株価
横浜フィナンシャルグループとは

横浜フィナンシャルグループは、神奈川県横浜市を本拠とする日本最大級の地域金融グループであり、首都圏を中心とした広大な顧客基盤を持つことで知られている。中核企業である横浜銀行は1920年創立という長い歴史を持ち、神奈川県や横浜市の地域経済の発展とともに成長してきた地銀の代表格である。2016年には東日本銀行と経営統合し、持株会社として再編された金融グループは、現在「横浜フィナンシャルグループ」として地域を代表する金融プラットフォームを形成している。
同グループの最大の強みは、「首都圏」という日本最大の人口・企業集積地を主要マーケットとしていることだ。神奈川・東京・埼玉・千葉に広がる店舗網を持ち、個人・法人の双方で非常に幅広い顧客基盤を形成している。企業向け金融では中小企業から大企業まで幅広い業界に融資を行い、特に地元中小企業のメインバンクとして長年信頼を得てきた。設備投資の支援、創業支援、事業承継、M&Aなど、地域に密着した高度な金融サービスも提供している。
個人向け分野では、住宅ローンの首都圏トップクラスのシェアを持ち、安定した収益源となっている。預金、投資信託、保険などの資産形成ビジネスにも注力しており、NISA・iDeCoなど投資ニーズ拡大に合わせてサービスの拡充を続けている。金融アプリやオンラインバンキングの利便性向上にも積極的で、デジタルと対面を組み合わせたハイブリッド型サービスで顧客満足度の向上を目指している。
さらに、金融マーケット業務では国債・社債などの運用、為替取引、リスク管理などを行い、グループ全体の安定収益に貢献している。財務基盤は地域金融機関の中でも屈指の強さを誇り、自己資本比率も高く、安定した運営が評価されている。
地域貢献にも積極的で、自治体と連携した観光支援や地域活性化プロジェクト、地元企業とのパートナーシップ、スタートアップ支援など、地域経済を支える役割を幅広く担っている。単なる銀行ではなく、「地域の総合金融プラットフォーム」としての位置づけを強めている点が特徴だ。
総じて横浜フィナンシャルグループは、地域密着型でありながら都市銀行並みの規模と安定性を併せ持ち、首都圏の巨大市場を背景に今後も安定成長が期待される日本屈指の地域金融グループである。
横浜フィナンシャルグループ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 経常収益(百万円) | 業務純益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025/3 | 399,103 | 125,652 | 122,764 | 82,805 | 71.6 | 29 |
| 2026/3(予) | 436,000 | 146,000 | 145,000 | 95,500 | 83.7 | 34 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023/3 | 965,540 | -148,046 | -56,934 |
| 2024/3 | -2,217,487 | 37,479 | -51,025 |
| 2025/3 | 376,257 | 21,589 | -70,611 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(実績) | PBR(実績) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023/3 | ― | 4.8% | 0.2% | ― | ― |
| 2024/3 | ― | 5.2% | 0.2% | ― | ― |
| 2025/3 | ― | 6.4% | 0.3% | 高値平均:13.9倍 安値平均:9.0倍 |
1.01倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
横浜フィナンシャルグループは、直近の業績推移を見ると、銀行としての安定した収益基盤に加えて、着実に利益が積み上がっている堅実な金融グループである。純利益は2025年3月期に828億円、2026年3月期の予想では955億円と増加が続いており、地銀の中でも利益成長が安定している点が際立つ。実質的な本業利益である業務純益(1256億円→1460億円)は確実に増加しており、本業が順調に強くなっていることが読み取れる。
収益性指標の改善も評価できるポイントだ。ROEは2023年の4.8%から2024年は5.2%、2025年には6.4%まで上昇しており、銀行としては良好な水準に近づいている。特に地銀はROEが5〜7%程度なら「安定して稼いでいる」グループに分類されるため、7186はちょうどそのゾーンに位置している。ROAも0.2%から0.3%へと改善しており、巨大な総資産を抱える銀行としては標準的かつ健全な収益性を示している。
株価指標もバリュー(割安)寄りで安定している。2025年度の実績PERは高値平均で13.9倍、安値平均は9.0倍となっており、銀行株として妥当な水準での取引が継続している。銀行株は一般的にPER8〜12倍が適正レンジとされることから、安値側の9倍前後は素直に「割安ゾーン」、高値側の13倍台は「やや評価され始めているゾーン」といえる。PBRは1.01倍と純資産とほぼ同水準で、過度な期待も悲観も織り込まれていない落ち着いた評価となっている。
総合的に見ると、横浜フィナンシャルグループは「高成長を狙う銘柄」ではないものの、「安定成長型のバリュー金融株」として非常に扱いやすい位置にいる。利益がじわじわ伸びており、ROEとROAも改善しているため、中期で見れば堅実に企業価値を上げていくタイプの銘柄となる。特に、PBRがほぼ1倍である点は、地銀株への投資でよく重視される“適正価格ライン”であり、下値が限定的になりやすい特徴がある。
一方で急激な値上がりを期待する銘柄ではなく、金融緩和や貸出需要の変動、金利動向には多少影響を受けやすい。しかし利益が伸びており財務的にも安定しているため、ポートフォリオに“安定枠”として組み込むには向いている。結論として、7186は高配当狙いというよりも「値下がりしにくい安定バリュー株」として長期保有に適した堅実銘柄と言える。
配当目的とかどうなの?
横浜フィナンシャルグループを配当目的で考える場合、結論としては「かなり相性の良い安定配当銘柄」と言える。予想配当利回りは2026年3月期で2.76%、2027年3月期で2.84%と、地銀株の中でも標準よりやや高めの利回り水準に位置しており、東証プライムの平均利回り(約2%前後)をしっかり上回っている。急激に株価が上がりやすい銘柄ではないため、長期保有で安定した配当を受け取りたい投資家には向いている。
横浜フィナンシャルグループは首都圏を地盤とする最大級の地域金融グループで、利益も安定して伸びている。純利益は2025年3月期の828億円から、2026年3月期には955億円の予想となっており、地銀としては珍しく「安定+成長」の両方が見込める状況だ。利益がしっかり積み上がっているため、配当を継続できる体力も十分あり、今後の増配余地も大きい。
また、株価指標も配当投資と相性が良い。PBRは1.01倍と、ほぼ純資産と同水準で評価されており、株価が大きく割高でも割安でもない自然体の水準にある。PBRが1倍に近い銀行株は値下がりリスクが比較的限定されやすく、配当利回りを安定して確保しやすい。PERも高値帯で13倍台、安値では9倍台と素直な評価で、過熱感がないぶん配当利回りが維持されやすい。
もちろん、銀行株である以上、金利政策や景気変動には影響を受けるが、横浜フィナンシャルグループは首都圏という巨大で安定したマーケットを背景にしているため、他の地銀に比べて業績のブレは小さくリスクも抑えられている。貸倒れリスクや金融政策の影響は避けられないものの、長期目線では十分に許容できる範囲といえる。
総合すると、横浜フィナンシャルグループは「爆発的に増える配当ではないが、長期で安定した配当を受け取るには極めて相性が良い銘柄」だと言える。利回り2.7〜2.8%台という控えめな水準ながら、安定成長と増配期待、首都圏の強い顧客基盤という点を踏まえると、配当目的の地銀投資としてはバランスの取れた優良株と言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
横浜フィナンシャルグループの現在値1,228.5円から今後5年間の株価推移を考えます。
まず「良い場合」では、首都圏の旺盛な融資需要と金利環境の改善が追い風となり、業務純益・純利益ともに着実に伸びていくシナリオが想定される。純利益は2026年にかけて955億円まで拡大する予想になっており、これがさらに上振れし、ROEが7%台へ乗せるような展開になれば、市場は銀行株に対してPER12〜14倍程度の評価を与える可能性がある。その場合、株価は 1,500〜1,750円程度 まで上昇する余地があり、中期的に2割〜4割ほどの上昇も十分に狙えるレンジとなる。
「中間の場合」は、現在と同じく利益がじわじわと増加し、増配も少しずつ進む一方で、金利環境や融資需要が大きく変動しない安定シナリオである。この場合、PERは安値〜平均の9〜11倍付近で推移し、株価は 1,250〜1,400円程度 の範囲に収まりやすい。現在値1,228.5円から少し上向きではあるが、急激な値上がりではなく、安定した堅調さを維持するイメージである。横浜フィナンシャルグループの事業構造的に最も現実的な推移といえる。
「悪い場合」は、金利低下や景気後退などの影響で貸出利益が縮小し、貸倒引当金が増えるなどして収益性が低下するケースである。銀行株は金利環境に左右されやすいため、ROEが再び5%割れするような状況になると市場の評価も下がり、PERは6〜8倍まで落ち込む可能性がある。その場合、株価は 900〜1,100円程度 まで調整する展開が想定され、現状から見て下方向リスクも一定程度考慮すべきだと言える。ただし首都圏地盤の安定性が高いため、極端に崩れる可能性は小さい。
総合すると、横浜フィナンシャルグループは“急騰を狙う銘柄”ではなく“安定上昇を狙える堅実株”という位置づけであり、現在値1,228.5円は中期的には妥当〜やや割安水準と言える。大きな上値余地は限定されるが、下値も比較的固く、配当と適度な値上がりを組み合わせた長期保有に向いた銘柄である。
この記事の最終更新日:2025年11月16日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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