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矢作建設工業(1870)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

矢作建設工業とは

矢作建設工業株式会社は、愛知県名古屋市東区葵三丁目19番7号に本社を置く、東海地方を代表する総合建設会社です。設立は1949年5月で、資本金は68億800万円、従業員数は約1,000名(連結)です。名古屋鉄道(名鉄)グループの中核企業の一つとして知られ、名鉄沿線を中心に建設・開発事業を幅広く展開しています。

主な事業内容は、建設事業不動産事業開発関連事業の3分野に分かれています。

まず建設事業では、鉄道・道路・橋梁・トンネル・河川などの公共インフラを対象とする土木工事と、オフィスビル・商業施設・マンション・病院・学校などを手掛ける建築工事を両輪としています。特に、鉄道高架化や駅舎工事など、名鉄グループとの連携による鉄道関連工事に強みを持っています。これに加え、耐震補強や地盤改良、環境配慮型の建設工法など、安全・環境・省エネを意識した高品質施工技術を開発・導入しています。

不動産事業では、自社ブランドの分譲マンション「ザ・パークハウス」シリーズやオフィスビル、商業施設の開発を行っており、建設と不動産開発を一体化したビジネスモデルを展開しています。また、開発後の物件運営・管理・賃貸まで手掛けることで、安定的な収益源の確保にも成功しています。

さらに、都市再開発事業やまちづくりにも積極的で、名古屋駅周辺や栄地区などの再開発プロジェクトにも関わっています。これにより、単なる施工会社にとどまらず、地域インフラの創造と都市開発を担う総合デベロッパー的な立ち位置を確立しています。

また、ICT(情報通信技術)施工・BIM/CIM(建設データ統合管理)・ドローン測量などを導入し、生産性向上と安全管理の効率化を進めています。近年では脱炭素や省エネルギー設計にも力を入れ、環境対応企業としての存在感も高めています。

矢作建設工業は、「誠実・創造・挑戦」を企業理念に掲げ、東海地域に根ざした堅実経営と確かな施工実績を積み上げてきた企業です。名鉄グループの一員として安定した基盤を持ちながらも、技術力と開発力で全国へ事業を広げる地域密着型ゼネコンの優良銘柄です。

矢作建設工業 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
1株益
(円)
1株配当
(円)
連23.3 111,110 7,212 7,259 4,508 104.8 43
連24.3 119,824 9,514 9,588 6,462 150.2 60
連25.3 140,699 8,654 8,616 5,643 131.2 80
連26.3予 168,000 10,000 9,900 6,600 153.4 90

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
2023 4,152 -3,069 -253
2024 10,235 -1,181 -11,857
2025 -17,191 -255 13,149

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均) PER(安値平均) PBR
2023 6.4% 7.4% 3.4%
2024 7.9% 9.7% 5.1%
2025 6.1% 8.1% 3.9% 10.8倍 7.0倍 1.34倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

矢作建設工業は、堅実な財務基盤と安定した業績を持つ中堅ゼネコンです。営業利益・経常利益・純利益のいずれも右肩上がりで推移しており、2023年から2025年にかけての業績を見ると、売上の拡大とともに利益水準も安定しています。営業利益率は6〜8%台で推移しており、建設業界の中でも比較的高い収益性を維持しています。

ROEは7.4%から9.7%、ROAも3〜5%前後と資本効率も良好です。財務的にも過剰な借入に依存しておらず、自己資本比率の高さが堅実な経営姿勢を裏付けています。

株価指標を見ると、PERは7.0〜10.8倍、PBRは1.34倍と、やや割安感があります。過度な人気化はしていませんが、利益成長が続く限り、今の株価水準は妥当もしくはやや割安と評価できます。

総合的に判断すると、矢作建設工業は大幅な成長株ではないものの、堅調な業績と安定配当を背景に中長期で安定したリターンを狙えるバリュー株です。名鉄グループのインフラ工事・再開発需要が今後も続くことを考えると、下値リスクは限定的で、守りながらじっくり増やすタイプの投資先として魅力があります。

配当目的とかどうなの?

矢作建設工業は、配当目的の投資にも十分向いている銘柄です。

予想配当利回りは4.12%と比較的高水準にあり、東証プライム上場企業の中でも安定高配当株の部類に入ります。過去3年間の配当推移を見ると、1株あたり43円 → 60円 → 80円と増配を続けており、2026年3月期も90円の配当を予定しています。

業績は安定しており、利益の伸びとともに配当額を着実に引き上げている点が特徴です。さらに、名鉄グループの一員として公共事業や鉄道関連の安定受注が多く、景気変動による業績悪化リスクが比較的低いため、安定配当を維持できる体質が整っています。

また、配当性向も極端に高くなく、内部留保をしっかり確保しながら株主還元を行っている点も安心材料です。
今後も業績の安定とともに、配当金の維持または微増が期待できる銘柄です。

したがって矢作建設工業は、短期的な値上がりを狙う投資ではなく、「配当を受け取りながら中長期でじっくり保有するタイプの堅実な高配当株」として、ポートフォリオの安定資産に適しています。

今後の値動き予想!!(5年間)

矢作建設工業の現在値は2,183円です。ここから今後5年間の値動きを、良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで予想します。

まず良い場合は、建設需要が堅調に推移し、鉄道高架工事や都市再開発などの受注が順調に伸びた場合です。営業利益率は7%前後を維持し、利益成長が続けば株価は2,800円から3,200円程度まで上昇する可能性があります。業績拡大とともに配当の増加も期待され、安定高配当株として市場から評価される展開です。

次に中間の場合は、現状の業績を大きく崩さず横ばいからやや成長するケースです。売上・利益ともに安定推移し、配当も90円前後を維持できれば、株価は2,000円から2,400円前後で推移する見通しです。この場合、配当利回りが約4%前後あるため、値上がりがなくても保有リターンは安定しています。

最後に悪い場合は、建設コストの上昇や資材高、人手不足の影響で利益率が低下した場合です。営業利益率が5%を割り込み、受注環境が悪化すると株価は1,600円から1,800円程度まで下落する可能性があります。ただし財務体質が堅実なため、極端な下落は考えにくい状況です。

総合的に見ると、矢作建設工業は堅実経営と安定配当が魅力の中長期保有向け銘柄です。景気後退局面でも一定の安定性を保ち、今後も配当と緩やかな株価上昇の両面で期待できるバリュー株といえます。

この記事の最終更新日:2025年11月2日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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