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オークマ(6103)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

オークマとは

オークマ株式会社は、愛知県丹羽郡大口町に本社を置く日本を代表する総合工作機械メーカーです。1898年(明治31年)に創業し、1918年(大正7年)に会社を設立しました。創業以来100年以上にわたり、機械工業の発展を支えてきた老舗企業であり、「機電一体」を掲げて自社で機械と制御装置の両方を開発・製造できる世界でも数少ないメーカーの一つとして知られています。

主な事業内容は、NC工作機械の開発・製造・販売で、具体的にはNC旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、研削盤などを中心に取り扱っています。これらの製品は、自動車、航空機、建設機械、エネルギー機器、精密機器など、幅広い産業分野で使用されており、高精度で高効率な生産を支える重要な装置として世界的に評価されています。

また、オークマは独自の制御装置「OSP(Okuma Sampling Path)」を自社開発しており、機械本体と制御の両方を一貫して提供できる体制を強みとしています。これにより、他社製品に比べて加工精度や生産性、信頼性の高い機械を実現しています。さらに、近年ではIoTやAIを活用した「スマートマシン化」にも積極的に取り組んでおり、稼働状況をリアルタイムで把握し、効率的な生産管理を可能にするソリューション「Connect Plan」なども展開しています。

国内では大口町の本社・工場を中心に生産体制を整えており、海外にもアメリカ、ヨーロッパ、中国、台湾、タイなどに販売・サービス拠点を持っています。グローバルネットワークを活かして世界中の製造現場を支える体制を構築しており、海外売上比率も年々高まっています。

2025年3月時点の従業員数は単体で約2,300名、連結で約4,000名。資本金は180億円となっています。代表取締役社長は家城淳氏で、企業理念として「ものづくりの革新を通じて社会に貢献する」ことを掲げています。長年にわたり日本の製造業を支える中核企業として、今後も高精度・高効率な生産技術を追求し、スマートファクトリー時代のリーディングカンパニーを目指しています。

オークマ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
連23.3 227,636 24,804 26,446 19,195 308.0 90
連24.3 227,994 25,364 25,557 19,381 314.9 100
連25.3 206,822 14,651 15,528 9,590 158.5 100
連26.3予 230,000 22,000 22,500 15,000 247.9 100

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年3月期 16,061 -6,528 -7,616
2024年3月期 5,251 -12,579 -10,727
2025年3月期 17,802 -15,257 -3,498

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(倍) PBR(倍)
2023年3月期 10.8% 9.4% 6.6%
2024年3月期 11.1% 8.5% 6.5%
2025年3月期 7.0% 4.2% 3.2% 高値平均16.2倍/安値平均10.8倍 0.91倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

オークマは、日本を代表する総合工作機械メーカーで、長年にわたって高精度なNC旋盤やマシニングセンタなどを開発・製造してきた老舗企業です。ここ数年の業績を見ると、2023年から2024年までは営業利益がおよそ250億円前後で推移し、営業利益率も10%台前半と安定していました。しかし、2025年3月期には一転して営業利益が約147億円まで減少し、営業利益率も7.0%へと落ち込みました。経常利益や純利益も同様に減少傾向を示しており、事業環境の厳しさがうかがえます。

この減益は、世界的な設備投資の一服や原材料コストの上昇、為替の影響などが要因とみられます。ただし、オークマは財務体質が非常に健全で、ROEは4.2%、ROAは3.2%と低下したものの、自己資本比率の高さや安定的なキャッシュフローが企業の底堅さを支えています。配当も1株あたり100円を維持しており、業績が一時的に悪化しても株主還元姿勢を崩さない点は高く評価できます。

株価指標をみると、2025年の実績PERは高値平均で16.2倍、安値平均で10.8倍、PBRは0.91倍となっており、株価はすでに割安圏に入っている水準と考えられます。つまり、業績が底打ちして再び回復基調に転じれば、株価の上昇余地は十分にある状況です。

総じて、オークマは短期的には減益局面にありますが、工作機械業界全体の回復や円安の恩恵を受けやすい企業です。独自のNC制御装置「OSP」など、他社にはない技術力を持ち、スマートファクトリー分野でも存在感を発揮しています。そのため、短期での値上がりを狙うよりも、中長期的に保有してじっくり利益を狙う「堅実な製造業株」といえるでしょう。配当も安定しているため、長期保有や配当目的の投資に向いている銘柄です。

配当目的とかどうなの?

オークマは、配当目的の投資先としても比較的安定感のある銘柄です。

現在の予想配当は、2026年3月期・2027年3月期ともに1株あたり100円を維持する見込みで、予想配当利回りは約2.84%となっています。製造業としては中位~やや高めの利回り水準で、安定的な配当を出し続けている点が評価できます。

オークマは長年にわたり業績の波はあるものの減配が少なく、景気後退期でも配当を維持してきた実績があります。営業利益やROEが一時的に落ち込んでも、内部留保を厚く積み上げており、財務体質が堅牢なため無理なく配当を支払える体力があります。

一方で、利回り2.8%台は「高配当」とまではいえず、配当金で大きく稼ぐというよりは、安定的に保有しながら中長期的な株価上昇を狙うタイプの銘柄です。製造業の景気循環や円高局面では業績がぶれることもあるため、短期での配当狙いよりも、長期の安定収益+値上がり益を含めたトータルリターンを重視するのが適しています。

まとめると、オークマは配当金が安定しており、利回りも悪くないため、「リスクを抑えた長期の配当・安定運用目的」に向いている銘柄といえます。積極的に高配当を狙う投資家というより、堅実に資産を増やしたい人向けの株です。

今後の値動き予想!!(5年間)

オークマの現在の株価は3,520円です。ここから今後5年間の値動きを考えると、業績や為替の動き、世界的な設備投資動向によってかなり差が出てくると考えられます。

まず、良い場合を想定すると、世界的に製造業の回復が進み、特に自動車や航空機向けの設備投資が再び増加する展開です。オークマは自社開発のNC制御装置「OSP」や自動化ラインの強みを持っており、こうした需要の高まりを確実に取り込める企業です。その場合、営業利益率も再び10%前後まで回復し、ROEも7〜8%台へ戻る可能性があります。こうした業績回復が進めば、投資家の評価も高まりPERが15倍程度まで上昇して、株価は6,000円から6,500円前後まで上昇する展開が考えられます。業績好調期には株価が素直に反応しやすく、長期保有による値上がり益と安定配当の両方を狙える局面です。

次に中間のシナリオでは、業績が大きく回復するわけではないものの、一定の水準で安定する状態を想定します。営業利益率は7〜8%程度、ROEは5%前後で推移し、配当は年間100円を維持。PERも12倍前後で落ち着く可能性が高く、この場合は3,500円から4,000円前後のレンジ内で推移する見通しです。業績は堅調ですが、株価の大幅な上昇余地は限定的で、安定した配当を得ながらゆっくり資産を増やすタイプの投資になります。

一方で悪い場合には、世界景気が減速し、円高や企業の設備投資抑制が続くシナリオが考えられます。この場合、工作機械の受注が減り、営業利益率は6%台、ROEも3%程度に低下。PERが10倍を下回る水準にまで落ち込むと、株価は2,500円前後まで下落するリスクもあります。ただし、オークマは自己資本比率が高く、財務的には安定しているため、無配や経営不安のような事態にはなりにくく、あくまで一時的な調整に留まる可能性が高いです。

総合的に見ると、オークマは景気の波を受けやすい製造業の中でも財務が強く、長期的にみれば配当を受け取りながら安定して保有できる銘柄です。短期で大きな値上がりを狙うよりも、長期で業績回復を待ちながらじっくりと資産を育てるタイプの堅実な株といえるでしょう。

この記事の最終更新日:2025年11月12日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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