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コマツ(6301)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

コマツとは

小松製作所は、1921年に石川県小松市で創業された、日本を代表する総合機械メーカーです。現在の本社は東京都港区海岸一丁目(汐留ビルディング)にあり、代表取締役社長は今吉琢也氏です。資本金は約728億円、従業員数は連結で約6万人を超え、世界中に生産・販売拠点を展開しています。東京証券取引所プライム市場に上場し、日経平均株価の構成銘柄にも採用されています。

同社は一般に「コマツ(KOMATSU)」のブランドで知られ、世界第2位の建設機械メーカーとして、米キャタピラー社に次ぐ規模を誇ります。主力事業は建設機械・鉱山機械の製造販売で、ブルドーザー、油圧ショベル、ホイールローダー、ダンプトラック、フォークリフトなど、あらゆる土木・鉱山・インフラ整備に欠かせない重機を提供しています。とくに鉱山向けの**自動運転ダンプトラックや遠隔操作建機(AHS・SMARTCONSTRUCTION)**など、デジタル技術を融合したスマート建機分野では世界をリードしています。

さらに、建設機械以外にも産業機械事業やユーティリティ機械、リチウムイオン電池関連設備、半導体製造装置向けの精密部品・プレス機械なども手掛けており、幅広い製造分野に技術を提供しています。これにより、景気変動に強い安定的な事業ポートフォリオを構築しています。

グローバル展開にも非常に積極的で、現在では売上の約8割以上を海外が占めるなど、まさに世界規模で事業を展開しています。北米や欧州、中国、インド、インドネシア、南米、オーストラリアなどに現地法人や生産拠点を持ち、建設・鉱山インフラの需要を的確に取り込んでいます。とくに資源開発や都市化が進む新興国での存在感は強く、地域ごとに最適な機種開発やサービス展開を進めています。

また、小松製作所は単なる機械メーカーにとどまらず、**ICT・IoT技術を積極的に導入している“デジタル重機企業”**です。自動運転建機やドローン測量、3Dマッピングを活用した施工管理など、建設現場の効率化を支援する「スマートコンストラクション」を推進しています。こうした取り組みにより、現場の省人化・安全性の向上・CO₂削減を実現し、建設業界全体の生産性革命をリードしています。

財務面でも極めて健全で、自己資本比率は約60%、ROEは9〜11%程度と堅調。安定したキャッシュフローを維持しており、配当・自社株買いを含めた株主還元にも積極的です。景気の波を受けやすい重機業界においても、小松製作所は利益体質の強化と安定経営を両立している企業といえます。

環境・社会・ガバナンス(ESG)にも力を入れており、2030年までにCO₂排出量を50%削減する目標を掲げるほか、再生可能エネルギーや電動建機の開発も進めています。カーボンニュートラルの流れの中で、電動ブルドーザーやハイブリッドショベルなど新しい建機を次々と発表し、持続可能な社会の実現に貢献しています。

総合的に見て、小松製作所は「インフラ整備」「都市開発」「資源開発」「再エネ建設」といった世界的テーマの中心に位置する企業です。安定した経営基盤と技術革新力を持ち、今後も長期的な成長が期待できる日本を代表するグローバル企業の一つです。

コマツ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
◎23.3 3,543,475 490,685 476,434 326,398 345.2 139
◎24.3 3,865,122 607,194 575,663 393,426 416.0 167
◎25.3 4,104,395 657,125 604,838 439,614 473.4 190
◎26.3予 3,800,000 560,000 524,000 366,800 403.0 190

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年3月期 206,474 -169,518 -66,613
2024年3月期 434,778 -204,419 -122,037
2025年3月期 517,167 -210,669 -321,424

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(倍) PBR(倍)
2023年3月期 13.8% 12.8% 6.6%
2024年3月期 15.7% 12.9% 6.9%
2025年3月期 16.0% 13.8% 7.6% 高値平均10.8倍/安値平均7.3倍 1.48倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

小松製作所は、建設機械・鉱山機械の世界的メーカーであり、長期的に見て非常に安定した成長と高い収益力を持つ企業です。直近3年間の数値をもとに総合的に判断すると、堅実な業績拡大と割安な株価水準を兼ね備えた中長期投資向きの優良銘柄といえます。

まず、業績面を見てみると、営業利益は2023年3月期の4,906億円から2025年3月期には6,571億円へと大幅に増加しています。経常利益も4,764億円から6,048億円へと順調に伸び、純利益も3,263億円から4,396億円に拡大。特に2025年の営業利益率は**16.0%**と高水準で、世界景気の波を受けやすい建機業界の中では非常に安定した利益体質を示しています。これは、北米やアジアなどインフラ需要が旺盛な地域での販売拡大に加え、自動運転やデジタル施工といった高付加価値製品の成長が寄与しています。

次に財務指標を見ても、ROE(自己資本利益率)は2023年12.8% → 2025年13.8%、ROA(総資産利益率)は6.6% → 7.6%へ上昇しており、企業の資本効率が着実に改善しています。これらの数字は製造業平均(ROE約8%前後)を大きく上回る水準で、効率的に利益を生み出す体質が確立されているといえます。

株価指標も非常に魅力的です。2025年3月期の実績PERは高値平均10.8倍、安値平均7.3倍と、業績に比して株価が割安な水準にあります。PBRも1.48倍にとどまり、企業価値に対してまだ評価余地がある状況です。一般的に建機業界は景気敏感セクターとされますが、小松製作所は海外売上比率が80%を超え、地域分散・製品分散が進んでいるため、過去のような景気変動リスクが小さくなっています。

また、近年の同社は「スマートコンストラクション」や「電動建機」など次世代分野にも積極的に投資しており、デジタル技術を活用した施工効率化・CO₂削減の取り組みが進んでいます。環境負荷低減や自動化の需要が高まる中で、今後も安定した中長期的成長が期待されます。

総合的に判断すると、小松製作所は利益率・ROE・ROAが着実に向上しつつ、PER・PBRが低位にある「割安で堅実な成長株」です。短期的な世界景気の変動で一時的な調整はあり得ますが、中期的には高水準の利益を維持できる体質を確立しており、長期保有でのリターンが見込める企業です。特に現在のようにPER一桁台で推移している局面は、長期投資家にとっては押し目買いの好機といえるでしょう。

配当目的とかどうなの?

小松製作所は、配当目的の投資として非常に魅力的な銘柄です。現在の予想配当利回りは、2026年3月期・2027年3月期ともに3.61%と、東証プライム市場全体の平均(約2%台)を大きく上回っています。しかも単なる高配当ではなく、「業績に裏打ちされた安定配当」である点がポイントです。

同社は長年にわたり一貫した増配と高い株主還元姿勢を維持しています。2023年の年間配当は139円、2024年は167円、2025年には190円と、着実に増配を続けており、2026年以降も同水準の190円が予想されています。これは一時的な特別配当ではなく、営業利益・キャッシュフローの成長に基づいた「実力配当」であり、減配リスクが非常に小さいのが特徴です。

また、財務面の安全性も抜群で、自己資本比率は60%超、営業キャッシュフローは2025年時点で5,000億円を超えています。つまり、配当を支払いながらも十分な投資資金と余力を確保できる構造です。加えて、小松製作所は自社株買いにも積極的であり、配当と併せた「総還元性向」は40%を超える水準にあります。単なる配当だけでなく、株主全体に利益を返す姿勢が明確に示されています。

業績が好調な時は増配、景気がやや停滞しても減配を避けて配当を維持するなど、非常にバランスの取れた方針をとっており、「安定的なインカムゲイン銘柄」として長期保有に適しています。景気循環株ではありますが、建設機械や鉱山機械のグローバル需要が底堅い今、利益と配当の両立が十分に可能な状態です。

総合的に見て、小松製作所は「高配当×安定成長×堅実経営」という三拍子が揃った企業であり、長期保有して毎年安定した配当を得たい投資家に最適な銘柄です。単年での高配当を狙うよりも、数年単位で保有しながら配当を積み上げていくスタイルが合っています。

つまり、配当目的での投資先としては、安定性・信頼性・継続力すべてに優れた優等生銘柄といえるでしょう。

今後の値動き予想!!(5年間)

小松製作所の現在の株価は5,258円です。ここから今後5年間の値動きを考えると、世界のインフラ投資、資源開発、自動化需要の流れによって大きく3つのパターンが想定されます。

まず、良い場合のシナリオでは、世界的なインフラ整備や鉱山開発が再び活発化し、建設機械や鉱山機械の需要が拡大するケースです。特に、発展途上国での都市化や再生エネルギー関連のプロジェクト、さらには米国・インドなどでの大型公共投資が続くことで、小松製作所の業績が順調に伸びると考えられます。加えて、同社が注力している自動運転建機や電動ブルドーザー、スマートコンストラクションなどの新技術が世界的に普及すれば、利益率の高い分野がさらに拡大し、ROEも15%を超える可能性があります。このような状況では市場からの評価も高まり、PERが上昇して株価は8,000円から10,000円台まで上昇する展開も十分にあり得ます。特に海外売上比率が8割近いグローバル企業であるため、世界景気が堅調に推移する局面では長期的な成長が期待されます。

次に、中間の場合のシナリオでは、世界経済は安定して推移しつつも、建機市場の大幅な拡大は見られないケースです。国内外でインフラ需要は一定程度維持される一方、資材高や為替変動などの影響で利益成長が落ち着く可能性があります。それでも小松製作所は、強固なブランド力と効率的な生産体制を持つため、営業利益率15~16%程度を維持し、安定したキャッシュフローを確保できるとみられます。このような場合、株価は6,000円から7,000円前後で推移し、派手な値上がりはないものの、3%を超える安定配当を受け取りながら、堅実な資産運用を続けることができます。まさに「安定成長型の大型株」として長期保有に向いた展開です。

一方、悪い場合のシナリオでは、世界的な景気減速や資源価格の下落により、建機・鉱山関連の投資が縮小するケースです。特に中国の不動産市場の停滞や新興国の資金調達難が続くと、小松製作所の海外需要に逆風が吹く可能性があります。こうした環境では、営業利益率が13%を割り込み、ROEも10%を下回る懸念があります。さらに円高が進行した場合、為替の影響によって収益が圧迫されることも考えられます。このような状況では株価が4,000円から5,000円台まで下落する可能性があり、短期的な値上がり益を狙うには厳しい展開になります。ただし、小松製作所は自己資本比率60%超、営業キャッシュフロー5,000億円規模という強固な財務基盤を持っており、業績が悪化しても倒産や大幅な減配のリスクはほとんどありません。

総合的に見ると、小松製作所は世界経済の波を受けながらも、長期的な視点で安定配当と緩やかな成長を狙うことができる堅実な大型株です。景気変動による上下はあるものの、基礎体力の強さと株主還元姿勢の高さから、5年間保有しても安心感のある企業といえます。配当を受け取りつつ、景気回復局面での上昇を待つスタイルが最も適した投資戦略となるでしょう。

この記事の最終更新日:2025年11月12日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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