株価
第一建設工業とは

第一建設工業株式会社は、新潟県新潟市中央区八千代一丁目4番34号に本社を置く総合建設会社です。1942年9月に設立され、1994年8月26日に東京証券取引所スタンダード市場に上場しました。資本金は約33億200万円、連結従業員数はおよそ1,000名規模で、決算期は毎年3月です。
同社は鉄道関連工事を主力とする建設会社であり、特に東日本旅客鉄道(JR東日本)との取引が多く、JR東日本が筆頭株主でもあります。主な事業エリアは東京・信越・東北地方で、鉄道関連のインフラ整備を中心に事業を展開しています。
事業内容としては、鉄道工事を中心に線路設備の点検・補修・新設工事、レール削正、マクラギ交換、線路除雪などの保守業務を行っています。また、駅舎や関連施設の建設、鉄道高架橋やトンネルといった構造物工事にも対応しています。さらに、一般土木工事や公共施設・商業施設などの建築工事も手掛けており、地域インフラ整備に幅広く貢献しています。
このほか、不動産事業も展開しており、建設で培った技術力とネットワークを活かして土地や建物の開発・賃貸・販売などを行っています。鉄道関連工事を軸にしつつも、地域密着型の建設事業として安定した経営基盤を築いている企業です。
第一建設工業 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単23.3 | 47,367 | 3,569 | 3,882 | 2,643 | 132.5 | 50 |
| 単24.3 | 53,993 | 3,772 | 4,096 | 2,791 | 143.2 | 80 |
| 単25.3 | 58,005 | 7,193 | 7,604 | 5,242 | 278.0 | 130 |
| 単26.3予 | 57,000 | 6,200 | 6,600 | 4,500 | 254.2 | 130 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | -400 | -6,115 | -1,949 |
| 2024年3月期 | 5,372 | -2,267 | -1,168 |
| 2025年3月期 | 5,981 | -3,797 | -2,843 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(高値平均) | PER(安値平均) | PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 7.5% | 3.9% | 3.4% | - | - | - |
| 2024年3月期 | 6.9% | 4.0% | 3.4% | - | - | - |
| 2025年3月期 | 12.4% | 7.3% | 6.2% | 11.8倍 | 8.4倍 | 0.90倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
第一建設工業は、堅実な経営と業績拡大が続く優良バリュー株です。2023年から2025年にかけて営業利益は3,569百万円から7,193百万円へと約2倍に増加しており、営業利益率も7.5%から12.4%へと大きく改善しています。経常利益も3,882百万円から7,604百万円へ、純利益も2,643百万円から5,242百万円へと伸びており、利益体質の強化がはっきり見て取れます。
ROEは3.9%から7.3%、ROAは3.4%から6.2%へ上昇しており、資本効率・総資産効率の両面で改善が進んでいます。建設業の中では比較的高い数値で、効率的な経営にシフトしていることがわかります。
一方、株価指標を見ると2025年の実績PERは高値平均11.8倍、安値平均8.4倍、PBRは0.90倍と依然として割安水準にあります。業績の伸びに比べて株価の評価が追いついておらず、まだ上値余地が十分にある状態といえます。
キャッシュフローも安定しており、営業キャッシュフローは2023年のマイナスから2025年には約6,000百万円の黒字に転換しています。財務面も健全で、自己資本比率が高く、安定した財務基盤を維持しています。
また、配当も2023年の50円から2025年には130円まで増配しており、株主還元の姿勢も強まっています。配当利回りも比較的高く、配当目的の長期投資にも向いています。
総合的に見て、第一建設工業は業績拡大・財務健全・配当強化がそろった安定成長型の企業です。短期的な値上がりを狙うよりも、中長期での安定した成長と配当収益を期待できる銘柄であります。
配当目的とかどうなの?
第一建設工業は、配当目的の投資にも非常に向いている銘柄です。
まず、配当の推移を見ると、2023年は50円、2024年は80円、2025年は130円と3年間で約2.6倍に増配しています。これは、業績の好転に加えて、会社が株主還元を重視している証拠といえます。さらに2026年も130円の配当を予定しており、高水準の配当を維持する方針が示されています。
利益水準の向上により、配当性向にも余裕があります。2025年3月期の1株利益(EPS)は278円で、配当130円を支払っても配当性向は約46%程度に収まります。無理な還元ではなく、安定配当+余力を残した健全な配当方針です。
また、同社は鉄道関連工事を中心とした安定収益を持ち、公共・民間の受注がバランス良く分散されています。そのため、景気変動に左右されにくく、安定的に配当を継続できる体質です。
総合的に見て、第一建設工業は「成長+安定配当」を両立している企業です。短期の値上がり益を狙うよりも、長期的に保有して配当を受け取りながら値上がりも期待するスタイルに最適です。結論として、配当目的でも安心して保有できる優良銘柄といえます。
今後の値動き予想!!(5年間)
証券コード1799の第一建設工業の現在値は3,500円です。
ここから5年間の株価推移を、良い場合・悪い場合・中間の場合の3パターンで予想します。
【良い場合】
鉄道関連工事を中心とした受注が堅調に推移し、再開発や公共工事の拡大によって業績が安定的に成長するケースです。営業利益率が10%前後を維持し、ROEも8%を超える水準で推移すれば、PERが12倍程度まで見直される可能性があります。
この場合、株価は6,000円〜7,000円台に上昇する余地があります。配当も安定しており、配当利回りを維持しながら長期的な資産成長が見込めます。
【中間の場合】
鉄道工事の受注は堅調ながら、資材コストの上昇や人件費の増加が利益を圧迫し、利益成長が一服するケースです。PERは9〜10倍程度で推移し、株価は4,000円〜5,000円台前半のレンジで動くと見られます。増配余地はやや鈍化するものの、安定配当を維持できるため、配当目的の投資先としては依然として魅力があります。
【悪い場合】
景気後退や公共工事の減少、鉄道関連の発注抑制などで受注が減少するケースです。営業利益率が低下し、ROEも5%前後まで落ち込むと、PERが7倍前後まで下がる可能性があります。この場合、株価は2,500円〜3,000円前後まで下落するリスクがあります。ただし、財務体質が堅実であり、配当が大幅に減る可能性は低いため、下値は限定的と考えられます。
【まとめ】
第一建設工業(1799)は、安定した鉄道インフラ関連の需要に支えられた企業で、景気変動に強いのが特徴です。
そのため、短期的な乱高下よりも、中長期で配当を受け取りながら値上がりを狙う投資に向く銘柄です。
総合的に見て、現行株価3,500円は中長期的には割安水準であり、長期保有に適した堅実な成長株といえます。
この記事の最終更新日:2025年10月31日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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