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データがありません。北海電工とは

北海電工株式会社は、北海道札幌市に本社を置く電気設備工事会社で、北海道電力グループの一員です。主に送配電線、変電設備、通信設備などのインフラ整備を手掛けており、北海道の電力・通信網を支える重要な役割を担っています。設立は1944年(昭和19年)で、長年にわたり北海道の電気工事分野をリードしてきた実績を持つ老舗企業です。
同社は主に「電力設備事業」「通信・情報設備事業」「再生可能エネルギー関連事業」の3本柱で事業を展開しています。電力設備事業では、送電線や地中線、変電設備などの設計・施工・保守を行っており、北海道電力ネットワーク株式会社からの受注が中心です。特に厳しい寒冷地環境に対応した工事技術や、停電リスクを最小限に抑える安全管理体制が評価されています。
通信・情報設備事業では、光ファイバーや通信ネットワーク、基地局設備などの設置・保守を行っており、自治体や通信事業者との取引も多く、北海道全域の通信インフラの整備に貢献しています。また、近年は5G通信設備の整備工事にも取り組み、デジタル社会の基盤づくりに貢献しています。
再生可能エネルギー関連事業では、太陽光発電設備や風力発電施設の電気工事・保守を手掛けており、北海道の自然条件を活かしたエネルギー事業への参入を進めています。特に風力発電の電力接続設備の施工実績が増えており、脱炭素社会に向けた需要の高まりに応じて事業領域を広げています。
経営面では、北海道電力ネットワークが筆頭株主であり、安定した受注基盤を確保しています。財務体質も堅実で、自己資本比率は高水準を維持しており、手堅い経営が特徴です。これにより、景気の変動や資材価格の高騰といった外部環境の影響を受けにくい強みを持っています。
北海電工は、「安全・信頼・技術の向上」を経営理念に掲げ、電力・通信インフラを通じて地域社会の発展に貢献しています。今後は再生可能エネルギーの拡大や電力網の高度化に合わせて、スマートグリッド関連工事や脱炭素対応技術への投資も強化していく方針です。
北海電工 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益(EPS) (円) |
一株配当(DPS) (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 71,005 | 1,261 | 1,446 | 938 | 45.3 | 10 |
| 連24.3 | 60,099 | 2,856 | 3,036 | 2,019 | 97.5 | 10 |
| 連25.3 | 68,925 | 3,482 | 3,654 | 2,481 | 119.8 | 20(記念配含む) |
| 連26.3予 | 67,600 | 2,700 | 2,900 | 1,940 | 93.6 | 20 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 (単位:百万円) |
営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 1,704 | 2,430 | -215 |
| 2024 | -1,303 | -1,353 | -210 |
| 2025 | 4,628 | -1,933 | -419 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | 実績PER(高値平均) | 実績PER(安値平均) | 実績PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 1.7% | 3.3% | 2.1% | ― | ― | ― |
| 2024 | 4.7% | 6.7% | 4.3% | ― | ― | ― |
| 2025 | 5.0% | 7.4% | 4.9% | 13.0倍 | 9.0倍 | 0.58倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
北海電工は、北海道電力グループの一員として電力・通信設備工事を手掛ける企業で、業績は安定的に推移しています。近年の数値を見ると、売上高は2023年の約710億円から2025年にかけて約690億円前後で推移し、営業利益は12億円から34億円規模まで着実に改善しています。営業利益率も1.7%→4.7%→5.0%と上昇しており、利益率の改善傾向が明確です。
ROE(自己資本利益率)は3.3%→6.7%→7.4%、ROA(総資産利益率)は2.1%→4.3%→4.9%といずれも堅実に向上しており、効率的な経営が進んでいることがわかります。純利益も2023年の9億円台から2025年には24億円台まで伸びており、グループ内での役割拡大や民間・公共両面での受注拡大が業績の押し上げ要因となっています。
株価指標では、2025年の実績PERが高値平均13.0倍、安値平均9.0倍、PBRが0.58倍と、明らかに割安水準にあります。特にPBRが0.6倍を下回っていることから、市場では依然として資産価値に対して株価が低く評価されており、潜在的な上昇余地があります。利益率の改善と財務の安定性を踏まえると、今後は適正株価水準への見直しが進む可能性が高いでしょう。
業種特性として電力設備工事は安定需要があり、景気の影響を受けにくい一方、大型工事の時期によって年度間の利益にばらつきが出る点は注意が必要です。しかし、北海道電力との強固な取引基盤があるため、長期的には堅実な成長が見込まれます。
総合的に見ると、北海電工は「割安で安定性の高いディフェンシブ銘柄」と評価できます。大幅な成長性を狙うタイプではありませんが、堅実な業績と財務基盤、改善する利益率を背景に、中長期的に株価の底堅い上昇と安定配当を期待できる投資対象です。
配当目的とかどうなの?
北海電工は、配当目的での投資にも向いている堅実な銘柄です。
ここ数年の業績が安定していることに加えて、配当も少しずつ増えており、株主還元の姿勢がしっかりしています。2023年と2024年は10円の配当でしたが、2025年には20円(記念配当を含む)へと倍増し、2026年も20円を維持する見通しです。大幅な増配というよりは、安定した配当を続ける堅実な方針を取っています。
配当性向はおおよそ20〜25%程度で、利益に対して無理のない範囲で配当を出しており、業績が多少変動しても減配リスクは低いと考えられます。会社の財務体質も健全で、自己資本比率が高く、借入金も少ないため、配当の安定性は高いです。
北海道電力グループという安定した取引基盤を持っており、公共性の高いインフラ関連の仕事が中心なので、景気が悪化しても大きく業績が落ち込む可能性は低いです。
総合的に見て、北海電工は「安定した業績+着実な配当」を求める中長期投資家に向いている銘柄です。高配当株を狙うタイプではありませんが、長く保有して安定した配当を受け取りたい投資家にとって、安心して持てる堅実なインカム株といえます。
今後の値動き予想!!(5年間)
証券コード1832の北海電工の現在値は955円です。
ここから今後5年間の値動きを、業績や財務の安定性、株価指標などを踏まえて3つのシナリオで考えます。
良い場合
北海道電力グループとしての受注が拡大し、再生可能エネルギー関連工事や通信インフラ整備など新分野の需要が伸びる場合、業績がさらに安定して利益率も上昇します。ROEが8%を超え、PERが12〜14倍程度まで評価されると、株価は1,400円〜1,600円前後まで上昇する可能性があります。地元インフラ企業としての信頼と堅実な経営が再評価され、配当も引き上げられる展開です。
中間の場合
現在の安定した業績が今後も続き、売上や利益が大きくは伸びないが堅調に推移するケースです。PERはおおむね9〜11倍程度を維持し、株価は900円〜1,100円前後で推移する見込みです。値動きは落ち着いており、配当を受け取りながら安定保有する形になります。高い成長性は期待しづらいものの、下値のリスクも小さい堅実な展開です。
悪い場合
資材価格の上昇や公共事業の減少、電力投資の縮小などで利益が減少する場合、PERが8倍を下回る水準まで評価が低下し、株価は700円〜800円前後まで下がる可能性があります。ただし、北海電工は北海道電力グループ内で安定した受注基盤を持つため、極端な下落は考えにくく、財務の安定性から長期的には持ち直す可能性が高いです。
総合的に見ると、1832は大きな値上がりを狙うタイプではなく、安定した配当を受け取りながら長期的に着実な値上がりを期待できる堅実株です。急激な値動きは少ないものの、長期保有で堅実なリターンを得たい投資家に向いています。
この記事の最終更新日:2025年11月2日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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