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ソフトバンク(9434)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想


株価

ソフトバンクとは

ソフトバンク株式会社は、日本国内の通信インフラを担う大手通信事業者であり、携帯電話、固定通信、インターネットサービスを基盤としながら、AI、IoT、クラウド、スマートシティ、デジタル金融など多方面に事業を広げている企業だ。親会社はソフトバンクグループで、同グループの豊富な資本力と技術への投資基盤を背景に、通信会社の枠を超えた「総合デジタル企業」へと進化を続けている。

通信事業では、SoftBank・Y!mobile・LINEMO の三つのブランドを展開し、幅広いユーザー層を獲得。5G基地局の整備、通信品質の向上、オンライン専用プランの投入など、競争が激しい国内市場の中でも高いシェアを維持している。また、光回線、Wi-Fiサービス、端末販売、アフターサポートなど、個人の日常生活に密着した通信サービスを総合的に提供している。

法人向け事業においても、ソフトバンクの存在感は非常に大きい。企業向けネットワーク、クラウド、セキュリティ、データセンター、IoTプラットフォーム、業務改善ソリューションなど、デジタル化が進む企業活動を支える多様なサービスを提供している。特にIoT領域では、工場のスマート化、物流最適化、遠隔監視、多拠点ネットワーク管理など、導入ケースが年々増えており、企業のDXを牽引している。

さらに、ソフトバンクの強みは、通信事業だけにとどまらず、巨大なインターネット経済圏をグループ内に持っている点だ。傘下のLY Corporation(旧Zホールディングス)には、Yahoo! JAPANとLINEの両プラットフォームが統合されており、日本国内では圧倒的なユーザー基盤を確保している。検索、ニュース、EC、広告、SNS、スタンプ、決済、金融など多彩なサービスを持ち、デジタル広告やEC分野で高い利益を上げる。

また、キャッシュレス決済の「PayPay」は全国的に普及しており、加盟店数や決済取扱高も拡大している。通信・ネット・決済を一体化した“圧倒的なデジタルエコシステム”を構築している点は、他の通信キャリアにはないソフトバンク独自の強みと言える。

新規領域でも積極的だ。AI開発の支援、自動運転のレベル4実証、スマートシティ計画、衛星通信OneWebとの連携、ドローン管制、デジタルツインなど、次世代インフラに関わる先端プロジェクトが進行している。通信インフラ事業者としての安定性を持ちながら、新領域で収益柱を増やしていく戦略が見えている。

総じてソフトバンクは、携帯会社としての収益基盤を強固に持ちながら、IT・AI・インターネットサービス・金融など多方面で“通信とデジタル経済の中心”となることを目指す企業であり、通信インフラの提供だけでなく、生活・ビジネス・行政のデジタル化を支える大規模プラットフォーマーとしての役割を年々強めている。

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直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) EPS(円) 1株配当(円)
連23.3* 5,911,999 1,060,168 862,868 531,366 11.3 8.6
連24.3* 6,084,002 876,068 805,912 489,074 10.3 8.6
連25.3* 6,544,349 989,016 880,057 526,133 11.0 8.6
連26.3予 6,800,000 1,000,000 900,000 540,000 11.3 8.6

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位:百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023年 1,155,750 -154,773 -495,260
2024年 1,239,689 -927,607 -357,098
2025年 1,367,871 -995,183 -956,429

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算年 営業利益率 ROE ROA PER(高値/安値) PBR
2023年 17.9% 23.8% 3.6%
2024年 14.3% 20.5% 3.1%
2025年 15.1% 19.1% 3.2% 18.0倍/14.3倍 4.30倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ソフトバンクの直近の決算データを見ると、この企業が「通信事業の安定性を軸にしつつ、利益水準をきっちり維持している銘柄」であることがよく分かる。売上高は23.3期の約5.9兆円から25.3期に6.5兆円まで増加し、26.3期も6.8兆円が予想されており、毎年確実にトップラインが伸びている。国内通信市場は成熟しているものの、法人向けのDX需要やPayPay経済圏の拡大など、複数の成長ドライバーがあるため、売上が安定的に積み上がっている印象だ。

利益面でも、営業利益は23.3期の1兆601億円から25.3期は9,890億円と、1兆円前後をほぼ維持。26.3予想では1兆円の大台を守っており、景気変動に強い“安定収益企業”としての特徴がはっきり出ている。経常利益や純利益も、若干の上下はあるものの大きく崩れず、EPSも10〜11円台で安定している。配当は8.6円で固定されており、減配リスクが極めて小さいことも強みだ。

収益性指標を見ても、営業利益率は14〜17%台で推移し、通信企業としては標準よりやや高め。ROEは19〜23%台と非常に高く、資本効率は国内大企業の中でもトップクラスだ。ROAも3%前後で安定しており、資産を効率よく使って利益を出している企業だと言える。

一方で、株価バリュエーション(PER・PBR)を見ると、割安とは言いにくい。実績PERは高値18倍/安値14倍、PBRは4.3倍と、典型的な高配当通信株の中では割高水準に位置している。つまり利回りはそこまで高くないが、利益安定性への評価が株価にすでに織り込まれている形だ。ただし、これらは「成長ストーリーをある程度評価されている」という意味でもあり、LINE・Yahoo・PayPay経済圏を抱えている点がプレミアムとして効いているとも解釈できる。

総合的に見ると、ソフトバンクは“値動きが大きくない安定型の大型株”で、短期で急騰を狙うような銘柄ではない。しかし、業績のブレが極めて小さく、通信+デジタル経済圏という強固なビジネスモデルを持つため、中長期ではじわじわ資産を積み上げたい投資家には相性が良い。特にROEの高さや利益の安定性は評価ポイントで、今後のAI投資や法人DX需要の増加も追い風になりやすい。

株価は割高寄りだが“安定収益+徐々に成長”という通信企業の中では強いポジションを保っているため、ポートフォリオのディフェンス枠としては十分候補に入る銘柄と言えるだろう。

配当目的とかどうなの?

ソフトバンクを配当目的で見た場合、この銘柄は「安定配当を長期で受け取りたい人向けの大型株」という評価になる。予想配当利回りは26.3期で3.68%、27.3期もほぼ横ばいの3.68%が見込まれており、利回りとしては国内大型株の中では“標準よりやや高め”の位置づけだ。決して高配当株というほどの数字ではないが、安定性という観点ではかなり強い。

この会社の特徴は、とにかく利益がブレにくく、配当を維持しやすい体質にある。通信事業は景気の影響を受けにくく、契約者数・通信料・付帯サービスなどがストック収益として積み上がるため、配当の原資となるキャッシュフローが非常に安定している。実際、営業CFは毎年1兆円を超えており、企業としての“現金を生む力”が大きい。

配当政策も明快で、1株配当は8.6円で固定され、減配リスクはかなり小さい。 通信大手は減配に厳しい目が向けられるため、会社側も配当維持に非常に強い意識を持っており、株主還元を重視する姿勢が明確に出ている。

ただし注意点もある。ソフトバンク株はPBR4倍台・PER14〜18倍と割高寄りに推移することが多く、株価自体が大きく上がりづらい傾向がある。つまり「株価の値上がり益+高配当」を同時に狙うタイプではなく“株価は横ばい気味でもいいから、安定配当をもらい続けたい”という投資家向けの銘柄だと言える。

PayPay経済圏の成長や法人DXの拡大など、業績の押し上げ要因はあるものの、配当そのものは連続増配のタイプではなく“安定的な横ばい配当”に近い。したがって、毎年一定額の配当収入を確保したい人には向く一方で、増配により配当利回りを年々高めたい人には少し物足りない可能性がある。

総合すると、ソフトバンクは配当目的としては「安定感が非常に強く、毎年しっかり配当を受け取りたい人向け」の銘柄であり、減配リスクが低いことが最大の魅力だ。一方で株価の大きな成長は期待しにくく、値上がり益より配当収入を重視する人にマッチするタイプといえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

ソフトバンクの株価は、典型的な“安定型通信株”として大きく上にも下にも振れにくいという特徴がある。そのため5年間の株価予想を考える際も、急騰するシナリオは描きにくい一方、利益が安定しているため大きく崩れていく可能性も低い。現在値233.6円を基準にして、事業環境や利益トレンド、PERの水準を踏まえて将来像を整理すると、良い場合・中間・悪い場合で比較的現実的な3つのラインが見えてくる。

まず“良い場合”のシナリオでは、法人向けDX需要が堅調に伸び、通信事業の利益も安定。今年度は営業利益1兆円クラスを継続しており、5G関連の投資負担がピークアウトしてくるタイミングでもある。ここに、PayPay経済圏の黒字化定着とYahoo! JAPAN・LINE統合の効率化がじわじわ数字に反映されてくれば、利益成長が再評価され、PER15〜18倍のレンジが視野に入る。そうなると株価は270〜310円前後までじりじりと切り上がるイメージで、急騰こそしないが“安定企業の株価が素直に評価される”パターンといえる。

次に“中間シナリオ”では、現在の事業構造をそのまま延長したような状態が続くケースだ。通信事業は横ばい〜微増、PayPayは黒字維持、ヤフー・LINEは大きな成長はないがプラットフォームとしての存在感は保つ。利益はほぼ現状維持で、EPS10〜11円台、配当8.6円をキープする安定企業の姿が続くだろう。この場合、株価は現在の評価とほぼ同じ水準で推移する可能性が高く、230〜260円のレンジが中心となる。通信株らしい、値動きは小さいが安心感のある推移だ。

一方、“悪い場合”は競争激化や国内景気の後退、PayPayの成長鈍化など複数のマイナス要因が重なり、利益がやや縮むケース。とはいえ通信収益は不況に強いため急減する可能性は低く、配当も固定制のため大きな減配は想定しにくい。ただしPERが下がり、株価が見直されにくくなる可能性はある。その場合は190〜215円のゾーンまで下振れるリスクがあるが、そこでは配当利回りが4%台に達し、逆に長期の買い場として意識される可能性も高い。

総じてソフトバンクは「急騰も急落も起こりにくい大型安定株」で、長期的には横ばい〜緩やかな右肩上がりが基本線となる。魅力は値動きの激しさよりも、利益と配当が揺れにくい点にあり、配当を受け取りながらじっくり保有するタイプの投資家と相性の良い銘柄だ。株価の大幅な伸びを狙うより、安定したキャッシュフローや通信+デジタル経済圏の継続性を重視する長期投資の視点が合う企業と言える。

この記事の最終更新日:2025年11月23日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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