株価
美樹工業とは

美樹工業株式会社は、兵庫県姫路市北条に本社を置く総合建設会社です。1962年1月に設立され、2003年10月に東証スタンダード市場へ上場しました。資本金は約7億6,481万円、従業員数は連結で約580名です。代表取締役社長は岡田尚一郎氏が務めています。
同社は、建築工事、土木工事、導管工事、リフォーム工事などを幅広く手掛けています。建築部門では、学校、病院、オフィスビル、商業施設、工場、マンションなど多様な建築物を設計・施工しています。土木部門では、道路や橋梁、上下水道など公共インフラの整備工事を中心に行っており、地域社会の基盤づくりに貢献しています。
また、導管工事事業ではガス・水道・電力などのライフライン工事を請け負い、安全で快適な生活環境の維持に取り組んでいます。リフォーム・住宅関連事業にも力を入れており、子会社を通じて戸建て住宅の販売やリフォーム工事を展開しています。
主な事業エリアは兵庫県を中心とした関西一円ですが、首都圏にも営業拠点を持ち、全国規模で事業を展開しています。建設事業を通じて地域社会の発展に寄与し、環境に配慮した持続可能な建設を目指す企業です。
直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年12月期 | 30,758 | 1,102 | 1,181 | 734 | 672.1 | 150(特別配当含む) |
| 2023年12月期 | 32,203 | 1,316 | 1,330 | 839 | 768.0 | 230(特別配当含む) |
| 2024年12月期 | 27,292 | 1,134 | 1,155 | 658 | 602.2 | 200 |
| 2025年12月期(予想) | 36,000 | 2,100 | 2,100 | 1,250 | 1,144 | 345〜360 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業キャッシュフロー(百万円) | 投資キャッシュフロー(百万円) | 財務キャッシュフロー(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2022年12月期 | 1,198 | -86 | -1,127 |
| 2023年12月期 | -2,156 | -219 | 1,309 |
| 2024年12月期 | 660 | -663 | 598 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | PER(倍) | PBR(倍) | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年12月期 | ― | ― | 4.0 | 5.4 | 2.7 |
| 2024年12月期 | 高値平均7.1/安値平均5.9 | 0.55 | 4.1 | 4.1 | 2.0 |
| 2025年12月期(予想) | 7.65倍 | ― | 5.8 | 7.9 | 3.8 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
美樹工業株式会社は、兵庫県を拠点とする総合建設会社で、建築・土木・導管工事、住宅関連事業などを幅広く展開しています。
ここ3年間の業績を見ると、2022年から2024年にかけては売上と利益に多少の波がありましたが、2025年は大幅な増収増益が見込まれています。営業利益は2023年が1,102百万円、2024年が1,134百万円、そして2025年は2,100百万円と約2倍の水準まで伸びる予想です。純利益も734百万円から1,250百万円まで増える見通しで、業績の回復が鮮明になっています。
営業利益率は2023年が4.0%、2024年が4.1%、2025年が5.8%と改善しており、建設業界では高い水準です。ROE(自己資本利益率)は5.4%から7.9%へ、ROA(総資産利益率)も2.7%から3.8%へ上昇しており、企業としての収益効率も良化しています。
株価指標を見ると、2024年の実績PERが高値平均7.1倍、安値平均5.9倍、PBRは0.55倍と非常に割安です。PBRが1倍を下回るということは、株価が企業の純資産価値を下回っていることを意味しており、現在の株価は明らかに低評価だといえます。業績回復が続けば、株価の上昇余地は十分にあります。
また、同社は株主還元にも積極的で、2022年に150円、2023年に230円、2024年に200円、そして2025年は345〜360円への増配を予定しています。高配当かつ増配傾向で、長期投資の安定収入を狙うには非常に魅力的な銘柄です。
総合的に判断すると、美樹工業は「安定した業績」「高い配当」「割安な株価」という3つの要素を兼ね備えた、長期保有に適したバリュー株です。短期的な値上がりを狙うよりも、安定配当と中長期での株価上昇を見込んで保有するのに向いた銘柄といえます。
配当目的とかどうなの?
美樹工業株式会社は、配当目的の投資にも非常に向いている銘柄です。
まず、直近の配当実績を見ると、2022年は1株あたり150円(特別配当含む)、2023年は230円(特別配当含む)、2024年は200円、そして2025年は345〜360円への大幅増配が予想されています。業績の波があっても、減配を避けて増配を続けている点は、株主還元に対する姿勢の強さを示しています。
建設業界は景気の影響を受けやすい側面がありますが、美樹工業は公共工事・民間工事の両方をバランスよく手がけており、事業基盤が安定しています。そのため、業績の上下があっても配当を維持しやすい企業体質です。
さらに、株価指標の面でも、2024年のPBRは0.55倍と資産価値から見てかなり割安です。PERも6倍台前後と低く、利益に対しての株価評価も抑えられています。このような「割安+安定配当」の組み合わせは、配当利回りを重視する投資家にとって理想的な条件です。
仮に2025年の年間配当を350円、株価を現在の1,000円前後とすると、配当利回りは3.5%以上に達します。これは東証スタンダード上場企業の中でも高水準であり、銀行預金や国債と比べても十分魅力的な水準です。
総合的に見ると、美樹工業は短期的な値上がりを狙う銘柄ではなく、「安定収益+高配当」を目的に長期保有するのに適した堅実なバリュー株です。安定した業績、健全な財務、そして増配傾向を考えると、配当狙いの投資家にとっては非常に良い選択肢といえます。
今後の値動き予想!!(5年間)
美樹工業株式会社の現在値は8,300円です。ここから今後5年間の株価推移を、良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで考えてみます。
まず、この会社は建築・土木・導管工事を中心に、住宅関連やリフォーム事業も展開している総合建設会社です。2025年12月期は売上高36,000百万円、営業利益2,100百万円、純利益1,250百万円と大幅な増収増益が予想されており、業績は回復基調にあります。営業利益率は5.8%、ROE7.9%、ROA3.8%と堅実な水準を維持しており、財務も安定しています。
良い場合のシナリオでは、公共工事や民間建築の需要拡大、利益率の改善、さらに配当増加などが追い風となり、企業価値が見直されるケースです。この場合、株価は年平均8%程度の上昇が続き、5年後には約12,000円前後まで上昇する可能性があります。堅実な業績と高配当が市場に評価されれば、株主還元銘柄として注目を集める展開です。
中間のシナリオでは、現状の堅調な業績が維持されつつも、急激な成長は見られない場合です。年平均3%ほどの株価上昇が続いたと仮定すると、5年後は約9,600円程度になると考えられます。この場合、配当による安定収益を受け取りながら、株価の緩やかな上昇を期待できるでしょう。
悪い場合のシナリオでは、建設コストの上昇や公共投資の減少などが重なり、利益が伸び悩むケースです。年平均で4%下落するペースで推移した場合、5年後の株価は約6,600円前後まで下落するリスクがあります。ただし、美樹工業は財務基盤が強く、過去にも安定した配当を維持してきたため、極端な下落の可能性は低いと考えられます。
総合的に見ると、美樹工業は短期的な急騰を狙う銘柄ではなく、高配当と堅実な業績成長を見込んで中長期で保有するのに向いた安定株です。良い場合は約12,000円、中間では9,600円、悪い場合でも6,600円前後が5年後の想定レンジと考えられます。
この記事の最終更新日:2025年10月27日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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