提携やマレーシア連絡事務所の開設など海外との連携も進めている。さらに2024年にはマレーシアの不動産管理会社と戦略的パートナーシップを締結するなど、事業領域を広げている。
同社の主なサービスは「原状回復工事」「空室対策リノベーション」「ハウスクリーニング」「外装・大規模工事」の4つで構成される。原状回復工事は賃貸物件の入居者が退去した際に行われる室内修繕工事で、壁紙や床材の張り替え、設備交換、補修工事などを行う。年間1万件以上の施工実績を持ち、賃貸住宅市場における安定した需要を背景に事業を拡大してきた。
空室対策リノベーションは、空室率の高い賃貸物件の魅力を高めるための改装工事で、設備更新や内装変更などを行うことで入居率の向上や賃料アップを目指すものである。またハウスクリーニング事業では、退去後の室内清掃やエアコンの高圧洗浄など、賃貸物件の管理に必要なクリーニングサービスを提供している。さらに外装工事や大規模修繕工事にも対応しており、戸建住宅からオフィスビルまで幅広い建物の改修工事を手掛けている。
近年は新規事業にも取り組んでおり、2025年には一般ユーザー向けの低価格リフォームブランド「リフォームプロ」を開始し、BtoC向けリフォーム市場にも参入した。また同年にはプール付き住宅をコンセプトとした住宅ブランド「湘南サザンホーム」を発表したほか、壁紙施工職人を育成するフランチャイズ事業「クロス家さん」を立ち上げ、全国展開を目指している。さらに職人育成のための研修センターを設置するなど、施工人材の育成にも力を入れている。
このようにニッソウは、賃貸住宅の原状回復工事を中心としたリフォーム事業を基盤に、不動産再生やリノベーション、クリーニング、大規模修繕などを手掛ける総合リフォーム会社として事業を拡大している。首都圏の賃貸市場を主な顧客基盤としながら、国内外の提携や新ブランドの立ち上げを通じて事業領域の拡大を進めている企業である。
ニッソウ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単21.7 | 2,880 | 158 | 158 | 102 | 110.3 | 0 |
| 単22.7 | 3,504 | 220 | 207 | 136 | 147.0 | 0 |
| 連23.7 | 4,166 | 148 | 142 | 69 | 63.9 | 0 |
| 連24.7 | 4,678 | 56 | 63 | 25 | 23.1 | 0 |
| 連25.7 | 5,279 | 72 | 69 | 202 | 186.4 | 0 |
| 連26.7予 | 6,300 | 200 | 190 | 100 | 91.9 | 0 |
| 連27.7予 | 7,000 | 250 | 240 | 140 | 128.7 | 0 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 67 | -469 | 549 |
| 2024 | -68 | 20 | 228 |
| 2025 | -59 | 570 | 32 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 3.5% | 2.7% | 4.6% | – | – |
| 2024 | 1.1% | 0.9% | 1.6% | – | – |
| 2025 | 1.3% | 5.8% | 11.8% | 57.8〜88.7 | 1.74 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
ニッソウは、売上自体は46.7億円→52.7億円→63.0億円予想と拡大しており、事業規模としては着実に伸びている会社です。受注量自体は増えていると考えられ、リフォームや原状回復工事の需要は安定している分野であるため、売上の成長は比較的分かりやすい形になっています。
一方で利益面を見ると、営業利益は0.5億円→0.7億円→2.0億円予想、経常利益は0.6億円→0.6億円→1.9億円予想、純利益は0.2億円→2.0億円→1.0億円予想となっています。売上は伸びているものの、本業の営業利益はまだ小さく、利益の安定感は強いとは言えません。特に2024年は営業利益0.5億円とかなり小さく、売上規模に対して利益水準が低い状態です。
収益性を見ると、営業利益率は3.5%→1.1%→1.3%で推移しています。売上が40億円~50億円規模の会社としてはかなり低い利益率であり、コスト増や人件費増の影響を受けやすい体質です。2026年予想では営業利益2.0億円まで回復する前提になっているため改善の余地はありますが、現時点の実績を見る限り高収益企業とは言えません。
資本効率の面では、ROEが4.6%→1.6%→11.8%、ROAが2.7%→0.9%→5.8%となっています。2024年はROE1.6%とかなり低く、資本効率は良いとは言えない水準でした。ただし2025年は純利益が2.0億円まで増えたことでROE11.8%、ROA5.8%まで改善しています。ただ営業利益率が1.3%しかないことを考えると、企業の収益体質そのものが大きく変わったというより、利益の出方の影響で一時的に資本効率が上がっている可能性もあります。
評価面では、2025年の実績PERが57.8倍〜88.7倍、PBR1.7倍となっています。営業利益率1.3%という低収益企業に対してPERが50倍以上というのはかなり高い水準であり、市場は将来の利益成長をかなり織り込んでいる状態です。PBR1.7倍も資産株として割安と言える水準ではなく、成長期待込みの評価になっています。
投資判断としては、ニッソウは割安株というより将来の成長期待で買われている小型株という位置付けになります。売上は46.7億円から63.0億円予想まで拡大しており、事業規模は順調に伸びています。ただし本業の営業利益はまだ小さく、営業利益率も低いため、現時点では収益力が強い会社とは言えません。その状態でPERが高く評価されているため、安全域はあまり大きくない銘柄です。
この数値だけで判断するなら、ニッソウは安定配当や割安株として投資する銘柄ではなく、今後の利益拡大を前提に投資する成長期待型の小型株です。2026年予想の営業利益2.0億円が実現し、利益率が改善していくなら評価は変わる可能性がありますが、もし利益成長が鈍化すると株価の調整も大きくなりやすいタイプの銘柄と考えられます。
配当目的とかどうなの?
ニッソウを配当目的で考える場合、結論から言うと配当狙いの投資には向いていない銘柄です。予想配当利回りは2026年7月期、2027年7月期ともに0.00%となっており、現時点では配当が予定されていません。つまり株を保有していてもインカムゲインは得られない状態です。
業績面を見ても、会社が配当を出しやすい状態とは言いにくいです。売上は46.7億円→52.7億円→63.0億円予想と拡大しているものの、営業利益は0.5億円→0.7億円→2.0億円予想とまだ小さく、営業利益率も3.5%→1.1%→1.3%と低水準です。本業の収益力が強い企業とは言えないため、まずは利益体質の改善や事業拡大に資金を使う段階にある会社と考えられます。
また、この会社は成長投資の色が強く、拠点拡大や新事業、グループ化などを進めている段階です。このような企業は、利益を株主還元よりも事業投資に回すケースが多く、配当を出すとしてもまだ先になる可能性があります。
さらに株価評価の面でも、2025年の実績PERは57.8倍〜88.7倍、PBR1.7倍となっており、株価は配当ではなく成長期待で評価されている銘柄です。配当利回りが高い銘柄のように、安定した配当収入を目的として長期保有するタイプの株ではありません。
そのため、ニッソウは配当目的の投資には基本的に向かない銘柄です。保有するなら、配当収入ではなく、売上拡大や利益成長による株価上昇を狙うキャピタルゲイン型の投資になります。将来的に利益規模が拡大すれば配当を開始する可能性はありますが、現状の数値だけで見る限り、配当株として評価できる段階にはまだ達していない会社と言えます。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価2,706円を前提に数値を見ると、売上は46.7億円から52.7億円、さらに63.0億円予想と拡大しており、原状回復工事やリノベーション工事を中心とするリフォーム会社として事業規模は着実に大きくなっている。ただし利益面を見ると、営業利益は0.5億円から0.7億円、2.0億円予想とまだ小さく、売上規模に対して収益力は強いとは言えない。
営業利益率も3.5%から1.1%、1.3%と低水準であり、利益率はかなり薄いビジネスであることが分かる。一方でROEは4.6%から1.6%、11.8%となっており、2025年は純利益が一時的に大きく出たことで資本効率は改善している。
良い場合は、原状回復工事の受注増加や拠点拡大、新規事業の成長によって売上が80億円規模まで拡大し、営業利益が4億円前後まで成長するケースである。施工体制の効率化や規模拡大によって利益率も改善し、営業利益率が5%前後まで上昇すれば収益体質の評価が高まりやすい。ROEも12%から15%程度で安定すれば小型成長株としての評価が続き、PERが35倍から40倍程度で評価される可能性がある。その場合、株価は4,500円から5,500円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が70億円前後まで拡大するものの、利益率は大きく改善せず営業利益が2億円から3億円程度の水準で推移するケースである。リフォーム需要は安定しているため売上は伸びやすいが、施工業は人件費や外注費の影響を受けやすく、利益率の改善が進まない可能性もある。この場合は市場の評価も落ち着き、PERは25倍から30倍程度まで低下する可能性がある。その結果、株価は2,800円から3,600円程度のレンジで推移する可能性がある。売上は伸びるが株価の上昇は限定的になるパターンである。
悪い場合は、施工コストの上昇や人材不足などで利益率がさらに低下し、営業利益が1億円前後まで縮小するケースである。営業利益率が2%未満の状態が続けば企業の収益力に対する評価も下がりやすい。ROEも5%前後まで低下し、PERも15倍から20倍程度まで調整される可能性がある。この場合、株価は1,500円から2,200円程度まで下落する可能性が考えられる。小型株で現在のPERが高いことを考えると、業績が期待に届かない場合は株価の調整幅も大きくなりやすい。
まとめると、ニッソウは賃貸物件の原状回復工事という安定需要の分野を持つ一方、現時点では利益率が低く収益力はまだ強いとは言えない企業である。売上は拡大しているが、株価はすでに成長期待を織り込んだ水準になっている。5年間の株価イメージとしては、良い場合4,500円から5,500円、中間の場合2,800円から3,600円、悪い場合1,500円から2,200円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。安定配当株というより、今後の利益成長次第で評価が大きく変わる小型成長株といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月7日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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