株価
大末建設とは

大末建設株式会社は、大阪府大阪市中央区久太郎町2丁目5番28号に本社を置く建設会社です。1947年3月20日に設立され、1961年に東京証券取引所へ上場しました。資本金は約43億円で、従業員数は連結で約700名、単独では約620名となっています。平均年齢はおよそ42歳前後で、平均年収は約760万円です。
同社は建設業の中でも民間向けの建築事業を中心に展開しており、特にマンション建設を主力としています。分譲マンションや賃貸マンション、オフィスビル、商業施設、物流倉庫などの設計・施工を手掛け、首都圏と関西圏の両方で事業を展開しています。マンション施工では業界上位クラスの実績を誇り、地域密着型の企業として安定した受注基盤を築いています。
また、建物の新築だけでなく、既存建物の改修・リフォーム・耐震補強などのリニューアル事業にも注力しています。加えて、建設事業で培ったノウハウを活かし、不動産関連事業も行っており、自社で開発した物件の売買や賃貸、管理なども手掛けています。
さらに、ミサワホームなど住宅関連企業との資本・業務提携を行い、建設から住宅供給、不動産流通まで幅広い領域で協業を進めています。こうした民間建築を軸とした安定した事業モデルにより、景気変動の影響を受けにくく、堅実な経営を続けている企業です。
大末建設 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株当り配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 71,834 | 1,887 | 1,939 | 1,321 | 126.2 | 64 |
| 2024年3月期 | 77,815 | 1,590 | 1,602 | 1,235 | 119.2 | 70 |
| 2025年3月期 | 89,027 | 3,695 | 3,710 | 2,060 | 197.5 | 99 |
| 2026年3月期(予) | 96,400 | 3,520 | 3,350 | 2,250 | 213.4 | 108 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 4,192 | -516 | -1,009 |
| 2024年3月期 | -1,919 | -2,992 | 3,701 |
| 2025年3月期 | -3,059 | 808 | -2,066 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(高値平均) | PER(安値平均) | PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 2.6% | 6.1% | 2.8% | ― | ― | ― |
| 2024年3月期 | 2.0% | 5.4% | 2.0% | ― | ― | ― |
| 2025年3月期 | 4.1% | 8.9% | 3.7% | 12.3倍 | 8.4倍 | 1.55倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
大末建設は、主に民間向けのマンション建設を中心に展開する中堅ゼネコンであり、近年の業績は安定的に推移しています。数値面を見ると、売上高・利益ともに上昇傾向にあり、特に2025年3月期には利益面の改善が鮮明に表れています。
営業利益は2023年3月期の18億円から、2025年3月期には約37億円まで拡大しており、営業利益率も2.6% → 4.1%へと改善しています。このことから、同社の採算性が確実に向上していることがわかります。原材料費の高騰や人件費の上昇が続く中でも、効率的な施工管理や案件選定の精度向上により利益率を上げている点は評価できます。
純利益も13億円から20億円超へ増加しており、ROEは6.1% → 8.9%、ROAも2.8% → 3.7%と上昇しています。資本効率が改善しており、自己資本を有効に活用できていることがうかがえます。
株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均12.3倍、安値平均8.4倍、PBRは1.55倍です。PERは業界平均(約10倍前後)と比べてやや高めですが、利益の伸び率やROE改善を考慮すると、株価は妥当水準またはやや割安感があります。PBRも1.5倍前後と市場から一定の成長期待が織り込まれており、過度な割高感はありません。
総合的に見ると、大末建設は業績回復局面にあり、収益力と資本効率の両面で改善傾向が明確な堅実な企業です。建設需要の底堅さに加え、リニューアル・不動産関連事業の拡大も業績を支えています。
したがって投資判断としては、中長期的に「やや買い」寄りの評価が妥当です。急騰を狙う銘柄ではないものの、安定した利益成長と配当の継続が期待できるため、堅実な中期保有銘柄として魅力があります。
配当目的とかどうなの?
大末建設は、配当目的の投資としても比較的魅力のある銘柄です。
まず、配当の実績を見ると、2023年3月期が1株あたり64円、2024年3月期が70円、2025年3月期が99円と大きく増配しており、2026年3月期も108円の配当を予定しています。3年間で配当額が約1.7倍に増えており、利益成長に合わせて株主還元を強化していることが分かります。
同社は利益配分においても「安定配当」を基本方針としており、業績に応じて段階的に増配する姿勢を示しています。営業利益やROEの改善が進んでいるため、今後も持続的な配当水準が維持される可能性は高いです。
2025年3月期の予想EPS(1株益)が197.5円、配当が99円であるため、配当性向は約50%と比較的高めです。これは、株主への利益還元を重視している証拠であり、安定志向の投資家にとって安心感のある水準です。財務内容も健全で、有利子負債の水準も抑えられているため、減配リスクは低めです。
総合的に見て、大末建設は「高配当かつ増配傾向」にある安定配当銘柄といえます。株価の急上昇は見込みにくいものの、長期保有によるインカムゲイン(配当収入)を重視する投資家には非常に向いた企業です。特に建設需要が安定している限り、今後も持続的な配当成長が期待できます。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の 大末建設の株価を 3,405円 と仮定して、今後5年の値動きを想定してみます。以下は良いケース・中間ケース・悪いケースのシナリオです。
良い場合
建設需要(特に民間マンション・物流倉庫/リニューアル/改修需要)が堅調に推移し、利益率が改善。営業利益率が4%台後半~5%付近まで改善し、ROEも8~9%前後に達すると見込まれます。
PERが市場評価で12倍~13倍水準に上昇し、株価が上振れると仮定すると、5年後には 4,600円〜5,200円 前後の可能性があります。建設需要拡大+資本効率の改善が順調に進めば、さらなる上値余地も考えられます。
中間の場合
利益や受注は横ばいから緩やかな成長。営業利益率は現状(4.1%前後)を維持かやや改善し、ROEは8.9%近辺、ROAも3.7%前後で安定。
市場評価はPER10~12倍、PBRは1.5倍前後、株価は 3,600円〜3,900円 あたりで推移し、ゆるやかな値上がり+安定した配当収入を得られる展開となるでしょう。配当(108円予想)を考えると配当利回りは約3%前後(株価3,400円なら108 ÷ 3,405 ≒ 3.17%)なので、中長期保有には妥当なシナリオです。
悪い場合
建設コスト高(資材・人件費)や需要減(民間建築の疲弊、改修需要減少など)で利益率が低下。営業利益率が3%台前半に下落、ROE / ROAも低迷。
市場評価がPER8~9倍、水準割れ評価となり株価の圧迫あり。5年後には 2,500円〜2,800円 程度まで下落するリスクがあります。配当予想108円でも利回りは高く見えても、株価低迷で総合的なリスクが高まる可能性があります。
総括見解
大末建設は業績改善基調+利益率改善+配当も増加傾向にあり、中長期的には堅実な企業と見られます。
現在値3,405円なら、良いケースでは 4,600円以上の上振れ余地あり、中間ケースではゆるやかな成長、悪いケースでも利益低迷時には株価下落のリスクがあります。
保守的に見れば、「中長期で保有+配当収入を目的」にするのは十分魅力あり。ただし株価の変動リスクも念頭に置いたほうが良く、分散保有や複数銘柄のポートフォリオでリスクヘッジするのが望ましいでしょう。
この記事の最終更新日:2025年11月1日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す