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ベイカレント(6532)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ベイカレントとは

ベイカレント・コンサルティングは、日本発の総合コンサルティングファームとして急速に成長を続けている企業です。一般的にコンサルティング業界といえば外資系ファームが強いという印象がありますが、ベイカレントは国内企業を中心とした幅広い顧客基盤を持っており、戦略・業務改革・IT・DX(デジタルトランスフォーメーション)などをワンストップで提供できる点が大きな強みです。2014年に設立された比較的新しい企業でありながら、わずか数年で東証プライムに上場し、売上・利益ともに業界内でも屈指の成長スピードを誇っています。

本社は東京・麻布台に拠点を構え、ビジネス街の中心地で活動。社員は多様なバックグラウンドを持ち、外資系ファーム出身者、IT企業出身者、データサイエンティストなど、各分野の専門家が多数在籍しています。顧客企業の課題に対して「戦略から現場実行まで」を一貫して支援する体制を持っており、単なる助言型コンサルではなく、プロジェクト伴走型のスタイルが特徴です。

事業内容は大きく4つの領域に分かれています。

1つ目は ストラテジー領域(経営戦略コンサルティング)。企業の中期経営計画の策定、新規事業戦略、M&A、グローバル展開、マーケティング戦略など、経営層の意思決定を支える最上流コンサルティングを担います。特に近年は日本企業の海外展開支援に力を入れており、海外拠点の最適化や現地戦略の策定など、グローバル案件も増えています。

2つ目は デジタル領域(DX・テクノロジー支援)。企業のDX推進を支援するサービスで、AI・IoTの導入、クラウド移行、データ分析基盤の構築、デジタルマーケティング強化などを行っています。日本企業のDX需要が高まり続けている中で、ベイカレントはIT戦略から現場のシステム導入、さらに運用まで一貫してサポートできる体制を整えており、顧客からの信頼が厚い領域です。

3つ目は オペレーション領域(業務改革・改善コンサル)。サプライチェーン改善、コスト削減、バックオフィス効率化、ガバナンス強化など、企業活動の基盤となる業務領域の改善を支援します。特に大企業は複雑な業務構造を抱えているため、こうした領域の改善ニーズは高く、ベイカレントの安定した売上基盤となっています。

4つ目は テクノロジー領域(IT戦略・システム開発)。ITアーキテクチャ設計、プロジェクト管理(PMO)、ITガバナンス、人材育成、システム開発支援まで幅広くカバー。単なるアドバイザリーに留まらず、システム開発の現場にも深く入り込み、実行支援まで行う点が特徴です。

さらに近年では サステナビリティ領域やインフラ分野 も強化しており、エネルギー、通信、公共インフラなどの社会基盤領域での支援案件も増えています。ESGやカーボンニュートラルの対応は企業に必須となりつつあり、ベイカレントもこうした潮流に合わせてサービス提供を拡大しています。

他のコンサルファームと比較して特徴的なのは「幅広い業界に対応できる総合力」と「高い利益率」。外資系ファームのように特定領域に偏らず、戦略から実行まで全体を見られるため、企業との長期的な関係構築がしやすく、リピート案件が多いのが強みです。また、生産性の高い働き方やプロジェクトの効率的な設計により、高収益体質を確立している点も評価されています。

総合すると、ベイカレントは「戦略 × DX × 実行力」を兼ね備えた国内屈指の総合コンサルティングファームであり、企業変革ニーズの拡大とともに長期的に成長が期待される企業です。

ベイカレント 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株配当(円)
23.2* 76,090 29,916 29,875 21,910 143.0 37
24.2 93,909 34,219 34,160 25,382 166.0 43
25.2 116,056 42,615 42,546 30,760 202.2 62
26.2予 143,000 51,000 50,900 37,300 245.6 100

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 21,635 -2,256 -8,829
2024 24,348 -3,754 -11,422
2025 32,648 -3,532 -14,342

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(倍) PBR(倍)
2023 39.3% 38.2% 29.1%
2024 36.4% 34.2% 25.4%
2025 36.7% 32.5% 24.6% 実績PER 高値平均:37.3倍
実績PER 安値平均:17.8倍
実績PBR:10.13倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ベイカレントの業績・指標を総合的に見ていくと、まず最初に目につくのは圧倒的な利益率の高さです。営業利益率は2023年が39.3%、2024年が36.4%、2025年でも36.7%と、コンサル業界どころか日本企業全体を見渡してもトップクラスの高収益体質となっています。普通の企業で営業利益率が10%を超えれば優良企業とされますが、その水準を遥かに超えて30%台後半を維持している点は他社にない強烈な強みです。これは同社のビジネスモデルが「戦略から実行まで一気通貫」「高単価のコンサル案件」「人材採用の質の高さ」によって構築されているためで、労働集約型と思われがちなコンサル業でありながら、驚異の利益率を叩き出しています。

ROE・ROAも非常に高く、2023年のROE38.2%、2024年34.2%、2025年32.5%と驚異的な水準です。一般的にROE10%を超えれば優良企業と言われますが、ベイカレントはその3倍以上。資産効率も非常に高く、ROAも24〜29%とこちらも圧倒的です。つまり、同社は“超高収益企業”でありながら、資産も効率良く回転させている稀有な企業です。

PERを見ても、2025年の高値平均で37.3倍、安値平均で17.8倍と、評価の振れ幅はあるものの、業績の高さに対して市場もプレミアムを付ける傾向が続いています。PBR10.13倍という数字は、日本株としては極めて高く、市場がベイカレントの将来成長性を強く評価している証拠です。一般にPBRが10倍を超える企業は、圧倒的成長企業か、ブランド価値の非常に高い企業に限られます。その意味でもベイカレントは“成長株として強い期待を受ける企業”であることが分かります。

経常利益・純利益の推移を見ると、毎年しっかり増加しており、23.2期の純利益21,910百万円から24.2期25,382百万円、25.2期30,760百万円と非常に安定した増益を続けています。コンサル会社は景気に左右されやすいと思われがちですが、ベイカレントは既に多くの大企業と深い関係性を築いており、新規案件だけでなくリピート案件が大量にある点が強みになっています。この“安定性+成長性”の組み合わせが、超高収益につながっていると言えます。

総合すると、ベイカレントは「高成長 × 高収益 × 高評価」の三拍子が揃った、極めて質の高い企業です。コンサル業界の拡大、DX需要の拡大、IT投資の増加など、追い風要因が複数あるため、今後も成長が期待できます。もちろん株価は高いPER・PBRを許容しているため割安とは言えませんが、それだけ市場が将来の成長力を織り込んでいるということでもあります。

結論として、ベイカレントは短期的な値動きに左右されるタイプではなく、中長期の成長を狙って保有するのに適した銘柄と言えます。優れた収益性・成長継続・市場期待の高さから、長期投資向きの盤石な成長株という評価が妥当です。

配当目的とかどうなの?

ベイカレントを“配当目的”で考えたとき、率直に言うと「配当だけで買う銘柄ではない」という評価になります。予想配当利回りは26.2期で1.44%、27.2期で1.69%と、決して悪くはないものの、高配当株として分類される水準ではありません。むしろ、同社の本質は「配当で魅せる企業」というより、「圧倒的な成長力と超高収益を武器に株価成長を狙う企業」です。

とはいえ、配当が弱いかというとそうではありません。ベイカレントは利益を着実に伸ばしており、EPSが毎年のように増加しているため、配当も順当に増加してきました。今期予想では配当がついに100円に到達し、実際に株主還元姿勢は年々強まっています。今後も利益成長が続けば増配の余地は十分にあります。

ただし、この企業に投資するメイン目的はあくまで「成長」。営業利益率36~39%、ROE30%超という異次元の高収益企業で、コンサル業界の中でも圧倒的な利益構造を持っています。そのため、市場はベイカレントを配当株としてではなく“成長株”として評価しており、PBRも10倍以上と、明らかに成長期待込みで買われている銘柄です。

配当利回りだけを見ると1~2%台で魅力は薄いですが、“これからさらに業績を伸ばして長期的に増配していく企業”という見方をすると、配当面でも長期保有のメリットがあります。特に利益成長に連動して配当も増える企業のため、5年・10年先を見据えた長期投資家には相性が良い銘柄とも言えます。

総合すると、ベイカレントは「配当を主目的に買う銘柄ではなく、成長と株価上昇を狙いながら、ついでに配当も受け取れるタイプの企業」です。配当は“おまけ”で、本丸は今後続くであろう利益成長と株価成長。その意味で、キャピタルゲイン重視の投資家には非常に向いていると言えます。

今後の値動き予想!!(5年間)

ベイカレントの現在の価格(6,910円)から今後5年間の株価を考えるうえでポイントになるのは、同社が持つ“圧倒的な収益力”と“すでに高い評価を受けている成長株である点”の両面です。営業利益率は毎年30%台後半、ROEも30%を超えており、日本企業の中でもトップクラスの高収益体質ですが、その一方でPERやPBRがかなり高水準で推移しているため、成長への期待が続くかどうかで株価の振れ幅が大きくなりやすいという特徴があります。ここでは「良い場合」「中間」「悪い場合」の3パターンで5年後の株価イメージをまとめていきます。

まず良い場合ですが、DXやAI関連の投資が今後も企業で継続し、ベイカレントが既存の大企業案件を維持しつつ、新規案件も順調に増えていくような展開です。営業利益率は引き続き35%以上を維持し、ROEも30%前後をキープする強い成長モードが続けば、PER30倍以上の高い評価がそのまま継続する可能性があります。このシナリオでは現在の6,910円から2倍以上に伸びる可能性があり、5年後には12,000〜15,000円程度まで上昇することも十分に見込めます。成長株特有の強い上昇トレンドが続くイメージです。

次に最も現実的なのが中間シナリオです。企業の投資は堅調ながら飛び抜けた伸びにはならず、営業利益率は33〜36%程度で安定、PERも20〜25倍あたりで落ち着くパターンです。高収益は維持しつつも成長ペースがやや緩やかになり、株価も時間をかけてじわじわと上昇していく展開となります。この場合、現在値6,910円から1.2〜1.5倍程度の上昇が期待でき、5年後には8,500〜10,500円あたりが妥当なラインになります。

最後に悪い場合ですが、景気後退やIT投資の減速によってコンサル案件が減り、営業利益率が30%を割り込むような状況が続くケースです。ベイカレントの株価は成長期待による部分が大きいため、成長シナリオが崩れるとPERも15倍前後に下がり、株価が伸び悩む可能性があります。この場合は現在値よりやや下がる程度で、5年後には5,000〜6,500円と、横ばい〜緩やかな下落の範囲に収まる可能性が高いです。

総合すると、ベイカレントは“高収益 × 高成長 × 高評価”の三拍子揃った企業であり、長期で見ると上方向の可能性が大きい銘柄です。ただし評価が高い分、成長が鈍化すると株価がブレやすい点も特徴。長期保有を前提にしつつ、調整局面で拾うスタイルが相性の良い企業だと言えます。

この記事の最終更新日:2025年11月15日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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