株価
三東工業社とは

株式会社三東工業社は、滋賀県甲賀市信楽町に本社を置く建設会社で、1954年に設立されました。資本金は約8億4,950万円、従業員数はおよそ120名ほどの中堅企業です。
主な事業は、土木工事・建築事業・環境開発事業の3本柱で構成されています。
土木分野では、地盤改良工事や下水道工事、道路・河川などの公共インフラ工事を中心に事業を展開しており、地盤改良においては「CLT工法」「TRD工法」「JST工法」「SPR工法」「管推進工法」などの特殊工法を活用して、高度な技術力を発揮しています。これらは軟弱地盤対策や環境負荷低減工法として評価が高く、近畿圏を中心に多数の施工実績があります。
建築分野では、公共施設や民間建築の設計・施工を手掛けており、地域密着型の施工体制を強みとしています。また、環境開発事業では、地盤調査や環境改善、再生資源の活用など、持続可能な地域社会づくりにも貢献しています。
同社は官公庁案件が中心で、安定した受注基盤を持つ一方、民間建築や環境関連工事にも事業を広げています。地域密着型の経営方針を貫いており、滋賀県・京都府・大阪府などの関西圏を中心に、地元に根ざした総合建設業者として信頼を築いています。
総じて三東工業社は、技術力の高い地盤改良工事を軸に、公共・民間双方に事業領域を持つ地域密着型の安定成長企業です。
直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年6月期(連) | 6,919 | 341 | 344 | 225 | 367.6 | 90(特別配) |
| 2024年6月期(連) | 7,400 | 199 | 208 | 132 | 214.4 | 100(記念配) |
| 2025年6月期(連) | 8,199 | 327 | 338 | 231 | 371.9 | 100(特別配) |
| 2026年6月期(予) | 9,000 | 350 | 350 | 250 | 401.0 | 70〜100(特別配) |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業キャッシュフロー(百万円) | 投資キャッシュフロー(百万円) | 財務キャッシュフロー(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年6月期 | -296 | -54 | -47 |
| 2024年6月期 | -499 | -65 | -70 |
| 2025年6月期 | 79 | -157 | -75 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年6月期 | 4.9% | 7.3% | 4.6% | ― | ― |
| 2024年6月期 | 2.6% | 4.1% | 2.9% | ― | ― |
| 2025年6月期 | 3.9% | 6.8% | 4.5% | 高値平均:15.4倍 安値平均:9.6倍 |
0.83倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
株式会社三東工業社は、滋賀県を中心に土木・建築・地盤改良事業を手がける中堅の建設会社です。業績を3年間の数字で見ると、売上高は2023年に約69億円、2024年に約74億円、2025年には約82億円まで伸びており、着実に成長しています。公共事業を中心とした安定した受注があり、業績に大きな波がないのが特徴です。
営業利益は341百万円から327百万円へと一時減少したものの、経常利益や純利益は安定して推移しており、赤字の年がなく、堅実な収益体質を維持しています。営業利益率は3〜5%程度で建設業界では平均的な水準です。利益率は高くありませんが、安定して黒字を確保していることが大きな強みです。
ROE(自己資本利益率)は6〜7%前後、ROA(総資産利益率)は4〜5%前後で推移しており、資本を効率的に使いながら利益を上げています。財務的にも健全で、過度な借入に頼らず、自社資金で経営ができる状態です。
株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均15.4倍、安値平均9.6倍、PBRは0.83倍です。PBRが1倍を下回っているということは、会社の純資産よりも株価が低く評価されていることを意味しており、現状はやや割安と判断できます。PERも低めで、利益が安定していることを考えると、現在の株価には割安感があります。
キャッシュフロー面では、2023年と2024年に営業CFがマイナスでしたが、2025年には黒字化しており、本業での資金創出力が回復しています。投資CFや財務CFも安定しており、過剰な設備投資や借入は見られません。着実で堅実な資金運営をしている会社です。
配当も安定しており、2023年に90円、2024年に100円、2025年も100円を維持しています。業績に応じて特別配当も出しており、株主還元の姿勢が強い企業です。
総合的に見ると、三東工業社は急激に成長するタイプではありませんが、公共工事を中心とした安定した受注、健全な財務体質、そして堅実な配当方針を持つ、中長期保有に向いた安定型の銘柄です。短期で大きな値上がりを狙うよりも、安定した配当と緩やかな成長を目的に保有するのが向いています。
したがって、投資判断としては「長期保有で買い」。安定配当と将来的な株価見直しを期待できる堅実な割安株といえます。
配当目的とかどうなの?
株式会社三東工業社は、配当目的での投資先として非常に安定感のある企業です。
この会社は滋賀県を中心に公共工事や地盤改良、建築事業を行っており、官公庁向けの受注が多いため、景気に左右されにくいという特徴があります。こうした事業構造のおかげで、利益が大きく落ち込むことが少なく、安定した配当を継続できています。
実際の配当実績を見ると、2023年は90円、2024年は記念配を含めて100円、2025年も100円と高い水準を維持しています。2026年は70円〜100円を予定しており、今後もおおむね同じような配当水準を続ける見込みです。これらの数字からわかるように、配当金は安定しており、減配リスクが低い会社といえます。
また、一株益(EPS)は2025年で約372円、2026年予想で401円と高く、配当性向はおおよそ20〜25%前後です。利益の範囲内で配当を出しており、無理のない配当方針を取っていることがわかります。
キャッシュフローの面でも、2023年・2024年は営業キャッシュフローがマイナスでしたが、2025年には黒字化しており、本業で資金を生み出せる体質に戻っています。借入も少なく、財務的にも安定しているため、配当原資に不安はありません。
株価指標を見ても、PBRが0.8倍台と純資産よりも低く評価されており、現在の株価はやや割安な水準です。安定した配当を受け取りながら、今後の業績回復で株価の見直しが入る可能性もあります。
総合的に見ると、三東工業社は派手な成長を狙う銘柄ではありませんが、安定した業績と財務基盤を持つため、長期での配当目的の投資にはとても向いています。大きく上がることはなくても、安定して3〜4%前後の利回りを得られることが期待でき、地味ながら安心感のある銘柄です。
したがって、配当収入を重視する投資家にとって、三東工業社は「安定・堅実・減配リスクが低い」長期保有に適した配当株といえます。
今後の値動き予想!!(5年間)
株式会社三東工業社(証券コード1788)の現在の株価は4,530円です。
この会社の今後5年間の株価を、良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで予想すると次のようになります。
良い場合(業績が堅調に成長する場合)
公共工事や地盤改良の受注が順調に増え、営業利益率やROEが上昇します。利益やキャッシュフローも改善し、配当も安定的に維持されることで、投資家からの評価が高まります。
特に、PBRが1倍を超えて見直されるような局面では、株価が大きく上昇する可能性もあります。
この場合、5年後には7,000円〜8,000円程度まで上がる可能性があります。
中間の場合(安定的な推移が続く場合)
現在と同様に、公共工事を中心に堅実な業績を維持します。営業利益率やROEは横ばいで推移し、配当も現状水準を保ちます。大きな成長はないものの、安定した配当を得ながら長期保有が可能な展開です。
この場合、5年後の株価は5,500円〜6,500円程度の範囲で推移する可能性があります。
悪い場合(景気や受注環境が悪化する場合)
公共投資が減少したり、資材費や人件費の上昇で利益が圧迫されると、営業利益率が低下し、ROEやROAも下がります。利益が減ることで配当の減額や特別配当の中止もあり得ます。この場合、投資家の評価も下がり、株価は3,800円〜4,300円程度まで下落する可能性があります。
まとめ
- 良い場合:7,000円〜8,000円
- 中間の場合:5,500円〜6,500円
- 悪い場合:3,800円〜4,300円
三東工業社はもともと派手な成長を目指す企業ではなく、安定した利益と配当を重視する堅実なタイプの会社です。そのため、大きく株価が跳ね上がる可能性は高くありませんが、下落リスクも限定的です。配当を受け取りながら中長期で安定的に保有したい投資家に向いており、堅実な値動きと安定配当を重視する投資先として適しています。
この記事の最終更新日:2025年10月30日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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