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サンユー建設(1841)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

サンユー建設とは

サンユー建設株式会社は、東京都大田区南雪谷に本社を置く総合建設会社です。1950年に設立され、資本金は3億1,000万円、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。

同社は建設業を中心に、建築・土木・不動産など幅広い事業を展開しています。主力は建築事業で、商業施設、オフィスビル、マンション、公共施設などの設計・施工を手がけています。技術力と安全性を重視した施工体制に定評があり、都市再開発や耐震補強などの分野にも積極的に参入しています。

また、住宅事業も展開しており、木造注文住宅や分譲住宅ブランド「San Leaf(サンリーフ)」シリーズなどを手がけています。首都圏・関東エリアを中心に、省エネルギー性や快適性を追求した住宅を提供し、建築から販売・アフターサービスまで一貫して行う体制を整えています。

不動産関連事業では、土地・建物の売買や賃貸、マンション管理、開発コンサルティングなどを行っており、建設と不動産を組み合わせたトータルサービスを提供しています。また、グループとして金属製品の製造事業も展開しており、建築資材や構造部品などの製造を自社で行うことでコスト削減と品質管理の両立を図っています。

さらに、観光・宿泊事業にも進出しており、静岡県熱海市で温泉旅館「松風苑」を運営するなど、ホテル・ホステル・アパートメント事業も展開しています。このように、建設業を中心に「つくる」「運営する」「活かす」という流れを一体化した「フルターンキーシステム」を強みとし、建設から運営・活用までをトータルで支援できる企業体制を持っています。

サンユー建設は、建築・不動産・観光を融合した多角経営を通じて、安定した事業基盤を構築しています。建設需要の変化に柔軟に対応しながら、地域密着型の経営と新たな事業モデルで持続的な成長を目指している企業です。

サンユー建設 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益(EPS)
(円)
一株配当(DPS)
(円)
連23.3 9,225 120 179 119 33.2 25
連24.3 11,546 524 565 371 106.6 30
連25.3 10,411 689 718 480 148.0 30
連26.3予 11,700 360 380 270 82.8 25

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期
(単位:百万円)
営業CF 投資CF 財務CF
2023 -910 -434 127
2024 1,027 -317 -747
2025 1,087 106 -309

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA 実績PER(高値平均) 実績PER(安値平均) 実績PBR
2023 1.3% 1.0% 0.8%
2024 4.5% 3.3% 2.5%
2025 6.6% 4.1% 3.3% 16.6倍 13.1倍 0.32倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

サンユー建設は、建築・土木・不動産・ホテル事業を手掛ける中堅の総合建設会社です。直近3年間の業績を見ると、売上・利益ともに着実に拡大しており、特に営業利益率の改善が顕著です。2023年の営業利益率は1.3%にとどまりましたが、2024年には4.5%、2025年には6.6%まで上昇しており、収益構造が明らかに改善傾向にあります。これは、建設コストの抑制や採算性の高い案件の増加、不動産・ホテル事業の収益寄与によるものと考えられます。

経常利益と純利益も同様に堅調で、2023年から2025年にかけてほぼ3倍に増加しています。特に純利益は2023年の1億円台から2025年には約5億円規模に拡大しており、利益の質も高まっています。ROEは1.0%から4.1%へ、ROAも0.8%から3.3%へ上昇しており、資本効率が確実に改善しています。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均16.6倍、安値平均13.1倍と、業績拡大の割にまだ割安感があります。実績PBRは0.32倍と極めて低く、資産価値から見ても大きく過小評価されている状態といえます。これらを総合すると、現在の株価は収益力や財務体質を十分に織り込んでいないと考えられます。

サンユー建設は多角的な事業展開をしており、特定分野への依存が少ない点も強みです。建設事業だけでなく、ホテル運営や不動産賃貸など安定収益を生み出すセグメントを持ち、リスク分散が進んでいます。今後はホテル・不動産収益の積み上げと、建設部門の効率化によるさらなる利益成長が期待されます。

総合的に見て、サンユー建設は業績回復と低PBRによる見直し余地が大きい中長期投資向きの割安株です。短期的な材料は少ないものの、財務体質が改善しつつある今、長期的に安定的な成長を狙える銘柄として注目に値します。

配当目的とかどうなの?

サンユー建設の予想配当利回り(2026年)は2.16%で、配当目的としては中程度の水準といえます。高配当株とまではいきませんが、安定して配当を継続している点は評価できます。

同社はここ数年、30円前後の配当を維持しており、業績の波がありながらも減配を避けているのが特徴です。配当性向もおおむね20%程度と無理のない範囲で、安定配当を意識した経営姿勢がうかがえます。

ただし、配当利回り2.16%というのは、東証スタンダード市場の中では平均的な水準であり、「配当狙いで積極的に買う」ほどの魅力はやや薄いかもしれません。その一方で、同社のPBRは0.3倍台と非常に低く、株価が割安に放置されていることを考えると、値上がり益と安定配当の両方を狙える“堅実型”の投資先と見ることができます。

総合的に見て、サンユー建設は高配当株としての魅力は限定的ですが、安定した経営基盤と低リスクな財務体質を持つため、長期で安定配当を受け取りたい投資家には適した銘柄です。値上がり益と合わせて総合リターンを狙う中長期保有が現実的な選択肢といえます。

今後の値動き予想!!(5年間)

サンユー建設の現在値は1,155円です。ここから今後5年間の株価の動きを想定すると、以下のような3つのシナリオが考えられます。

良い場合は、建設や不動産、ホテル事業などが引き続き堅調に推移し、営業利益率やROEがさらに改善していく展開です。業績が安定して伸びれば、投資家からの評価も高まり、PERも上昇する可能性があります。この場合、株価はおおよそ1,600円から1,800円程度まで上昇する余地があり、配当も維持または増配の可能性が見込めます。

中間の場合は、現在の業績水準が続くパターンです。建設需要や不動産市況が大きく悪化せず、利益水準が横ばいで推移すれば、株価は1,100円から1,300円前後のレンジで安定する可能性があります。年間配当30円が維持されれば、配当利回りはおおよそ2.5%前後で推移する見込みです。

悪い場合は、資材高や人件費上昇、建設需要の減少などで利益率が下がる展開です。営業利益率やROEが再び低下し、業績が悪化すれば株価は800円から900円程度まで下がる可能性もあります。この場合、減配のリスクも否定できません。

総合的に見ると、サンユー建設は堅実に配当を続けており、財務も比較的安定しているため、長期的な保有には適した銘柄です。短期的な値動きは穏やかですが、業績改善が続けば今後5年で緩やかな株価上昇が期待できます。

この記事の最終更新日:2025年11月2日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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