株価
美樹工業とは

美樹工業は、兵庫県姫路市に本社を置く総合建設会社であり、建設事業を中核に、設備工事、住宅事業、環境関連事業などを展開している。東京証券取引所スタンダード市場上場企業で、西日本(特に兵庫県)を地盤としながら首都圏にも事業を拡大している。
建設事業が主力であり、都市ガス関連工事を中心に、土木工事や建築工事を幅広く手掛けている。具体的には、道路、橋梁、上下水道などのインフラ整備に加え、ビル、マンション、戸建住宅、工場、倉庫、商業施設、ホテル、さらには太陽光発電所の建設など、多様な分野に対応している。国土交通大臣許可として土木一式工事・建築一式工事・管工事・舗装工事・電気工事・水道施設工事などの許可を取得しており、総合的な施工体制を持つ点が特徴となっている。
設備事業では、空調設備、給排水衛生設備、ガス設備、電気設備などの設計・施工を行い、建設事業と一体となったサービスを提供している。また、一級建築士事務所登録や宅地建物取引業登録も行っており、設計から施工、不動産関連まで一貫して対応できる体制を整えている。
住宅事業では、子会社のセキスイハイム山陽株式会社を通じて、積水化学工業の住宅ブランドであるセキスイハイムの販売・施工を展開している。戸建住宅の供給や分譲地開発を行っており、姫路市や太子町、赤穂市、朝来市などで宅地分譲を手掛けている。また、リフォーム事業については株式会社リブライフを通じて対応している。
環境関連分野では、産業廃棄物の収集運搬などを行い、建設事業と連携した循環型ビジネスを展開している。建設現場で発生する廃材処理などにも対応しており、環境対応力を強化している。
施工実績としては、工場・倉庫分野では株式会社梶原鉄工所の新本社工場、御国色素の倉庫新築工事、蔦機械金属の広畑工場などがあり、製造業向け施設の建設に強みを持つ。マンション分野では神戸市のAPRILE三宮EAST、大阪市のプレジオ松屋町、プレサンス新大阪ストリームなど都市型共同住宅の施工実績がある。さらにホテル分野ではベッセルホテル京都 レフ京都八条口など宿泊施設の建設も手掛けている。
沿革としては、1952年に三木組として創業し、1956年に大阪瓦斯の指定工事会社となった。その後1962年に美樹建設および美樹設備工業を設立し、1971年に合併して現在の美樹工業となった。1972年には積水化学工業の代理店として住宅事業に参入し、事業領域を拡大している。2003年に株式店頭公開、2013年に東証JASDAQ(スタンダード)上場を果たし、現在に至る。
全体としては、建設を中心に設備、住宅、環境、不動産関連を組み合わせた地域密着型の総合建設会社であり、都市ガス関連工事を起点としたインフラ分野と、住宅販売・分譲を含む民間建設の両輪で事業を展開している企業となっている。
美樹工業 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連22.12 | 30,758 | 1,102 | 1,181 | 734 | 672.1 | 150特 |
| 連23.12 | 32,203 | 1,316 | 1,330 | 839 | 768.0 | 230特 |
| 連24.12 | 27,292 | 1,134 | 1,155 | 658 | 602.2 | 200 |
| 連25.12予 | 36,000 | 2,400 | 2,400 | 1,400 | 1,281 | 380〜400 |
| 連26.12予 | 36,700 | 2,400 | 2,400 | 1,400 | 1,281 | 380〜400 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | -2,156 | -219 | 1,309 |
| 2024 | 660 | -663 | 598 |
| 2025 | -2,119 | -509 | 3,062 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.0% | 2.7% | 5.4% | – | – |
| 2024 | 4.1% | 2.0% | 4.1% | – | – |
| 2025 | 7.1% | 4.0% | 9.1% | 5.9〜7.1 | 0.53 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は322億→272億→360億→367億と推移しており、2024年に一度減収した後、2025年以降は回復する見込みとなっている。建設会社らしく年度ごとの受注状況に左右されるため、売上は直線的ではなく波のある動きになっている。
利益面では営業利益が13億→11億→24億→24億、経常利益が13億→11億→24億→24億、純利益が8.3億→6.5億→14億→14億と、2024年に落ち込んだ後に2025年で大きく回復する構造となっている。特に2025年は利益がほぼ倍増する計画で、収益水準が一段上に切り上がる前提になっている。
営業利益率は4.0%→4.1%→7.1%と改善幅が大きく、従来は4%前後の中位水準だったものが一気に7%台まで上昇している。ROEも5.4%→4.1%→9.1%、ROAも2.7%→2.0%→4.0%と同様に回復しており、2025年は資本効率の面でも改善がはっきり見える。ただしROE9.1%は上場企業全体で見ると平均付近であり、高収益企業の水準にはまだ届いていない。
バリュエーションはPER5.9〜7.1倍、PBR0.5倍と低水準に位置している。利益が回復した2025年ベースで見てもこの水準に留まっているため、市場は安定的な成長や高収益化までは織り込んでいない状態と読み取れる。特にPBR0.5倍は純資産の半分程度の評価であり、資産価値に対して割安に放置されている形になっている。
一方で、この低評価の背景としては、利益の振れ幅が大きい点と、営業利益率が長期的に見ると4%前後に留まりやすい構造がある。2025年の7.1%という水準が一時的なのか、継続的に維持できるのかが今後の評価の分岐点になる。ここが一過性であれば、再び利益は縮小し、株価も低評価に戻る可能性がある。
総合すると、この銘柄は安定成長株というよりも、受注環境によって業績が上下する中で、現在は回復局面にある割安株という位置づけになる。2025年の利益水準が定着し、営業利益率6〜7%台が継続できるのであれば、PERやPBRの水準訂正による上昇余地はある。一方で、従来の4%前後の収益構造に戻る場合は、株価も現在の低評価圏に留まりやすい構造となっている。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは26,27年度ともに3.58%と、東証全体の中でもやや高めの水準にあり、インカム目的として一定の魅力がある水準になっている。特に現在のPER5.9〜7.1倍、PBR0.5倍という低評価と組み合わせると、利回りとバリュエーションの両面で割安感は出ている。
配当額は230円特別配当→200円→380〜400円と推移しており、2025年以降は大幅な増配が前提になっている。純利益は8億→6億→14億→14億と回復見込みで、利益水準の引き上げに合わせて配当も一段引き上げられている形になっている。配当性向も30%前後に収まる水準で、現時点の利益前提であれば無理のある還元ではない。
一方で、この配当はあくまで「利益回復前提の配当」である点は重要になる。建設業は受注タイミングや工事採算によって利益が変動しやすく、2024年のように利益が落ち込む局面では減配リスクも現実的にある。過去に特別配当が含まれている点からも、毎年安定して同水準を維持するタイプではなく、業績に応じて上下する配当方針と読み取れる。
また、キャッシュフローを見ると営業CFがマイナス→プラス→マイナスと安定しておらず、建設業特有の運転資金のブレが出ている。このため、利益が出ていてもキャッシュの裏付けが弱い年度があり、配当の安定性という観点ではやや注意が必要になる。2025年は財務CFが大きくプラスになっており、資金調達に依存している側面も見える。
総合すると、利回り3.58%は魅力的であり、低PBRと組み合わせた「割安高配当株」としての側面はあるが、中身はディフェンシブではなく景気敏感型の高配当株になる。安定して配当を積み上げる銘柄というよりは、業績回復局面で利回りを取りにいくタイプであり、営業利益率6〜7%台と純利益14億規模が維持できるかどうかが配当継続の前提条件になる。ここが崩れると減配の可能性もある一方、維持できれば現在の低評価からの見直し余地も含めて、インカムとキャピタルの両取りが狙える位置にある。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価8,370円を基準に5年間の値動きを考える。この会社は建設業であり、受注環境と工事採算によって業績が大きく上下するため、株価も業績に連動して波を作りやすい構造にある。2025年以降は営業利益24億、純利益14億と一段上の利益水準に回復する前提になっており、この水準が維持できるかどうかが株価の分岐点になる。
良い場合は、営業利益率6〜7%台が定着し、純利益14億規模を安定して維持できるシナリオ。この場合、現在のPER5.9〜7.1倍、PBR0.5倍という低評価は見直され、PBRは0.8倍〜1.0倍程度まで上昇余地が出てくる。配当も380〜400円水準が維持されることでインカム需要も入りやすく、株価は11,000円〜13,000円程度まで上昇する可能性がある。
中間の場合は、2025年の回復は一時的で、その後は営業利益率4〜5%台に落ち着くシナリオ。純利益も10億前後で推移し、現在の利益水準よりやや低い状態が続く。この場合、PERやPBRの評価は大きく変わらず、低評価のまま横ばい圏で推移する可能性が高い。株価は7,000円〜9,000円程度のレンジで上下する展開が想定される。
悪い場合は、受注環境の悪化や工事採算の低下により、営業利益が再び10億前後まで落ち込み、営業利益率も4%前後に戻るシナリオ。この場合は配当も減配となる可能性があり、投資資金が流出しやすくなる。PBR0.5倍の評価がさらに下方向に圧縮されると、株価は5,000円〜6,500円程度まで下落する可能性がある。
全体としては、現在は業績回復を織り込みきれていない割安水準にあるが、その前提となる利益水準の持続性が不透明であるため、株価は上にも下にも振れやすい位置にある。安定成長株というよりは、業績次第で評価が変わる循環型銘柄としての値動きが想定される。
この記事の最終更新日:2026年2月28日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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