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日鉄鉱業の株価動向まとめ 最新決算と今後の株価予想【1515】

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株価

日鉄鉱業(1515)は2025年9月30日を基準日に「1株→5株」の分割を実施しました。
なので以前の株価よりの5分の1くらいの株価になっています。
しかし、チャートに反映されていない期間もあるかもしれません。

日鉄鉱業とは

日鉄鉱業株式会社は、東京都千代田区丸の内に本社を置く鉱業会社です。1939年に設立され、東京証券取引所プライム市場に上場しています。代表取締役社長は森川玲一氏です。日本製鉄グループの一員として、資源開発を中心に幅広い事業を展開しています。

主な事業内容は、まず「鉱石部門」で、国内の鉱山から石灰石を中心に採掘し、鉄鋼業などの原料として供給しています。次に「金属部門」では、銅や電気銅などの非鉄金属の製錬や販売を行っています。また「資源開発部門」では、国内だけでなくチリなど海外でも鉱山の開発を進めています。

そのほか、機械・環境関連事業として、採掘機械や環境技術の提供を行っており、近年では「再生可能エネルギー事業」にも注力しています。地熱発電や太陽光発電など、環境に配慮したクリーンエネルギー分野への取り組みが進んでいます。さらに、自社所有の不動産の賃貸や管理などを行う不動産事業も展開しています。

全体として、日鉄鉱業は日本の基幹産業を支える資源供給企業でありながら、再エネや環境事業など新たな分野にも事業を広げている総合資源企業です。

直近3年間の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(EPS, 円) 一株当たり配当(円)
2023/3期 164,020 13,632 13,204 9,780 587.9 178
2024/3期 166,884 11,177 12,056 6,602 396 169
2025/3期(実績) 196,766 10,257 11,437 9,019 546 224

バリュエーション

決算期 営業利益率(実績/概算) ROE(実績/予想) ROA(実績/予想) PER(実績/予想) PBR(実績)
2024/3期 約 6.7% 約 4.69% 約 2.88% 約 12.46 倍 約 0.99 倍
2025/3期(実績) 約 5.21% 約 6.37% 約 3.76% 約 19.49 倍 約 0.99 倍

出典元:会社四季報2024年・2025年版 IRBANK Yahoo!ファイナンス

投資判断

日鉄鉱業は、鉄鋼向けの石灰石採掘を主力とする資源企業で、日本製鉄グループの一角を担っています。事業内容は石灰石のほか、銅・非鉄金属、地熱発電などの再生可能エネルギー、機械・環境関連、不動産事業にも展開しています。全体としては資源価格や鉄鋼需要に左右されやすい構造です。

2025年3月期の業績を見ると、売上高は1,967億円、営業利益は102億円、経常利益114億円、純利益90億円と、前期より増収増益となっています。営業利益率は約5.2%で、資源企業としては平均的ですが安定した収益性を維持しています。ROEは約6.4%、ROAは約3.8%と中堅企業として標準的な水準です。財務体質も堅く、有利子負債が少ないため倒産リスクは低いと言えます。

株価指標では、PBRは約0.98倍と資産価値とほぼ一致しており、株価は「純資産に対して妥当~やや割安」な位置にあります。PERは約19倍前後と平均的ですが、資源価格の上下によって業績が変動しやすいため、利益が安定して成長するタイプの企業ではありません。配当は2025年3月期に1株224円を実施しており、配当利回りも高く、配当性向は約40%程度です。株主還元姿勢は比較的強めで、安定配当を意識しています。

これらの数字から見ると、日鉄鉱業は「安定した資産価値と堅実な配当を持つ企業」でありながら、「高成長よりも安定重視」の銘柄と言えます。営業利益率が5%前後、ROE6%台という点からも、爆発的な成長株ではなく、資源価格次第で上下する典型的な景気循環型企業です。

配当目的とかどうなの?

日鉄鉱業は、配当目的で保有するにはかなり魅力的な銘柄です。

まず、配当実績を見ると、2023年3月期が178円、2024年3月期が169円、2025年3月期が224円と、ここ数年は安定して高配当を維持しています。むしろ2025年は増配しており、株主還元に積極的な姿勢がはっきりしています。

仮に株価を2000円とした場合、1株あたり224円の配当なら利回りはおよそ11%になります。これは国内上場企業の中でも非常に高い水準で、いわゆる「高配当銘柄」と呼ばれる企業の中でも上位に入るレベルです。

また、財務体質も健全で、自己資本比率は70%以上、有利子負債も少なく、借金に頼らない経営をしています。2025年の配当性向は約40%程度で、利益の範囲内で無理のない配当を出している点も安心材料です。業績の波がある資源関連企業としては、かなり安定した配当方針を取っているといえます。

一方で注意点としては、日鉄鉱業の業績は鉄鋼需要や資源価格の影響を受けやすく、景気が悪化すると利益が減少する可能性があります。そのため、今後もこの高配当が永続するとは限りません。減配リスクがゼロではない点は理解しておく必要があります。

それでも、長期で見れば内部留保も厚く、再生可能エネルギーや地熱発電など新しい収益源も増えてきており、将来的な安定性は十分期待できます。株価もPBR1倍前後で推移しており、資産価値とほぼ同等の水準にあるため、極端な値下がりリスクも小さいと考えられます。

総合的に見て、日鉄鉱業は「値上がり益よりも安定した配当収入を狙う人」に向いた銘柄です。短期での売買にはあまり向きませんが、3〜5年の長期保有を前提にすれば、毎年高い配当を受け取りながら安心して持てる優良な配当株といえます。

今後の値動き予想!!(5年間)

日鉄鉱業(証券コード1515)の現在値は1,784円です。
ここから今後5年間の値動きを、良い場合・悪い場合・中間の場合の3つのシナリオで予想します。

【良い場合】
世界的なインフラ需要が安定し、鉄鋼・石灰石・非鉄金属の需要も底堅い。
再エネや地熱発電事業も少しずつ収益を上げ、営業利益率は6%台で推移。
EPSが600円前後まで上昇し、PERが12倍とすると株価は 約7,200円前後
配当も250円程度を維持でき、長期保有で総合リターンは年率5〜7%程度が期待できる。
「安定成長+高配当」で堅実に利益を狙うシナリオです。

【中間の場合】
資源市況は横ばいで、利益水準は現状維持。
再エネ事業の寄与は限定的で、EPSは500円前後で安定。
PERが10〜11倍程度だと、株価は 約5,000〜5,500円前後
配当は200〜220円を継続でき、配当利回り4〜5%台をキープ。
「大きくは伸びないが、堅実に配当を受け取れる」無難な展開です。

【悪い場合】
資源価格の下落や鉄鋼需要の落ち込みで業績悪化。
営業利益率が4%台まで低下し、EPSが400円を割り込む。
PERが9倍程度だと、株価は 3,000〜3,500円前後 まで下落する可能性あり。
配当も150円前後に減配されるリスク。
ただしPBR0.7倍程度では下値が固まり、破綻の心配は少ない。

日鉄鉱業は「ハイリターンを狙う成長株」ではなく、
“配当と安定を重視する中長期保有銘柄” です。
景気次第で値動きはあるものの、財務が堅いため倒産リスクは低く、
長く持って年5%前後のリターンを得る「守り型の投資」が現実的な戦略です。

この記事の最終更新日:2025年10月25日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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