株価
安藤ハザマとは

安藤・間株式会社(通称:安藤ハザマ)は、東京都港区汐留に本社を置く準大手ゼネコンで、東証プライム市場に上場している総合建設会社である。ダムやトンネルなどの大型土木工事に強みを持つ企業として知られており、建築主体の安藤建設と土木に定評のあった間組が2013年に合併して誕生した。両社の強みを統合することで、建築と土木の両分野でバランスの取れた事業構造を持つ会社となっている。
事業の中核は建設事業で、建築と土木の2本柱で構成されている。受注比率は建築が55〜60%、土木が40〜45%と、他のゼネコンと比較して土木の比率が高い点が特徴である。土木分野ではダム、トンネル、道路、鉄道、港湾などの大型インフラ工事を手がけており、特にシールド工法や山岳トンネルなど高度な施工技術に強みを持つ。リニア中央新幹線のトンネル工事や品川駅関連工事など、大型国家プロジェクトを単独またはJV主導で受注している点からも技術力の高さが評価されている。
建築分野ではオフィスビル、商業施設、マンション、物流施設、公共施設など幅広い建物を手がけており、日本青年館ビルやJR浦和駅西口再開発などの大型案件も単独受注するなど、近年は建築分野の競争力も強化されている。もともと安藤建設が建築に強みを持っていたため、そのノウハウが現在の事業基盤となっている。
また、同社は合併以前はスーパーゼネコン主導のJVに参加する形で大型案件を受注することが多かったが、合併後は自社主導または単独での受注が増えており、準大手の中でも施工能力の高さが際立っている。土木分野では土木学会賞を複数受賞しており、技術力の評価も高い。
取引関係ではみずほ銀行系列のゼネコンとして位置付けられており、伊藤忠商事との関係も深く、同社関連の建設案件を受注することが多い。さらに凸版印刷関連施設の施工実績も多く、特定顧客との長期的な関係を背景に安定した受注基盤を持っている。
海外事業にも取り組んでおり、ネパールの山岳道路建設などインフラ案件を手がけるなど、海外での実績も積み上げている。国内では国土強靱化や防災関連の需要とも結びつきやすく、公共工事比率が一定程度あることから、景気変動の影響を受けつつもインフラ需要に支えられる構造となっている。
全体としては、土木分野の高い技術力を軸にしながら、建築分野も強化したバランス型の準大手ゼネコンであり、大型インフラ工事を主導できる施工能力と安定した受注基盤を持つ点が特徴となっている。建設業界の中では、土木技術に強みを持つ中核プレイヤーとして位置付けられる企業である。
安藤ハザマ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 352,000 | 27,357 | 25,891 | 17,189 | 89.8 | 30 |
| 連22.3 | 340,293 | 26,600 | 25,838 | 17,671 | 98.8 | 40 |
| 連23.3 | 372,146 | 19,853 | 19,608 | 15,187 | 94.0 | 40 |
| 連24.3 | 394,128 | 18,591 | 18,545 | 13,878 | 88.6 | 60 |
| 連25.3 | 425,160 | 35,243 | 34,053 | 26,444 | 168.8 | 70 |
| 連26.3予 | 441,000 | 27,100 | 26,500 | 18,000 | 114.8 | 80 |
| 連27.3予 | 446,000 | 28,100 | 27,500 | 18,700 | 119.2 | 80 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 32,272 | -4,740 | -18,425 |
| 2024 | -11,115 | -6,095 | -9,053 |
| 2025 | 11,176 | 1,600 | -5,751 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 5.3% | 4.7% | 10.8% | – | – |
| 2024 | 4.7% | 4.1% | 9.0% | – | – |
| 2025 | 8.2% | 7.1% | 15.4% | 7.9〜10.8倍 | 1.76倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
営業利益は185億から352億へ大きく増加し、261億予想と一度落ち着く見込みとなっている。経常利益も185億から340億、265億予想、純利益は138億から264億、180億予想と同様に2025年に大きく伸びた後、やや反動減の形になっている。売上は3941億から4251億、4410億予想と安定して拡大しており、事業規模は着実に成長している。
営業利益率は5.3%から4.7%へ一度低下した後、8.2%まで上昇しており、収益性は大きく改善している。特に2025年は利益の伸びが大きく、採算改善や大型案件の寄与によって収益水準が一段引き上がった形になっている。ROEも10.8%から9.0%、15.4%と同様に上昇し、資本効率は一気に高水準に到達している。ROAも4.7%から4.1%、7.1%へ改善しており、資産効率も上昇している。
一方で2026年予想は利益が減少しており、2025年の高水準が一時的である可能性も見える。建設業特有の大型案件の影響を受けたブレがある構造となっており、利益の安定性は高いとは言いにくい。
PERは7.9倍から10.8倍と低めのレンジにあり、PBRは1.7倍となっている。ROE15.4%という高い水準に対してPERは抑えられており、評価はやや控えめに見えるが、利益の変動性があるため過度な評価は付いていない状態にある。
全体としては、売上は安定的に拡大している一方で、利益は大型案件による上下があり、2025年に大きく伸びた後は反動減の見込みとなっている。収益性やROEは一時的に高水準に達しているが、継続性には注意が必要な構造になっている。評価は割安寄りではあるものの、安定成長株というよりは「業績の振れを伴う準高収益型」の銘柄であり、利益水準の持続性が投資判断の前提になる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは2026年3月期・2027年3月期ともに3.7%台と、市場平均を明確に上回る水準にあり、インカム目的としては十分に意識できる水準にある。4%には届かないものの、高配当株に近い位置にある利回りとなっている。
配当の推移を見ると30円→40円→40円→60円→70円→80円と大きく増配しており、特に直近は利益拡大に合わせて配当水準も引き上げられている。純利益は138億から264億へと大きく増加した後、180億予想と減少見込みではあるが、それでも過去水準よりは高い利益を維持しているため、配当余力自体は一定程度あると考えられる。
営業利益率は8.2%、ROE15.4%、ROA7.1%と2025年時点では収益性が高く、この水準が維持されるのであれば配当の継続性も比較的高い。ただし建設業特有の大型案件による利益のブレがあり、2026年は減益予想となっている点から、利益水準には変動がある構造になっている。
キャッシュフローを見ると営業CFはプラスとマイナスを行き来しており、安定的に積み上がるタイプではないが、財務CFは継続してマイナスで株主還元が行われていることから、配当を維持する姿勢は見える。
全体としては、利回り水準は高く配当目的として成立する銘柄だが、利益の変動があるため「安定高配当」というよりは「業績連動型の高配当」に近い性格になる。高利回りを取りにいく投資としては選択肢に入るが、配当の安定性よりも業績の波を許容できるかが前提になる銘柄と整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価2,112円を前提に今後5年間の値動きを考える。この会社はダムやトンネルなど大型土木に強みを持つ準大手ゼネコンであり、公共工事や大型インフラ案件の比率が比較的高く、売上は安定的に積み上がりやすい一方で、利益は案件ごとの採算や工事進捗の影響を受けて上下しやすい構造にある。
直近では売上が3941億から4251億、4410億予想へと拡大しているのに対し、営業利益は185億から352億へ大きく伸びた後、261億予想と減少見込みになっており、利益の振れ幅が大きい点が前提になる。
良い場合は、大型土木案件や国土強靱化関連の需要が継続し、高採算案件の比率が維持されることで営業利益300億台を安定的に確保できるシナリオになる。営業利益率も7%〜8%前後で定着し、ROEも12%〜15%程度を維持する。この場合、これまで低めに見られていた評価が見直され、PERも12倍〜15倍程度まで切り上がる可能性があり、株価は2,800円〜3,500円程度まで上昇余地が出てくる。
中間の場合は、売上はインフラ需要に支えられて緩やかに拡大するが、利益は案件ごとに上下しながら平均水準に収束するシナリオになる。営業利益は250億〜300億程度で推移し、営業利益率は5%〜7%、ROEも8%〜12%程度で安定する。この場合、評価は現状水準から大きく変わらず、株価は1,900円〜2,500円前後のレンジでのボックス推移になりやすい。
悪い場合は、大型案件の減少やコスト増加によって採算が悪化し、利益水準が低下するシナリオになる。営業利益は200億前後まで落ち込み、営業利益率も5%未満、ROEも7%前後まで低下する。この場合、低PERの状態がさらに固定化し、株価は1,500円〜1,800円程度まで下落余地が出てくる。
全体としては、売上は安定的に拡大する一方で、利益は案件依存で振れやすく、評価もその都度上下する循環的な銘柄である。2025年の高収益が継続するか、それとも一時的な上振れにとどまるかによって中長期の評価は大きく変わる。高配当を含めたインカム要素はあるものの、基本的には業績連動で評価が動くタイプであり、安定成長株というよりは収益水準の維持が鍵となる銘柄という位置付けになる。
この記事の最終更新日:2026年2月23日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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