株価
高松コンストラクショングループとは

株式会社髙松コンストラクショングループは、大阪府大阪市淀川区新北野に本社を置く建設持株会社で、1917年10月に創業、1965年6月に設立されました。資本金は50億円、従業員数は連結で約4,981名です。東京にも本社機能を持ち、東京証券取引所プライム市場に上場しています。
同社は、複数の建設・住宅関連企業を傘下に持つグループ会社であり、建設業を中核とした総合建設グループです。
主な事業内容は、賃貸マンションやオフィスビルなどの建築工事、大型公共施設や道路・橋梁などの土木工事、海洋土木工事、法面工事、木造住宅の設計・施工など、建設全般に関わる幅広い分野をカバーしています。
グループ内には、総合建設業を担う「髙松建設株式会社」、海洋土木やインフラ整備を行う「大旺新洋株式会社」、住宅事業を展開する「青木あすなろホーム株式会社」などがあり、それぞれが専門分野で強みを発揮しています。
また、同社は賃貸マンション建設に強みを持ち、都市部を中心に数多くのマンションを供給しているほか、リフォーム、再開発、不動産開発にも積極的に取り組んでいます。
建設だけでなく、環境配慮型建築や防災関連技術の開発など、持続可能な社会づくりにも力を入れている企業です。
直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株当り配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 282,495 | 12,038 | 11,768 | 7,534 | 216.4 | 70 |
| 連24.3 | 312,680 | 11,651 | 11,310 | 9,165 | 263.3 | 82 |
| 連25.3 | 346,685 | 11,460 | 10,619 | 6,452 | 185.3 | 82 |
| 連26.3予 | 370,000 | 15,000 | 14,000 | 7,800 | 224.0 | 90 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | -6,281 | -5,351 | -19,556 |
| 2024年3月期 | -10,476 | -2,066 | 3,244 |
| 2025年3月期 | 5,132 | -1,699 | 5,458 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(高値平均) | PER(安値平均) | PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 4.2% | 5.8% | 3.2% | ― | ― | ― |
| 2024年3月期 | 3.7% | 6.8% | 3.7% | ― | ― | ― |
| 2025年3月期 | 3.3% | 4.6% | 2.3% | 12.9倍 | 9.9倍 | 0.86倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
株式会社髙松コンストラクショングループは、総合建設業を中心に安定した収益基盤を持つ企業です。
直近3年の営業利益・経常利益・純利益の推移を見ると、営業利益は120億38百万円 → 116億51百万円 → 114億60百万円と横ばいで推移しています。経常利益も117億68百万円 → 113億10百万円 → 106億19百万円とやや減少しており、純利益も9,165百万円から6,452百万円へと減少傾向にあります。営業利益率も4.2% → 3.7% → 3.3%と徐々に低下しており、利益率の改善が今後の課題です。
一方で、ROEは5.8% → 6.8% → 4.6%、ROAは3.2% → 3.7% → 2.3%と推移しており、資本効率は悪化傾向にあります。資材価格や人件費の上昇が続いており、建設業界全体にコスト圧力がかかっていることが背景にあります。
ただし、バリュエーションの面では2025年3月期のPERが高値平均12.9倍、安値平均9.9倍、PBRが0.86倍と割安水準にあります。特にPBRが1倍を下回っていることは、資産価値に対して株価が低めで評価されていることを示しており、下値は比較的限定的です。
配当も70円 → 82円 → 82円 → 90円(予想)と増配傾向にあり、株主還元姿勢は強い企業です。営業キャッシュフローも2025年に黒字転換しており、財務面の安定性も高いです。
総合的に見ると、利益率の低下は懸念点ではあるものの、堅実な受注基盤と安定した財務構造を持ち、配当も安定しているため、短期的な株価上昇は限定的でも中長期的には安定配当・資産価値狙いの投資先として魅力があります。
結論として、短期投資としては「様子見」、中長期では「配当目的・割安株としてやや買い」と判断できます。
配当目的とかどうなの?
株式会社髙松コンストラクショングループは、配当目的の投資先として非常に優秀な部類に入ります。
まず、同社は長期にわたり安定した黒字経営を続けており、減配をほとんどしていません。
直近の配当実績を見ると、
2023年3月期:70円 → 2024年3月期:82円 → 2025年3月期:82円 → 2026年3月期予想:90円
と、継続的な増配傾向が確認できます。
また、PBRは0.86倍と資産に対して株価が割安で、財務基盤がしっかりしているため、
高配当を維持しても企業体力に大きな負担がかかる状況ではありません。
営業キャッシュフローも2025年にはプラス転換しており、実際の手元資金で配当を支払える状態です。
配当利回りを試算すると、仮に株価が2,000円付近だとすれば、
90円の配当で利回りは約4.5%前後となり、東証プライム市場でも上位水準です。
事業自体も安定性が高く、賃貸マンション建設や公共工事など景気変動の影響を受けにくい領域に強みがあるため、
大幅な業績悪化のリスクも限定的です。
したがって、短期の値上がり益よりも、毎年安定した配当収入を重視する投資家には非常に向いている銘柄です。
配当狙いで長期保有することで、堅実にリターンを得られるタイプの株といえます。
今後の値動き予想!!(5年間)
株式会社髙松コンストラクショングループの現在値は3,400円です。
この株価をもとに、今後5年間の値動きを「良い場合」「中間」「悪い場合」の3つのシナリオで予想します。
良い場合(強気シナリオ)
建設需要が堅調に推移し、賃貸マンションやオフィス、公共インフラなどの受注が増加します。
人件費や資材価格の上昇を価格転嫁できる体制が整い、営業利益率が3%台後半から4%台へ改善。
ROEも5%以上を維持できれば、PBRが1倍を超える水準まで見直される可能性があります。
この場合、株価は4,500円から5,000円程度まで上昇する見込みで、配当も安定して増配が続くと予想されます。
長期保有によるトータルリターンは高く、堅実な成長株として評価されます。
中間の場合(横ばいシナリオ)
売上は緩やかに伸びるものの、建設コストや人件費上昇によって利益率の改善は限定的。
ROEは4〜5%前後、営業利益率は3%前半で推移。
この場合、株価は3,000円〜3,600円前後で推移し、横ばい基調が続く可能性が高いです。
ただし、配当は年90円前後を維持する可能性が高く、利回りは4%台と高水準。
株価の大きな上昇はないものの、配当狙いの長期保有には適しています。
悪い場合(弱気シナリオ)
建設業界全体で資材費や人件費の高騰が続き、利益率がさらに低下します。
営業利益率が3%を割り込み、ROEも3%台へ落ち込む可能性があります。
また、景気後退局面では民間の建築投資が減少し、受注の伸びも鈍化。
この場合、株価は2,400円〜2,800円程度まで下落する可能性があります。
配当は維持される可能性が高いものの、成長性への評価が低下して株価は軟調になる見込みです。
まとめ
髙松コンストラクショングループは、景気変動に左右されにくい安定企業ですが、
利益率の改善が株価上昇の鍵になります。
短期での急騰は期待しにくいものの、長期では安定配当と緩やかな株価上昇が見込める堅実な銘柄です。
この記事の最終更新日:2025年10月29日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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