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マサル(1795)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

マサルとは

株式会社マサルは、東京都江東区に本社を置く建設業の企業で、主にビルやマンションなどの外壁防水工事や改修工事を手がけています。1957年9月30日に設立され、1994年11月に東証へ上場しました。資本金は約8億8,500万円、従業員数は連結で175人、単体で139人ほどです。平均年齢は約46歳、平均年収は約650万円とされています。

同社は防水工事の中でも特にシーリング工事を得意としており、外壁の防水処理や補修、改修を中心とした事業を展開しています。新築工事のほか、既存建物のリニューアルやメンテナンス工事も幅広く行い、リニューアル専属部門を設けて安定的な改修需要に対応しています。

事業の内訳としては、建設関連工事が全体の約9割を占め、残り1割程度を工場設備や建築設備などのメンテナンス・改修工事が占めています。外壁の防水・補修を中心に、建物だけでなく設備インフラの保守にも力を入れており、建物の長寿命化や安全性維持を支える役割を果たしています。

マサルは創業から60年以上にわたって防水工事一筋に取り組んできた企業で、首都圏の大型ビルやマンションなど多くの実績を持ちます。1980年代にはリニューアル部門を立ち上げ、以降は新築需要だけでなく改修・補修市場の拡大にも対応し、安定した経営基盤を築いてきました。近年では建築資材の高騰や人手不足といった課題はあるものの、長期的な建物保全ニーズを背景に、堅実な事業運営を続けている会社です。

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
2022年9月期 6,959 198 232 191 218.6 80
2023年9月期 8,635 504 522 344 391.7 140
2024年9月期 8,947 407 421 277 313.5 125
2025年9月期(予想) 9,700 500 530 300 337.2 105

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2022年9月期 -270 209 -352
2023年9月期 230 -95 -68
2024年9月期 421 -501 490

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均) PER(安値平均) PBR
2022年9月期 2.8% 4.2% 2.9%
2023年9月期 5.8% 7.2% 4.5%
2024年9月期 4.5% 5.6% 3.2% 13.2倍 10.6倍 0.76倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

2022年から2024年にかけて、同社は売上高と利益面で安定した推移を見せています。営業利益は198百万円から407百万円へ、経常利益も232百万円から421百万円へと伸びており、収益力が着実に向上しています。純利益は191百万円から277百万円と増加しており、利益構造の改善が見て取れます。

営業利益率は2.8%→5.8%→4.5%と推移しており、2023年に利益率が高まった後、2024年は若干の反動が出ましたが、それでも安定的に4%台を維持しています。ROEも4.2%→7.2%→5.6%と推移し、自己資本を効率的に活用する力が強まってきました。ROAも2.9%→4.5%→3.2%と堅調で、総資産に対する利益効率も悪くありません。

一方、2024年の実績PERは高値平均13.2倍、安値平均10.6倍と適正水準にあり、PBRは0.76倍と1倍を下回っています。これは市場が同社を過小評価している可能性を示唆しており、資産面では依然として割安株の部類に入ります。

建設業は景気変動や資材価格の影響を受けやすい業界ですが、マサルは防水・改修分野という比較的安定した需要を持つ領域で事業を展開しています。そのため、業績のブレが小さく、堅実経営が続いています。

総合的に見ると、マサルは「高成長」よりも「安定成長」を重視した銘柄です。ROEや利益率の改善傾向が続いていること、PBRが低く割安感があることから、中長期の安定投資・配当目的での保有に適した銘柄といえます。短期での大きな株価上昇は期待しづらいものの、地味ながら確実に利益を積み上げるタイプであり、株価が大きく下がった局面では十分な買い場と判断できます。

配当目的とかどうなの?

株式会社マサルは、配当目的としても魅力がある堅実な銘柄です。

まず、配当の実績を見ると、2022年の1株配当は80円、2023年には140円、2024年も125円と、安定した高水準を維持しています。2025年は105円の予想となっており、一時的に減配の見通しですが、それでも水準は十分に高く、配当を重視する投資家から見ても評価できる内容です。

同社は業績の波が比較的小さく、営業利益や純利益の推移も安定しているため、無理のない範囲での株主還元を続けています。特に、防水工事やリニューアル工事といった分野は、景気の影響を受けにくいストック型の需要が多いため、キャッシュフローが安定している点も配当維持に寄与しています。

PBRが0.76倍と1倍を下回っており、株価が純資産に対して割安な状態にあることからも、下値リスクは限定的です。これに加えて、配当利回りも株価1,400円前後に対して年間配当100円台という水準で、おおよそ利回り6〜7%台(※2025年予想ベース)となり、かなり高い利回りを誇ります。

総合的に見て、1795は短期で値上がり益を狙う銘柄ではなく、長期で配当を得ながら堅実に資産を増やすタイプです。業績が安定しており、手堅い財務基盤を持つため、高配当・割安・安定経営の3点を満たす優良な配当銘柄といえます。

したがって、マサルは「成長株」よりも「安定した配当株」を重視する投資家に非常に適しており、中長期のインカムゲイン狙いに最適な銘柄です。

今後の値動き予想!!(5年間)

株式会社マサルの現在値4,325円を基準に、今後5年間の株価シナリオを以下の3パターンで想定します。

【良い場合】
建設・改修需要が引き続き堅調に推移し、防水・リニューアル工事の受注が増加。営業利益率が5%台後半から6%以上に上昇し、ROEも7〜8%台へ改善した場合、利益成長を背景に株価は見直される可能性があります。PERが15倍前後まで上昇すれば、5年後の株価は6,500〜7,000円前後まで上昇する余地があります。配当も継続的に100円台を維持すれば、株主還元銘柄として市場評価が高まる可能性があります。

【中間の場合】
改修需要は安定しているものの、大きな成長要因は乏しく、業績は緩やかな横ばい傾向。営業利益率は4〜5%台で推移し、配当は100円前後を維持。市場評価も現在水準に近いPER10〜12倍程度で推移すると仮定すると、株価は4,000〜4,800円前後でのレンジ相場が中心となる見通しです。配当利回りを確保しながら長期保有する安定運用型の投資スタイルに適しています。

【悪い場合】
建設資材の価格上昇や人件費高騰により利益率が悪化し、営業利益率が3%台へ低下するケースです。加えて、公共投資の減少やリニューアル需要の鈍化で受注が伸び悩めば、株価は3,000〜3,500円前後まで下落する可能性があります。ただしPBRがすでに0.76倍と割安水準のため、極端な下落リスクは限定的と考えられます。

総合的に見ると、1795は短期で大きく値動きするタイプではありませんが、堅実な業績と高水準の配当を維持しており、安定成長と高配当を両立できる中長期向けの優良銘柄です。市場環境が好転すれば、今後もじわじわと上値を切り上げていく展開が期待されます。

この記事の最終更新日:2025年10月30日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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