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ネクソン(3659)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ネクソンとは

ネクソン株式会社は、オンラインゲームの開発および運営を中心とするエンターテインメント企業である。1994年に創業し、韓国・日本を拠点として、世界各地でオンラインゲーム事業を展開している。現在は東京港区六本木に本社を置き、東証プライム市場に上場しております。

ネクソンの事業は「オンラインゲーム事業」を中心に構成されており、基本プレイ無料・アイテム課金型のビジネスモデルを世界で初めて確立した企業として知られている。代表的なタイトルには『メイプルストーリー』『アラド戦記』『カートライダー』『サドンアタック』『V4』『ブルーアーカイブ』『HIT2』などがあり、いずれも日本・韓国・中国・北米・ヨーロッパなど多地域で配信されている。特に『メイプルストーリー』や『アラド戦記』は10年以上にわたり継続的に収益を生み出しており、オンラインゲーム業界における長寿タイトルの代表格とされている。

ゲーム開発は自社スタジオおよびグループ企業で行われ、運営については世界各国の現地法人が担当している。開発拠点は韓国、北米、日本、欧州などに分散し、多言語対応や地域文化に合わせた運営を強みとしている。また、近年ではスマートフォンゲーム市場への展開にも力を入れており、モバイル向けタイトルの比率が拡大している。

ネクソンのビジネスモデルの特徴は、既存タイトルの長期運営と、継続的なアップデートによるユーザー維持である。新規開発と並行して既存タイトルのイベントや新規コンテンツを定期的に追加し、安定した収益構造を構築している。これにより、景気変動に左右されにくいビジネスモデルを確立している。

また、同社はオンラインゲームの枠を超えて、メタバースやデジタルアセット領域への進出も進めている。自社ゲームのIP(知的財産)を活用したアニメ・グッズ・コラボ展開なども行っており、総合的なデジタルエンターテインメント企業への進化を目指している。

経営理念は「楽しいを永く続ける」であり、ユーザーが何年も遊び続けられるゲームを提供することを使命としている。今後もオンラインエンターテインメント分野でのグローバルリーダーを目指し、長期的な視点で安定的な成長を追求している。

ネクソン 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
2022年12月期 353,714 103,696 140,525 100,339 114.7 10
2023年12月期 423,356 134,745 125,929 70,609 82.9 10
2024年12月期 446,211 124,176 195,987 134,848 161.8 22.5
2025年12月期予想 450,000 128,000 138,000 95,000 119.0 30

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2022年12月期 130,144 -10,918 -105,859
2023年12月期 128,712 -188,367 -78,554
2024年12月期 100,968 7,445 -64,777

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均) PER(安値平均) PBR
2023年12月期 31.8% 7.8% 6.4%
2024年12月期 27.8% 13.2% 10.7% 29.9倍 19.6倍 2.49倍
2025年12月期予想 28.4% 9.3% 7.5% 28.23倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ネクソンは、世界的にオンラインゲーム事業を展開する日本発のゲーム企業であり、PCオンラインゲームやスマートフォンゲームの分野で長年にわたって安定した収益を上げている。特に代表作の『メイプルストーリー』『アラド戦記』『ブルーアーカイブ』などは国内外で高い人気を誇り、サービス開始から10年以上経っても高収益を維持していることが大きな特徴である。

業績面を見ると、2023年12月期は売上高4,233億円、営業利益1,347億円、純利益706億円と堅調な成績を維持した。営業利益率は31.8%と非常に高く、ゲーム業界でもトップクラスの収益性を誇る。一方で2024年12月期は、広告宣伝費の増加や為替影響などで営業利益率が27.8%に低下したが、それでも高水準を維持している。2025年12月期は新作タイトルのリリース費用がかさむため営業利益率は28.4%と横ばい予想となっている。

ROEは2023年に7.8%、2024年には13.2%と上昇しており、自己資本を活かした効率的な経営ができている。ROAも10%前後と高水準で、資産運用効率も非常に良い。PERは2024年の実績ベースで高値平均29.9倍、安値平均19.6倍、PBRは2.49倍と、株価指標としてはやや割高感がある水準にある。ただし、ネクソンは営業キャッシュフローが安定しており、自己資本比率も80%超と極めて健全な財務体質を持っているため、割高というより“質の高いプレミアム株”とみる方が適切である。

2025年12月期の会社予想では、営業利益1280億円、経常利益1380億円、純利益950億円、EPS(1株益)119円を見込んでおり、予想PERは28.23倍。数字だけを見れば高PERだが、これはネクソンが安定的に高利益率を維持し、長期運営型のビジネスモデルを確立している点を市場が評価している結果でもある。

ネクソンの強みは「一発勝負型ではなく、継続課金型の安定収益モデル」にある。多くのゲーム企業が新作依存で業績が乱高下する中、ネクソンは既存タイトルの継続運営で安定した収益を確保しており、景気や為替変動の影響を受けにくい構造を持つ。また、韓国・中国市場での人気が根強く、円安局面では為替差益も取り込みやすい。

株価指標を見る限り、PBR2.49倍は資産的には割高に見えるが、ブランド価値・ゲームIP・運営力を考慮すれば、企業価値としては十分に納得できる水準である。ROEが10%を超えていることからも、投資家にとって「安定成長株」としての位置づけが明確だ。

投資判断としては、短期的な値上がり益を狙うよりも、中長期で安定した成長と配当の両方を狙う銘柄として評価できる。業績は堅調で、2024年以降も高い営業利益率を維持しており、特にグローバル展開やスマホアプリの拡大による収益拡大が期待される。

総合的に見て、ネクソンは「安定成長+中配当」を兼ね備えた優良企業であり、短期的な割高感はあるものの、業績が伸び続ける限り株価の上昇余地は大きい。特に、AI技術やメタバースなど次世代のデジタル領域での展開が加速すれば、企業価値はさらに高まるだろう。ネクソンは短期的な値動きよりも、「長く持って利益を積み上げるタイプのゲーム企業」として位置づけられる銘柄である。

配当目的とかどうなの?

ネクソンを配当目的で見ると、現時点ではやや物足りない水準といえる。2025年12月期および2026年12月期の予想配当利回りはいずれも0.92%で、これは日本企業の平均利回り(約2%前後)を大きく下回る。つまり「配当で利益を得る」という観点から見ると、ネクソンは配当株というよりも成長株タイプに分類される企業だ。

ただし、配当が少ない理由は業績不安ではなく、企業の方針として「内部留保を積極的に成長投資へ回す」姿勢が明確であるためだ。ネクソンは世界的に長寿タイトルを複数保有しており、その収益を開発費や海外スタジオの買収、新規IP(知的財産)への投資に再投下している。特にAIやメタバース領域への研究開発も進めており、将来の利益成長を見据えた戦略的な資金配分を行っている。

また、過去の配当履歴を見ても、ネクソンは業績に応じて緩やかに増配傾向を続けている。2022年には10円、2024年には22.5円、そして2025年には30円の配当を予定しており、減配リスクが低い点は安心材料だ。配当金額は低めでも、安定したキャッシュフローを維持していることが評価できる。

ネクソンの営業キャッシュフローは毎年1,000億円を超えており、財務体質も極めて健全である。借入金依存度が低く、自己資本比率が80%を超えるため、配当を維持しながら投資を行う余裕が十分にある。このため、景気後退局面でも急な減配のリスクは限定的といえる。

したがって、ネクソンは「高配当株」ではないが、「安定して配当が続く銘柄」である。いわば配当よりも将来成長に重点を置いた企業であり、株価上昇によるキャピタルゲインと、着実な配当増の両方を狙うタイプだ。配当利回りだけを重視する投資家には魅力が薄いが、長期的に見れば「成長と配当の両立」が期待できる堅実な銘柄である。

今後、半導体需要やAI分野に連動した新作ゲームがヒットすれば、業績拡大とともに配当余力も増し、2〜3年先には配当利回りが1.5〜2%台へ上昇する可能性もある。現状の0.9%という数字はあくまで「保守的な段階」であり、ネクソンのキャッシュフローを考えれば、将来的な増配余地は十分にある。

今後の値動き予想!!(5年間)

ネクソンの現在値は3,250円です。ここから5年間の値動きを考えると、同社の強みである長期運営型タイトルと新作開発の成果、そして為替や世界的なゲーム需要の動向が鍵となります。

まず良い場合のシナリオです。
2025年以降にかけて『ブルーアーカイブ』『アラド戦記』『メイプルストーリー』などの主力タイトルが引き続き堅調に推移し、さらに新作タイトルがグローバルでヒットするケースです。ネクソンは長寿タイトルを軸に毎年安定収益を生み出すビジネスモデルを確立しているため、好調な新作が加われば利益が一気に拡大します。また、円安や海外ユーザーの拡大も追い風となり、ROEが10%台後半まで上昇する可能性があります。この場合、PERは30〜35倍程度に評価され、株価は5年後に5,500〜6,000円前後まで上昇することが期待できます。長期保有ではキャピタルゲインと増配の両方が狙える展開となります。

次に中間のシナリオです。
既存タイトルの安定運営は続くものの、新作が思ったほど伸びず、業績が横ばいで推移するケースです。営業利益率は25〜28%程度を維持し、ROEは9〜10%前後で安定します。株価指標としてはPER25倍前後、PBR2倍付近で評価され、株価は3,500〜4,000円前後で緩やかに推移する可能性が高いでしょう。この場合は大幅な上昇はないものの、安定的な成長株として長期保有に向いた展開になります。

最後に悪い場合のシナリオです。
グローバルのゲーム市場が競争激化し、主力タイトルの課金売上が減少するケースです。特に中国や韓国での規制強化、為替の円高方向への転換が重なれば、利益の伸びが鈍化しROEも7%を下回る可能性があります。この場合、投資家心理が冷え込みPERも20倍を下回り、株価は2,200〜2,600円前後まで下落するリスクがあります。ただし、ネクソンはキャッシュフローが安定しており、無借金経営に近い財務体質のため、倒産リスクや急激な業績悪化の可能性は低いと考えられます。

総合的に見ると、ネクソンは短期的な値動きよりも、長期の事業成長と為替動向で変化する「安定成長型のゲーム株」であり、業績の波は小さめです。5年スパンで見れば、最悪でも底堅く、中期的には堅実な上昇を狙える銘柄といえます。つまりネクソンは、「派手に上がるタイプではないが、落ちにくく長く持てる安定成長株」として中長期保有に適した銘柄である。

この記事の最終更新日:2025年11月7日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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