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良品計画(7453)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

良品計画とは

良品計画は、「無印良品(MUJI)」ブランドを展開する日本の製造小売企業で、家具・日用品・食品・衣料品など暮らしに必要なあらゆる商品を扱う総合生活ブランドです。本社は東京都文京区にあり、1980年に西友のプライベートブランドとして誕生した「無印良品」が成長し、1989年に分社化されたのが現在の良品計画です。「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」という3つの基本原則を掲げ、シンプルで機能的、かつ価格を抑えた商品を提供し続けています。

事業の柱は幅広く、生活雑貨・家具・収納用品、寝具、キッチン用品、文房具、化粧品などの日用品から、衣料品、食品に至るまで生活分野全般をカバーしています。特に収納用品や家具は「家と暮らしの標準」を掲げ、サイズ展開やデザイン、素材選びに一貫性があるため、他社商品との比較がしやすく、買い足しても生活空間に統一感が生まれる点が特徴です。またレトルトカレーや冷凍食品、菓子などの食品分野は安定した人気を誇り、定番商品として長く愛されています。

無印良品は国内だけでなく海外でも強いブランド力を築いており、特に中国・台湾・香港などアジア圏で大きな人気があります。欧州や北米でも着実に店舗数を増やし、海外売上比率は年々上昇しています。世界中で「MUJI」のシンプルで普遍的なデザインが受け入れられており、同社のグローバル展開を支える大きな要素になっています。

従来の“小売”の枠を超えた事業にも力を入れており、「MUJI HOTEL」「MUJI BASE」などブランド世界観を体験できる施設を展開するほか、住宅やリフォーム事業、キャンプ場の運営、自治体との地域活性化プロジェクトなど、生活全体に寄り添う取り組みが加速しています。近年は「暮らしの相談窓口」や「住空間スタイリングサービス」なども展開し、単なる物販ではなく“暮らしのプラットフォーム企業”へ進化しつつあります。

さらに良品計画はサステナビリティにも積極的で、環境配慮型商品、再生素材の活用、プラスチック削減、フードロス対策など、企業活動全体に環境意識を組み込んでいます。「感じ良い暮らしと社会の実現」を掲げ、環境負荷の少ない社会・地域への貢献を事業の根幹に据えている点も特徴です。

総合すると、良品計画は「シンプルで質が高く、生活に寄り添う商品」を極め続けることで、日本だけでなく世界中で強いブランドとして確立されています。製造小売としてサプライチェーンを内製化し、品質と価格のバランスを追求してきたことで、消費環境が変化しても一定の支持を得られる企業です。今後もグローバル展開や住空間サービスなど新しい領域が成長ドライバーとなり、ブランド価値をさらに高めていくことが期待されています。

良品計画 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
22.8 496,171 32,773 37,214 24,558 46.6 20
23.8 581,412 33,137 36,156 22,052 41.8 20
24.8 661,677 56,135 55,777 41,566 78.6 20
25.8予 776,000 70,000 67,000 47,000 88.6 22
26.8予 810,000 78,000 75,000 53,000 99.9 22〜24

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 56,527 -22,106 -11,232
2024 58,504 -27,654 -23,412
2025 73,355 -40,931 -22,120

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 5.6% 8.3% 4.8%
2024 8.4% 14.1% 8.1%
2025 9.4% 15.3% 9.0% 23.5倍(高値平均)/12.3倍(安値平均) 4.70倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

良品計画の最近のデータを見ると、まず営業利益率が 5.6% → 8.4% → 9.4% と、改善傾向にあります。併せてROEも 8.3% → 14.1% → 15.3% と大きく上昇しており、ROAも 4.8% → 8.1% → 9.0% と改善しています。これらの数値だけを見れば、企業の効率性・収益性はいずれも過去最高水準に近づいており、非常にポジティブに映ります。

特に2024年・2025年にかけて利益率が周囲の期待以上に改善している点は注目できます。無印良品というブランド力、国内外の店舗展開、生活雑貨・衣料・食品といった多様なカテゴリーを持つことが、景気変動の中でも利益を確保できる体制を築いている証です。また海外展開の拡大が、成長ドライバーとして効いているとも考えられます。

株価指標も2025年で PERが高値平均23.5倍/安値平均12.3倍、PBRが4.70倍という数値が出ており、これは「収益性が回復した企業として市場評価が少し上がっている」ことを反映しています。特にROE15.3%という数値と合わせると、PBR4.7倍という価格も“妥当あるいはやや割安”と見ることも可能です。ブランド力と収益改善を考えれば、これだけの数値を出している企業としては、評価余地があると感じます。

ただし、注意点もあります。営業利益率が9.4%と改善したとは言え、前期8.4%からの伸びは小幅であり、国内消費環境の影響を受けやすい小売/製造小売業の宿命が付きまといます。衣料品・雑貨・家具などは消費動向や原材料・物流コスト、円安・円高の為替影響に敏感です。無印良品も例外ではなく、たとえばアジア地域の景況悪化、物流コスト上昇、店舗投資の増加などが逆風になり得ます。

また、PERの“12.3倍という安値平均”という数字からも、市場がこの企業に対して慎重な姿勢を完全には手放していないことが分かります。つまり「収益改善はしているが、完全に安心できる成長軌道に乗った」とまでは市場は判断していないのです。今後も成長を継続していけるのか、ブランドの海外成長が内需鈍化をカバーできるのかが鍵になります。

総合的に判断すると、良品計画は “効率性・収益性が明らかに改善基調にある” 銘柄であり、投資妙味は高い部類に入ります。特に中長期保有で「ブランド力+収益回復+海外展開拡大」の恩恵を受けたいと考えている投資家には、比較的魅力的な選択肢です。一方で、短期での急騰を狙うようなリスクのある銘柄ではなく、「収益改善を確認しながら、じっくり持つタイプ」の銘柄です。

結論として、今は「割高すぎる」という印象はなく、むしろ成長・効率改善が数字として出てきているため、期待が持てる割安〜適正価格水準といえます。もし海外展開やブランド価値維持・コスト管理が順調に進むなら、中長期では株価+配当双方で良好なリターンが期待できます。

配当目的とかどうなの?

良品計画の配当利回りを見ると、26.8期も27.8期も 0.95% という水準で、率直に言えば「配当を目的に買う銘柄ではない」というのが正直なところです。1%を切る利回りでは、配当で資産を増やしていくというスタイルには向きにくく、どちらかといえば“成長企業にありがちな控えめな配当政策”です。

もともと良品計画は、高配当銘柄ではなく、ブランド価値を高めるための投資を優先する企業です。国内外の店舗の拡大や、物流・ITシステムへの投資、商品開発やサプライチェーン全体の改善など、資金を回す先が多く、積極的に設備投資・事業投資を行っています。そのため、利益をどんどん株主に配る企業というより、**「未来の成長のためにしっかり再投資する企業」**という性質が強いです。

ただし、配当を出し渋っているわけではなく、毎年安定して一定額を支払っている点は評価できます。景気が悪いからといって極端に減配したり無配になったりするタイプの企業ではなく、少ないながら“安定配当”を維持するスタンスを明確にしています。これは製造小売業としての財務基盤が比較的しっかりしていることと、ブランドビジネス特有の安定したキャッシュフローが背景にあります。

一方で、利益率や収益性の数字を見ると、ここ数年は明らかに改善基調にあります。営業利益率は 5.6% → 8.4% → 9.4%と伸び、ROEは 8.3% → 14.1% → 15.3%と非常に強い水準に到達しています。この成長性を考えると、配当で稼ぐというよりは、企業価値の向上に期待して株価の上昇と少額配当を合わせて総合的なリターンを狙う銘柄と言えます。

つまり良品計画は、「配当で生活を支える」といった投資スタイルでは向きませんが、「ブランドの強さと成長性に賭けたい」「安定した企業を中長期で持ちたい」といった投資家には向いているタイプです。配当金自体は控えめですが、事業の安定性や利益率改善のスピードを見れば、今後の株価上昇によるキャピタルゲインの期待も十分狙えるポジションにあります。

総合すると、良品計画は “配当目的というより、成長+安定配当でトータルリターンを狙う銘柄” といった評価がしっくりきます。

今後の値動き予想!!(5年間)

良品計画の今後5年間の株価を考えると、まず前提として「無印良品」というブランドが非常に強く、国内外で一定の支持を得ている点は大きな安心材料になります。店舗数の拡大や海外売上の増加も順調で、特にアジア圏での市場浸透は今後も伸びる余地があります。一方で、小売・製造小売という業態上、景気や原材料費、為替などの外部要因の影響を受けやすい側面もあります。そうしたプラスとマイナスを踏まえて、良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考えるのが現実的です。

まず「良い場合」ですが、これはブランド力がさらに強まり、海外展開が順調に進み、利益率の改善が続いたケースです。最近は営業利益率やROEがしっかり上がってきており、この流れが継続するのであれば、株価は上方向に評価されやすくなります。もし10%前後の利益率を維持し、アジアでの需要がさらに高まれば、5年後には株価が4,000〜4,800円くらいまで上昇しても不思議ではありません。ブランド力が業績を押し上げ、企業価値全体が引き上がるイメージです。

中間シナリオでは、業績は堅調ながらも急拡大まではいかず、現状の収益性を保ちながら緩やかに成長していくケースです。日本国内の消費がそこまで大きく伸びない一方で、海外需要が一定の底支えをし、総合的には堅実な推移を見せるという状態です。この場合は、株価は3,200〜3,700円あたりを中心にじわじわと上昇していくイメージで、極端に上にも下にも動きにくいレンジが続くと言えます。

悪い場合は、海外景気の悪化や原材料・物流コストの上昇、競争激化などの影響が重なり、利益率が低下してしまうパターンです。無印良品は固定費もある程度かかる業態のため、売上が伸び悩むと営業利益率が下がりやすい面があります。もし経済環境の悪化が重なり収益性が鈍化してしまうと、株価は2,200〜2,600円あたりまで下落する可能性も考えられます。ただ、ブランド力が強いため急落して戻らないようなタイプではなく、下がっても一定ラインで買いが入りやすい企業です。

総合して言えるのは、良品計画は「高成長で一気に株価5倍」といった銘柄ではなく、ブランドの安定性と事業の堅実さをベースに、中長期で穏やかに価値が伸びていくタイプの企業だということです。配当こそ低いものの、事業の安定性や収益改善の兆しが出ていることから、長期保有との相性は悪くありません。5年間で見ると、極端に悲観すべき点は少なく、むしろ業績次第ではじわじわと株価が評価される余地のある銘柄という印象です。

この記事の最終更新日:2025年11月17日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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