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ソラコムとは

株式会社ソラコムは、IoT向けのデータ通信を軸に、IoTデバイス、クラウドサービス、IoTビジネス支援などを国内外で展開するテクノロジー企業です。KDDIの持分法適用会社であり、IoT通信プラットフォームを中心とした事業を展開しています。
IoT分野における通信インフラとクラウドを組み合わせたサービスを提供し、企業のデジタルトランスフォーメーションやIoTビジネスの構築を支援しています。本社は東京都港区元赤坂1丁目5−12 住友不動産元赤坂ビル9階、本店は東京都世田谷区玉川4丁目5番6号 尾嶋ビル3Fにあります。
同社の主力事業は、IoTプラットフォーム「SORACOM」の開発・提供です。SORACOMは、IoT向けのデータ通信を基盤とし、IoTを活用した製品やサービスの開発を加速させるとともに、効率的な運用を支援するグローバルIoTプラットフォームです。
センサーや機器などのIoTデバイスを通信ネットワークと接続し、データの収集、可視化、通知、遠隔操作などを実現する仕組みを提供しています。企業はこのプラットフォームを利用することで、IoTシステムの構築や運用を効率的に行うことが可能になります。
IoTでは一般的に、センサーなどのIoTデバイスと通信を組み合わせてデータを収集し、そのデータを可視化して分析し、通知や自動アクションにつなげる仕組みが使われます。ソラコムはこのIoTの基盤となる通信とクラウドサービスを提供することで、企業のIoT事業の立ち上げや拡大を支援しています。
同社はIoT関連のデバイスや通信サービスを簡単に導入できる「SORACOM IoTストア」も提供しています。このオンラインショップでは、SIMカード1回線やデバイス1個から購入することができ、IoTの実証実験や小規模な導入をすぐに開始できます。また、販売しているデバイスを利用した用途別の手順を解説する「IoT DIYレシピ」も公開しており、IoT開発のノウハウを提供しています。
また、企業のIoT導入を支援する「SORACOM プロフェッショナルサービス」も提供しています。IoTコンサルタントがプロジェクトに参加し、技術要素の整理や課題の分析、実行計画の立案などを行い、大規模な商用展開に向けた開発支援やパートナー選定などもサポートしています。
さらにAI分野では、株式会社松尾研究所と共同で「IoT × GenAI Lab プロフェッショナルサービス」を推進しており、IoTデータの取得から処理、分析までを一貫して支援し、生成AIを活用した業務効率化や高度化を支援しています。
IoTデバイス開発を支援する「SORACOM エンジニアリングサービス」では、SORACOMの通信サービスを搭載したデバイスの設計や仕様の最適化を行い、顧客の用途に適したアプリケーション向けデバイスの提供を支援しています。
このほか、ビジネス支援やコンシューマー向けサービスも展開しています。クラウド型カメラサービス「Soracom Cloud Camera Services(ソラカメ)」は、手軽な価格のカメラと月額990円から利用できるクラウドサービスで、遠隔監視や現場管理などの用途に利用されています。生成AIを活用した業務支援サービス「Wisora」は、企業の知識やノウハウを現場で活用できるAIボットとして提供されており、業務効率化や情報共有の高度化を支援しています。
通信関連サービスとしては、58カ国で利用できるプリペイド型eSIM通信サービス「Soracom Mobile」を提供しています。ヨーロッパ、北米、アジア、オセアニアなどで利用可能で、購入から設定までアプリで完結する仕組みになっています。また、セキュリティ分野では、多要素認証サービス「Soracom Cloud MFA」を提供しており、携帯電話にワンタイム認証コードを送信することで安全性の高い認証システムを実現しています。
さらに「Soracom Cloud SMS Delivery」では、APIを利用して携帯電話向けにSMSを送信することができ、日本国内の主要4キャリアに対応しています。顧客企業のシステムと連携してメッセージ送信の自動化が可能であり、認証コード送信や通知サービスなどに活用されています。
このようにソラコムは、IoT通信、クラウド、デバイス、AI、ビジネス支援などを組み合わせたサービスを提供することで、企業のIoTビジネスを総合的に支援するプラットフォーム企業として事業を展開しています。IoT市場の拡大とともに、同社のサービス利用分野も製造業、物流、農業、インフラ管理、スマートシティなど幅広い分野へと広がっています。
ソラコム 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 5,450 | 501 | 465 | 337 | 8.8 | 0 |
| 2023年3月期 | 6,299 | 101 | 112 | 70 | 1.8 | 0 |
| 2024年3月期 | 7,928 | 727 | 638 | 485 | 12.6 | 0 |
| 2025年3月期 | 8,993 | 656 | 619 | 352 | 7.8 | 0 |
| 2026年3月期予想 | 11,600 | 750 | 710 | 550 | 12.2 | 0 |
| 2027年3月期予想 | 14,000 | 1,000 | 960 | 740 | 16.4 | 0 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | -222 | 2,007 | 29 |
| 2024年3月期 | 456 | -170 | 3,791 |
| 2025年3月期 | -728 | -474 | 2,451 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 1.6% | ― | 1.2% | ― | ― |
| 2024年 | 9.1% | 5.8% | 4.4% | ― | ― |
| 2025年 | 7.2% | 3.4% | 2.6% | 高値平均243.2倍 安値平均104.4倍 |
4.25倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
ソラコムの業績数値を見ると、売上は79.2億から89.9億、116.0億予想と拡大しており、事業規模は順調に拡大している。IoT通信プラットフォームという成長分野の企業らしく、売上自体はしっかりと増収トレンドになっている。
利益面を見ると、営業利益は7.2億から6.5億、7.5億予想となっており、売上が伸びているわりに利益の伸びはやや弱い。経常利益は6.3億から6.1億、7.1億予想、純利益は4.8億から3.5億、5.5億予想となっており、2025年に一度利益が落ち込んだあと、2026年に回復する見込みとなっている。成長企業としては利益の伸びがやや安定しておらず、投資フェーズの企業に近い利益構造になっている。
営業利益率を見ると、1.6%から9.1%、7.2%となっており、利益率は年度ごとに大きく変動している。IoTプラットフォーム企業としてはまだ利益率が安定しておらず、高収益企業の水準には届いていない。
ROEは―から5.8%、3.4%、ROAは1.2%から4.4%、2.6%となっており、資本効率もそれほど高くない水準にとどまっている。特にROE3.4%という数値は上場企業としてはやや低い水準であり、現時点では収益性の強い企業とは言いにくい。
一方で株価評価を見ると、2025年の実績PERは高値平均243.2倍、安値平均104.4倍と極めて高い水準になっている。PBRも4.2倍とかなり高く、市場はすでに成長企業として強い期待を織り込んでいる状態と考えられる。利益規模が営業利益7.5億程度の企業に対してこの評価はかなり高く、現在の株価は将来成長を前提にした価格と言える。
以上の数値だけを見ると、この銘柄は割安株ではなく典型的な成長期待株の位置にある。売上は拡大しているが、利益率やROEはまだ高くなく、利益規模も営業利益7億台と小さい。それにもかかわらずPERは100.0倍以上の評価を受けているため、短期的な割安感はほぼない。
そのため投資判断としては、安定投資や割安株投資の対象というより、IoT市場の成長を前提にした成長株投資の銘柄になる。もし売上拡大とともに営業利益が10.0億、20.0億と拡大していくなら株価評価を維持できる可能性はあるが、利益成長が止まるとPERが大きく圧縮されるリスクもある。現時点の数値だけで判断すると、将来成長前提の高評価株であり、リスクと期待の両方が大きい銘柄と言える。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見ると、この銘柄は現時点では適した銘柄とは言いにくい。予想配当利回りは2026年3月期、2027年3月期ともに0.00%となっており、配当は実施されていない。配当収入を目的とする投資では、そもそもインカムゲインが得られないため、保有する意味はほぼ無いと言える。
利益水準を見ると、純利益は4.8億から3.5億、5.5億予想となっており、利益自体は出ているものの規模はまだ小さい。営業利益も7.2億から6.5億、7.5億予想と10億円に届いておらず、企業としてはまだ成長投資を優先する段階にあると考えられる。この規模の利益では、配当を継続的に出すよりも事業拡大へ投資した方が合理的な段階にある。
またPERは高値平均243.2倍、安値平均104.4倍と非常に高く、株価はすでに将来成長を大きく織り込んでいる。PBRも4.2倍と高く、配当利回りを期待する投資家よりも、IoT市場の拡大を期待する成長株投資家が中心の銘柄と言える。
こうした点を踏まえると、この銘柄は配当収入を得るための銘柄ではなく、将来の事業成長による株価上昇を狙うタイプの銘柄になる。仮に今後利益が大きく拡大すれば配当開始の可能性はあるものの、現状の利益規模や企業の成長段階を考えると、しばらくは無配が続く可能性が高い。したがって配当目的での投資には向いておらず、投資する場合はキャピタルゲインを前提に考える銘柄と言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は1,010.0円で、ソラコムはIoT通信プラットフォームという成長分野に属する企業であり、売上は79.2億から89.9億、116.0億予想と拡大している。市場全体でもIoTやデータ通信の需要は長期的に拡大が見込まれており、事業環境自体は成長分野に位置している。
一方で利益規模はまだ小さく、営業利益は7.2億から6.5億、7.5億予想と10億円未満にとどまっている。さらにPERは100倍以上の水準で取引されることもあり、株価はすでに将来の成長期待を強く織り込んだ状態になっている。
良い場合は、IoT市場の拡大とともに売上が順調に伸び、営業利益も10億、20億規模へ拡大していくケース。この場合は成長株として市場評価が維持され、株価は段階的に上昇する可能性がある。5年後の株価は2,000円から3,000円程度まで上昇するシナリオも考えられる。
中間の場合は、売上は拡大するものの利益成長が緩やかで、現在の高PERが徐々に落ち着くケース。企業自体は成長するが株価は評価調整と成長が相殺され、大きな上昇は起こりにくい。この場合は株価は900円から1,400円程度のレンジで推移する可能性がある。
悪い場合は、IoT市場の競争激化や利益成長の停滞によって高い株価評価が維持できなくなるケース。現在のPERが大きく低下すると株価も大きく調整する可能性がある。特に利益規模が小さい企業は評価が変わると株価が急落しやすく、この場合は500円から800円程度まで下落するシナリオも考えられる。
まとめると、この銘柄は割安株ではなく成長期待で評価されている典型的なグロース株であり、今後の株価は利益成長がどこまで続くかに強く依存する。成長が続けば上昇余地はあるが、成長が鈍化すると株価の調整も大きくなる可能性がある。現在の株価1,010.0円は将来成長を前提にした水準であり、期待とリスクの両方が大きい銘柄と言える。
この記事の最終更新日:2026年3月7日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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