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ピーエス・コンストラクション(1871)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ピーエス・コンストラクションとは

ピーエス・コンストラクションは、プレストレストコンクリート(PC)工法をコア技術として発展してきたインフラ系の建設会社で、日本の橋梁分野を長年支えてきた企業。とくにPC橋梁の設計・施工では国内トップクラスの実績を誇り、都市高速道路の高架橋、長大橋、鉄道橋など、一般的なゼネコンでも難度が高いとされる構造物を数多く手がけてきた歴史がある。PC工法は、鉄筋コンクリートに圧縮力をかけて高強度化する技術で、長スパンや曲線構造、重量物を支える橋梁などに向いており、同社はこの分野で専門性を極めてきたことが大きな強みとなっている。

事業の柱は土木工事で、とくに橋梁工事の比率が極めて高い。高速道路や都市高速、地方の幹線道路の橋梁工事に加え、鉄道の高架化、空港の滑走路、港湾関連の大型構造物など、公共インフラ色が非常に強い。インフラ老朽化が深刻化している日本では、補修・補強ニーズが毎年増加しており、同社も既存橋梁の耐震補強や長寿命化工事に積極的に関与している。新設橋梁の需要が一巡した現在、補修・補強マーケットは長期成長分野とされており、同社の安定収益源として期待されている。

また、建築事業ではマンションやオフィスビル、倉庫、医療施設、物流拠点など幅広い案件を手がけているものの、売上の主軸はやはり土木が中心。建築分野でもPC技術を活かした高耐久構造の提供が可能なため、災害対策や耐震性が求められる施設建設では競争力が高い。建築工事は景気変動の影響も受けやすいが、土木と合わせることで事業のリスク分散にも寄与している。

同社は海外にも展開しており、アジア圏を中心に橋梁や道路インフラの施工実績を積み上げている。日本のPC工法は品質の高さから海外でも一定の評価を得ており、コスト・技術力の両立を武器に受注拡大を図っている。ただし海外事業は為替や治安リスクもあるため、全体売上のバランスを見ながら慎重に規模拡大を進めている印象が強い。

ピーエス・コンストラクションの特徴として“大型・高難度インフラに強い専門系ゼネコン”という立ち位置が大きい。売上規模自体はスーパーゼネコンほど大きくはないが、PC橋梁の専門性、公共インフラの安定需要、補修・補強需要の増加といった追い風があり、地味ながら堅実なビジネスモデルが形成されている。日本のインフラが大規模更新フェーズに入っていることを考えると、中長期で一定の工事需要を享受できるポジションにある企業といえる。

ピーエス・コンストラクション 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益EPS(円) 一株配当(円)
連23.3 109,327 5,715 5,629 3,790 81.4 33
連24.3 129,294 7,827 7,743 5,054 108.6 44
連25.3 135,627 12,315 12,252 8,217 175.9 72
連26.3予 142,000 9,500 9,400 6,200 132.6 80
連27.3予 146,000 10,000 9,900 6,600 141.2 80〜85

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 -16,708 -1,956 18,060
2024 15,944 -1,918 -12,219
2025 15,952 -807 -4,206

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 5.2% 7.9% 3.2%
2024 6.0% 9.6% 4.1%
2025 9.0% 14.1% 6.2% 高値平均:9.2倍
安値平均:5.8倍
1.74倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ピーエス・コンストラクションの直近の業績推移を見ると、まず売上と利益がここ3年でしっかり積み上がってきているのがよく分かる。売上は1093億円から1292億円、さらに1356億円へと順調に伸びており、営業利益・経常利益・純利益も同じく右肩上がりで増加している。とくに連25.3は営業利益123.1億円、純利益82.1億円という高水準で、採算改善が明確に進んでいることがうかがえる。EPSも81.4円、108.6円、175.9円と大きく伸びており、会社の稼ぐ力の強化がはっきり見えている。

利益率の改善も顕著で、営業利益率は5.2%、6.0%、9.0%へと大幅に上昇している。インフラ系の建設会社で営業利益率9%台はかなり高い部類で、PC工法を中心とした高採算案件の比率が増えていることや、大型案件の収益性向上が背景にあると考えられる。ROEも7.9%から9.6%、14.1%へと改善し、資本効率が大幅に高まっている点は投資家にとって評価ポイントになる。ROAも3.2%、4.1%、6.2%と総資産を使った利益創出の効率が年々改善しており、企業全体の収益システムが強化されていることが分かる。

一方で連26.3予では営業利益123.1億円が95億円へ、純利益82.1億円が62億円へと減益予想が出ており、ここは一時的な調整局面と見られる。ただし売上自体は1356億円から1420億円へ増えているため、採算の揺れや案件ミックスによる一過性の影響という可能性が高い。EPSも175.9円から132.6円へ低下するが、過去と比べると依然として高い水準を維持している。

バリュエーションを見ると、実績PERは高値平均9.2倍、安値平均5.8倍となっており、建設セクターとしては割安といえる水準にある。PBRは1.74倍と多少高めにも見えるが、ROEが14%台と非常に高水準であることを踏まえれば、成長が評価されている段階とも解釈できる。

総合すると、ピーエス・コンストラクションは過去3年間で収益力が大幅に改善し、営業利益率、ROE、ROAがまとめて上昇している点が強みとなる。連26.3での調整はあるものの、中長期的なインフラ補修・補強需要の増加を背景に、PC工法の専門性を武器にした堅実な成長が続く可能性が高い。

派手な株価上昇を狙うタイプではないが、現在の割安なPERと安定的なインフラ需要を踏まえると、中期でのインカムと着実な株価上昇を同時に狙える堅実な銘柄といえる。利益率の改善傾向が継続すれば、再びEPSが伸びて株価が評価される展開も十分あり得る。

配当目的とかどうなの?

ピーエス・コンストラクションの予想配当利回りは、連26.3で3.56%、連27.3でも3.56%と、建設セクターの中では比較的しっかりした利回り水準に位置している。配当利回り3.5%台というのは、銀行や商社ほど高くはないが、東証プライム全体で見ると中堅レベル以上の利回りで、インフラ系の安定事業を背景にした継続性のある配当が期待できる位置づけといえる。

同社の場合、ここ数年で業績が明確に改善しており、利益の積み上がりによって配当額も自然に増えてきている。EPSも3年間で大きく伸びているため、配当余力自体はしっかりしており、無理に配当を出しているという印象はない。建設セクターは景気の影響を受けやすいイメージがあるものの、同社はインフラ補修やPC工法による橋梁関連など、需要のぶれが比較的小さい領域に強みがあるため、配当の安定度は一般的なゼネコンより高めと考えられる。

連26.3では一時的に利益が調整するが、それでも配当は80円が維持される見通しで、利回りも3.5%台をキープしている。連27.3でも同じ利回りが続くことを考えると、企業側としては安定的に配当を出し続ける意思がある程度はっきり見える。業績の上振れがあれば増配の余地も出てくるため、長期保有でのインカムゲインを狙うには悪くない銘柄といえる。

総合すると、高配当株と呼べるほどの利回りではないが、安定収益を背景にした「無理のない配当」を中長期で受け取りたい投資家には向いている印象。業績の安定性と配当余力を両立しているため、配当目的としては十分選択肢に入る銘柄といえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

ピーエス・コンストラクションは派手さはないけれど着実に数字を積み上げてきたタイプの建設株で今の株価2,244円という水準は、ここ数年の業績改善を考えると「割安よりの中立」という位置にいるように見える。橋梁やPC工法に特化している会社なので、大型案件のあるなしで利益がある程度上下するのはいつものことだが、日本のインフラ老朽化が一斉に進んでいる時期でもあり、長い目で見ると需要がなくなる心配はほとんどない。道路や橋をメンテナンスしない国はないし、しかも日本は高度成長期に作ったインフラが更新期に入ってきているので、この会社のような専門系ゼネコンは今後も働く場がしっかりある。

一方で建設業界全体の課題として、資材価格の高騰や人件費上昇が続いているため、利益率を維持し続けられるかどうかは5年スパンでも重要なポイントになる。直近は営業利益率が9%まで改善し、純利益も80億円を超えるほど強く、ここ数年の中ではかなり収益性が高まった状態にある。でも来期予想では採算が一旦落ちる見通しが出ていて、これを市場がどう受け止めるかが短期の焦点になっている。

ただ、それでも配当利回りは3.5%台と安定しており、資金を置いておく場所としては悪くない。株価が大きく崩れにくいタイプでもあるので、長期でじっくり持つ投資家にとっては、そのあたりが安心材料になっていると思う。

5年間の値動きを考えると、まず良いシナリオでは、補修需要がさらに強まり受注残が積み上がり、利益率も8%台〜9%台を維持できるような展開になる。この状態が続けば、業界平均より高いROEが評価されてPERも8〜9倍に戻りやすく、株価は3,000円台前半から3,400円あたりまで十分に狙える。大型案件取得が重なれば3,500円も見えてくるが、これはやや強気の見方になる。

一方で最も現実的な「中間シナリオ」では、売上は伸びても利益率は年によって上下しながら全体としては横ばいか少し上向く程度に落ち着く。この場合はPERが7倍前後で安定し、株価は2,500円から2,900円あたりの居心地が良くなる。急激に跳ねる理由はないものの、じわじわと再評価される可能性はあるし、利回りも安定しているので、配当をもらいながらゆっくり株価が上がるようなイメージに近い。

逆に悪いシナリオとしては、資材や人件費の高騰が長引いたり、採算の悪い案件が増えて利益率が下がり続けるケース。建設株はこういう時に評価がガクッと落ちてPER5倍台に放置されることも珍しくないので、その場合は株価が1,700円から2,000円あたりまで沈む可能性がある。ただしこの会社の場合、大赤字になるような危険性は低いので、極端に崩れ続けるような展開は考えにくい。

総合すると、ピーエス・コンストラクションは、上にも下にも極端に振れにくく、じっくり配当をもらいながら中期での株価上昇を狙うにはちょうど良い銘柄に見える。良い流れなら3,000円台、中間なら2,500〜2,900円、悪くても2,000円前後で踏ん張る。大きく儲ける銘柄ではないが、長く付き合えば着実にリターンを積み上げてくれるタイプの会社だと思う。

この記事の最終更新日:2025年11月24日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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