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第一カッター興業とは

第一カッター興業は、神奈川県茅ヶ崎市に本社を置く建設関連サービス会社であり、ダイヤモンド工具を使用したコンクリート構造物の切断・穿孔工事を主力とする専門工事会社である。インフラの維持修繕や更新需要を背景に、「切る」「洗う」「はつる」「剥がす」「削る」といった各種技術を組み合わせて事業を展開している。
主力の切断・穿孔事業では、ダイヤモンド工法を用いてコンクリートや金属の切断・穴あけを行う。具体的にはフラットソーイング、コアドリリング、ウォールソーイング、ワイヤーソーイング、グルービングなどの工法に対応しており、騒音・振動・粉塵を抑えながら安全かつ精密に施工できる点が特徴となっている。都市部や稼働中の施設でも施工可能であり、橋梁、トンネル、道路、ビルなど幅広い構造物に対応している。
ウォータージェット事業では、最大280MPaの超高圧水を用いてコンクリートの破砕や表面処理、各種材料の切断、プラント設備の洗浄などを行っている。構造物への影響を最小限に抑えながら施工できるため、補修・改修工事において重要な技術となっている。
下地処理事業では、ブラスト工法や機械式処理によってコンクリートや鋼材の塗膜除去、表面調整、研削・研磨・剥離などを行い、各種仕上げ工程に適した下地を構築している。レーザー表面処理や各種研掃・研磨にも対応しており、施工後の品質確保に貢献している。
環境関連分野として、舗装切断で発生する汚泥の収集運搬および中間処理を行う汚泥中間処理事業を展開している。各自治体の基準に適合した処理施設を活用し、施工から廃棄物処理まで一貫対応する体制を構築している。
ビルメンテナンス事業では、マンションやオフィスビル、商業施設を対象に、給排水設備の高圧洗浄、配管清掃、貯水槽清掃、設備点検・補修などを行っている。東京・神奈川・埼玉・千葉を中心にサービスを提供し、建物の維持管理需要に対応している。
その他にも、アンカー工事やバースター工事、産業廃棄物の収集運搬などを手掛けており、建設現場における多様なニーズに対応している。
主要取引先には、大成建設、大林組、鹿島建設、清水建設、三井住友建設などの大手ゼネコンや、ショーボンド建設、NIPPO、日本道路、JFEエンジニアリング、IHIインフラシステムなどインフラ関連企業が並び、公共インフラ工事を中心とした安定した受注基盤を持っている。
本社は神奈川県茅ヶ崎市萩園833番地に所在し、全国規模で施工体制を整えている。全体としては、コンクリート構造物の切断・補修・洗浄・解体といった専門技術を軸に、インフラ維持修繕を支える技術系サービス企業であり、老朽化インフラ対策や更新需要に支えられた事業基盤を持つ会社となっている。
第一カッター興業 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.6 | 22,164 | 2,631 | 2,865 | 1,946 | 172.0 | 35 |
| 連24.6 | 20,918 | 2,455 | 2,829 | 1,973 | 174.4 | 38 |
| 連25.6 | 20,228 | 1,647 | 1,791 | 1,327 | 117.7 | 40 |
| 連26.6予 | 20,500 | 1,800 | 1,900 | 1,550 | 137.7 | 40〜45 |
| 連27.6予 | 20,900 | 1,900 | 2,000 | 1,340 | 119.1 | 40〜45 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 2,740 | -561 | -506 |
| 2024 | 2,173 | -1,650 | -481 |
| 2025 | 1,699 | -2,437 | -515 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 11.8% | 9.0% | 11.7% | – | – |
| 2024 | 11.7% | 9.0% | 10.8% | – | – |
| 2025 | 8.1% | 5.9% | 6.9% | 7.7〜10.7 | 0.92 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は209億→202億→205億と横ばい圏で推移しており、事業規模は拡大というよりも安定維持の状態にある。営業利益は24億→16億→18億、経常利益は28億→17億→19億、純利益は19億→13億→15億と、2025年にかけて明確に減益となり、その後やや持ち直す見込みとなっている。利益の落ち込み幅が比較的大きく、収益の振れが出ている点が特徴になる。
営業利益率は11.8%→11.7%→8.1%と大きく低下しており、これまでの10%台前半の水準から明確に一段下のレンジに移行している。ROEも11.7%→10.8%→6.9%、ROAも9.0%→9.0%→5.9%と低下しており、資本効率・資産効率ともに弱含んでいる。特にROEが7%前後まで落ちている点は、以前の水準と比較すると評価が一段落ちる水準となっている。
また、利益構造を見ると営業利益・経常利益・純利益のすべてが同時に低下しているため、一時的な特別要因ではなく、事業全体の採算が悪化している形になっている。このため、単純な回復ではなく、利益率が元の10%台に戻るかどうかが重要なポイントになる。
一方でバリュエーションはPER7.7〜10.7倍、PBR0.9倍と低水準に抑えられており、すでに収益低下は一定程度織り込まれている状態にある。PBRが1倍を下回る水準にあるため、資産価値ベースでは下値余地は限定的と見ることもできる。
キャッシュフローを見ると営業CFは27億→21億→16億と減少しているものの継続してプラスを維持しており、事業としては安定したキャッシュ創出力を持っている。一方で投資CFはマイナス幅が拡大しており、設備投資や成長投資が増えている可能性がある。財務CFは継続的にマイナスで、配当など株主還元を行っている構造となっている。
総合すると、この銘柄は以前は高収益の安定企業だったが、現在は収益力が低下し、評価もそれに合わせて割安水準に修正されている段階にある。割安株としての魅力はあるものの、評価修正が起きるためには営業利益率10%前後、ROE10%以上への回復が必要になる。現時点では「割安だが回復待ちの銘柄」という位置づけになりやすく、収益回復の確度をどう見るかが投資判断の中心になる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは26,27年度ともに2.46%と、東証平均と同水準かやや低めの位置にあり、高配当株としての魅力は強くない水準にある。インカム目的としては「補助的な利回り」であり、配当だけで投資資金を回収するタイプではない。
配当額は35円→38円→40円→40〜45円と増配基調ではあるが、増配幅は比較的緩やかであり、急激に還元を強化しているわけではない。純利益は19億→13億→15億と減益後の回復途中であり、配当は利益の範囲内で無理なく出している印象になる。配当性向としても過度に高い水準ではなく、安定性を重視した水準に収まっていると考えられる。
ただし注意点として、営業利益率が11%台→8.1%へ低下し、ROEも6.9%まで落ちていることから、収益力は明確に弱まっている。この状態が続く場合、今後の増配余地は限定的になり、最悪の場合は配当が据え置きまたは減配に転じる可能性もある。
一方で営業CFは継続してプラスであり、事業としてのキャッシュ創出力は維持されているため、短期的に配当が急減するリスクはそれほど高くない。財務CFもマイナスで推移しており、配当支払いを継続している点から、一定の株主還元姿勢は確認できる。
総合すると、配当利回りは2.4%台と中立的な水準であり、配当目的の主力銘柄にはなりにくい。一方で業績回復が進めば増配余地はあるため、「配当をもらいながら回復を待つタイプ」の銘柄になる。高配当株というよりは、割安株+中程度の配当という位置づけであり、インカム重視よりも業績回復を前提にした投資との相性が良い。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価1,621円を基準に5年間の値動きを考える。この会社はインフラ補修・維持関連の特殊工事を主力としており、需要自体は公共投資や老朽化対策に支えられて比較的安定している。一方で直近は営業利益率が11%台から8%台へ低下しており、株価は「安定需要+収益性の回復度合い」で評価が分かれる位置にある。
良い場合は、施工単価の改善や高付加価値案件の増加により営業利益率が10〜11%台まで回復し、純利益も15億→18億→20億規模へと拡大するシナリオ。この場合、現在のPER7.7〜10.7倍、PBR0.9倍という低評価は見直され、PBRは1.1〜1.3倍程度まで上昇余地が出てくる。配当も40円台から50円近辺まで増配が進めばインカム需要も加わり、株価は2,000円〜2,500円、強い場合は2,700円近辺まで上振れる可能性がある。
中間の場合は、売上は200億前後で横ばい、営業利益率も8〜9%台で安定するシナリオ。純利益は14億〜16億程度で推移し、収益は回復するものの過去の高水準には届かない。この場合、PERやPBRの水準も大きく変わらず、現在の評価レンジに収まりやすい。配当は40円前後で安定し、下値は支えられるが上値も限定的となり、株価は1,400円〜1,800円程度のボックス圏での推移が中心となる。
悪い場合は、受注単価の低下やコスト増により営業利益率が7%前後またはそれ以下に低下し、純利益も10億〜12億規模まで落ち込むシナリオ。この場合、収益力低下が長期化し、PERは7倍前後、PBRも0.7〜0.8倍まで圧縮される可能性がある。株価は1,100円〜1,400円程度まで下落する可能性がある。
この銘柄の特徴として、公共インフラ関連という性質から売上の急減は起こりにくく、極端な業績悪化にはなりにくい一方、利益率の変動がそのまま株価評価に反映されやすい点がある。そのため株価は急成長株のような上昇ではなく、「利益率の回復→評価修正」という形でじわじわ動く傾向になりやすい。
総合すると、現在は低PBRで下値はある程度意識される一方、上値は収益力回復次第という局面にある。高配当株でも高成長株でもなく、割安+回復期待の中間的な位置にあり、営業利益率10%前後への回復が確認できれば株価のレンジは一段上に切り上がる可能性がある。逆に回復が遅れる場合は、現在のレンジ内での停滞が続く構造となっている。
この記事の最終更新日:2026年2月28日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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