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積水ハウス(1928)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

積水ハウスとは

積水ハウス株式会社は、日本を代表する総合住宅メーカーであり、国内外で住宅・建設・都市開発事業を幅広く展開する大手企業です。本社は大阪市北区大淀中一丁目1番88号にあり、1960年8月1日に設立されました。資本金は約2,030億円、従業員数は単体で約1万5,000人、連結で約3万2,000人に上ります。上場は1970年8月で、現在は東京証券取引所プライム市場に上場しています。決算期は毎年1月末日です。

積水ハウスは「人と環境にやさしい住まいづくり」を企業理念に掲げ、戸建住宅、賃貸住宅、マンション開発、リフォーム、海外事業などを展開する総合住宅企業です。長年にわたり「家を建てる」だけでなく、「まちをつくる」「暮らしをデザインする」企業として発展してきました。住宅メーカーとしては売上・戸数ともに国内トップクラスであり、累計建築戸数は業界最多を誇ります。

主力の戸建住宅事業では、鉄骨構造の「ISシリーズ」や木造構造の「シャーウッドシリーズ」を中心に、注文住宅・分譲住宅を全国で展開しています。積水ハウスは環境配慮型の住宅開発にも注力しており、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)普及の先駆者として、再生可能エネルギーと省エネ技術を組み合わせた次世代住宅を推進しています。また、耐震性能や断熱性、快適な空調設計など、品質面でも高い評価を受けています。

賃貸住宅事業では、アパート・マンション・高齢者向け住宅・商業施設などの企画から設計、建設、管理までを一貫して行っています。「シャーメゾン」ブランドは積水ハウスの代表的な賃貸住宅シリーズで、オーナー向けの土地活用提案も積極的に行っています。この分野は安定した収益を生むストック型ビジネスとして、積水ハウスグループの収益の柱となっています。

マンション・開発事業では、都市部を中心に大規模な分譲マンションや再開発プロジェクト、街づくり事業を展開。東京・大阪・名古屋などの主要都市圏での再開発案件にも多数参画しており、「グランドメゾン」シリーズなどの高品質マンションを供給しています。また、地方都市でのスマートシティ開発にも取り組み、持続可能な街づくり(サステナブル・コミュニティ)の実現を目指しています。

リフォーム事業では、既存住宅の耐震補強、省エネ化、間取り変更、デザイン改修などを通じて住宅の長寿命化を支援しています。建て替えではなく「長く住み継ぐ家」を提案し、既存顧客との関係性を強化しています。

海外事業にも力を入れており、アメリカ・オーストラリア・イギリス・中国・シンガポールなどで住宅・不動産開発を展開しています。北米では住宅販売事業を拡大し、現地ブランド「Woodside Homes」などを通じて堅調な成果を上げています。海外事業の売上比率は年々上昇しており、今後の成長ドライバーとして位置付けられています。

さらに、環境経営にも積極的で、「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指し、再生可能エネルギー利用、脱炭素型の街づくり、エコ資材の開発を進めています。加えて、「わが家を世界一 幸せな場所にする」という企業ビジョンのもと、居住者の健康・快適・安心を重視したスマートホームの開発にも取り組んでいます。

積水ハウスは住宅メーカーという枠を超え、環境技術・都市計画・不動産投資・海外展開を融合させた総合ライフデベロッパーとして成長を続けています。安定した経営基盤と高いブランド力を背景に、住宅・社会インフラの両面から「幸せを育む住まいと街づくり」を推進する企業です。

積水ハウス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株当り配当(円)
連23.1 2,928,835 261,489 257,272 184,520 276.6 110
連24.1 3,107,242 270,956 268,248 202,325 309.3 123
連25.1 4,058,583 331,366 301,627 217,705 336.0 135
連26.1予 4,331,000 340,000 321,000 232,000 357.9 144

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF 投資CF 財務CF
連23.1 125,464 -165,409 -155,780
連24.1 15,683 -69,124 6,483
連25.1 62,885 -697,687 720,967

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均) PER(安値平均) PBR
連23.1 8.9% 11.3% 6.1%
連24.1 8.7% 11.5% 6.0%
連25.1 8.1% 11.0% 4.5% 11.0倍 8.0倍 1.13倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

積水ハウスは、国内外で住宅や賃貸、マンション開発などを手掛ける日本を代表する総合住宅メーカーです。直近3年間の業績と指標を見ると、非常に安定した成長を続けており、堅実な投資先として高い信頼性があります。

まず、営業利益は2023年1月期に2,614億円、2024年1月期に2,709億円、2025年1月期には3,313億円と順調に拡大しています。売上高も2兆9,288億円から4兆582億円へと大きく伸びており、住宅事業に加えて賃貸・開発・海外事業が収益を支えています。営業利益率は8.9%から8.1%へとやや低下していますが、依然として業界平均を上回る高い水準を維持しています。

経常利益も2023年に2,572億円、2024年に2,682億円、2025年には3,016億円と安定的に増加しています。純利益も1,845億円から2,177億円へと拡大しており、EPS(一株益)は276円から336円に上昇。収益構造は着実に強化されています。

ROE(自己資本利益率)は11%前後、ROA(総資産利益率)は4〜6%と、資本と資産を効率よく活用できていることがわかります。特にROE11%台というのは建設業界では高水準であり、経営効率の高さを示しています。自己資本比率も60%台と安定しており、財務体質は非常に健全です。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均で11倍、安値平均で8倍、PBRは1.13倍です。これは、業界全体のPER平均(おおむね12〜14倍)よりも低く、株価はまだ割安な水準といえます。安定した業績と高い配当水準を考えると、長期保有に向いたバリュー株としての魅力があります。

配当についても、2023年に110円、2024年に123円、2025年に135円と着実に増配しており、2026年1月期も144円が予想されています。予想配当利回りは約3.3%と高めで、連続増配を続けている点からも株主還元に非常に積極的です。加えて、自社株買いも定期的に実施しており、株主に利益を還元する姿勢が明確です。

総合的に見ると、積水ハウスは安定した収益基盤と健全な財務体質、そして高い株主還元姿勢を兼ね備えた企業です。急激な成長を狙うタイプの銘柄ではありませんが、堅実に利益を積み上げていく中長期投資向けの企業であり、配当を受け取りながら安定的に資産を増やしたい投資家に最適な銘柄です。

結論として、積水ハウスは「成長と安定を両立した長期保有型の優良株」であり、業績・指標のいずれを見ても安心して保有できる堅実な投資先といえます。

配当目的とかどうなの?

積水ハウスは、配当目的の投資先として非常に優秀な銘柄です。
予想配当利回りは4.34%と高水準で、住宅・建設業界の中でもトップクラスの利回りを誇ります。しかも、単に利回りが高いだけでなく、業績の安定性と増配実績の両面で信頼性があります。

まず注目すべきは、連続増配の実績です。2023年1月期に110円、2024年に123円、2025年に135円、そして2026年1月期は予想で144円と、毎年確実に増配しています。コロナ禍や資材高騰など、業界全体が逆風だった時期でも減配をせずに増配を続けており、これは企業体質が非常に安定している証拠です。

また、積水ハウスは配当性向の目安をおおむね40%程度に設定しながらも、利益の増加に合わせて還元額を拡大しています。営業キャッシュフローも安定しており、自己資本比率が60%を超えるなど、財務基盤が盤石なため、今後も高い配当水準を維持できる余力があります。

さらに、積水ハウスは自社株買いにも積極的で、株主還元を「配当+自社株取得」の両面で行っている点も大きな魅力です。これにより株主価値の向上を中長期的に支えています。

業績面でも、売上・利益が緩やかに成長しており、国内の住宅市場が成熟化しても、賃貸・海外・再開発など複数の収益源を持っているため、景気に左右されにくい構造です。したがって、配当の安定性と持続性は非常に高いといえます。

結論として、積水ハウスは「高利回り・安定増配・健全財務」の三拍子がそろった、配当目的の長期保有に最適な銘柄です。
定期的な配当収入を得たい投資家や、資産を安定的に育てたい中長期のインカム投資家にとって、積水ハウスは非常に理想的な選択肢と言えるでしょう。

今後の値動き予想!!(5年間)

積水ハウスの現在値は3,311円です。今後5年間の株価の動きを想定すると、同社の業績、国内外の住宅市場、金利や資材コストの動向などによって大きく3つのシナリオが考えられます。以下では、良い場合・中間・悪い場合のそれぞれを詳しく説明します。

良い場合のシナリオ
国内の住宅需要が安定し、都市再開発や賃貸住宅事業が引き続き堅調に推移するケースです。特に積水ハウスは、アパートブランド「シャーメゾン」や高級分譲マンション「グランドメゾン」シリーズなどで安定した収益を確保しており、リフォームやリノベーション市場の拡大、さらには海外での住宅・不動産開発も順調に成長しています。

営業利益率は現在8%前後と高い水準にありますが、原価管理の徹底や再エネ関連の新規事業の拡大によって、10%近くまで改善する可能性もあります。ROEも11%前後を維持しつつ、自己株買いによる資本効率の向上も見込めます。

また、安定的な増配を続けており、2026年1月期の予想配当は144円、配当利回り4.34%という高い水準です。今後も毎年5円〜10円単位の増配が続くとすれば、5年後には年間配当が160円〜170円に達する可能性があります。

市場全体の株価が堅調に推移し、PERが現在の8〜11倍から12〜13倍程度まで見直されると、株価は年率8〜10%の上昇を続け、5年後にはおおよそ5,000円〜5,400円前後まで上昇する可能性があります。配当収入を含めれば、総合的なリターン(年率換算)は約10〜12%と見込まれ、長期的に非常に魅力的な成果を期待できるシナリオです。

中間シナリオ
景気の波や金利上昇、資材価格の高止まりなどが続く中でも、積水ハウスの多角的な事業構造によって利益が安定して推移するケースです。
住宅着工件数は横ばいとなるものの、賃貸・リフォーム・海外事業の拡大がそれを補います。特に北米やオーストラリア市場での住宅開発は堅調で、海外収益の安定化が全体の業績を支えます。

営業利益率は8%前後、ROEも10〜11%程度を維持。EPS(一株益)は350円台に乗り、配当も140〜150円前後で推移する見込みです。PERが9〜10倍前後の水準で安定し、株価は緩やかに上昇。年率3〜5%程度の成長が続くと仮定すると、5年後の株価は3,850円〜4,200円程度となる可能性があります。

この場合、配当収入を含めたトータルリターンは年率約6〜7%程度で、安定したインカムゲインを得ながら保有できる堅実な展開といえます。

悪い場合のシナリオ
建設コストの上昇や金利の上昇、国内住宅需要の減退が進む場合です。資材価格の高止まりや人件費増加が利益を圧迫し、営業利益率が7%台前半に下がる可能性があります。また、海外の不動産市況が悪化した場合、北米での販売や開発案件の採算が悪化するリスクもあります。

その結果、ROEは9〜10%、ROAは3〜4%台に低下。利益の減少によってPER・PBRも下がり、株価水準は圧縮される可能性があります。年率で-2〜-3%程度の下落を仮定すると、5年後の株価は2,900円〜3,000円前後まで下がるリスクがあります。

ただし、積水ハウスは業界内でも財務体質が極めて健全であり、借入依存度が低いため、最悪のケースでも減配リスクは小さいと考えられます。安定した配当収入が下支え要因となるでしょう。

総合的な見解
積水ハウスは、国内住宅メーカーの中で最も収益構造が安定しており、住宅・賃貸・開発・リフォーム・海外事業のすべてでバランスよく利益を出しています。ROE11%台、営業利益率8%台、自己資本比率60%超という数字は業界でもトップクラスで、財務の健全性が非常に高い点も安心材料です。

配当利回り4.34%という水準は、銀行預金や国債などと比較しても非常に高く、しかも増配傾向にあるため、配当を受け取りながら安定成長を狙う長期投資に最適な銘柄といえます。

5年後の株価は、良い場合で5,000円台、中間で4,000円前後、悪い場合でも3,000円前後の水準が想定され、下値のリスクは限定的です。配当を含めれば、どのシナリオでも長期的にプラスリターンが期待できる、極めて堅実な企業です。

この記事の最終更新日:2025年11月3日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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