株価
三井住建道路とは

三井住建道路株式会社は、東京都新宿区西新宿6丁目24番1号に本社を置く建設業の会社です。1948年2月24日に設立され、資本金は約13億2,900万円です。代表取締役社長は蓮井肇氏で、従業員数はおよそ429名です。決算期は毎年3月で、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています(上場は1996年2月15日)。
主な事業内容は、道路の舗装や補修、維持管理といったインフラ整備関連工事です。特に官公庁を中心とした公共工事の比率が高く、高速道路や主要幹線道路の舗装・修繕工事を全国で手がけています。舗装工事だけでなく、道路に関する総合的な保全業務も行っており、地域社会の安全で快適な交通環境づくりに貢献しています。
また、舗装に使用されるアスファルト合材などの製造・販売も行っており、材料供給から施工まで一貫した体制を持つことが強みです。さらに、再生可能エネルギー事業にも取り組んでおり、太陽光発電設備を保有・運営して売電を行うなど、環境に配慮した事業展開を進めています。
三井住建道路は、三井住友建設グループの一員として、グループの技術力・ネットワークを活かしながら、道路舗装を中心とした社会インフラ整備に取り組んでいる企業です。公共事業の安定した受注基盤を持ち、堅実な経営を続けている点が特徴です。
直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 当期純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
| 2023年3月期 | 31,914 | 1,008 | 1,015 | 630 | 69.0 | 35 |
| 2024年3月期 | 30,913 | 994 | 1,027 | 587 | 64.1 | 40 |
| 2025年3月期 | 30,157 | 224 | 270 | 167 | 18.3 | 40 |
| 2026年3月期(予想) | 30,400 | 710 | 710 | 420 | 45.6 | 50 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業キャッシュフロー(百万円) | 投資キャッシュフロー(百万円) | 財務キャッシュフロー(百万円) |
| 2023年3月期 | 2,141 | -793 | -297 |
| 2024年3月期 | 1,817 | -1,000 | -351 |
| 2025年3月期 | -3,146 | -600 | -402 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
| 2023年3月期 | 3.1% | 4.7% | 2.2% | ― | ― |
| 2024年3月期 | 3.2% | 4.2% | 2.1% | ― | ― |
| 2025年3月期 | 0.7% | 1.2% | 0.6% | 実績PER:高値平均 37.1倍/安値平均 24.2倍 | 実績PBR:1.04倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
三井住建道路は、道路舗装や維持管理を中心とする建設会社で、公共工事を主力としています。売上高は3年間ほぼ横ばいで推移しており、2023年が約319億円、2024年が309億円、2025年が301億円と、わずかに減少傾向にあります。これは業界全体で入札競争が激しく、原材料や人件費の高騰が利益を圧迫している影響とみられます。
営業利益は2023年10億円前後から2025年には2億円台まで大幅に減少し、営業利益率も3%台から0.7%まで低下しました。経常利益や純利益も同様に減少傾向で、特に2025年は純利益が1.6億円に落ち込んでおり、収益性の悪化が顕著です。
ROE(自己資本利益率)は2023年4.7%、2025年には1.2%まで低下、ROAも2.2%から0.6%まで落ち込んでいます。つまり、資本効率が急速に悪化しており、利益体質の弱まりが見られます。
一方で、株価指標を見ると、2025年実績のPERは高値平均37倍・安値平均24倍、PBRは1.04倍と、割安感は乏しい水準です。利益が減少している中でPERが上昇しているのは、株価が業績に比べて割高に推移していることを意味します。
ただし、会社は2026年3月期の予想で営業利益7億円・純利益4億円と業績の回復を見込んでおり、配当も40円から50円へ増配予定としています。仮にこの計画が実現すれば、今の株価水準では配当利回りが上昇し、やや見直される可能性があります。
配当目的とかどうなの?
三井住建道路は、配当目的での長期保有には向いている銘柄です。
この会社は景気の影響を受けにくい公共工事を主力にしており、業績が多少落ち込んでも配当を安定的に出し続けている点が特徴です。
実際にここ数年の配当をみると、2023年が35円、2024年が40円、2025年も40円、そして2026年は50円を予定しており、減配することなく増配傾向を維持しています。
利益は一時的に減少していますが、財務体質は健全で、自己資本比率も高く、借入金も少ないため、配当を維持する余力があります。
ただし、注意点としては、直近では営業利益や純利益が減少しており、ROEやROAも低下傾向にあります。つまり、成長性はあまり期待できず、今後も大幅な増配や株価上昇を狙う銘柄ではありません。
総合的に見ると、三井住建道路は「大きく伸びないが、減配もせずコツコツ配当を出し続ける堅実な企業」です。
株価の値上がり益よりも、安定した配当を受け取りながら長期で保有するタイプの投資家に向いている銘柄といえます。
今後の値動き予想!!(5年間)
三井住建道路の現在株価は1,469円です。
この株価を基準に、今後5年間の値動きを「良い場合」「中間」「悪い場合」の3つのシナリオで予想します。
【良い場合】
2026年3月期の業績予想どおりに営業利益や純利益が回復し、その後も安定した収益を維持できた場合、株価は上昇していく可能性があります。
増配も続き、配当が50円からさらに引き上げられれば投資家の評価も高まります。
利益の改善が進み、PERが20~25倍程度まで見直されると、株価は1,800円~2,000円程度まで上昇する可能性があります。
【中間の場合】
業績は大きく伸びないものの、安定的に推移し、営業利益率やROEが徐々に回復していくケースです。
配当は50円を維持し、株価は現状からやや上昇する程度にとどまります。
この場合、株価は1,600円~1,700円前後で推移する可能性が高いです。
【悪い場合】
建設コストの上昇や公共事業の減少などにより、利益率が再び低下するケースです。
利益が落ち込み、配当が維持できなくなれば、投資家の評価も下がり、株価が下落する可能性があります。
この場合、株価は900円~1,200円程度まで下がることも考えられます。
【まとめ】
三井住建道路の株価は、今後5年間で
- 良い場合:1,800~2,000円
- 中間の場合:1,600~1,700円
- 悪い場合:900~1,200円
のレンジで動くと予想されます。
業績次第では安定した配当を維持しながら緩やかに上昇する可能性がありますが、
大幅な成長よりも配当を受け取りながらじっくり保有する安定型の銘柄と言えるでしょう。
この記事の最終更新日:2025年10月30日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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