株価
カウリスとは

株式会社カウリスは、不正アクセスやマネーロンダリングなどの金融犯罪を防ぐためのクラウド型セキュリティサービスを提供している企業です。
2015年12月4日に設立され、本社は東京都千代田区大手町1丁目6番1号大手町ビル4階のFINOLAB内にあります。代表取締役は島津敦好氏で、資本金は約3億5,278万円です。東京証券取引所グロース市場に2024年3月28日に上場しました。事業年度は1月1日から12月31日までで、単元株数は100株です。
カウリスの主な事業は、金融機関や証券会社などを中心に、不正アクセスや不正送金、マネーロンダリングなどのリスクを検知・防止するクラウド型システムを提供することです。AIを活用してユーザーのアクセスパターンや取引行動を分析し、異常な動きをリアルタイムで検知するサービスを展開しています。
主力製品としては、不正取引検知システム「Fraud Alert」などがあり、企業のセキュリティ強化とコンプライアンス対策を支援しています。金融業界だけでなく、通信、EC、行政機関などにも導入が進んでおり、国内の不正検知市場で高い技術評価を得ています。
同社は「すべての人が安心してデジタル社会を利用できる世界をつくる」という理念を掲げ、サイバーセキュリティと金融犯罪対策を両立させることで、デジタル取引社会の信頼性向上に貢献しています。
直近3年間の業績・指標
| 決算期(12月期) | 売上高(百万円 / 予想含む) | 営業利益(百万円 / 予想) | 経常利益(百万円 / 予想) | 純利益(百万円 / 予想) | 1株当たり利益 (EPS, 円) | 1株当たり配当 (DPS, 円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023/12 実績 | 995 | 296 | 294 | 260 | 45.6 | 0.00 |
| 2024/12 実績 | 1,225 | 412 | 388 | 276 | 45.63 | 0.00 |
| 2025/12 予想 | 1,400 | 400 | 401 | 258 | 40 | 0.00 |
バリュエーション
| 決算期 | PER(倍) | PBR(倍) | 営業利益率 (%) | ROE (%) | ROA (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023/12 | — | — | 29.7 | 57.6 | 22.1 |
| 2024/12 | — | 4.3 | 33.7 | 21.0 | 13.6 |
出典元:IRBANK、会社四季報オンライン FISCO企業データ
投資判断
株式会社カウリスは、不正アクセスやマネーロンダリング防止を目的としたクラウド型セキュリティサービスを展開している企業です。直近では急成長を続けていますが、同時に株価の評価も高く、投資判断には慎重さが必要な銘柄です。
2024年12月期の営業利益は412百万円、経常利益は388百万円、純利益は276百万円でした。営業利益率は33.7%と高く、本業の収益性が非常に優れています。ROEは21.0%、ROAは13.6%と、資本・資産効率も高い水準にあります。
このように、利益率と効率性の高さから見れば優良企業といえますが、割安感はありません。業績が予想を下回る場合、株価が急落するリスクがあります。さらに配当は0円であり、株主還元よりも事業拡大を優先する方針です。そのため、配当目的の投資には向きません。
総合的に見ると、カウリスは「高成長・高評価型」のグロース銘柄です。セキュリティ需要の拡大という強い追い風があり、中長期的な成長余地は大きいですが、現在の株価水準ではリスクも大きいといえます。短期的には割高感が強いため、エントリーする場合は押し目や調整局面を狙うのが良いでしょう。
結論としては、配当目的ではなく、将来的な株価上昇を狙う成長投資向けの銘柄です。リスクを取っても成長分野に乗りたい投資家にとっては魅力がありますが、安定志向の投資家にはややハイリスクな銘柄といえます。
配当目的とかどうなの?
株式会社カウリスは、配当目的の投資には向いていません。
現在までに同社は無配(配当金0円)を継続しており、今後もしばらくは配当を出す予定はないと見られます。理由は明確で、会社が「利益を株主に還元するよりも、事業拡大に再投資する段階」にあるためです。
カウリスはクラウド型不正検知サービスを提供する成長企業で、まだ上場して間もなく、研究開発や人材採用、海外展開などに多くの資金を投入しています。そのため、利益は内部留保として成長のために使われており、配当政策よりも事業拡大を優先する経営方針です。
ROEや営業利益率は高く、ビジネスとしては非常に効率的に利益を出していますが、それが株主に直接還元される形ではなく、あくまで企業価値の向上=株価上昇(キャピタルゲイン)を狙うタイプの銘柄です。
したがって、153Aを配当目的で買うのはおすすめできません。
配当金を重視するなら、安定配当を続けている成熟企業(例:三菱UFJ、NTT、花王など)を検討した方が向いています。
一方で、将来的に事業が安定してキャッシュフローが積み上がれば、初の配当実施もあり得ます。その意味では「今は配当なしだが、将来に期待できる成長株」として長期目線で持つのは一つの戦略です。
今後の値動き予想!!(5年間)
株式会社カウリスの現在の株価は2,411円です。ここから5年間の値動きを予想すると、以下の3つのシナリオが考えられます。
まず、良い場合です。AIを活用した不正アクセス検知やマネーロンダリング対策サービスが金融機関や大企業で広く導入され、売上と利益が大きく伸びるケースです。クラウドセキュリティ市場が拡大し、カウリスがその中心的存在となれば、株価は現在の2,411円から5年後にはおよそ5,000円〜5,500円程度まで上昇する可能性があります。PERは徐々に適正化しながらも、成長性が評価されて高水準を維持すると考えられます。
次に、悪い場合です。競合他社の参入やセキュリティ市場の価格競争が激化し、成長が鈍化するシナリオです。AI技術の陳腐化や新規顧客の獲得ペースが落ちた場合、業績が伸び悩み、株価は2,411円から1,500円〜1,800円前後まで下落する可能性があります。PERも高止まりし、投資家の期待が剥がれることで株価調整が続くリスクがあります。
最後に、中間の場合です。業績は堅調に推移し、売上や利益は年平均8〜10%程度で成長するものの、過度な期待はやや落ち着くケースです。株価は2,411円から3,500円〜3,800円程度に上昇し、事業の安定性と成長性がバランスよく評価されます。投資家の信頼を維持しながら、中長期的に企業価値を高めていく展開です。
まとめると、良い場合は約5,500円、中間では3,700円前後、悪い場合は1,800円前後が想定レンジです。現時点では配当がないため、株価上昇によるキャピタルゲインを狙う「成長株」としての位置づけになります。
この記事の最終更新日:2025年10月26日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す