株価
住石ホールディングスとは

住石ホールディングス株式会社は、東京都港区西新橋に本社を置く持株会社で、住友石炭を母体とする資源関連企業である。麻生グループの一員であり、株式会社麻生の連結子会社となっている。2008年10月1日に住友石炭鉱業からの単独株式移転により設立され、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。代表取締役社長は森省輔氏で、決算期は3月末である。
もともとは国内で石炭採掘を行っていたが、現在は国内炭から撤退しており、海外炭、特にオーストラリアの炭鉱権益から得られる配当収入が利益の柱となっている。炭鉱の操業そのものよりも、投資先からの収益を取り込む事業投資型の性格が強まっている。エネルギー価格や資源市況の影響を強く受ける収益構造となっているのが特徴である。
事業は持株会社としてグループ会社を統括する形で展開しており、「石炭事業」「新素材事業」「採石事業」の3つを中核としている。石炭事業では海外からの石炭の輸入販売および権益投資を行い、グループ全体の収益の大部分を占める主力事業となっている。
新素材事業では人工ダイヤモンドなどの先端素材の製造・販売を行っており、半導体、電子部品、精密加工などの分野で使用される高付加価値製品を扱っている。資源依存からの脱却を目指す中で成長領域として位置付けられている。
採石事業では建設資材向けの砕石の採取・加工・販売を行い、国内インフラや建設需要に対応している。景気や公共投資の動向に影響を受けるが、比較的安定した需要が見込まれる事業である。
グループ会社としては、住石マテリアルズ、住石貿易、泉山興業、ダイヤマテリアル、新居浜コールセンターなどがあり、これらの事業会社を通じて各分野を展開している。2016年には新素材事業と採石事業を分社化するなど、事業の選択と集中を進めてきた。
収益構造としては石炭事業の依存度が高く、全体の約9割を占める構成となっているため、石炭価格や為替の変動が業績に大きく影響する。一方で、新素材や採石といった非石炭分野の拡大により、収益の安定化と分散を図る戦略を進めている。
全体としては、炭鉱会社からスタートしながらも現在は海外資源投資による配当収益を中心とした事業投資会社へと転換した企業であり、資源価格に連動するボラティリティの高い収益構造を持ちながら、多角化による安定化を目指している企業である。
住石ホールディングス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 9,781 | -63 | -33 | -94 | -2.0 | 3 |
| 連22.3 | 12,404 | 2,343 | 2,356 | 2,267 | 41.0 | 5 |
| 連23.3 | 39,893 | 3,840 | 3,719 | 3,667 | 68.3 | 7.5 |
| 連24.3 | 22,599 | 8,009 | 8,106 | 7,530 | 144.7 | 60 |
| 連25.3 | 10,264 | 48 | 4,711 | 4,195 | 76.8 | 30 |
| 連26.3予 | 9,700 | 300 | 1,600 | 1,600 | 26.7 | 15 |
| 連27.3予 | 10,500 | 400 | 1,800 | 1,800 | 30.1 | 15〜20 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 53 | -22 | 504 |
| 2024 | 18,778 | -11 | -3,983 |
| 2025 | 26 | -216 | -3,174 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 9.6% | 18.0% | 14.0% | – | – |
| 2024 | 35.4% | 27.9% | 24.1% | – | – |
| 2025 | 0.4% | 14.9% | 14.4% | 4.6〜27.5倍 | 1.98倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は225億→102億→97億と減少しており、事業規模は急縮小している。営業利益は80億→0.48億→3億と大幅に落ち込み、特に2025年はほぼ利益が出ていない状態まで低下している。経常利益は81億→47億→16億、純利益は75億→41億→16億と減益傾向が続いており、営業段階の収益力低下を補いきれていない構造になっている。
営業利益率は9.6%→35.4%→0.4%と極端なブレがあり、2024年の高収益は一時的要因である可能性が高く、2025年はほぼ利益が出ていない水準まで低下している。ROEは18.0%→27.9%→14.9%、ROAは14.0%→24.1%→14.4%と依然として高水準だが、これは過去の利益の影響が残っているだけで、足元の営業利益の弱さとは乖離がある状態になっている。
PERは4.6倍〜27.5倍とレンジが非常に広く、利益変動の大きさを反映して評価が安定していない。PBRは1.9倍と資産に対してややプレミアムが乗っている水準で、安定企業というよりは業績変動を織り込んだ評価になっている。
全体として、利益水準は依然として大きいものの、営業利益の急減と売上縮小から見ると収益の持続性には不透明感が強い。特に営業利益率が0.4%まで低下している点は重要で、本業の稼ぐ力は大きく落ちている状態にある。指標上は割安に見える局面もあるが、それは業績の不安定さと引き換えであり、安定成長型ではなく資源価格や外部要因に強く依存するボラティリティの高い銘柄と整理できる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは連26.3・27.3ともに1.62%と低水準で、インカム目的としての魅力はかなり弱い水準にある。日本株の平均的な配当利回りが2〜3%程度であることを考えると、それを下回っており、配当収入を主目的に保有する理由は乏しい。特に近年は高配当株志向の投資家も増えており、その中で1%台前半という水準は資金が集まりにくいレンジに位置している。
加えて業績の中身を見ると、営業利益は80億→0.4億→3億と急減しており、利益の振れ幅が非常に大きい。単なる減益ではなく、ほぼ利益が消失する水準まで落ち込んでいる点は重要で、事業構造そのものが市況や特定要因に強く依存している可能性が高い。営業利益率も35.4%→0.4%まで大きく低下しており、一時的に高収益を出せる局面はあるものの、それが継続する構造にはなっていない。
ROEやROAについても、一見すると高水準に見える年があるが、これは利益の急増・急減によるブレの影響が大きく、安定した資本効率を示しているわけではない。特にROEは利益水準に強く連動するため、利益が落ちれば一気に低下する性質があり、この銘柄の場合は構造的な強さというよりも「結果的に高く出た年がある」という見方が妥当になる。
さらにキャッシュフローの観点でも、安定的に営業キャッシュフローを積み上げている企業とは言い難く、投資や財務の動きによって資金状況が左右されやすい。こうした企業は配当の原資となるキャッシュの安定性が低く、業績が悪化した局面では減配や無配に転じるリスクが相対的に高くなる。
この状態で配当利回りが1.6%程度だと、「低配当+業績不安定」という組み合わせになっており、配当目的としてはかなり厳しい位置付けになる。利回りが低いにもかかわらずリスクは高いという構造で、インカム投資としてのバランスが悪い。長期で安定した配当を積み上げるという観点では適しておらず、ポートフォリオのコアに据えるような銘柄ではない。
一方で、このような銘柄は見方を変えると「業績の振れを利用するタイプ」とも言える。資源価格や市況の変動、特定事業の収益改善などによって利益が急回復する局面では、株価も大きく動く可能性がある。そのため、配当ではなくキャピタルゲインを狙う投資、いわゆるタイミング投資や循環株としての扱いが適している。
まとめると、この銘柄は配当狙いではなく、業績が大きく伸びる局面や資源・市況の変動による株価上昇を取りにいくタイプの銘柄である。配当目的で長期保有するよりも、業績や市況の転換点を見極めて売買する前提で考える方が、一貫した投資判断につながる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は922円で、この銘柄は業績の振れが大きく、市況や一時的な利益要因に強く影響されるタイプの値動きになりやすい。営業利益は80億→0.4億→3億と大きく落ち込んでおり、安定成長というよりも「利益が出る年と出ない年の差が激しい」構造にある。このため株価も連動して上下しやすく、一定方向に伸び続けるというよりは、周期的に大きく動く特徴がある。
良い場合は、資源価格の上昇や関連事業の収益回復によって営業利益が10億〜20億規模まで戻り、営業利益率も10%以上へ回復するシナリオ。この場合、ROEも20%前後まで改善し、評価も見直されやすくなる。PERは低位ながらも利益回復によって水準訂正が起き、PBRも1.5倍前後まで評価が引き上がると、5年後の株価は1,300円〜1,800円程度まで上昇する可能性がある。上昇局面では短期間で大きく動く場面もあり、いわゆる資源株的な急騰を伴う展開になりやすい。
中間の場合は、利益が回復と減少を繰り返しながら平均的には5億〜10億規模に落ち着くシナリオ。営業利益率は5%前後、ROEも10%前後で推移し、評価はPBR1.0倍前後で安定する。この場合、株価は大きなトレンドは出にくく、700円〜1,100円程度のレンジで上下するボックス相場になりやすい。配当利回りも低いため、配当で下支えされるというよりは、需給や市況で振れる値動きになる。
悪い場合は、再び利益が低迷し営業利益が数億円規模にとどまる、もしくはゼロ近辺まで落ち込むシナリオ。営業利益率も1%未満、ROEも10%未満へ低下し、企業としての収益力に対する評価がさらに下がる。この場合はPBRが0.7倍〜1.0倍程度まで低下し、5年後の株価は500円〜800円程度まで下落する可能性がある。赤字転落まではいかなくても、低収益状態が続くことで評価がじわじわ切り下がる展開になりやすい。
総合すると現在値922円は、すでに業績不安定さをある程度織り込んだ水準にあり、大きな割安感も成長期待も織り込まれていない中間的な位置にある。上昇は業績回復に強く依存し、下落は利益低迷による評価縮小で進む構造となるため、長期で右肩上がりを期待する銘柄ではなく、業績や市況の変化に応じて上下を繰り返す循環型の値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年3月1日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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