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ナカノフドー建設(1827)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ナカノフドー建設とは

株式会社ナカノフドー建設は、東京都千代田区九段北に本社を置く中堅ゼネコンです。創業は1933年(昭和8年)で、戦前から建築・土木事業を手掛けてきた歴史ある総合建設会社です。設立は1942年(昭和17年)で、現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。資本金は約50億円、連結従業員数は1,300名を超え、国内外で幅広い建設事業を展開しています。

主力事業は建築工事と土木工事の請負であり、民間のオフィスビル、商業施設、マンション、ホテル、医療・福祉施設、教育施設など多岐にわたる分野で実績を持ちます。特に中高層のマンションや再開発ビル、耐震改修工事、リニューアル工事に強みを持っています。また、国内の建築技術を生かし、海外でも施工実績を拡大しており、アジア地域を中心に建築事業を展開しています。

土木部門では、道路、橋梁、トンネル、上下水道などの社会インフラ整備を中心に、公共工事から民間の開発工事まで幅広く対応しています。これらの施工管理や設計業務に加えて、不動産事業としてオフィスビルやマンションの開発・賃貸・管理事業も手掛け、安定した収益基盤の確立を目指しています。

同社の強みは、長年培った設計・施工一貫体制による品質管理と、安全性を重視した現場運営体制にあります。近年では環境負荷の少ない省エネ建築やZEB(ゼロエネルギービル)の普及にも力を入れ、サステナブルな社会の実現を目指しています。また、ICT施工やBIM(Building Information Modeling)の活用にも積極的で、効率的な設計・施工プロセスの確立を進めています。

グループ会社としては、国内外の関連企業を通じて、建築資材の供給、設備管理、開発事業などを展開しています。経営理念として「人をつくり、技術を磨き、社会に貢献する」を掲げ、安全・品質・環境を三本柱に持続的成長を目指しています。

ナカノフドー建設 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益(EPS)
(円)
一株配当(DPS)
(円)
連23.3 114,459 2,859 3,134 1,914 55.7 13
連24.3 107,415 3,185 3,835 2,645 77.0 16
連25.3 110,538 3,280 3,724 2,904 84.5 22
連26.3予 130,000 3,500 3,800 2,600 75.7 22

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期
(単位:百万円)
営業CF 投資CF 財務CF
2023 2,170 -256 -776
2024 -2,086 -28 -801
2025 -4,375 -398 -891

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA 実績PER(高値平均) 実績PER(安値平均) 実績PBR
2023 2.4% 5.2% 2.4%
2024 2.9% 6.5% 3.2%
2025 2.9% 6.7% 3.5% 8.8倍 5.0倍 0.77倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

株式会社ナカノフドー建設は、近年安定した業績を維持している中堅ゼネコンです。
2023年から2025年にかけて売上高は約1,100億円前後で推移し、営業利益は3,000億円規模を維持しています。営業利益率は2.4%→2.9%→2.9%とやや改善傾向で、安定的な収益体質がうかがえます。

ROE(自己資本利益率)は5.2%→6.5%→6.7%と着実に上昇しており、自己資本を活かした効率的な経営が少しずつ進んでいます。ROA(総資産利益率)も2.4%から3.5%まで改善しており、総じて財務効率の改善が見られます。

一方で、2025年の実績PERは高値平均で8.8倍、安値平均で5.0倍、PBRは0.77倍と割安圏に位置しています。特にPBRが1倍を下回っている点から、株式市場では純資産価値に対して株価が低めに評価されている状態といえます。

この数値から判断すると、業績は堅調ながら市場評価がやや抑えられており、中長期的なバリュー投資(割安株投資)として魅力がある銘柄と考えられます。建設業界は景気変動や公共事業の発注動向に左右されやすいですが、ナカノフドー建設は堅実な経営姿勢と手堅い受注基盤を持っており、極端な業績悪化リスクは小さいと見られます。

また、配当金も2023年の13円から2025年に22円まで増配しており、株主還元姿勢の強化が続いている点も評価できます。

総合的に見て、1827は短期的な爆発力よりも、安定収益と割安評価を重視する投資家に向いた銘柄です。長期保有でのじっくりとした資産形成を狙うスタンスに適しているといえるでしょう。

配当目的とかどうなの?

ナカノフドー建設は、配当目的でも十分に検討できる安定型の銘柄です。
ここ数年で配当は着実に増えており、2023年に13円だったものが2024年には16円、2025年には22円まで増配しています。業績に無理をしていない範囲での増配であり、配当性向も25~30%程度と健全な水準に保たれています。

現在の株価水準やPER・PBRの割安さを考えると、利回りはおおむね2~3%台と見られます。建設業界としては安定的で、急激な景気後退がない限り、配当の減額リスクは小さいと考えられます。財務体質も比較的健全で、借入金に頼らず自己資本比率も高いため、今後も安定した配当の継続が期待できます。

総合的に見ると、ナカノフドー建設は高配当株というよりも「堅実に利益を上げて、安定して配当を続けるタイプの銘柄」です。長期保有でじっくりと配当を受け取りながら、将来的な増配も期待できる点で、安定収益+割安+持続的配当を求める投資家に向いています。

今後の値動き予想!!(5年間)

ナカノフドー建設の現在値は956円です。
ここから今後5年間の株価の動きを、業績や指標の傾向から考えた3つのシナリオでまとめます。

良い場合
国内の建設需要が底堅く推移し、再開発・耐震改修・インフラ更新などの受注が安定的に増える場合、利益率の改善と配当の増加が続きます。PBRが1倍前後まで戻り、PERも10倍程度まで評価が上がれば、株価は1,400円〜1,600円程度まで上昇する可能性があります。安定的に成長する中堅ゼネコンとして、再評価が進む展開です。

中間の場合
業績は横ばいながら堅調を維持し、建設需要の波に合わせて安定推移するシナリオです。PERやPBRの水準がほぼ現状維持となれば、株価は900円〜1,100円程度で推移する見通しです。配当を受け取りながら、値動きは緩やかな安定保有型となります。

悪い場合
資材価格の高止まりや公共工事の減少、景気後退などで受注環境が悪化し、利益率が低下する場合です。ROE・ROAが鈍化し、PERが6倍を割り込むような低評価になると、株価は700円〜800円前後まで下落するリスクがあります。ただし財務基盤は比較的強いため、極端な下落や業績悪化のリスクは限定的と見られます。

総合的に見て、1827は短期の値上がりを狙う銘柄ではなく、長期で安定配当を受け取りながら緩やかな株価上昇を期待できる堅実な中堅ゼネコン株といえます。

この記事の最終更新日:2025年11月2日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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