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清水建設(1803)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

清水建設とは

清水建設株式会社は、東京都中央区京橋二丁目16番1号に本社を構える日本を代表する大手総合建設会社です。東京証券取引所プライム市場に上場しており、資本金は743億6,500万円。創業は江戸時代の1804年(文化元年)で、創業者は清水喜助氏。200年以上の歴史を持つ老舗のゼネコンであり、1937年に株式会社として正式に設立されました。

グループ会社は国内外合わせて150社以上(子会社136社、関連会社22社)を擁しており、建設業を中心に不動産、環境、エンジニアリング、エネルギーなど多角的に事業を展開しています。従業員数は単体で約10,000名、連結では約17,000名規模です。

主な事業内容は、建築事業と土木事業の二本柱で構成されています。
建築部門では、オフィスビル、商業施設、病院、文化施設、住宅、公共施設、学校、物流倉庫など、多種多様な建築物を手掛けています。代表的な施工実績には、東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事、GINZA SIX、渋谷スクランブルスクエア、東京ドームシティの改修などがあり、設計から施工、維持管理までを一貫して行う総合力が強みです。

土木部門では、道路、橋梁、トンネル、ダム、港湾、鉄道、高速道路などの大型インフラ工事を数多く手掛けています。首都高速中央環状線や北陸新幹線などの交通インフラ整備にも関わっており、日本国内の社会基盤整備に深く関与しています。

また、海外事業にも積極的で、アジア、中東、アフリカ、欧米などで空港、発電所、上下水道などのプロジェクトを展開しています。特にシンガポール・チャンギ国際空港の建設や、東南アジア諸国の都市開発プロジェクトなど、グローバルな施工実績を持っています。

さらに、清水建設は不動産開発や再生可能エネルギー、スマートシティ、環境技術などの新分野にも注力しています。ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の普及や再エネ事業の推進など、環境対応型の建設・運営モデルの開発にも力を入れており、「人と地球にやさしい建設」を企業理念としています。

総じて、清水建設は建設業の枠を超えて、設計・開発・運営・環境技術をトータルで提供できる総合デベロッパー的な性格を持つ企業です。伝統ある老舗でありながら、新技術や海外展開にも積極的な姿勢を保ち、安定した業績基盤を持つ日本を代表する建設会社のひとつです。

清水建設 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
2023年3月期(連) 1,933,814 54,647 56,546 49,057 66.3 21
2024年3月期(連) 2,005,518 -24,685 -19,834 17,163 23.6 20
2025年3月期(連) 1,944,360 71,030 71,664 66,015 94.8 38
2026年3月期予想(連) 1,910,000 78,000 73,000 75,000 110.5 44

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年3月期 83,842 -52,434 65,635
2024年3月期 -21,253 -5,358 -23,972
2025年3月期 159,094 7,813 -71,102

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均) PER(安値平均) PBR(実績)
2023年3月期 2.8% 5.7% 2.0%
2024年3月期 -1.3% 1.9% 0.6%
2025年3月期 3.6% 7.6% 2.6% 13.8倍 9.2倍 1.62倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

清水建設は、2023年に営業利益54,647百万円、経常利益56,546百万円、純利益49,057百万円と堅調な黒字を確保していたものの、2024年は一時的に営業損失24,685百万円、経常損失19,834百万円と赤字に転落した。しかし2025年には営業利益71,030百万円、経常利益71,664百万円、純利益66,015百万円へと急回復しており、業績の底打ちからの反転が明確になっている。

営業利益率も2023年2.8%から2024年-1.3%を経て2025年3.6%まで改善。ROEは1.9%から7.6%、ROAも0.6%から2.6%へと上昇し、資本効率・資産効率の両面で改善が見られる。

2025年の実績PERは高値平均13.8倍、安値平均9.2倍、PBRは1.62倍で、バリュエーション的には建設業平均水準よりやや高い水準。ただし来期予想では純利益75,000百万円が見込まれており、さらなる増益期待がある。営業キャッシュフローも159,094百万円と大幅黒字化しており、財務体質の健全さも評価できる。

総合的に見ると、清水建設は2024年の一時的な赤字を乗り越えて2025年以降は安定回復軌道に入っており、長期的に見れば堅実な成長が期待できる。PER・PBR水準から見て割安感は限定的だが、業績回復と増配傾向(38円→44円)を考慮すれば中長期保有に適した銘柄と判断できる。短期の値動きよりも配当や業績安定を重視する投資家に向いた、堅実なインカム型銘柄といえる。

配当目的とかどうなの?

清水建設は配当目的としても十分に検討価値のある銘柄といえます。

2023年の配当は21円、2024年は20円と一時的に減配しましたが、2025年は38円、さらに2026年は44円へと増配が見込まれています。これは業績回復を反映した自然な増配であり、企業が株主還元に前向きである姿勢を示しています。

現在の株価2,612円を基準にすると、2025年度配当38円では配当利回り約1.45%、2026年度予想44円では約1.7%程度となります。高配当株とはいえないものの、建設セクターの安定企業としては平均的〜やや高めの利回り水準です。

また、営業キャッシュフローが1590億円の黒字と大幅に改善しているため、今後も配当の安定性は高いと考えられます。自己資本比率も高く、財務面から見ても減配リスクは低い水準です。

したがって、清水建設は「短期の値上がり益を狙う銘柄」というよりは、中長期で安定した配当収入を得ながら株価の底堅さを享受するタイプの銘柄です。
配当利回りは突出していないものの、企業の財務安定性と増配傾向を踏まえると、配当目的の長期保有には十分向いているといえます。

今後の値動き予想!!(5年間)

清水建設(1803)の現在値は2,073.5円です。ここから今後5年間の株価推移を、業績動向や建設業界全体の環境を踏まえて3つのシナリオで予想します。

【良い場合】
国内外の大型プロジェクト受注が堅調に続き、インフラ更新や再開発需要の拡大で業績が安定的に成長。営業利益率が4〜5%台に定着し、ROEも8〜10%前後を維持。配当も継続増配傾向となる場合、株価は5年間で3,500円前後まで上昇する可能性があります。PERが13倍程度まで評価されると、建設セクターの優良株として再評価される展開も考えられます。

【中間の場合】
国内の建設需要は堅調ながらも、人件費や資材コストの上昇が利益率を圧迫。業績は安定成長するものの、大幅な成長は限定的。配当は40〜45円台を維持し、安定配当銘柄として評価され続ける場合、株価は2,400〜2,800円程度で推移すると見込まれます。中長期保有では年1〜2%程度の利回りを得ながら、値動きも比較的穏やかな展開になるでしょう。

【悪い場合】
公共事業の減少や海外プロジェクトでの損失発生などが重なり、再び利益率が低下。営業利益率が2%前後にとどまり、ROEも5%以下に低下するような局面では、投資家の信頼が弱まり株価は1,400〜1,600円台まで下落するリスクもあります。配当も据え置きまたは減配に転じる可能性があり、長期保有ではやや厳しい局面になります。

【まとめ】
清水建設の株価は、現状の2,000円前後を底値として、業績次第で3,500円近辺までの上昇余地があります。堅実な財務基盤と増配姿勢を考慮すると、中間シナリオが最も現実的で、「中長期でじっくり育てる安定株」という位置づけが妥当です。

この記事の最終更新日:2025年10月31日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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