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戸田建設(1860)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

戸田建設とは

戸田建設株式会社は、1936年7月10日に設立された準大手の総合建設会社です。本社は東京都中央区京橋1丁目7番1号にあります。上場市場は東京証券取引所プライム市場で、資本金は約230億円、決算期は3月末です。

同社は建築事業と土木事業を主軸に展開しており、建築分野ではオフィスビル、病院、学校、商業施設、工場など多様な施設を手掛けています。特に医療施設や研究施設など、高度な技術を要する分野で豊富な実績を持ち、耐震性・環境性能・省エネルギー性を重視した建築に強みがあります。

土木分野では、ダム、トンネル、道路、鉄道、港湾などのインフラ整備を中心に国内外で幅広く事業を展開しています。さらに、洋上風力発電や再生可能エネルギー関連事業にも参入しており、環境・エネルギー分野の成長にも力を入れています。

また、不動産開発や都市再開発、PFI(官民連携事業)なども手掛けており、単なる施工会社にとどまらず、企画・設計・運営までを一貫して行う総合デベロッパーとしての機能も備えています。

経営理念として「技術と誠意で社会に貢献する」を掲げ、環境に配慮した建設技術の開発、持続可能な社会の実現を目指す姿勢を明確にしています。株主還元方針は安定配当を基本に、DOE(株主資本配当率)3.5%以上および総還元性向70%前後を目標としています。

近年では国内だけでなく海外にも積極展開しており、アジア・アフリカ地域でのインフラ整備事業など国際的な事業基盤も強化しています。総合的に見て、戸田建設は「堅実な経営と確かな技術力を持つ総合建設会社」として、公共・民間双方から信頼を得ている企業です。

戸田建設 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
1株益
(円)
1株配当
(円)
連23.3 547,155 14,135 19,039 10,995 35.6 27
連24.3 522,434 17,908 25,483 16,101 52.2 28
連25.3 586,661 26,638 29,088 25,185 83.6 30
連26.3予 640,000 24,000 26,200 21,000 69.7 40

キャッシュフロー

決算期(単位:百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 -30,845 -26,102 22,534
2024 62,149 -48,854 1,035
2025 26,413 -61,191 7,364

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA 実績PER(高値平均) 実績PER(安値平均) 実績PBR
2023 2.5% 3.4% 1.3%
2024 3.4% 4.6% 1.8%
2025 4.5% 7.3% 2.7% 18.7倍 13.9倍 0.92倍

投資判断

戸田建設は、国内外で幅広い建設・開発事業を手掛ける準大手ゼネコンで、ここ数年は業績・収益性ともに改善傾向にあります。提示された数値を見る限り、堅調な業績拡大と利益率の上昇を背景に、安定成長型の投資先と判断できます。

まず、営業利益は2023年の14,135百万円から2025年には26,638百万円へと約1.9倍に増加しており、収益力が着実に強化されています。経常利益も同様に19,039百万円 → 29,088百万円と順調に伸びており、純利益も10,995百万円から25,185百万円へと大幅増益を達成しています。

営業利益率は2.5% → 3.4% → 4.5%と改善が続いており、建設業界全体の中でも健全な水準に上昇しています。ROEも3.4%から7.3%へ、ROAも1.3%から2.7%へと上昇しており、資本効率・資産効率の両面で改善傾向が見られます。経営の効率化と収益基盤の強化が進んでいるといえるでしょう。

株価指標面では、2025年の実績PERが高値平均18.7倍、安値平均13.9倍、PBRが0.92倍とされています。PBRが1倍を下回っている点から、株価は依然として純資産価値に対して割安な水準にあります。PERも妥当な範囲にあり、成長性を考慮すると過熱感はありません。

総合的に見ると、戸田建設は建設業界内でもバランスの取れた経営を行っており、収益性・安定性・割安性の三拍子がそろった堅実な企業です。

したがって投資判断としては、 「堅実な財務と安定成長が期待できる中長期保有向けの安定株」です。
短期的な値上がりよりも、安定した利益成長と将来的な配当拡大を見込んで長期で保有するのが有望です。

配当目的とかどうなの?

戸田建設は、配当目的としても十分に魅力のある銘柄です。

2026年3月期の予想配当は1株あたり40円で、現在の株価水準をもとにした予想配当利回り(2026年)は約3.84%となっています。建設業界の中では平均よりやや高い水準で、安定した利益基盤を持つ同社らしい堅実な水準です。

同社はこれまでも安定配当を基本方針としており、業績の波がある建設業界の中でも比較的安定した還元を続けています。さらに、株主還元方針として「DOE(株主資本配当率)3.5%以上」および「総還元性向70%前後」を目標に掲げており、利益が増えれば配当を積極的に増やす姿勢を明確にしています。

営業利益や純利益の推移を見ても、直近では着実に利益が増えており、財務体質も良好なため、今後も減配リスクは低く、安定した配当が続く可能性が高いといえます。

総合的に見ると、戸田建設は「高配当株」というほどではないものの、安定配当+中堅ゼネコンとしての堅実経営という点で、配当目的の長期保有には向いています。

したがって、配当目的での投資判断としては、「安定配当を維持しながら堅実な利回りを狙える、長期保有向け銘柄」と評価できます。

今後の値動き予想!!(5年間)

戸田建設の現在値は1,039円です。今後5年間の株価推移について、良い場合・悪い場合・中間の場合の3つのシナリオで予想します。

良い場合
建設需要が引き続き堅調に推移し、民間・公共工事ともに受注が拡大するケースです。利益率も改善を続け、営業利益率が5%前後まで上昇。ROEも8〜9%台に伸びれば、市場の評価が高まり、株価は1,400円〜1,600円程度まで上昇する可能性があります。再生可能エネルギーや海外プロジェクトが順調に進めば、長期的な成長ストーリーも描けます。

中間の場合
業績は安定して推移し、売上・利益ともに横ばいながら安定成長を維持するケースです。配当も安定して40円前後を継続し、株主還元姿勢が支持されます。この場合、株価は950円〜1,150円程度のレンジで推移し、配当込みで年3〜4%程度の総合利回りを確保できる堅実な展開となるでしょう。

悪い場合
建設資材価格や人件費の上昇、受注競争の激化などが業績を圧迫するケースです。営業利益率が3%台へ低下し、ROEも5%を下回ると投資家の評価が下がります。PERが低下して株価は750円〜850円程度まで下落する可能性があります。

総合的に見ると、戸田建設は安定的な財務と堅実な経営を持つため、大幅な下落リスクは限定的です。業績の底堅さと配当利回りを考慮すれば、中長期で堅実な値動きが期待できる安定成長株といえます。

この記事の最終更新日:2025年11月2日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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