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錢高組(1811)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

錢高組とは

株式会社錢高組(ぜにたかぐみ)は、1931年に設立された老舗の総合建設会社で、本社を大阪府大阪市西区西本町に構えています。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、関西を中心に全国で建設事業を展開しています。資本金は約37億円、従業員数は約900名です。

同社は建築事業と土木事業の二本柱で事業を展開しており、建築部門では公共施設(庁舎・学校・病院など)やオフィスビル、商業施設、物流センター、ホテル、集合住宅、宗教施設など、幅広い分野の建築を手がけています。特に医療・福祉施設やデータセンターなど、社会インフラを支える分野で多くの実績があります。

土木部門では道路や橋梁、トンネル、ダム、港湾、空港、上下水道などのインフラ整備に強みを持ち、長年にわたり国や地方自治体の公共事業を中心に請け負ってきました。また、近年では耐震補強工事や災害復旧工事、都市再開発事業にも積極的に参画しています。

さらにグループ企業を通じて建設資機材のリース・販売、建設関連サービスも行い、建設事業を支える周辺分野にも幅を広げています。不動産事業にも力を入れており、オフィスビルや商業施設などの開発・賃貸・管理を行うほか、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)やPPP(官民連携)事業にも参画し、公共施設整備を通じた地域社会の発展に貢献しています。

企業理念は「誠実・堅実・確実」であり、創業以来90年以上にわたり、安全性と品質の高い施工を通じて顧客や地域社会からの信頼を築いてきました。今後も「技術と人を活かし、未来を築く建設会社」として、持続可能な社会の実現を目指しています。

錢高組 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株当り配当(円)
2023年3月期 107,635 1,526 2,873 2,245 313.6 80(特)
2024年3月期 120,977 3,321 4,986 2,737 382.3 100(特)
2025年3月期 120,660 3,712 5,098 3,504 489.4 120
2026年3月期(予) 127,000 2,800 4,100 2,300 321.2 110〜120

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位:百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023年3月期 -2,912 -12,976 -696
2024年3月期 -22,389 2,667 19,302
2025年3月期 -7,727 -26 2,657

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均) PER(安値平均) PBR
2023年3月期 1.4% 2.8% 1.4%
2024年3月期 2.7% 2.9% 1.3%
2025年3月期 3.0% 3.6% 1.6% 11.6倍 7.4倍 0.57倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

株式会社錢高組は、近年の業績推移を見ると、堅実ながらも利益率がまだ低めで、やや慎重な投資判断が求められる銘柄です。

まず営業利益は2023年3月期の15億円から、2025年3月期には37億円へと増加しており、利益面では緩やかな改善傾向が見られます。経常利益も28億円から51億円へ、純利益も22億円から35億円へと伸びています。売上高も約1,076億円から1,206億円と増加しており、全体としては安定成長型の建設会社といえます。

ただし、営業利益率が1.4% → 3.0% と上昇しているとはいえ、同業他社(大手ゼネコンなど)の平均が5〜8%程度であることを考えると、依然として低水準です。これは民間工事よりも公共事業の比率が高く、採算性がやや抑えられているためと考えられます。

ROEは2.8% → 3.6%、ROAは1.4% → 1.6% と改善傾向ではあるものの、資本効率はまだ高くありません。投資効率の観点から見ると、収益力の向上余地は残っています。

一方で、2025年のPERは11.6倍(高値平均)・7.4倍(安値平均)、PBRは0.57倍 と、割安感が非常に強い水準です。PBRが1倍を下回っており、資産価値に対して株価が低く評価されています。

総合的に見ると、錢高組は業績は安定・財務は堅実だが収益率が低い割安株といえます。短期的な株価上昇よりも、配当を受け取りながら中長期でじっくり保有するタイプの銘柄です。今後、民間建設需要の回復や利益率改善が見えれば、株価の再評価余地は十分にあります。

配当目的とかどうなの?

株式会社錢高組は、配当を目的とした投資としては比較的安定した銘柄です。

まず、直近の配当実績を見ると、2023年3月期は80円(特別配当を含む)、2024年3月期は100円(特別配当あり)、2025年3月期は120円と増配傾向が続いています。さらに2026年3月期の予想でも110〜120円が見込まれており、安定的に株主還元を行っていることがわかります。

同社は財務体質が堅実で、自己資本比率が高く、借入依存度も低いため、減配リスクは小さいと考えられます。キャッシュフローには波はあるものの、資金繰りに大きな問題は見られません。

総合的に見ると、錢高組は派手な成長は見込みにくいものの、業績が安定しており、着実に配当を増やしている点が魅力です。したがって、短期の値上がり益を狙うよりも、中長期で安定した配当収入を目的とする投資家に向いた銘柄といえます。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の錢高組の株価は7,920円です。ここから5年間の株価の動きを想定すると、業績や建設需要、金利動向などにより以下のような3つのシナリオが考えられます。

良い場合
公共事業や民間再開発案件が堅調に推移し、利益率がさらに改善するシナリオです。特に営業利益率が4%台まで上昇し、ROEも5%を超えるような展開となれば、市場からの評価が見直されます。PERが12〜13倍台まで上昇する可能性があり、その場合の株価は9,500円〜10,500円前後まで上昇する余地があります。建設需要が底堅く、インフラ更新関連の仕事が続く限り、じわじわと上値を追う展開です。

中間の場合
業績が現状水準を維持しつつ、緩やかな利益成長を続けるケースです。営業利益率が3%台を維持し、PERもおおむね現状の8〜10倍程度で推移すると考えられます。その場合、株価は7,500円〜8,500円程度で安定し、配当を受け取りながら横ばいに推移する展開です。大きなリターンは期待しにくいものの、堅実なインカム狙いの投資先としては魅力があります。

悪い場合
建設コストの上昇や工事採算の悪化、公共事業の減少などで利益が減少するシナリオです。営業利益率が再び2%前後まで低下し、PERも7倍以下に下落した場合、株価は6,000円〜6,800円程度まで調整する可能性があります。特に資材高や人件費上昇が長期化した場合には、利益圧迫要因となります。

総合的に見ると、錢高組は極端な上下動が少ない安定株であり、大きな上昇よりも安定した配当と緩やかな値上がりを期待する中長期保有向け銘柄といえます。

この記事の最終更新日:2025年11月1日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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