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ソニーグループ(6758)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ソニーグループとは

ソニーグループ株式会社は、日本を代表する総合エンタテインメント&テクノロジー企業であり、世界中で多彩な事業を展開しているコングロマリットです。1955年に設立され、現在は東京都港区港南1丁目に本社を構え、連結従業員数は約11万人を超える巨大企業へと成長しています。ソニーの特徴は、とにかく事業領域が広く、しかもどの分野でも世界的なブランド力を持っている点です。

事業セグメントは大きく「ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)」「音楽」「映画」「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(テレビ、カメラ、オーディオなど)」「イメージング&センシング・ソリューション(半導体・イメージセンサー)」「金融(ソニーフィナンシャル)」などに分かれています。家庭用ゲーム機「PlayStation」シリーズは世界的に圧倒的な人気を誇り、関連するオンラインサービス、ゲームソフト販売、サブスク型のPS Plusなども非常に高収益です。音楽事業では、ソニー・ミュージックを中心に国内外のアーティストや楽曲を幅広く扱い、サブスクの拡大で稼ぐ体制も整っています。映画事業ではソニー・ピクチャーズとして世界中で劇場映画・TV番組制作・配給を行い、「スパイダーマン」シリーズなどのビッグIPも保有しています。

エレクトロニクス製品ではテレビ「BRAVIA」やカメラ「αシリーズ」、オーディオ機器など、ハードウェアとしてのブランド力も非常に高いです。そして近年特に強さを発揮しているのが「イメージセンサー(CMOSセンサー)」分野で、スマホ向けカメラセンサーでは世界トップシェアを誇ります。AppleのiPhoneをはじめ、世界中のスマホメーカーにソニー製のセンサーが採用されており、ここが大きな稼ぎ頭の一つになっています。加えて金融事業(生命保険・損保・銀行など)も安定収益を生み出す柱となっており、「エンタメ・デバイス・金融」の三本柱を持つ非常にバランスの良い企業体です。

経営方針としては、“クリエイティブとテクノロジーを融合させる”というビジョンを掲げ、IP(知的財産)の創出と活用、デバイス技術の強化、ネットワークサービスの拡大を重視しています。また、グローバルでの市場展開を積極的に行い、日本、北米、欧州、中国、アジアなど広範囲で生産・販売・研究開発を展開しています。さらにESG・サステナビリティ領域にも注力しており、環境負荷の削減や社会貢献、企業統治の強化なども経営戦略の一環として推進しています。

ソニーは歴史的に何度も危機と再生を経験している企業ですが、そのたびに事業構造を変え、生き残り、むしろ大きく成長してきている点が特徴的です。「家電メーカー」という単純な枠を超えて、今では“世界最大級の総合エンタメ企業”という立ち位置に完全に変革しており、特にゲーム・音楽・映画の3分野での強さは群を抜いています。ハードウェア、コンテンツ、サービスを一体で展開できる企業は世界的にも稀で、ソニーの競争力を支える大きな武器となっています。

ソニーグループ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
2023.3 11,539,837 1,208,206 1,180,313 937,126 151.7 15
2024.3 13,020,768 1,208,831 1,268,662 970,573 157.7 17
2025.3 12,957,064 1,407,163 1,473,726 1,141,600 188.7 20
2026.3 予 11,700,000 1,330,000 1,350,000 970,000 161.8 25

キャッシュフロー

決算期 営業CF 投資CF 財務CF
2023 314,691 -1,052,664 84,300
2024 1,373,213 -818,886 -210,709
2025 2,321,675 -930,120 -298,243

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 10.4% 12.9% 2.9%
2024 9.2% 12.7% 2.8%
2025 10.8% 13.9% 3.2% 高値平均 18.8倍
安値平均 12.8倍
3.79倍

投資判断

ソニーグループの直近3年の数字を見ると、売上は11兆5千億円 → 13兆円 → 12兆9千億円と非常に高水準で推移しており、規模としては日本でもトップクラスの巨大企業です。営業利益も常に1兆円前後を維持しており、利益体質の強さが際立っています。純利益も9,000億円~1兆1,400億円と安定しており、企業としての収益基盤は極めて盤石だと言えます。

営業利益率は 10.4% → 9.2% → 10.8% と推移しており、利益率はやや上下はあるものの二桁前後を維持しているので、一般的なメーカーと比べても高収益の部類に入ります。ROEも12〜14%台を維持しており、株主資本をしっかり回して利益を生み出せている優良指標です。ROAも2.9〜3.2%前後で推移しており、総資産の重い大企業としては標準以上に良い数字です。

株価指標としては、提示された2025年の実績PERが高値平均18.8倍、安値平均12.8倍となっていて、PBRが3.79倍。これは「成長を織り込んだ大型株」として市場が評価していることを示しています。割安株というより、ブランド力と収益の安定性を評価されて“ある程度高く買われている”タイプの銘柄です。

今のソニーはエンタメ、金融、ゲーム、映画、音楽、半導体センサーまで収益源が多く、多角化によって景気に左右されにくいビジネス構造を作れている。営業利益が1兆円超で安定している企業は日本にほぼいないため、投資対象としての強さは際立っています。利益率が高く、ROE・ROAも良いので、財務の観点から見ても総合的に優秀です。

その一方で、PERとPBRが低くはないため、明確な成長ストーリーが失速した場合は株価の調整が入りやすいという点は注意が必要。割安狙いの投資家にとってはやや高めに見えるが、長期で安定した利益を出し続ける大型株を好むタイプには向いている。

総合すると、ソニーは“大崩れしにくい優秀な大型銘柄で、長期的な成長性も見込めるが、今の評価が既に高いため割安感は薄い”という位置付けになる。利益率もROEも優秀なので、短期よりも中長期で持つ方が強みが生きるタイプの株と言える。

配当目的とかどうなの?

ソニーグループの予想配当利回りは、26.3期で0.52%、27.3期で0.53%と、利回り面ではかなり低い水準に位置しています。もともとソニーは高配当を売りにするタイプの企業ではなく、配当よりも事業投資や研究開発、新規領域の育成に資金を回す経営スタイルが基本となっているため、利回りだけを見ると「配当目的には合わない銘柄」という評価になります。

特にソニーはエンタメ、ゲーム、イメセンサー、映画、音楽など多岐にわたる巨大事業を抱えており、それぞれで大型投資が必要となるケースが多い企業です。成長領域への先行投資を優先する姿勢が強く、結果として配当よりも企業価値の向上や将来の収益力強化に重心を置く方針が続いています。このため、安定的な高配当を期待する投資家にとっては物足りない水準であり、インカムゲインではなくキャピタルゲイン狙いの投資家向けの性質が強いと言えます。

もちろん、ソニーは世界的ブランド力や構造的に強い事業ポートフォリオによって長期的成長が期待される企業ではありますが、「配当で稼ぐ」という目的だけで見ると魅力が高いとは言えません。利回りが1%にも届かない状況では、配当収入を重視したポートフォリオに組み込む意義は限定的で、むしろ株価成長を期待する成長投資家向けの銘柄と考えた方が自然です。

結論として、今後もソニー株は「配当を目的として保有する銘柄ではない」というスタンスが基本になります。配当収入を主体とする投資家なら、利回り3〜4%台のセクターや高配当ETFの方が適しています。一方で、ソニーを保有する意義は、中長期の企業価値向上や革新的事業の成長に乗ることにあるため、キャピタルゲイン狙いなら十分検討の価値があるという位置づけになります。

今後の値動き予想!!(5年間)

ソニーグループの今の株価は4,700円前後で、PERはおよそ13〜19倍のレンジ、PBRは3倍台後半という、世界的なエンタメ&テック企業としては“やや割高寄りだが妥当”という評価になっている。ゲーム(PS)、音楽、映画、イメージセンサー、金融といった複数の収益源を持つため、業績の安定度は非常に高い。一方で、成長スピードは以前ほど爆発的ではなく、徐々に成熟しつつある印象も否めない。この前提に基づき、5年間の株価シナリオを3パターンで整理すると次のようになる。

まず良い場合のシナリオでは、PS5世代の後半戦が好調に推移し、映画・音楽部門が世界的ヒットを連発し、CMOSイメージセンサー事業もスマホだけでなく車載・ロボティクス用途で大きく伸びるという状況が重なれば、業績は再び上向き、株価は5年間で6,500〜8,000円程度が見えてくる。PBRが4〜5倍まで評価を広げ、ROEが安定して14〜16%前後まで伸びるようなパターンだ。ソニーの強みである“複数事業の総合力”がフルに発揮されたときの姿で、これは十分にあり得るシナリオ。

中間の現実的なシナリオでは、ゲーム・音楽・映画は順調だが突出した伸びはなく、イメージセンサーも堅調に推移しつつ成長速度は限定的という、落ち着いた展開になる。この場合、株価は5年間で5,000〜5,800円程度のレンジが自然で、現在の株価に対してそこまで大きな上昇は望みづらい。ただし下値も固く、業績が極端に悪化しづらい企業体質であることから、長期の安定性という意味では安心感がある。PBRは3〜4倍で推移し、PERも現在のレンジを維持する可能性が高い。

悪い場合のシナリオでは、ゲーム事業の低迷(ハードの販売鈍化やソフト不足)、映画・音楽の不振、イメージセンサー市場の競争激化などが同時に起き、金融事業も金利環境の変化で利益が伸び悩む…という複合的な逆風を想定する。この場合、5年間で株価は3,200〜4,000円程度に落ち込む可能性がある。ソニーは多角化しているため“倒れない”が、“収益の伸び悩み”には比較的脆い面もあるため、評価指標が縮小してPBRが2.5〜3倍、PERが10倍台前半まで圧縮されるという動きは十分起こり得る。

まとめると、ソニーの5年先株価は上にも下にも大きく振れる可能性はあるが、企業としての総合力が高いため、極端な崩れ方をするリスクは小さい。良いときは伸び、悪いときは縮むが“沈まない船”というタイプで、長期で持つなら比較的安心感のある銘柄と言える。ただし高配当株ではなく、値上がり益を狙うタイプである点は変わらない。

この記事の最終更新日:2025年11月16日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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