株価
イタミアートとは

イタミアートは、のぼり旗、幕、看板などの広告宣伝用商材をインターネットで販売する企業であり、販促物全般の製造販売およびECサイト運営を主な事業としている。BtoB向けECサイト「キングシリーズ」など複数のサイトを展開し、のぼり旗や横断幕、懸垂幕、パネルといったOOH広告分野のセールスプロモーション商材を中心に取り扱っている。
商品企画からサイト構築、集客、販売、製造、出荷までの全工程を中間業者を介さず自社で行うD2Cモデルを採用しており、短納期・低価格・安定品質を実現している点が特徴となっている。
事業の中核は、自社開発システムと自社工場を組み合わせた製造直販モデルにある。ECサイト構築、受注管理、商品管理、顧客管理、出荷指示までを自社システムで一元管理し、受注から出荷までの工程を効率化している。リアルタイムで受注状況を把握し、最適な印刷工程を自動指示する仕組みにより、生産性向上と人的ミスの削減を図り、納期遅延や出荷漏れを抑制している。
製造面では、のぼり旗や幕の自社製造を中心に、オンデマンド印刷設備を活用した小ロット・多品種生産に対応している。5m幅の大型印刷機をはじめ、Latex印刷機、UV印刷機、カッティングプロッターなど多様な設備を保有し、幅広い販促物の製造を可能としている。また、手作業工程の自動化やロボット化を進めることで、オペレーションコストの低減と生産効率の向上を実現している。
販売面では、SEO対策やWEB広告、CRMを活用したメールマーケティングなどを組み合わせたWEBマーケティングを展開している。マーケティング専任部署を設置し、市場調査から商品企画、新規顧客獲得、リピート促進までを一体的に運用しており、各ECサイトにおける集客力の強化と受注の継続的な拡大につなげている。
サービス面では、オンライン上でデザインから注文まで完結できる仕組みを提供しており、のぼり旗や幕、うちわ、マグネットシートなどでデザイン機能を展開している。自社開発のデザインシステムにより、専門知識がなくても販促物を作成できる環境を整備している。
会社の沿革としては、1999年に岡山県岡山市で広告制作業として創業し、その後カタログ通販、インターネット通販へと事業を拡大した。2000年代後半からはEC事業を本格化し、自社開発のECシステム「DREAM-PACK」を基盤として複数の専門サイトを展開している。
2010年代以降は、のぼり旗や横断幕の自社製造開始、各種「キングシリーズ」サイトの拡充、製造管理システムやデータ処理自動化システムの導入などを進め、製造とITを融合した事業体制を構築している。2020年以降は工場新設やパネル製造開始、コールセンターシステム導入などにより機能強化を図っている。
業務内容としては、のぼり旗・幕の製造販売、オリジナル販促ツールの企画制作、広告物の制作印刷、冊子印刷、ホームページ制作、WEBマーケティング支援、保育園運営などを行っている。本社は岡山県岡山市南区新保に所在している。
このようにイタミアートは、ITと製造を組み合わせた自社完結型のビジネスモデルを軸に、販促用印刷物の分野でECを活用した多店舗展開を行い、小ロット・短納期・低価格を実現することで顧客基盤を拡大している企業である。
イタミアート 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単22.1* | 2,106 | -4 | 17 | 14 | 14.8 | 0 |
| 単23.1 | 2,506 | 113 | 127 | 91 | 87.5 | 0 |
| 単24.1 | 3,112 | 192 | 221 | 153 | 145.9 | 0 |
| 単25.1 | 3,605 | 271 | 244 | 165 | 118.5 | 20 |
| 連26.1予 | 4,750 | 160 | 160 | 360 | 244.9 | 20 |
| 連27.1予 | 5,800 | 210 | 210 | 140 | 95.2 | 20 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 153 | -94 | -25 |
| 2024 | 236 | -252 | 129 |
| 2025 | 283 | -1,049 | 929 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.5% | 4.0% | – | – | – |
| 2024 | 6.1% | 6.0% | 36.3% | – | – |
| 2025 | 7.5% | 4.5% | 13.7% | 6.8〜18.2 | 1.25 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は31.1億から36.0億、47.5億予想へと拡大しており、事業規模は継続的に拡大している。営業利益は1.9億から2.7億へ増加した後、1.6億予想と一旦減益見込みとなっている。経常利益も2.2億から2.4億と増加後、1.6億予想と減少に転じており、本業の利益成長はやや鈍化する前提になっている。一方で純利益は1.5億から1.7億へ増加し、さらに3.6億予想と大きく伸びる見込みとなっており、最終利益は特殊要因を含めて大きく変動する構造が見える。
営業利益率は4.5%から6.1%、7.5%と改善しており、収益性自体は上昇傾向にある。売上拡大とともに利益率も改善しているため、事業としての効率は上がっている。ただし直近予想では営業利益が減益となるため、利益率の改善トレンドが継続するかはやや不透明な状態にある。
ROEは2024年に36.3%と非常に高い水準を記録した後、2025年は13.7%へ低下しており、資本効率は大きくブレがある。ROAも4.0%から6.0%へ改善後、4.5%へ低下しており、資産効率も安定的とは言い難い推移となっている。
バリュエーション面では、PERは6.8倍から18.2倍のレンジで推移しており、評価の振れ幅が大きい銘柄となっている。利益の変動が大きいため、一定の評価レンジに収まりにくい構造がある。PBRは1.25倍と資産に対してやや上乗せされた水準にあり、極端な割安感は出ていない。
総合すると、売上成長と営業利益率の改善というポジティブな要素はある一方で、営業利益・経常利益は直近で減益予想となっており、本業の利益成長は一時的に鈍化している。純利益の大幅増加はあるものの、継続性のある成長かどうかは判断しにくい構造となっている。収益性は改善傾向にあるが、ROEやROAのブレ、PERレンジの広さから見ても、安定成長企業というよりは業績変動の影響を受けやすい銘柄と整理できる。
現状の数値だけで見ると、明確な割安株という位置付けではなく、成長と変動の両面を織り込まれている中間的な評価にある。安定性よりも成長の持続性と利益の再拡大が確認できるかが今後の株価を左右する前提となる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは連26.1、連27.1ともに1.5%程度と低めの水準にあり、配当収入を主目的に保有する銘柄としてはやや弱い位置付けになる。日本株全体の平均的な利回りである2〜3%と比較しても下回っており、インカムゲイン狙いとしての優先度は高くない。
一方で配当額は単25.1から20円に増配され、その後も20円維持の予想となっているため、配当自体は新規に開始された段階であり、まだ長期的な配当実績は形成されていない。安定配当銘柄のように減配耐性や長期の継続性が確認できる段階ではない点は前提として見る必要がある。
利益とのバランスを見ると、1株益は118.5円から244.9円予想、95.2円予想と変動しており、配当20円に対する配当性向はおおよそ8%〜20%程度のレンジとなる。これは無理のない水準であり、減配リスクが極端に高い状況ではないが、裏を返すと株主還元よりも成長投資や内部留保を優先しているフェーズとも読み取れる。
キャッシュフロー面では、営業CFは1.5億→2.3億→2.8億と増加しており、本業での資金創出力は改善している。一方で投資CFは-10.4億と大きく拡大しており、設備投資や事業拡大に資金を強く投下している局面にある。財務CFも9.2億のプラスとなっていることから、外部資金を活用して成長投資を進めている構造が見える。この状態では、配当よりも成長投資を優先する経営判断になりやすい。
またPBR1.25倍という水準から見ても、資産価値に対してやや成長期待が織り込まれている状態であり、高配当株として市場に評価されているわけではない。PERも6.8倍から18.2倍と幅があり、利益変動に応じて評価が動きやすい銘柄である。
総合すると、この銘柄は配当利回り・配当実績・配当性向のいずれを見ても高配当株の条件は満たしておらず、配当目的での投資には向いていない。むしろ売上拡大、営業利益率の改善、投資拡大といった成長フェーズにある企業であり、配当はその過程で付随的に得られるリターンという位置付けになる。配当狙いであれば優先順位は低く、成長継続や利益の安定化が確認できた段階で初めて配当妙味が出てくる銘柄と整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価1,352円を基準に今後5年間の値動きを考えると、売上は31.1億から36.0億、47.5億予想へと拡大しており事業規模は成長軌道にある一方で、営業利益は2.7億から1.6億予想と減益見込みになっている点が株価の前提条件となる。
営業利益率は4.5%から7.5%へ改善しているものの、直近は利益の伸びが鈍化しており、成長性と収益の安定性の両面が試される局面にある。またPERは6.8倍から18.2倍と評価レンジが広く、業績次第で株価の振れ幅も大きくなりやすい銘柄といえる。
良い場合は、売上成長が継続しながら営業利益も再び拡大局面に入り、営業利益1.6億予想から3億〜5億規模まで成長していくシナリオになる。営業利益率も8%前後まで改善し、ROEも15%以上で安定してくれば成長株としての評価が強まり、PERは15倍〜20倍程度まで切り上がる可能性がある。この場合、5年後の株価は2,500円〜3,500円程度まで上昇する余地がある。
中間の場合は、売上は拡大するものの営業利益は横ばい〜緩やかな回復に留まり、営業利益は2億〜3億程度で推移するシナリオになる。営業利益率は6%〜8%程度で安定し、ROEも10%前後で落ち着く形になる。市場評価も大きくは変わらずPER10倍〜13倍程度に収まると考えると、株価は1,300円〜1,800円前後のレンジで推移する可能性が高い。
悪い場合は、売上成長は続くものの利益が伸びず、営業利益が1億台で低迷、あるいは再び減益トレンドに入るシナリオになる。投資負担の増加や利益率の悪化により営業利益率が5%前後まで低下し、ROEも低下すれば市場評価は縮小し、PERも6倍〜8倍程度の低水準に落ち着く可能性がある。この場合、株価は800円〜1,100円程度まで下落する可能性がある。
全体としては、売上成長と利益率改善の流れはあるものの、直近は利益の鈍化が見られるため、株価は上昇余地と下落リスクの両方を持つ状態にある。今後は営業利益の再成長が確認できるかどうかが、株価の方向性を決める最も重要なポイントになる。
この記事の最終更新日:2026年2月28日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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