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大林組(1802)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

大林組とは

株式会社大林組(だいばやしぐみ、証券コード1802)は、東京都港区港南二丁目15番2号・品川インターシティB棟に本社を置く大手総合建設会社です。創業は1892年1月、会社設立は1936年12月。代表取締役 社長 兼 CEOは佐藤俊美。資本金は577億5,200万円。本体の従業員数は9,386人(2025年3月末現在)、グループ従業員数は17,305人(2025年3月31日現在)。東京証券取引所プライム市場に上場しています。

事業内容は、国内建設(建築・土木)、海外建設、エンジニアリング、開発(不動産)事業、グリーンエネルギー事業、新領域ビジネスなどを展開。国内外でビル・商業施設・住宅・医療施設等の建築、道路・橋梁・トンネル・ダム等の土木インフラ、都市再開発、不動産開発・賃貸・販売までを手がけます。

沿革としては、1892年に大林芳五郎が大阪で土木建築請負業「大林店」を創業し、その後発展して現在に至ります。関西発祥ながら首都圏・海外でも大型プロジェクトの実績を多数有します。

主な実績の一例として、東京スカイツリー®(通信施設・商業施設等、2012年竣工)や、関西国際空港第1ターミナルの大規模リノベーション(2021年~2026年予定)などの大型案件に参画しています。

事業区分の開示上も、国内建設・海外建設・不動産開発・グリーンエネルギー・PPP(コンセッション等)といった領域で売上・利益を構成しており、建設を中心に周辺領域まで一体で展開するグループ体制です。

大林組 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 1株益(円) 1株配当(円)
連23.3 1,983,888 93,800 100,802 77,671 108.3 42
連24.3 2,325,162 79,381 91,515 75,059 104.7 75
連25.3 2,620,101 143,442 153,383 146,052 203.9 81
連26.3予 2,560,000 122,000 126,000 100,000 142.4 82

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位:百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023年3月期 228,456 -101,610 22,118
2024年3月期 50,399 -84,471 -51,922
2025年3月期 85,625 9,596 -50,593

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均) PER(安値平均) PBR
2023年3月期 4.7% 7.7% 2.9%
2024年3月期 3.4% 6.5% 2.4%
2025年3月期 5.4% 12.6% 4.7% 13.1倍 8.4倍 1.64倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

大林組は、国内外で数多くの大型プロジェクトを手掛ける大手ゼネコンであり、直近3年間の業績推移を見ると、安定感と成長性を兼ね備えた堅実な企業です。

2023年から2025年にかけて、売上高は1兆9,838億円から2兆6,201億円へと拡大しており、営業利益も938億円から1,434億円へと増加しています。経常利益は1,008億円から1,533億円、純利益も776億円から1,460億円まで伸びており、利益の質も確実に向上しています。営業利益率も4.7%から3.4%を経て5.4%に改善しており、採算性の高いプロジェクトが増加していることが分かります。

ROEは7.7%から12.6%へ、ROAも2.9%から4.7%へと上昇しており、資本効率が大きく改善しています。これは、経営の効率化や高収益案件の増加が進んでいる証拠といえます。自己資本比率も高く、営業キャッシュフローも安定しており、財務面でも非常に健全です。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均で13.1倍、安値平均で8.4倍、PBRは1.64倍です。PBRがやや高めですが、ROEが12%台と高いため、この水準は妥当な評価と考えられます。PER10倍前後の水準は建設業界全体で見ても割安圏にあり、今後も利益成長が続けば、株価上昇の余地は十分にあります。

大林組は国内の再開発案件だけでなく、海外の都市インフラ、エネルギー関連事業、環境対応型の建築にも積極的に参入しています。建設業界の中でも事業の分散度が高く、景気変動に対して強い構造を持っています。資材価格や人件費の上昇といったリスクはありますが、十分に吸収できる体力を備えています。

総合的に見ると、大林組は売上・利益ともに堅調に伸び、財務も安定しており、ROE・ROAも改善しています。株価水準も割高ではなく、安定した配当と中長期的な値上がりの両方を狙える銘柄です。

配当目的とかどうなの?

大林組は、配当目的の長期保有にも十分向いている安定高配当銘柄です。

まず、配当の推移を見ると、2023年の1株配当は42円、2024年は75円、2025年は81円と増配を続けています。さらに、2026年も82円を予定しており、業績の改善に合わせてしっかりと株主還元を行っていることが分かります。直近3年で見ると配当額はほぼ倍増しており、安定した増配傾向がはっきりとしています。

2025年の1株益(EPS)は203.9円で、配当81円を支払っても配当性向は約40%。無理のない水準であり、将来的にさらなる増配余地も残しています。営業キャッシュフローも安定して黒字を維持しており、財務基盤が強固なため、景気変動があっても減配リスクは比較的低いと考えられます。

また、大林組は利益の安定性が高い建設大手で、公共事業・民間開発・海外事業のバランスが取れており、急激な業績悪化のリスクが低いのも強みです。配当を継続する力があり、今後も業績と連動した形で緩やかな増配が期待されます。

総合的に見て、大林組は配当目的の長期投資に非常に向いた企業です。配当利回りが高く、増配傾向も続いており、財務も健全。安定したインカム収入を得ながら、将来的な株価上昇も狙える、バランスの取れた優良銘柄といえます。

今後の値動き予想!!(5年間)

大林組の現在値は2,612円です。
ここから5年間の株価の動きを、良い場合・悪い場合・中間の場合の3パターンで予想します。

【良い場合】
国内外の建設需要が引き続き堅調で、都市再開発・インフラ更新・海外プロジェクトの利益率が上昇するケースです。
営業利益率が6〜7%台に向上し、ROEが13〜15%前後を維持できれば、PERも15倍前後まで評価が高まる可能性があります。
この場合、株価は4,000円〜4,800円程度まで上昇する可能性があります。
配当も増配が続き、5年間のトータルリターンとしては安定した値上がり益+高配当の両立が見込めます。

【中間の場合】
建設需要は安定しているが、資材価格や人件費の上昇が利益をやや圧迫するケースです。
営業利益率は5%前後、ROEは10%程度で推移し、PERは12〜13倍程度の評価を受けると想定されます。
この場合、株価は3,000円〜3,500円のレンジで推移する見込みです。
配当は維持もしくは小幅な増配が続くと予想され、長期的な安定配当銘柄としての魅力は維持されます。

【悪い場合】
景気後退や建設需要の鈍化、原材料費高騰、海外プロジェクトの採算悪化などが重なるケースです。
営業利益率が3%台に低下し、ROEも6%前後まで落ち込むと、PERは9〜10倍程度に下落する可能性があります。
この場合、株価は2,000円〜2,300円前後まで下がるリスクがあります。
ただし、大林組は財務体質が強固であるため、減配リスクは小さく、長期的に見れば底堅い動きが予想されます。

【まとめ】
大林組は業界トップクラスの技術力と堅実な財務体質を持ち、安定成長が見込める企業です。
良い場合は50〜80%程度の上昇、中間の場合は10〜30%の上昇、悪い場合でも20%前後の下落にとどまる可能性があり、
長期で見れば配当を受け取りながら値上がりも狙えるバランスの取れた銘柄です。

この記事の最終更新日:2025年10月31日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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