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SUBARU(7270)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

SUBARUとは

SUBARU株式会社は、東京都渋谷区に本社を置く日本の自動車メーカーで、独自の技術力を武器に世界中でファンを持つ企業です。旧社名は富士重工業で、航空機メーカーとしてスタートした歴史を持ちます。その名残として、現在でも航空宇宙事業を展開しており、自動車メーカーでありながら航空機分野の技術も持つ数少ない企業です。

SUBARUの最大の特徴は、水平対向エンジン(ボクサーエンジン)とシンメトリカルAWD(四輪駆動)に代表される「走行性能の高さ」です。重心が低い構造による安定した走りや、雪道などの悪路でも高い走破性を発揮するAWD技術は、同社の強みとして世界で高く評価されています。北米市場では特に人気が高く、SUV・クロスオーバー車を中心に安定した販売を続けています。

自動車事業が会社の主力で、レガシィ、フォレスター、アウトバック、インプレッサ、レヴォーグ、XV、BRZなど数多くの人気モデルを展開しています。とくに北米市場での売上が非常に大きく、SUBARUの世界販売の約6割以上を占めるまでになっています。北米の需要に合わせて大型SUVやアウトドア志向のモデルに力を入れており、この方向性が成功し収益に大きく貢献しています。

また、安全技術にも強みがあり、「アイサイト」に代表される運転支援システムは業界でも高い評価を得ています。ステレオカメラによる認識技術を早くから採用し、安全性を重視するブランドとして強固なイメージを確立しています。近年はEVやハイブリッドなど電動化にも取り組んでおり、トヨタとの協業により電動化戦略を加速させています。

自動車以外では航空宇宙事業を展開しており、自衛隊向けのヘリコプターやボーイングの民間航空機の部品製造などを手がけています。自動車に次ぐ収益源ではあるものの、技術力の高さから存在感の強い分野となっています。

SUBARUは、独自技術・安全性能・北米市場での強さという3つの軸に支えられたメーカーであり、他社にはない特色とファン層を持つ企業です。走行性能にこだわるユーザーからの支持も厚く、グローバル市場で安定したポジションを維持しています。

SUBARU 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
23.3 3,774,468 267,483 278,366 200,431 261.3 76
24.3 4,702,947 468,198 532,574 385,084 509.2 106
25.3 4,685,763 405,308 448,507 338,062 458.0 115
26.3予 4,600,000 200,000 230,000 160,000 225.3 115

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 503,759 -336,813 -122,307
2024 767,665 -703,699 -66,469
2025 492,136 -404,077 -187,320

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 7.0% 9.5% 5.0%
2024 9.9% 15.0% 7.9%
2025 8.6% 12.4% 6.6% 8.4倍(高値平均)/5.1倍(安値平均) 0.91倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

SUBARUの直近3年間の業績を見ると、売上の伸びと利益率の改善が進む一方で、25.3期から26.3期予にかけて利益が一度落ち着く見通しとなっており、「攻めと調整が混ざった状態」に入っていることが分かります。まず営業利益は 2,674億円 → 4,682億円 → 4,053億円 と2024年に大きく伸び、2025年はやや減少していますが、それでもコロナ禍前を大きく上回る水準を維持しています。営業利益率も 7.0% → 9.9% → 8.6% と全体としては高いレンジを維持しており、SUBARUの得意とする北米市場でのSUV需要の強さが利益に大きく寄与していることがうかがえます。

経常利益・純利益も同様の流れで、2024年にピークを迎えた後、2025年に一服する形になっていますが、これは北米市場の調整や為替(特に円高方向の反動リスク)の影響が考えられます。それでも純利益は 2,004億円 → 3,851億円 → 3,381億円 と非常に高い水準を維持しており、本業の稼ぐ力自体は十分に強い状態です。

株主資本の効率性を見るROEは 9.5% → 15.0% → 12.4% と直近3年で明確に向上しています。特に2024年の15%という数値は、自動車メーカーとしては非常に高水準であり、効率的に利益を生み出す状態だったことが分かります。2025年にやや低下しても依然として10%台を維持している点は評価できます。ROAも 5.0% → 7.9% → 6.6% と高く、SUBARUが規模の大きな自動車メーカーではないにもかかわらず、十分な収益体質を持っていることが示されています。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均 8.4倍、安値平均 5.1倍となっており、かなり割安な評価となっています。自動車セクターは全体的に低PERになりやすい傾向がありますが、その中でもSUBARUは特に割安感が強い状態で、利益水準が維持されるなら株価の評価余地は大きいと言えます。PBRも 0.91倍 と1倍を下回っており、解散価値すら下回る評価になっているため、市場が未来の利益成長にやや慎重になっていることが読み取れます。

総合すると、SUBARUは 収益性は高いが業績の波がやや大きめのメーカー で、2024年に大幅な増益を記録した反動で2025年以降は調整に入っています。しかし利益水準そのものは高く、ROE・ROAなど効率性の指標も優秀なため、本質的には収益力の強い企業です。市場が「一時的な減益見通し」に過剰反応して株価を割安に評価している可能性が高く、中長期目線では魅力的な水準にあると考えられます。

リスクとしては北米市場への依存度が高い点、為替による収益変動が大きい点がありますが、一方でアイサイトを中心とした安全技術、SUV需要の根強さ、トヨタとの協業による電動化の加速など、将来の利益を支える要素も多くあります。

結論として、短期的には値動きが荒くなる局面があるものの、中長期で見ると割安かつ利益基盤が強く、良質なバリュー株としての魅力が高い銘柄 と言えます。「派手さはないが地力が強いタイプ」で、安定した収益体質が定着しているため長期保有と相性の良い企業です。

配当目的とかどうなの?

SUBARUを配当目的で見たとき、まず目につくのが予想配当利回り(2026・2027年度) 3.31% という数字です。日本株の中では決して派手ではありませんが、安定した自動車メーカーとしては十分魅力的で、配当収入を重視する投資家にとっても検討する価値がある水準です。特にSUBARUは業績の波こそ少し大きいものの、ここ数年の利益水準はかなり高く、直近の純利益も数千億円規模で推移しています。安定して利益が出ている会社は配当の源泉がしっかりしているため、減配リスクが低く、長期保有の安心感があります。

またSUBARUは北米市場の比率が非常に高く、SUVやクロスオーバー車の人気が根強いことから、収益の柱が揺らぎにくい体質になっています。さらに自社の大きな強みである運転支援システム「アイサイト」も安全性の高さで評価されており、ブランド力・価格競争力の両面で強みがあります。こうした“安定して稼げる基盤”がある企業は、配当の持続性という観点でも安心材料になります。

利回り3.31%というのは高配当株ほどのインパクトはありませんが、「無理のない範囲でしっかり配当を出すタイプの企業」であり、実際にここ数年は配当額も着実に増えてきています。極端に増配するタイプではないものの、業績に合わせて自然に配当が切り上がる傾向があり、長く持ってじわじわ受け取るスタイルと相性が良い銘柄です。

また、トヨタとの協業による電動化対応も進んでおり、長期的には事業の安定性が高まる可能性があります。自動車業界は競争が激しいものの、SUBARUは“他社にはない明確な個性”を持っているため、顧客の固定ファンも強く、これもまた配当の安定に寄与する要素になります。

総合的に見ると、SUBARUは「利回りはそこそこ高く、業績も安定していて、長期で保有すれば配当をしっかり受け取れるタイプ」という位置づけになります。短期間で大きな配当を狙う銘柄ではありませんが、長期の資産形成の中で安定収入を得たい投資家にとっては、非常に相性の良い企業だと言えます。

今後の値動き予想!!(5年間)

SUBARUの現在値は3,464.0円ですが、直近の業績推移を見ると、売上は順調に拡大しながらも、利益は24.3期でピークをつけて25.3期以降はやや調整に入る見通しです。営業利益率は一時9.9%まで上がり、現在も8%台を維持しているため、収益性は決して弱くありません。北米市場の強さ、SUV需要、アイサイトのブランド力などがあり、長期では安定感のある企業です。こうした前提から、5年間の株価動きを3つのシナリオに分けて考えることができます。

まず 良い場合 ですが、これは北米市場でのSUV需要が高止まりし、為替も円安方向の追い風を受け、営業利益が再び上向くパターンです。26.3期で一度落ち込む利益も、その後持ち直す形で推移すれば、投資家の評価も改善しやすくなります。このケースでは株価が 4,200円〜5,000円 程度まで上昇する可能性があり、現在値から見て 20〜45%程度の上昇 が期待できます。大きく跳ねるタイプの銘柄ではありませんが、安定成長シナリオでは堅実に上がる流れです。

次に 中間ケース ですが、これは最も現実的なパターンです。北米は堅調だが急成長ではなく、為替も中立的で、営業利益率は8%前後を推移し、純利益も大きくは崩れない状況です。この場合、株価は 3,700円〜4,200円 のレンジで推移しやすく、現在値から 10%前後の上昇〜横ばい を想定するのが妥当です。派手さはありませんが、「安定した企業をゆっくり育てる」という位置づけになります。

最後に 悪い場合 ですが、北米市場の調整や景気減速、為替の円高、原材料高などの複合的なマイナスが重なるケースです。SUBARUは北米依存度が高いため、景気悪化や金利高の影響が直撃しやすい点がリスクになります。この場合、株価は 2,700円〜3,100円 程度まで下落する可能性があります。現在値から見ると 10〜20%程度の下落 です。ただしSUBARUは財務内容が強く、赤字転落するような企業ではないため、暴落して戻らないタイプではなく、下がっても長期では持ち直す可能性が高い銘柄です。

総合すると、SUBARUは大きく跳ねる成長株というより、堅実な収益を上げるメーカーのため、株価は業績の波に合わせて上下しながらも、長期ではじわじわと上昇していきやすいタイプと言えます。良い時はしっかり伸び、悪い時も落ちすぎないという特徴があり、比較的安定した値動きを見せる傾向があります。

この記事の最終更新日:2025年11月17日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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