株価
コムシスホールディングスとは

コムシスホールディングスは、キャリア向けの電気通信工事を主力とする大手企業であり、ネットワーク構築に強みを持つ通信インフラ企業です。NTT向け工事を中核に成長してきた企業で、現在はインフラ工事やIT構築分野の強化も進めている持株会社です。本社は東京都品川区東五反田にあり、東証プライム市場に上場、日経平均株価およびJPX日経インデックス400の構成銘柄にも採用されています。
NTT認定の総合電気通信工事業として、通信建設業界では確固たる地位を築いており、エクシオグループやミライト・ワンと並ぶ国内大手の通信インフラ企業の一つです。一般的な知名度は高くないものの、売上規模や資本金は準大手ゼネコンに匹敵する水準で、豊富な現金預金や高い自己資本比率を持つなど財務内容は堅実です。
事業の中心は通信インフラ事業で、主力子会社の日本コムシスを軸に、光ファイバー、携帯基地局、5G関連設備の設計・施工・保守を手がけています。海底ケーブルの敷設や山岳地帯での通信鉄塔建設、通信専用トンネルの構築といった大規模工事から、電話局内設備工事や一般住宅への引き込みといった小規模工事まで幅広く対応しています。通信キャリアの設備投資に影響を受ける側面はあるものの、保守・運用といったストック型業務も多く、一定の安定性を持っています。
また、近年はIT分野の強化を進めており、設計・施工に加えてソフトウェア開発や保守運用まで含めたIT総合エンジニアリング企業としての展開を進めています。2009年にはコムシス情報システムを設立し、企業や自治体向けのネットワーク構築、クラウド、システム開発などのICTソリューションにも注力しています。
さらに、通信以外の社会インフラ分野にも事業領域を拡大しており、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー、道路舗装、ガスインフラ、橋梁・鉄骨などの土木・建設分野にも展開しています。これにより通信依存からの脱却を進め、総合インフラ企業としての体制を強化しています。
グループ体制としては、日本コムシスを中核に、モバイルインフラを担うコムシスモバイル、ネットワーク構築のコムシスネット、地域インフラを担う東北・四国・沖縄の各社、ICT総合エンジニアリングを行うコムシスエンジニアリングなど多数の子会社を保有しています。さらに社会インフラ分野では、日本エコシステム(太陽光)、東京鋪装工業(道路)、藤木鉄工(鉄骨・橋梁)、カンドー(ガス工事)などもグループに含まれています。
経営面では堅実さが特徴で、バブル期やITバブル期、不動産バブル期といった景気変動局面でも大きなダメージを受けずに成長を続けてきました。中期経営計画では売上高6000億円規模を掲げるなど、通信インフラを基盤にIT・社会インフラへと領域を拡大しながら持続的な成長を目指しています。
全体としては、通信インフラを軸にしながら、ITソリューションと社会インフラ分野へと事業を広げている総合インフラ企業であり、安定性の高いストック型ビジネスと設備投資に連動するフロー型ビジネスの両方を併せ持つ構造が特徴となっています。
コムシスホールディングス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万) | 営業利益(百万) | 経常利益(百万) | 純利益(百万) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 563,252 | 41,572 | 42,941 | 29,369 | 232.7 | 85 |
| 連22.3 | 589,028 | 42,963 | 44,036 | 29,208 | 235.5 | 95 |
| 連23.3 | 563,295 | 32,104 | 30,934 | 19,338 | 158.8 | 100 |
| 連24.3 | 571,186 | 39,221 | 40,396 | 27,453 | 228.5 | 105 |
| 連25.3 | 614,631 | 45,998 | 46,650 | 30,076 | 253.5 | 115 |
| 連26.3予 | 620,000 | 47,000 | 48,000 | 32,500 | 279.7 | 120 |
| 連27.3予 | 640,000 | 49,000 | 50,000 | 34,000 | 292.6 | 125〜130 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 61,781 | -6,843 | -48,233 |
| 2024 | 44,275 | -15,941 | -17,214 |
| 2025 | 16,625 | -10,215 | -20,217 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 5.6% | 3.8% | 5.6% | – | – |
| 2024 | 6.8% | 5.3% | 7.5% | – | – |
| 2025 | 7.4% | 5.5% | 8.0% | 11.7〜16.1倍 | 1.68倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
営業利益は392億から459億、470億予想へと増加しており、経常利益は403億から466億、480億予想、純利益も274億から300億、325億予想と一貫して増益が続いている。減益の年はなく、売上の拡大に合わせて利益も積み上がっている形になっている。売上高も5711億から6146億、6200億予想へと伸びており、事業規模は着実に拡大している。
利益の伸び方を見ると、売上の伸びに対して利益の伸びがやや上回っており、コストコントロールや案件構成の改善によって収益性が高まっている流れが読み取れる。営業利益率は5.6%から6.8%、7.4%へと上昇しており、通信インフラ工事という低マージンになりやすい業種の中では徐々に改善している水準にある。急激に高収益化しているわけではないが、安定的に積み上げている点が特徴となっている。
ROEは5.6%から7.5%、8.0%へと改善しており、株主資本に対する収益性は中位水準まで回復している。ROAも3.8%から5.3%、5.5%へ上昇しており、総資産を使った利益創出力も同様に改善している。どちらも突出して高い水準ではないが、継続的に改善している点から収益体質の底上げが進んでいる状態といえる。
PERは11.7倍から16.1倍のレンジにあり、PBRは1.6倍となっている。利益成長が続いていることを考えると極端な割安感はなく、インフラ系としてはやや評価されている水準にある。特にPBR1倍を明確に上回っている点から、資産価値ではなく収益の安定性や成長の継続性が一定程度織り込まれている状態にある。
キャッシュフローの動きも見ると、営業CFは617億から442億、166億へと減少しており、利益は伸びているもののキャッシュ創出力にはブレがある。投資CFは継続的にマイナスで、設備投資や事業拡大に資金を使っている状態が続いている。財務CFもマイナスで推移しており、配当や自己株取得など株主還元に資金を回している構造が見える。
全体としては、売上拡大に伴う増益と利益率の改善が続いている安定成長型の企業であり、収益性・資本効率ともに段階的に改善している。ただし利益率やROEはまだ高水準とは言えず、あくまで中位レベルにとどまっている。評価面では割安感は限定的で、すでに安定成長と一定の収益性改善が織り込まれている水準にあるため、大きな上昇余地を狙う銘柄というよりは、業績の安定性と緩やかな成長を前提に保有されるタイプの銘柄として整理できる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは2026年3月期2.1%、2027年3月期2.2%と、平均よりやや上くらいの水準にとどまっている。高配当株という位置付けではなく、インカム目的としてはやや物足りない水準になる。
一方で配当の推移を見ると、85円→95円→100円→105円→115円→120円→125〜130円と減配なく増配が続いている。利益も274億→300億→325億と増加しており、業績に沿った形で配当も引き上げられている構造になっている。配当性向も極端に高い水準ではないと考えられ、無理な還元ではなく余力を残した増配が続いていると見える。
キャッシュフローを見ると営業CFは617億→442億→166億と減少しているが、それでも黒字は維持しており、投資CFや財務CFがマイナスであることから、投資と株主還元を両立している状態にある。通信インフラというストック型に近い事業構造もあり、配当の安定性自体は比較的高い部類に入る。
ただし利回り自体は2%前後のため、配当収入を主目的にする場合は物足りなさが残る。どちらかというと、高配当株というよりは「増配が続く安定株」という性格が強く、長期保有で配当が徐々に積み上がっていくタイプになる。
全体としては、配当目的としては中途半端な水準だが、減配の少なさと増配傾向、業績の安定性を考えると守りのインカム銘柄としては成立する。ただし高利回りを求める場合には優先順位は下がり、安定性と緩やかな増配を重視する投資向けの銘柄という位置付けになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価5,528円を基準に今後5年間の値動きを考える。この会社は通信インフラ工事を主軸とした安定成長型の企業であり、売上・利益ともに緩やかな拡大が続き、営業利益率やROEも改善傾向にある点が前提になる。一方で収益性は中位水準にとどまり、PERも11.7倍〜16.1倍、PBR1.6倍とすでに一定の評価が織り込まれているため、大きな評価拡大は起きにくい構造にある。
良い場合は、5G・通信インフラ投資の継続やデータセンター関連、再エネ・社会インフラ案件の拡大によって売上と利益が安定的に成長し続けるシナリオになる。営業利益は500億規模まで拡大し、営業利益率も8%前後まで改善、ROEも10%近くまで上昇する。この場合、安定成長銘柄として評価がやや引き上がり、PERは15倍〜18倍程度まで上昇する可能性がある。株価は7,000円〜8,500円程度のレンジが意識される。
中間の場合は、通信投資が横ばい圏で推移しつつ、社会インフラやIT分野での成長が補う形となり、売上・利益ともに緩やかな成長にとどまるシナリオになる。営業利益は470億〜520億程度で推移し、営業利益率は7%前後、ROEも8%前後で安定する。この場合、評価は現状と大きく変わらずPER12倍〜15倍程度で推移し、株価は5,500円〜6,500円前後のレンジでのボックス推移になりやすい。
悪い場合は、通信キャリアの設備投資減少や大型案件の減少、コスト増加によって利益が伸び悩む、もしくは減益に転じるシナリオになる。営業利益は400億前後まで低下し、営業利益率も6%台に低下、ROEも6%台まで落ち込む。この場合、評価も縮小しPERは10倍〜12倍程度まで低下する可能性がある。株価は4,000円〜5,000円程度まで下落する余地がある。
全体としては、急成長による大幅上昇というよりも、業績に連動した緩やかな上昇か横ばい推移が基本となる銘柄であり、下値は比較的堅い一方で上値余地も限定的な安定株の値動きになりやすい。配当を受け取りながら緩やかな値上がりを期待するタイプの5年シナリオになる。
この記事の最終更新日:2026年2月23日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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