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ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ジーエス・ユアサ コーポレーションとは

GSユアサコーポレーションは、日本を代表するバッテリーメーカーで、特に自動車用鉛蓄電池や産業用蓄電池で圧倒的な存在感を持つ企業です。多くの人が車検やバッテリー交換で一度は見たことのある「GS YUASA」のブランドは、そのまま会社名の通りで、国内外で非常に知名度の高いバッテリーメーカーとして長年信頼されてきました。本社は京都にあり、創業から100年以上の歴史を持つ老舗の電池企業でもあります。

事業領域は非常に幅広く、大きく分けると「自動車バッテリー」「産業用蓄電池」「リチウムイオン電池」「電源システム・インフラ関連」の4つが中心です。まず最も規模が大きいのが自動車用バッテリー事業で、乗用車やトラック向けの鉛蓄電池、二輪車用バッテリーなどを製造・販売しています。自動車向けでは国内トップクラスのシェアを誇っており、海外でもアジア・欧州・北米などに製造拠点を持つグローバル企業です。二輪用バッテリーでは世界トップクラスのメーカーとして知られており、ホンダやヤマハなど大手メーカーにも多数採用されています。

産業用バッテリー事業では、フォークリフトや無停電電源装置(UPS)向け、大型設備向けの蓄電池などを展開しています。工場やデータセンター、インフラ設備などで欠かせないバックアップ電源の分野で強く、企業の設備投資と連動しやすい事業になっています。この領域は不況でも比較的落ちにくく、同社の安定収益を支える柱の一つです。

さらに近年力を入れているのがリチウムイオン電池事業です。ハイブリッド車(HV)向け、電動車(EV)向け、エネルギー貯蔵システム(ESS)向けなど、次世代型の蓄電池を開発しています。トヨタとの合弁会社「プライムアースEVエナジー」でもよく知られており、ハイブリッド車のバッテリー供給では世界的に大きな役割を担っている企業です。カーボンニュートラル時代に向けてバッテリーの需要はさらに伸びる見込みがあり、GSユアサにとって重要な成長領域になっています。

社会インフラ向けの電源システムも手掛けています。例えば、鉄道の電源設備、ビルや工場の非常用電源、通信基地局のバックアップ電源など、社会を支えるインフラの裏側にGSユアサの技術が数多く使われています。電力会社や官公庁、通信キャリアなどにも納入実績があり、安定した需要が続く領域です。

総合すると、GSユアサは「伝統的な鉛蓄電池で安定収益を稼ぎながら、リチウムイオン電池などの次世代エネルギー分野で成長を狙う二刀流」のような企業です。自動車産業の電動化、再生可能エネルギーの普及、エネルギー貯蔵の需要拡大など、今後も追い風となるテーマが多く、長期的な事業成長が期待される会社です。

ジーエス・ユアサ コーポレーション 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株配当(円)
23.3 517,735 31,500 24,213 13,925 173.1 50
24.3 562,897 41,595 43,981 32,064 369.7 70
25.3 580,340 50,028 46,345 30,416 303.3 75
26.3予 615,000 53,000 51,000 34,000 339.0 80

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 28,330 -26,567 8,826
2024 63,180 -46,192 3,480
2025 39,296 -58,824 14,235

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 6.0% 6.0% 2.5%
2024 7.3% 9.7% 4.8%
2025 8.6% 8.7% 4.3% PER高値 11.6倍
PER安値 7.7倍
1.08倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

GSユアサの直近の数字をあらためて眺めると、派手さはないものの「じわじわ業績を伸ばしてきている堅実な企業」という印象が強いです。まず売上を見ると、この3年間はしっかり右肩上がりで、電池メーカーとしては安定した成長を続けています。急激に伸びるような業態ではありませんが、自動車用バッテリーや産業用蓄電池といった基盤の強い事業が支えているため、崩れづらい強さがあります。

利益面も良好で、営業利益は毎年ちゃんと増えており、営業利益率も6% → 7.3% → 8.6%と着実に改善しています。重厚長大産業に分類されがちな電池メーカーで、この利益率の伸びは素直に評価できます。大きな一発に頼るビジネスではなく、既存の主力事業がしっかり利益を積み上げていることが数字から読み取れます。

ROEやROAも改善傾向がはっきり出ていて、ROEは6% → 9.7% → 8.7%、ROAも2.5% → 4.8% → 4.3%と、資本効率はきれいに良くなっています。ROEが10%付近まで来ているので「効率の悪い会社」という印象はなく、むしろ安定した成熟企業としては十分合格点です。

バリュエーションを見ると、これも堅実。2025年のPERが高値平均11.6倍、安値平均7.7倍、PBRが1.08倍と、割高感はまったくありません。むしろこの業績トレンドからすると「まだ市場に過度に買われていないバリュー寄りの良質株」という位置づけになります。成長株のようなプレミアムは乗っておらず、数字のわりには落ち着いた評価です。

キャッシュフローも健全で、営業CFは常にプラスを維持しており、本業でしっかりお金を稼ぎながら設備投資を行っている姿が見えます。財務CFも過度な借入に依存しているわけではなく、財務バランスは良好です。「無理して成長しようとしている会社」ではなく、「必要な投資をしながら堅実に成長する会社」という色合いが濃いです。

総合してみると、GSユアサは一言で言えば“地味だけど着実に良くなっている、堅実な中長期向け銘柄”です。派手な成長ストーリーを描くタイプではありませんが、数字の中身を見ると安定感があり、市場評価もまだ落ち着いているため、割高感もなく買いやすい位置にあるといえます。

電動化・蓄電池需要の増加という大きなテーマの中で、堅実に稼げている会社を長期目線で持ちたい人には、十分魅力のある銘柄です。

配当目的とかどうなの?

GSユアサを配当目的で考えると、「利回りはそこそこ、安定感はしっかり」というバランス型の銘柄になります。予想配当利回りは2.08%と、特別高い数字ではありませんが、いわゆる高配当株の仲間入りをするギリギリのラインに近い水準です。配当だけを目当てに買うほどの利回りではないものの、“安定企業からそこそこの利回りを受け取りたい” という人にはちょうどいい立ち位置にあります。

GSユアサの配当の良いところは、配当金そのものが比較的しっかり伸びてきている点です。50円 → 70円 → 75円 → 80円(予想)と、ここ数年で増配が続いており、企業側が株主還元に前向きであることが分かります。利益が着実に増えているので、無理な増配ではなく、会社の成長に合わせて自然に増やしているタイプです。この“無理のない増配”は長期投資において非常に重要です。

業績を見ると、売上も利益も順調に伸びていて、営業利益率やROEも改善傾向が続いています。営業利益率は6% → 7.3% → 8.6%と右肩上がりで、ROEも6% → 9.7% → 8.7%と十分に合格点を超えるレベルです。配当を継続的に支払うための体力が会社側にあるかどうかは非常に大事ですが、GSユアサは本業のキャッシュフローもしっかり出ているため、その点でも安心感があります。

そして、バリュエーションも安定しています。PERは7.7〜11.6倍、PBRも1.08倍と、過度に割高でもなく、むしろ堅実な業績に対して落ち着いた評価です。配当を当てにしつつ長期で保有する上で、「割高で買ってしまうリスク」が小さいのは非常に大きなメリットです。

ただし、注意点としては「高配当株ほどのインパクトはない」という点。利回り2.08%は悪くありませんが、3%以上の高配当株を狙っている投資家からするともの足りない可能性があります。また、電池事業は原材料市況や為替の影響を受けやすいため、短期的には業績が上下しやすい面もあります。

それでも総合的に見れば、GSユアサは“安定した業績+無理のない増配+ほどよい利回り”という、バランスの良い銘柄です。ガッツリ配当を取りにいくというより、「堅実な企業から毎年そこそこの配当を受け取りたい」という中長期投資家には向いています。

完全な高配当株とは言いませんが、配当目的のポートフォリオに組み込むには十分優秀な候補です。

今後の値動き予想!!(5年間)

GSユアサの株価が今3,836円というところから、この先5年の動きを考えていくと、やはりこの会社らしい「派手さはないけれど安定感のある値動き」になりそうだなという印象が強いです。業績自体はここ数年しっかり伸びていて、営業利益率もROEも着実に改善しているので、大きく崩れる未来はあまり想像しづらい会社です。ただ一方で、電池メーカーという性質上、原材料価格や自動車市場の動きに左右される部分がどうしてもあるため、急成長して何倍にも跳ねるような銘柄でもありません。そういった企業のカラーを踏まえると、5年間の株価も「強いときはしっかり伸び、普通のときは横ばい、悪いときはそこそこ下がる」という、比較的わかりやすい動きになりやすいタイプです。

良い場合だと、EVや蓄電池需要がそのまま順調に広がって業績も利益率もさらに改善し、PERが10倍台前半ぐらいまで見直されるような展開になると、株価は5,500〜6,300円くらいまで上がるイメージです。GSユアサは派手なテーマ株ではありませんが、需要の底堅さそのものは世界的に強いので、「堅実な成長株」として評価され始めると伸びやすい展開は十分あります。

中間のシナリオはもっと現実的で、業績は伸びたり横ばいだったりを繰り返しながら、利益率は今くらいの8〜9%台を維持するパターンです。株価的には4,200〜5,000円の範囲に落ち着くイメージで、年間で見ると上がったり下がったりしながらも、長期的にはじわじわ上に向かっていくような「安定株らしい動き」になると思います。大きなジャンプはありませんが、堅実に配当も出してくれるので、持っていて精神的にラクなタイプの銘柄です。

逆に悪い場合は、原材料の高騰が続いたり、EV市場の成長が鈍化したり、競争激化で利益率が下がるパターンです。この場合はPERも低く見積もられやすく、株価は2,600〜3,200円あたりまで下がる可能性があります。ただGSユアサは財務も強く、事業基盤もしっかりしているので「一度下がったら戻らない」ような会社ではありません。下がってもその後ゆっくり戻していくタイプで、長期的に破綻的なリスクは低めです。

まとめると、GSユアサは短期でボラティリティを狙う銘柄というより、長期でゆっくり育てていくのに向いている企業です。5年後の現実的な株価レンジは4,200〜5,000円あたり、良ければ6,000円台、悪くても2,600〜3,200円あたりで収まりやすいでしょう。今の堅実な業績とバリュエーションを考えれば、長く持ちながら配当ももらえれば、それなりに満足度の高い投資になるタイプだと思います。

この記事の最終更新日:2025年11月15日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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